俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政

文字の大きさ
101 / 354
第3章『決戦の北海道と、最強の召喚士シーヴィー/吸血鬼ココア・ガールハント・ヒアリング3世の章』

第95話 ココア姉妹VS甘言のシーヴィー(1)

しおりを挟む
 シーヴィーを追う、ココアとリョクチャの召喚獣姉妹。

 身体能力を上げるスキル《ジンバーロック》を使ってるリョクチャは、物凄い勢いで駆け抜けていく。
 シーヴィーが逃げた先は赤い床の通路で、通路を抜けた奥の部屋に二丁拳銃を構えるシーヴィーの姿が見えた。

「(けん、じゅう……?)」

 なんで拳銃を構えてるのかとリョクチャが思っていたら、シーヴィーが銃の引き金を引いているのが見えた。
 引き金が引かれ、銃口から禍々しい紫色のビームエネルギーが放たれていた。

「【ししいか】!!」
「なんじゃ、その単語?!」

 向かって来る禍々しい紫のエネルギーに対し、リョクチャは咄嗟に書きやすい文字を宙に描く。
 意味はこの際どうでも良い、大切なのはそれをエネルギーとして具現化し、ビームエネルギーを防ぐ事だから。

 ----ドゴォォォォォンッッ!!

 大きな爆破音と共に、ココアとリョクチャは風で押し戻される。

「リョクチャ?! なにが起きたんじゃ?!」
「妾お姉ちゃん、"てんてき"です!!」
「分かったのじゃ! "見敵けんてき"じゃな!」

 と、米俵のようにかつがれていたココアが肩から降り、魔法を2つ構える。
 リョクチャもココアの真似をして、同じように、先が龍の尻尾のようになっている杖を構えていた。

「ぬぬっ?! この杖、ひらひらしてて、扱い辛いぬっ?!」
「リョクチャ、それはお主が召喚した際に出てきた杖じゃろう?!」


「アホみたいな漫才コントをしに来たのなら、倒しちゃいますよ? 喰らえ、"召喚銃サモンショット"!!」


 そう言い、シーヴィーは身構えている拳銃の引き金を引く。
 そうすると共に、拳銃から禍々しい紫のエネルギーが放たれる。

「また来たっ?!」
「なるほど、これじゃな!!」

 と、ココアは構えていた2つの魔法を1つに合わせると、鏡のような魔法を生み出す。
 生み出された鏡はキランっと光ると共に、構えていた禍々しい紫のエネルギーを吸収していく。

「2つを1つにして強力な力を生み出すのは、そっちの専売特許だけじゃないわい! これぞ、合成魔法の《ミラーシールド》じゃ!!」
「へぇ、凄いねラブホちゃん。でも、いつまで持つかなぁ?」

 2つの異なる魔法を、【妖狐】の力によって調整して合成した、普通の魔法よりも強力な合成魔法。
 そんな合成魔法という強力な魔法でも、シーヴィーの銃から放たれる禍々しい紫のエネルギーを、受け止めきれない。
 どんどん、魔法で生み出した鏡の盾が割れ始め、止められなかったエネルギーの一部が漏れ出している。

「むむっ……!! 強いエネルギーなのじゃ!!」
「妾お姉ちゃん、私も----って、うぐぐっ?!!」

 ココアが魔法を2つ重ねてガードして、それが破られそうなのを見て、リョクチャも文字を書いて手伝おうとする。
 しかし、その前にリョクチャの身体は、腰が砕けたかのようにその場に座り込んでしまっていた。

「リョクチャ!!」
「だいじょーぶ、妾お姉ちゃん!! すぐだいじょーぶになるぬ!」
「(スキル《ジンバーロック》の効果が切れたんじゃな……)」

 と、ココアはそう判断した。

 彼女が持つ固有スキル《ジンバーロック》は攻撃力や防御力など複数のステータスを2段階上げる事が出来るという強力な力ではあるが、その分、反動も大きいスキルだと、ココアは考えていた。
 だから、リョクチャが座り込んだのも、その影響なのだと。

「妹の前ならばっ!! お姉ちゃんならばっ!!」

 どっせーいっ!!

 自分でも思っても見ないような、火事場の馬鹿力で、鏡の盾を放り投げるココア。
 放り投げられた鏡の盾はその直後に爆破し、こちらに向かっていた残りの紫のエネルギーを吹き飛ばしていた。

「へぇ~、やるねぇ」

 ぽいっと、用済みになったかのように二丁拳銃を捨てるシーヴィー。
 けれども、また別の二丁拳銃を、虚空から召喚して手に持っていた。

「説明すると、この二丁拳銃の名前は【召喚銃サモンショット】。この甘言のシーヴィーの切札と言っても良い武器さ。
 この二丁拳銃は弾丸が1発しか入らない、その理由はこの銃が【融合召喚】をしてるから」

 クルクルッと、二丁拳銃を回転させるシーヴィー。
 その回転中、ココアは拳銃の中の音を集中して聞いていた。

「(液体……2種類の液体が入っておる? それに【融合召喚】ってことは、まさか?!)」
「おっ、その顔は気付いてくれたようだね! 流石はラブホちゃん!」
「まさか、その拳銃には、妾達の同胞----つまりは2種類の召喚獣が入っておるのか!?」

 「正解♪」と、嬉しそうに笑うシーヴィー。

「【融合召喚】はほとんどが失敗作さ。同じ召喚獣を組み合わせたり、あるいはまったく種類が違う召喚獣を組み合わせたりと、成功する組み合わせのパターンが、このうちですら分からない。
 そして、失敗すると、強力なエネルギーとなって爆発して霧散するんだけど----」
「その爆破するエネルギーを、銃として放っている訳じゃな……」

 言うなれば、あの銃は爆弾。

 液体----《スピリット》の力によってスライムのような液体状になってる召喚獣を、2体分、2種類の液体を拳銃の中に入れておく。
 そして引き金を引くと共に、2種類の液体に変えられた召喚獣は、混ざり合い、【融合召喚】失敗という名のもとに爆破エネルギーとして、相手に放っているのだ。

「召喚獣を、爆弾のように使うとは……!!」
「良いでしょ、この戦い方! 召喚獣任せではない、【召喚士】だからこそ出来る新たな戦い方だよ。出来れば、君の主殿さんに見せておきたかったよ。ラブホちゃん」

 カチッと、手にする拳銃の銃口を2つとも、ココアへと向けるシーヴィー。
 
「----でも、そろそろお遊びも終わりとしましょうかね」

 シーヴィーは2つの銃の引き金に手をかける。

「(マズいのじゃ?! 1発分でもギリギリ防げたくらいなのに、2発分ともなると!!)」

 どうするか、ココアが迷っていると----


「避ける気もするし、"こうしましょ"」


 シーヴィーは銃口をココアではなく、"リョクチャ"へと向ける。
 まだ《ジンバーロック》の影響で、ぜぇぜぇ息を吐いて、動けずにいる、ココアの妹へと。

「~~~っ!! シーヴィーっ!!」
「はい、ばいなら♪」

 銃は放たれ、そして----


「妾お姉ちゃああああああああああああああああんんんんんんんっ!!!!」


 リョクチャは、禍々しい紫のエネルギーに飲み込まれ、そのまま消されるのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...