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第173話 サハギン討伐隊
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「目標発見!」
マストの上で叫ぶ見張りの男。それを聞いて甲板へと姿を現したのは、ゴールドプレートを首に下げた騎士風のいかつい男性だ。
名はバルド。歳は40。グリムロックには防具の買い出しに来ていたハーヴェスト出身の冒険者だ。
グリムロックへと渡った直後、魔物騒動でハーヴェストに帰還できなくなった運のない男である。
現在は、旗艦を務めるハーヴェストギルド所属のブルーオーシャン号で、サハギン討伐隊のリーダーを任されていた。
本来はプラチナプレート冒険者がそれを務めるという話だったのだが、都合がつかなくなったということで、急遽代役を買って出たのである。
「頼む」
「【千里眼】」
バルドに掛けられた魔法は遠見の効果があるもの。バルドはそのまま船首まで駆け寄ると、前方へと目を凝らす。
海上に見える無数の人影。サハギンの群れだ。まだレンジャーの索敵範囲には入っていないので正確な数ではないが、恐らく50はいるだろう。
それは予想よりも多かった。勝てない相手ではないが、海の上という条件で戦うには少々厳しい数である。
「目標発見の合図を送れ! 陣を組んで迎え撃つ!」
作戦は決まっていた。ブルーオーシャン号を中央後方に据え、壁役であるタンクのバルドが敵を引き付ける。
その前方を2隻の船で挟み、ブルーオーシャン号にサハギン共が到達する前に撃破する流れだ。
後方待機していた2隻の船がブルーオーシャン号を抜き、前方に陣を取る。
バタバタと忙しくなる甲板。それに気付いたサハギン達もこちらめがけて突撃の構えを見せる――と、思っていた。
しかし、サハギン達は間合いぎりぎりまで詰めると、一斉に西へと針路を変えたのだ。
(回り込むつもりかッ!)
「取り舵! レンジャーは威嚇射撃を開始! 船首を奴等へと向けろッ!」
サハギン達にも知能がある。一筋縄でいかないのは当然だ。そのへんの獣を相手にしているのとは、わけが違う。どれだけ自分達に有利な状況を作れるかが、勝敗を分ける鍵となるのだ。
それを作り出すのがリーダーであるバルドの役目ではあるのだが、やはりここは海の上。船の旋回速度とサハギンの泳ぐ速度では勝負にならない。
レンジャー達の攻撃も殆ど無意味。どんなに速度の乗った矢でも、水の抵抗を受けてしまえば、その威力は格段に落ちてしまう。
そして、ついにはサハギン達に後ろを取られる結果に。
「魔術師は氷結魔法を! 乗り込もうとしてくる奴には魔法の矢をお見舞いしてやれ!」
「「【氷槍撃】」」
船尾にいる魔術師達が持つ杖から放たれた氷の槍。それが海面に着弾すると、辺り一面を凍らせる。その影響で、船の後方部分も氷漬け。
一見不利な状況にも見えるが、これは計算通りである。船の舵を壊されないようにする為、ワザと舵付近の船尾を氷で固めたのだ。
もちろんその間操舵することは叶わないが、破壊されるよりはマシである。
この後のサハギンの行動としては、船に乗り込み白兵戦となるパターンが濃厚だ。
冒険者ではない船員達は船が流されぬよう帆を畳み、冒険者達はサハギンが乗り込んでくるのをジッと待ち構えていた。
(50匹のサハギンが、全て乗り込んでくるということはないだろう。恐らくはその半分ほど。そして更にその半分は、空中で撃ち落とせるはず……)
近接職は少ないが、その分タンクがしっかりしていれば負ける事はない。
360度満遍なく警戒しているレンジャーが数多くいるのだ。ほんの少しでもその気配を見せれば、そこには矢の雨が降り注ぐ。
(どこだ……。どこから攻めてくる……?)
張り詰める空気。緊張からか、額に滲む汗が止まらない。
しかし、何時まで経ってもサハギン達は乗り込んでくる気配を見せなかった。
(船が……動いている……? いや、気のせいか?)
波に合わせて上下する船体。それはゆっくりとだが、少しずつ押し戻されているような気がした。
そう感じていたのは、バルドだけではなかった。だが、皆気のせいだろうとすぐに考えを改めた。余計な事を考えている暇はない。今は戦闘に集中しなくてはならないのだ。
周りには島の1つすら見えない大海原。唯一の比較対象は隣の船との距離感のみ。
その3隻の船は同時に後退していた。それ故に、気付くことができなかったのである。
「サハギン共はどこだ!?」
「真下! まだ健在です!」
「船底の見張りは!?」
「異常ありません!」
(おかしい……。相手に動きがない。この停滞した状況をどう見るべきか……)
船尾の氷を溶かすことは出来ない。サハギン共が舵を狙っている可能性は十分残っている。
(恐らくは時間稼ぎ……。緊張で疲弊した隙を狙って襲って来るに違いない……)
ならばここからは持久戦が濃厚だが、それを潔く受け入れる冒険者達ではなかった。
「猛毒の雨を使う。影響があるかもしれん。船底の見張りを避難させろ」
魔術師の魔法で、辺り一面に猛毒の雨を降らせる。周りを毒液で囲ってしまえばサハギン達は近寄れなくなり、舵の氷を溶かすことも出来る。
あわよくば、そのまま毒で倒すことも可能だ。
(出来れば使いたくはなかったが、止む追えまい。漁師達には悪いが、この辺り一帯での漁は自粛してもらうほかないだろう。そもそもサハギンを退治しなければ、漁にも出られないのだ。少々の辛抱はしてもらおう)
船底の見張りの避難が終わり、それを皮切りに指示を飛ばそうとバルドが口を開いた瞬間、メインマストの真上から何かが落ちて、甲板で激しく砕け散った。
ガシャンと盛大な音を立てて散らばる残骸。それに気を取られ、全員がそこに注目する。
細かい部品の数々。丸い筒状の物体がヘコみ、散乱するガラスの破片。それは見張りの必須アイテム。小型の望遠鏡である。
それが何なのかを理解すると、今度は上を見上げた。マストの上に備え付けられている見張り台。
そこから見張りが顔を覗かせ、自分の失態を悔いているのかと思いきや、見張りは全く明後日の方向を向いていた。
何か信じられない物でも見たような驚愕の表情。目を見開き、ガタガタと震えていたのである。
「何があった!?」
バルドが声を上げるも、返事は返ってこなかった。その答えなのか、見張りの男は震える身体を必死に抑え、東の方を指差しただけ。
その方角には、どす黒い雨雲が渦巻いていた。嵐が近づいているようだが、海の上では良くあること。
出来ればあれがこちらに到達する前には決着を付けたいが、それほど驚くようなことだろうかと、バルドは首を傾げた。
「早めにケリをつけるぞ!」
バルドの指示は皆に聞こえていなかった。それにかぶせるよう大声で叫んだ者がいたのだ。
「ゆ……ゆゆ……幽霊船だぁぁ!! 撤退の指示を! 早くしろぉぉ!!」
それは別の船で見張りをしていた船員の1人。すでに帆を張る為、巻き上げていた紐を解き始めていた。
それを確認するかのように、全員が東の海上に目を凝らす。
暗黒に染まる空と同時に近づいて来る1隻の帆船。肉眼ではまだ小指の先ほどの大きさだが、時間と共にその全容が明らかになる。
風に乗って聞こえてくるのは不気味な太鼓の音。規則正しく鳴り響くそれは、船を漕ぐオールのタイミングを合わせる為のものである。
ボロボロに切り刻まれ、汚れた帆。その辺りを彷徨う無数のゴーストに人魂。甲板には亡者達が蔓延り、船首には人骨が括り付けられていて、誰がどう見てもそれはまごうことなき幽霊船であった。
船乗りなら誰もが知っている幽霊船の伝説。無念の死を遂げた者達が、肉体を求め海を無限に彷徨い続ける。それに捕らえられてしまえば自分も奴等の仲間入りだ。
冒険者達の中には幽霊船を知らない者も複数いたが、船員達の表情を見ただけで事を察することが出来たのだ。
「なんでこんな時に……。いやだ……。まだ……まだ、死にたくねぇ……」
ガタガタと震えあがり、甲板の隅で縮こまっている者。指示がなくとも必死に撤退の準備を始めている者。
皆一様に顔色は真っ青で、焦りの色を隠そうともしない。
船員達は既にサハギンなんて見ていなかった。その瞳に映っていたのは恐怖の二文字だけである。
「撤退だ! 舵の氷を溶かせ! 全速力で離脱する!!」
こうなっては、さすがにサハギンどころではない。命あっての物種だ。
幽霊船という未知なる敵に、無謀にも戦いを挑む者はいないであろう。
カネにならない仕事はしない――と言いたいところではあるが、それは建前。本音は恐怖の方が勝っていたのだ。
(幸いにも風は追い風。仮に追い付かれそうになっても、遠距離特化のパーティだ。間合いに入れば火力に物を言わせて、一矢報いてやる!)
そこまで考えていたバルドであったが、幽霊船との距離はぐんぐんと広がり、結果どうにか逃げ切ることが出来たのだ。
その頃には辺りは真っ暗。航路も予定より随分と外れてしまっていた。
「仕方ない。1度帰還しよう……」
逃げ切っているはずなのに、船員達は未だに怯えていた。暗闇の中、アレが突然現れたらと思うと気が気ではない。
既に皆憔悴しきったような表情で、士気はゼロに等しかった。故にバルドの指示に逆らう者は、誰1人としていなかったのである。
マストの上で叫ぶ見張りの男。それを聞いて甲板へと姿を現したのは、ゴールドプレートを首に下げた騎士風のいかつい男性だ。
名はバルド。歳は40。グリムロックには防具の買い出しに来ていたハーヴェスト出身の冒険者だ。
グリムロックへと渡った直後、魔物騒動でハーヴェストに帰還できなくなった運のない男である。
現在は、旗艦を務めるハーヴェストギルド所属のブルーオーシャン号で、サハギン討伐隊のリーダーを任されていた。
本来はプラチナプレート冒険者がそれを務めるという話だったのだが、都合がつかなくなったということで、急遽代役を買って出たのである。
「頼む」
「【千里眼】」
バルドに掛けられた魔法は遠見の効果があるもの。バルドはそのまま船首まで駆け寄ると、前方へと目を凝らす。
海上に見える無数の人影。サハギンの群れだ。まだレンジャーの索敵範囲には入っていないので正確な数ではないが、恐らく50はいるだろう。
それは予想よりも多かった。勝てない相手ではないが、海の上という条件で戦うには少々厳しい数である。
「目標発見の合図を送れ! 陣を組んで迎え撃つ!」
作戦は決まっていた。ブルーオーシャン号を中央後方に据え、壁役であるタンクのバルドが敵を引き付ける。
その前方を2隻の船で挟み、ブルーオーシャン号にサハギン共が到達する前に撃破する流れだ。
後方待機していた2隻の船がブルーオーシャン号を抜き、前方に陣を取る。
バタバタと忙しくなる甲板。それに気付いたサハギン達もこちらめがけて突撃の構えを見せる――と、思っていた。
しかし、サハギン達は間合いぎりぎりまで詰めると、一斉に西へと針路を変えたのだ。
(回り込むつもりかッ!)
「取り舵! レンジャーは威嚇射撃を開始! 船首を奴等へと向けろッ!」
サハギン達にも知能がある。一筋縄でいかないのは当然だ。そのへんの獣を相手にしているのとは、わけが違う。どれだけ自分達に有利な状況を作れるかが、勝敗を分ける鍵となるのだ。
それを作り出すのがリーダーであるバルドの役目ではあるのだが、やはりここは海の上。船の旋回速度とサハギンの泳ぐ速度では勝負にならない。
レンジャー達の攻撃も殆ど無意味。どんなに速度の乗った矢でも、水の抵抗を受けてしまえば、その威力は格段に落ちてしまう。
そして、ついにはサハギン達に後ろを取られる結果に。
「魔術師は氷結魔法を! 乗り込もうとしてくる奴には魔法の矢をお見舞いしてやれ!」
「「【氷槍撃】」」
船尾にいる魔術師達が持つ杖から放たれた氷の槍。それが海面に着弾すると、辺り一面を凍らせる。その影響で、船の後方部分も氷漬け。
一見不利な状況にも見えるが、これは計算通りである。船の舵を壊されないようにする為、ワザと舵付近の船尾を氷で固めたのだ。
もちろんその間操舵することは叶わないが、破壊されるよりはマシである。
この後のサハギンの行動としては、船に乗り込み白兵戦となるパターンが濃厚だ。
冒険者ではない船員達は船が流されぬよう帆を畳み、冒険者達はサハギンが乗り込んでくるのをジッと待ち構えていた。
(50匹のサハギンが、全て乗り込んでくるということはないだろう。恐らくはその半分ほど。そして更にその半分は、空中で撃ち落とせるはず……)
近接職は少ないが、その分タンクがしっかりしていれば負ける事はない。
360度満遍なく警戒しているレンジャーが数多くいるのだ。ほんの少しでもその気配を見せれば、そこには矢の雨が降り注ぐ。
(どこだ……。どこから攻めてくる……?)
張り詰める空気。緊張からか、額に滲む汗が止まらない。
しかし、何時まで経ってもサハギン達は乗り込んでくる気配を見せなかった。
(船が……動いている……? いや、気のせいか?)
波に合わせて上下する船体。それはゆっくりとだが、少しずつ押し戻されているような気がした。
そう感じていたのは、バルドだけではなかった。だが、皆気のせいだろうとすぐに考えを改めた。余計な事を考えている暇はない。今は戦闘に集中しなくてはならないのだ。
周りには島の1つすら見えない大海原。唯一の比較対象は隣の船との距離感のみ。
その3隻の船は同時に後退していた。それ故に、気付くことができなかったのである。
「サハギン共はどこだ!?」
「真下! まだ健在です!」
「船底の見張りは!?」
「異常ありません!」
(おかしい……。相手に動きがない。この停滞した状況をどう見るべきか……)
船尾の氷を溶かすことは出来ない。サハギン共が舵を狙っている可能性は十分残っている。
(恐らくは時間稼ぎ……。緊張で疲弊した隙を狙って襲って来るに違いない……)
ならばここからは持久戦が濃厚だが、それを潔く受け入れる冒険者達ではなかった。
「猛毒の雨を使う。影響があるかもしれん。船底の見張りを避難させろ」
魔術師の魔法で、辺り一面に猛毒の雨を降らせる。周りを毒液で囲ってしまえばサハギン達は近寄れなくなり、舵の氷を溶かすことも出来る。
あわよくば、そのまま毒で倒すことも可能だ。
(出来れば使いたくはなかったが、止む追えまい。漁師達には悪いが、この辺り一帯での漁は自粛してもらうほかないだろう。そもそもサハギンを退治しなければ、漁にも出られないのだ。少々の辛抱はしてもらおう)
船底の見張りの避難が終わり、それを皮切りに指示を飛ばそうとバルドが口を開いた瞬間、メインマストの真上から何かが落ちて、甲板で激しく砕け散った。
ガシャンと盛大な音を立てて散らばる残骸。それに気を取られ、全員がそこに注目する。
細かい部品の数々。丸い筒状の物体がヘコみ、散乱するガラスの破片。それは見張りの必須アイテム。小型の望遠鏡である。
それが何なのかを理解すると、今度は上を見上げた。マストの上に備え付けられている見張り台。
そこから見張りが顔を覗かせ、自分の失態を悔いているのかと思いきや、見張りは全く明後日の方向を向いていた。
何か信じられない物でも見たような驚愕の表情。目を見開き、ガタガタと震えていたのである。
「何があった!?」
バルドが声を上げるも、返事は返ってこなかった。その答えなのか、見張りの男は震える身体を必死に抑え、東の方を指差しただけ。
その方角には、どす黒い雨雲が渦巻いていた。嵐が近づいているようだが、海の上では良くあること。
出来ればあれがこちらに到達する前には決着を付けたいが、それほど驚くようなことだろうかと、バルドは首を傾げた。
「早めにケリをつけるぞ!」
バルドの指示は皆に聞こえていなかった。それにかぶせるよう大声で叫んだ者がいたのだ。
「ゆ……ゆゆ……幽霊船だぁぁ!! 撤退の指示を! 早くしろぉぉ!!」
それは別の船で見張りをしていた船員の1人。すでに帆を張る為、巻き上げていた紐を解き始めていた。
それを確認するかのように、全員が東の海上に目を凝らす。
暗黒に染まる空と同時に近づいて来る1隻の帆船。肉眼ではまだ小指の先ほどの大きさだが、時間と共にその全容が明らかになる。
風に乗って聞こえてくるのは不気味な太鼓の音。規則正しく鳴り響くそれは、船を漕ぐオールのタイミングを合わせる為のものである。
ボロボロに切り刻まれ、汚れた帆。その辺りを彷徨う無数のゴーストに人魂。甲板には亡者達が蔓延り、船首には人骨が括り付けられていて、誰がどう見てもそれはまごうことなき幽霊船であった。
船乗りなら誰もが知っている幽霊船の伝説。無念の死を遂げた者達が、肉体を求め海を無限に彷徨い続ける。それに捕らえられてしまえば自分も奴等の仲間入りだ。
冒険者達の中には幽霊船を知らない者も複数いたが、船員達の表情を見ただけで事を察することが出来たのだ。
「なんでこんな時に……。いやだ……。まだ……まだ、死にたくねぇ……」
ガタガタと震えあがり、甲板の隅で縮こまっている者。指示がなくとも必死に撤退の準備を始めている者。
皆一様に顔色は真っ青で、焦りの色を隠そうともしない。
船員達は既にサハギンなんて見ていなかった。その瞳に映っていたのは恐怖の二文字だけである。
「撤退だ! 舵の氷を溶かせ! 全速力で離脱する!!」
こうなっては、さすがにサハギンどころではない。命あっての物種だ。
幽霊船という未知なる敵に、無謀にも戦いを挑む者はいないであろう。
カネにならない仕事はしない――と言いたいところではあるが、それは建前。本音は恐怖の方が勝っていたのだ。
(幸いにも風は追い風。仮に追い付かれそうになっても、遠距離特化のパーティだ。間合いに入れば火力に物を言わせて、一矢報いてやる!)
そこまで考えていたバルドであったが、幽霊船との距離はぐんぐんと広がり、結果どうにか逃げ切ることが出来たのだ。
その頃には辺りは真っ暗。航路も予定より随分と外れてしまっていた。
「仕方ない。1度帰還しよう……」
逃げ切っているはずなのに、船員達は未だに怯えていた。暗闇の中、アレが突然現れたらと思うと気が気ではない。
既に皆憔悴しきったような表情で、士気はゼロに等しかった。故にバルドの指示に逆らう者は、誰1人としていなかったのである。
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イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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