37 / 45
36.ほんの少しだけ、彼女が羨ましかった。
しおりを挟む
ソングスペイは一瞬何のことを言われているのか判らなかった。自分がここに住んでいたことは、誰にも…… いや、二人をのぞいて、言っていないはずだ。あの新聞部編集長と、そして……
「……中佐から聞いたのか?」
ああそうだ、と彼は思う。確かこいつは。そうだね、とキムはうなづく。
「仲がいいようで何よりとか言いたい?」
「そんな無粋なことは言わないさ。……だが何でキム、お前が、隣の姉妹のことまで知っているんだ?」
「さあて。何ででしょう」
口元が上がる。ソングスペイは自分がからかわれていることに気付き、かっと胸の中が熱くなるのに気付く。
「冗談はさておいて、俺もちょっとマジで聞いておきたいことがあるのよ。ラーベル・リャズコウ君」
「……」
ソングスペイは苦い薬を口の中で広げてしまったような顔になった。
自分はその名前を口に出したことはない。中佐には言ってある。容易に調べはつくことだ。彼は言われたことでやや混乱する頭をとりまとめようと努力する。だが手のひらがじっとりと汗ばんでいる。
「……知っている。そりゃ昔、隣に住んでいたから、よく遊んだ。だから知っている。それがどうしたって言うんだ」
「キミの親父さんが、捕まったのは何でなのか、知ってる?」
「いや……」
「本当に?」
「しつこいな。本当に知らない。ある日いきなり、家に沢山の警官がやってきて、親父とお袋を掴まえていったんだ。兄貴と姉貴が、慌てて俺を隠して、連れ出したんだ。……何でか、なんて調べる間もないよ」
「だけどそのにーさんねーさんは何もキミに言わなかった訳?」
「出来れば、そんなこと忘れさせて育てたかったんだろ。そのくらいの余裕は兄貴にも姉貴にもあったし」
「だけどキミは戻ってきた」
「だからどうだって言うんだ」
「いや」
キムはひらひらと手を振る。
「俺が知りたかったのは、これだけ。知りたかったのはね。それで安心した。俺はどうやらそう間違ったことをしていないらしいしね」
「一体何のことだ?」
ソングスペイは眉を寄せる。そして椅子を回し、やや身を乗り出した。
「後は、弾劾だ」
横の机に頬杖をつきながら、にっこりとキムは笑った。何だって、とソングスペイは思わず椅子を立ちかけた。そしてその手が次の瞬間、押さえられるのを感じた。
すごい力だ、と彼は思った。そして、脳天まで、一つの刺激が走るのを感じた。
全身が総毛立つのを感じた。
触れられた手のひらに、明らかに、その信号が、ある回数を伝わってくる。
彼は捕らえられたままの手が次第に汗ばむのを再び感じた。振り払う。そして、ようやくその時、彼は自分の「同僚」が、何であるのか理解した。
「……キムお前は……」
「暢気なものだな、ソングスペイ」
口調が変わる。だが表情は変わらないままだった。凍り付いたような、明るい笑み。
図書館はその日、静けさとは無縁だった。あちこちで貼られた新聞の話が繰り広げられている。
いや新聞だけではない。自分自身が、それにどう対処するのか、それがどういう意味を持つのか、そんなことをとりとめもなく、次第にヴォリュームを増す言葉で討論している。
ばっかじゃねーの?
キムはそれを横目で見ながら内心つぶやく。
討論する暇があれば、何かすればいいんだ。
彼の中では、まだあの先走りな新聞部や演劇部の連中はましな方だった。とりあえず、何かやろうとはしている。おそらく彼らはこの後、ひどく壁にぶつかるだろう。それは見えすぎる程見えている。
だが、何もしないよりはましだ。
司書達もさじを投げた状態の館内は、そう簡単に会話が聞き取れる状態ではない。そして彼らは館の端に居た。
「……何を…… 俺が、何を……」
「あいにく、俺はお前の弁解を聞いている程の時間はないからね」
掴まれた手から、痛撃が走る。ソングスペイは反射的に、その手を振り解いていた。
がたん、と大きな音を立てて、椅子が倒れた。だが周囲も似たかよったかの状況ゆえ、その程度のことで、視線が集中することはない。ふらり、とキムもまたその場に立ち上がった。
「いずれにせよお前は追われるんだよ、ラーベル・ソングスペイ。我らが組織の命に背いて、この地での反体制運動を妨害せんとしたこと」
「……俺が一体」
「あいにくお前の手持ちは、俺の方に従順だったよね」
そういえば、と彼は思い返す。新しく反体制派に加わった連中を次々に襲撃させるはずだった、のに……
それはいつの間にか自分の視界から消えていた。不可解だったが、大声で探す訳にもいかず、行動は滞っていた。
「しかもそれはそれとして、お前自身は、我らが組織の一員だ。それが軍警の少尉どのとはね。コルネル中佐がさぞ喜ぶことだろうね」
「……き…… 貴様は…… 貴様は何だと言うんだ!」
「あいにく、俺は別に本当の軍警じゃあないんだけど?」
くく、とキムは声を立てる。ソングスペイはゆっくりと後ずさりする。
ざらりと前に回っていた髪の毛を流すと、キムは逆《カウンター》スパイを気取っていた末端構成員との間合いを計った。
彼の足もまた、ソングスペイの後ずさりと合わせるかのように、少しづつその床の上を、滑らせるようにゆっくりと動き出した。
緊張が切れるのは一瞬のことだった。
ソングスペイは、いきなり机にばん、と手を置くと、それを飛び越えた。キムもまた、それを追うように机に飛び乗った。
図書館を走ってはいけません! とヒステリックに司書の声が響く。そんな場合じゃないんだよ、とソングスペイは全身に走る悪寒を振り払うように、館内を走っていた。
あれは。
彼は今にも自分の動きを止めそうな悪寒の中で、奇妙に冷静にそれを判断している自分に驚いていた。
噂には聞いていた。組織を……「MM」を、その内部から裏切る者には、確実に死をもたらす執行人がやってくるのだと。
反則だ、と彼は思った。
それが、あんな笑いをたたえているなんて。無邪気とも取れる、あんな笑いを始終浮かべているなんて。
階段を駆け下りる。頭上から、やはり降りていく音がする。
逃げなくては、と彼は思った。心底思った。ひたすら思った。
逃げなくては。殺される。
殺されるのは、嫌だ。
だがキムはそんな彼の思いとは裏腹に、階段の踊り場で、足を止めていた。顔にはいたずらをする少年のような表情が浮かんでいる。
とりあえず、聞きたいことは聞いたんだ。
彼は思う。
ヴェラとジナイーダ、あのウーモヴァ姉妹に自分の記憶を曖昧にさせる時、ついでにヴェラの懸念していた「自分達のせい」――― 外れていた電話の盗聴が、リャズコウ氏の逮捕につながったということをも霧の中に隠してしまった。
忘れさせた訳ではない。曖昧に、思い出しにくいこととして、少しばかりヴェールをかけさせてもらったのである。
それが何になる、と中佐なら言うかもしれない。起こってしまったことは仕方ない、と。実際自分もそうは思うのだ。
だが。
彼はこだわっているのは、ヴェラの方なのだ、と気付いてはいた。
ジナイーダは自分を守るために、その部分を忘れていた。いや、忘れさせていた。
だがそれはよくあることだ。
本当に辛い記憶だとしたら、それは、無意識にでも何でも、とりあえず見ないようにでも何でもし、とりあえずの時間を過ごすのだ。
逃げと言ってしまうのはたやすい。
だが人間にはそれができる。できるということは、それが必要な時もあるということだ。
キムはほんの少しだけ、彼女が羨ましかった。
彼女だけでなく、人間が、羨ましかった。
どれだけ楽だろう? 忘れられるのなら。
彼には忘れることが、できない。
「……中佐から聞いたのか?」
ああそうだ、と彼は思う。確かこいつは。そうだね、とキムはうなづく。
「仲がいいようで何よりとか言いたい?」
「そんな無粋なことは言わないさ。……だが何でキム、お前が、隣の姉妹のことまで知っているんだ?」
「さあて。何ででしょう」
口元が上がる。ソングスペイは自分がからかわれていることに気付き、かっと胸の中が熱くなるのに気付く。
「冗談はさておいて、俺もちょっとマジで聞いておきたいことがあるのよ。ラーベル・リャズコウ君」
「……」
ソングスペイは苦い薬を口の中で広げてしまったような顔になった。
自分はその名前を口に出したことはない。中佐には言ってある。容易に調べはつくことだ。彼は言われたことでやや混乱する頭をとりまとめようと努力する。だが手のひらがじっとりと汗ばんでいる。
「……知っている。そりゃ昔、隣に住んでいたから、よく遊んだ。だから知っている。それがどうしたって言うんだ」
「キミの親父さんが、捕まったのは何でなのか、知ってる?」
「いや……」
「本当に?」
「しつこいな。本当に知らない。ある日いきなり、家に沢山の警官がやってきて、親父とお袋を掴まえていったんだ。兄貴と姉貴が、慌てて俺を隠して、連れ出したんだ。……何でか、なんて調べる間もないよ」
「だけどそのにーさんねーさんは何もキミに言わなかった訳?」
「出来れば、そんなこと忘れさせて育てたかったんだろ。そのくらいの余裕は兄貴にも姉貴にもあったし」
「だけどキミは戻ってきた」
「だからどうだって言うんだ」
「いや」
キムはひらひらと手を振る。
「俺が知りたかったのは、これだけ。知りたかったのはね。それで安心した。俺はどうやらそう間違ったことをしていないらしいしね」
「一体何のことだ?」
ソングスペイは眉を寄せる。そして椅子を回し、やや身を乗り出した。
「後は、弾劾だ」
横の机に頬杖をつきながら、にっこりとキムは笑った。何だって、とソングスペイは思わず椅子を立ちかけた。そしてその手が次の瞬間、押さえられるのを感じた。
すごい力だ、と彼は思った。そして、脳天まで、一つの刺激が走るのを感じた。
全身が総毛立つのを感じた。
触れられた手のひらに、明らかに、その信号が、ある回数を伝わってくる。
彼は捕らえられたままの手が次第に汗ばむのを再び感じた。振り払う。そして、ようやくその時、彼は自分の「同僚」が、何であるのか理解した。
「……キムお前は……」
「暢気なものだな、ソングスペイ」
口調が変わる。だが表情は変わらないままだった。凍り付いたような、明るい笑み。
図書館はその日、静けさとは無縁だった。あちこちで貼られた新聞の話が繰り広げられている。
いや新聞だけではない。自分自身が、それにどう対処するのか、それがどういう意味を持つのか、そんなことをとりとめもなく、次第にヴォリュームを増す言葉で討論している。
ばっかじゃねーの?
キムはそれを横目で見ながら内心つぶやく。
討論する暇があれば、何かすればいいんだ。
彼の中では、まだあの先走りな新聞部や演劇部の連中はましな方だった。とりあえず、何かやろうとはしている。おそらく彼らはこの後、ひどく壁にぶつかるだろう。それは見えすぎる程見えている。
だが、何もしないよりはましだ。
司書達もさじを投げた状態の館内は、そう簡単に会話が聞き取れる状態ではない。そして彼らは館の端に居た。
「……何を…… 俺が、何を……」
「あいにく、俺はお前の弁解を聞いている程の時間はないからね」
掴まれた手から、痛撃が走る。ソングスペイは反射的に、その手を振り解いていた。
がたん、と大きな音を立てて、椅子が倒れた。だが周囲も似たかよったかの状況ゆえ、その程度のことで、視線が集中することはない。ふらり、とキムもまたその場に立ち上がった。
「いずれにせよお前は追われるんだよ、ラーベル・ソングスペイ。我らが組織の命に背いて、この地での反体制運動を妨害せんとしたこと」
「……俺が一体」
「あいにくお前の手持ちは、俺の方に従順だったよね」
そういえば、と彼は思い返す。新しく反体制派に加わった連中を次々に襲撃させるはずだった、のに……
それはいつの間にか自分の視界から消えていた。不可解だったが、大声で探す訳にもいかず、行動は滞っていた。
「しかもそれはそれとして、お前自身は、我らが組織の一員だ。それが軍警の少尉どのとはね。コルネル中佐がさぞ喜ぶことだろうね」
「……き…… 貴様は…… 貴様は何だと言うんだ!」
「あいにく、俺は別に本当の軍警じゃあないんだけど?」
くく、とキムは声を立てる。ソングスペイはゆっくりと後ずさりする。
ざらりと前に回っていた髪の毛を流すと、キムは逆《カウンター》スパイを気取っていた末端構成員との間合いを計った。
彼の足もまた、ソングスペイの後ずさりと合わせるかのように、少しづつその床の上を、滑らせるようにゆっくりと動き出した。
緊張が切れるのは一瞬のことだった。
ソングスペイは、いきなり机にばん、と手を置くと、それを飛び越えた。キムもまた、それを追うように机に飛び乗った。
図書館を走ってはいけません! とヒステリックに司書の声が響く。そんな場合じゃないんだよ、とソングスペイは全身に走る悪寒を振り払うように、館内を走っていた。
あれは。
彼は今にも自分の動きを止めそうな悪寒の中で、奇妙に冷静にそれを判断している自分に驚いていた。
噂には聞いていた。組織を……「MM」を、その内部から裏切る者には、確実に死をもたらす執行人がやってくるのだと。
反則だ、と彼は思った。
それが、あんな笑いをたたえているなんて。無邪気とも取れる、あんな笑いを始終浮かべているなんて。
階段を駆け下りる。頭上から、やはり降りていく音がする。
逃げなくては、と彼は思った。心底思った。ひたすら思った。
逃げなくては。殺される。
殺されるのは、嫌だ。
だがキムはそんな彼の思いとは裏腹に、階段の踊り場で、足を止めていた。顔にはいたずらをする少年のような表情が浮かんでいる。
とりあえず、聞きたいことは聞いたんだ。
彼は思う。
ヴェラとジナイーダ、あのウーモヴァ姉妹に自分の記憶を曖昧にさせる時、ついでにヴェラの懸念していた「自分達のせい」――― 外れていた電話の盗聴が、リャズコウ氏の逮捕につながったということをも霧の中に隠してしまった。
忘れさせた訳ではない。曖昧に、思い出しにくいこととして、少しばかりヴェールをかけさせてもらったのである。
それが何になる、と中佐なら言うかもしれない。起こってしまったことは仕方ない、と。実際自分もそうは思うのだ。
だが。
彼はこだわっているのは、ヴェラの方なのだ、と気付いてはいた。
ジナイーダは自分を守るために、その部分を忘れていた。いや、忘れさせていた。
だがそれはよくあることだ。
本当に辛い記憶だとしたら、それは、無意識にでも何でも、とりあえず見ないようにでも何でもし、とりあえずの時間を過ごすのだ。
逃げと言ってしまうのはたやすい。
だが人間にはそれができる。できるということは、それが必要な時もあるということだ。
キムはほんの少しだけ、彼女が羨ましかった。
彼女だけでなく、人間が、羨ましかった。
どれだけ楽だろう? 忘れられるのなら。
彼には忘れることが、できない。
0
あなたにおすすめの小説
銀河太平記
武者走走九郎or大橋むつお
SF
いまから二百年の未来。
前世紀から移住の始まった火星は地球のしがらみから離れようとしていた。火星の中緯度カルディア平原の大半を領域とする扶桑公国は国民の大半が日本からの移民で構成されていて、臣籍降下した扶桑宮が征夷大将軍として幕府を開いていた。
その扶桑幕府も代を重ねて五代目になろうとしている。
折しも地球では二千年紀に入って三度目のグローバリズムが破綻して、東アジア発の動乱期に入ろうとしている。
火星と地球を舞台として、銀河規模の争乱の時代が始まろうとしている。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―
kei
歴史・時代
周囲の外敵をことごとく鎮定し、向かうところ敵なし! 盤石に見えた帝国の政(まつりごと)。
しかし、その政体を覆す計画が密かに進行していた。
帝国の生きた守り神「軍神マルスの娘」に厳命が下る。
帝都を襲うクーデター計画を粉砕せよ!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる