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第220話 暗躍
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「年をまたいでずいぶん経つのにオーリエはまだ戻ってこないのですね…」
「そうですね。音沙汰もないですね」
「案外エルスタイン領都の後継者の男の子と仲良くなっていらっしゃるのではないでしょうか?」
「あの娘がですか?」
「身長は低いのに自尊心だけは高いですからね」
あの娘が自分から一歩引いて誰かのために生きようなんて思うかしら…。
「え~っ、サマンサ様もたいがいですよ。よくパートナーが見つかりましたね」
「あら、私はこう見えても男性受けは良いのよ」
「では、サマンサ様も新しいパートナーを見つけられてはどうですか?」
「前にも言いましたが、今は良い男性がいませんからね。屋敷に入ってこられるとかえって困るのですよ」
こんなことを考えないといけないのだなんて、なんだかむなしい人生だわ…。
「オーリエにも私が安心できるパートナーを見つけてもらわなければいけませんね…」
「先日も、パートナー候補の一人がオーリエ様のことを聞いてこられましたよ」
「領都内にはいないのでしばらくお会いすることは出来ませんと言っておきましたけれど…」
「そうですか…」
「でも、もしオーリエ様がエルスタイン領都の後継者の男の子とパートナーになられたいとおっしゃったらどうされるおつもりですか?」
「そうなればルージュ領に来ていただきたいのはもちろんですが、オーリエがエルスタイン領へ行くことになった場合は早く“誕生の儀”をしてもらい子供を譲っていただきたいですね」
「そのパートナーの方の精子次第ですね」
「ええ、精子が2回採取できれば良いのです」
「二人目もオーリエが産む必要はありません。他にパートナーになりえる方がいらっしゃれば、オーリエと同時に“誕生の儀”をしてもらえれば良いのです」
「男性の可能性にかけるしかありませんね」
「私も16歳でオーリエを産みましたから、オーリエもあと数年内に“誕生の儀”をすることになるでしょうねぇ」
「そういえばサマンサ様、今年はルージュ領で領主会議ですが、オーリエ様にも戻ってきてもらっておいた方が良いのではないですか?」
「……それはどちらでもいいでしょう」
オーリエがいたところでどうせパートナーを先に見つけたとか、見つけていないなどの話になるでしょうから…。
XX XY
「オーリエ様がルージュ領都にいらっしゃらないことは確認したよ」
「やはりか…、よくやったぞソク」
「噂どおりローマン帝国に行っておられるようだな」
なぜバルトリア王国内ではなくてローマン帝国に行かれているのかは分からないが…。
「本当にやるのか?」
「ソクは俺の言うことを聞いていればいい…」
「スカ~、どこが良いんだあんな胸もない女…」
「コタには分からないさ…、へへっ…」
「協力はするが俺の言っていた見返りは頼むぞ…」
「分かってるって…」
コタもサマンサ様のどこが良いんだか…。
倍近く歳が離れた女なのに…。
そりゃあ確かにその辺の女よりは綺麗で胸も大きいけれどな…。
とにかく一番の目標は俺の精子とオーリエ様の卵子を受精させて、受精卵をオーリエ様に戻すこと…。
既成事実を作ってパートナーになり、そして屋敷に入ることだ。
それが実行できなくても、受精卵にしたら容器を使って俺たち一般領民と同じように“誕生の義”を行うこと。
こうしても後々既成事実として屋敷に入れる可能性も残るはずだ。
屋敷に入れるならオーリエ様に胸があってもなくてもどうでもいいんだよ。
別に子供にも興味はないしな…。
短い人生を悠々自適に生きたいだけなんだから。
「おい、ソク、それで準備はすぐ出来るのか?」
「エルスタイン領の雨季が終わる頃に偵察に行かせるつもりだよ」
「それでもいつオーリエ様が港町に現れるか分からないから、偵察だけでかなりお金が必要になりそうだよ…」
「ソクは良いのか? オーリエ様のパートナー候補なんだろう」
「コタ…、今はまだ形だけだよ。僕はオーリエ様にも他の女性にも興味はないし、スカがパートナーになってうちの商会に融通してくれた方がいいんだよ」
「そうなのか…」
女に興味が無いって…、ソクはパートナーをつくる気は無いんだな。
商会の跡取りならいくらでも女から声が掛かるだろうに…。
それにしても、スカがどうやってパートナーになるつもりかはまだ聞いていないけれど、普通の領民がそう簡単にパートナーになれるものなのか…?
「おい、スカ…、オーリエ様が国外に行っておられるとなると、メイドが護衛しているんじゃないか? オーリエ様も魔法を使うんだぞ」
「大丈夫だ、コタ。オーリエ様がなぜローマン帝国に行っているのかは分からないがきっと非公式でお供のメイドも少数だろう。オーリエ様達はローマン帝国内では油断しているはずだ」
「それに攫うのはローマン帝国内でだ」
「向こうの領民に顔を見られても、俺たちの事を知っている者はいないだろ」
「なるほどな…、それで具体的にはどうするんだ?」
「それはパートナー候補のソクに誘い出してもらって…」
「「……」」
「そうですね。音沙汰もないですね」
「案外エルスタイン領都の後継者の男の子と仲良くなっていらっしゃるのではないでしょうか?」
「あの娘がですか?」
「身長は低いのに自尊心だけは高いですからね」
あの娘が自分から一歩引いて誰かのために生きようなんて思うかしら…。
「え~っ、サマンサ様もたいがいですよ。よくパートナーが見つかりましたね」
「あら、私はこう見えても男性受けは良いのよ」
「では、サマンサ様も新しいパートナーを見つけられてはどうですか?」
「前にも言いましたが、今は良い男性がいませんからね。屋敷に入ってこられるとかえって困るのですよ」
こんなことを考えないといけないのだなんて、なんだかむなしい人生だわ…。
「オーリエにも私が安心できるパートナーを見つけてもらわなければいけませんね…」
「先日も、パートナー候補の一人がオーリエ様のことを聞いてこられましたよ」
「領都内にはいないのでしばらくお会いすることは出来ませんと言っておきましたけれど…」
「そうですか…」
「でも、もしオーリエ様がエルスタイン領都の後継者の男の子とパートナーになられたいとおっしゃったらどうされるおつもりですか?」
「そうなればルージュ領に来ていただきたいのはもちろんですが、オーリエがエルスタイン領へ行くことになった場合は早く“誕生の儀”をしてもらい子供を譲っていただきたいですね」
「そのパートナーの方の精子次第ですね」
「ええ、精子が2回採取できれば良いのです」
「二人目もオーリエが産む必要はありません。他にパートナーになりえる方がいらっしゃれば、オーリエと同時に“誕生の儀”をしてもらえれば良いのです」
「男性の可能性にかけるしかありませんね」
「私も16歳でオーリエを産みましたから、オーリエもあと数年内に“誕生の儀”をすることになるでしょうねぇ」
「そういえばサマンサ様、今年はルージュ領で領主会議ですが、オーリエ様にも戻ってきてもらっておいた方が良いのではないですか?」
「……それはどちらでもいいでしょう」
オーリエがいたところでどうせパートナーを先に見つけたとか、見つけていないなどの話になるでしょうから…。
XX XY
「オーリエ様がルージュ領都にいらっしゃらないことは確認したよ」
「やはりか…、よくやったぞソク」
「噂どおりローマン帝国に行っておられるようだな」
なぜバルトリア王国内ではなくてローマン帝国に行かれているのかは分からないが…。
「本当にやるのか?」
「ソクは俺の言うことを聞いていればいい…」
「スカ~、どこが良いんだあんな胸もない女…」
「コタには分からないさ…、へへっ…」
「協力はするが俺の言っていた見返りは頼むぞ…」
「分かってるって…」
コタもサマンサ様のどこが良いんだか…。
倍近く歳が離れた女なのに…。
そりゃあ確かにその辺の女よりは綺麗で胸も大きいけれどな…。
とにかく一番の目標は俺の精子とオーリエ様の卵子を受精させて、受精卵をオーリエ様に戻すこと…。
既成事実を作ってパートナーになり、そして屋敷に入ることだ。
それが実行できなくても、受精卵にしたら容器を使って俺たち一般領民と同じように“誕生の義”を行うこと。
こうしても後々既成事実として屋敷に入れる可能性も残るはずだ。
屋敷に入れるならオーリエ様に胸があってもなくてもどうでもいいんだよ。
別に子供にも興味はないしな…。
短い人生を悠々自適に生きたいだけなんだから。
「おい、ソク、それで準備はすぐ出来るのか?」
「エルスタイン領の雨季が終わる頃に偵察に行かせるつもりだよ」
「それでもいつオーリエ様が港町に現れるか分からないから、偵察だけでかなりお金が必要になりそうだよ…」
「ソクは良いのか? オーリエ様のパートナー候補なんだろう」
「コタ…、今はまだ形だけだよ。僕はオーリエ様にも他の女性にも興味はないし、スカがパートナーになってうちの商会に融通してくれた方がいいんだよ」
「そうなのか…」
女に興味が無いって…、ソクはパートナーをつくる気は無いんだな。
商会の跡取りならいくらでも女から声が掛かるだろうに…。
それにしても、スカがどうやってパートナーになるつもりかはまだ聞いていないけれど、普通の領民がそう簡単にパートナーになれるものなのか…?
「おい、スカ…、オーリエ様が国外に行っておられるとなると、メイドが護衛しているんじゃないか? オーリエ様も魔法を使うんだぞ」
「大丈夫だ、コタ。オーリエ様がなぜローマン帝国に行っているのかは分からないがきっと非公式でお供のメイドも少数だろう。オーリエ様達はローマン帝国内では油断しているはずだ」
「それに攫うのはローマン帝国内でだ」
「向こうの領民に顔を見られても、俺たちの事を知っている者はいないだろ」
「なるほどな…、それで具体的にはどうするんだ?」
「それはパートナー候補のソクに誘い出してもらって…」
「「……」」
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