DNAの改修者

kujibiki

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第305話 領主会議ールージュ領編3

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「サマンサ様、なんとか乗り切れましたね」

「シェリー様こそお疲れ様でした。あれだけ“シャルルの風”について釘をさしていただければシャルル様にご迷惑をお掛けすることもないでしょう」
「私達が若返ったようになったことについても思った以上に追求も無かったですし…」

「今はまだ困惑されているのでしょう…」
「“シャルルの風”を使ってみればきっと興味をもたれます。“シャルル巻き”の事もありますし、シャルルというのが人物名だと分かるときっと問い合わせがあるかもしれませんよ」

「今回は都合よくオーリエのパートナー候補について聞かれることもありませんでしたから助かりましたよ」

自分達のお嬢様達にはパートナー候補がいるからでしょうね…。

「しかし、シャルル様が“男”になられてユナとオーリエさんが本当にシャルル様のパートナーになれば、シャルル様の特異性が知られることにもなるでしょう」

「それからが問題ですね」
「シャルル様には早く“男”になっていただき、皆さんに知れ渡る前に私達とも“誕生の儀”をしていただきたいものです」

「サマンサ様のおっしゃる通りですね…。そう思うと年甲斐も無く子宮がドクドクとしてきますよ」
私は期待に震える下腹部を優しく撫でてしまいます。



XX XY



晩餐会の時にもシェリー様とサマンサ様に若々しさについて尋ねてみましたが、それとなくはぐらかされてしまいました。

「お母様…」

あの若返りともいえる変貌には必ず何か原因があるはずです。
食べ物でも魔法でもなければ一体…。
私はサマンサ様達より2歳も若いのに、逆に私よりも2歳以上…、いえもっと若々しいのです。

「お母様ったら…」

「へっ!? あっ、どうしたのアデル…」

「どうしたの難しい顔をして…。領主会議で何か問題でもあったのですか?」

「い、いえ…、今回は驚くことが多くって…」

「あぁ~、サマンサ様とシェリー様が若々しくなられていたこと?」
「すごいよね。どう見てもお母様より…」

「アデル…、その先は言わなくていいわ。それ以上言うともうお菓子を食べさせませんよ」

「ひ、ひどいです。お母様~」
「私もとっても驚いたのよ。今回ルージュ領都に来られて良かったです」
「あんなに美味しいお菓子は食べたことがないわ…」

結局、あの後私とヨルンは3切れ目の“シャルル巻き”を食べたのでした。

「お母様、明日ジャトワン領都に向けて帰る前にもう一度食べに連れて行ってもらえませんか?」
「ヨルンもおいしいって声を出したのよ~」

「えっ!? ヨルンが声を…」
「そんなに美味しかったの? いいわよ、アデルがそこまで言うのなら帰りに寄ってみましょう」

「さぁ、今晩は久しぶりに一緒にお風呂に入りましょうか。サマンサ様から髪を乾かす為の新しい魔道具をいただいたのですよ」
「アデルの髪も乾かしてあげましょう」

「ありがとう、お母様…」



XX XY



「マーガレット様、今回も無難に領主会議が終わりましたね」

「まぁ、問題があっては困るのですけれどね…」

それにしてもサマンサ様とシェリー様の変貌には驚いてしまったわ。
個人的にはその方が問題です。
食べ物でも魔法でもないと言われると他に聞きようが無かったけれど、お風呂で身体を揉むですって…、そんなことで…。

それにいただいたこの魔道具ね。
あの時はシェリー様の気勢になんだか気後れしたけれど、良く考えるとこの魔道具の性能によっては大変なことになるわね。
それも魔道具製作を主としていないルージュ領の発明品なのですから…。

サマンサ様に魔道具製作所のことを聞くのを忘れましたが、フリーノース領都で生産させてくだされば良いのに…。
それを言うとシェリー様も王領で生産させてほしいと言われるかしら…。

同じ魔道具生産基盤のある王領での発明品で無かったことに少し安心してしまいます。

「じゃあ、私はお風呂に入って寝るから、デイジーも部屋に戻っていいわよ」
さて、お風呂上りにどんな魔道具なのか使ってみましょうか…。

「分かりました」



XX XY



「ローレン様、お疲れ様でした」
「もうすぐお風呂の用意が出来ますので…」

「ありがとう、タバサ…」

なんだか今回は腑に落ちない会議だったわ…。
宿に戻り一息ついてから考えてみても、シェリー様とサマンサ様の変貌が解せません。

シェリー様もサマンサ様も髪が艶々とし、肌も瑞々しくシワなどがありませんでした。
おそらく服で見えていないところも若々しくなっておられるのでしょう。

それにお二人の胸も昨年までは重く垂れているようでしたが、一番綺麗に見える位置まで持ち上がり、それは服の上から見ても柔らかく軽やかにプルンプルンと弾んでいたのが分かりました。

(若返ることなんてあるのかしら…)
「はぁ~、本当に羨ましいわ…(ボソッ)」

私が若かった時より綺麗な体型をされていました。
本当なら一日中それについて追求したかったところです。

しかしマーガレット様もどう聞けばいいか分からないご様子でしたし…。
必ず何かしらの要因があると思われますが今は情報が足りませんね。

「ローレン様、お風呂の用意が出来ました」

「ありがとう、タバサ。後はかまいませんので部屋に戻って休んで下さい」

「かしこまりました」



XX XY



お風呂から上がり脱衣場に出ると自然と自分の身体が鏡に映ります。

「はぁ~、私の体型も崩れてきているわね~」

もうサマンサ様やシェリー様より年下とは思えません。
せっかく気持ちの良いお風呂だったのに、またお二人の若返った姿を思い出してしまいました。
胸はお二人より大きくもないから垂れた感じはしませんが、肌全体に張りがなく締まりのない身体になっています。
そのせいか腰回りやお尻に無駄なお肉が付いてきているみたいなのです。

(本当にどうにかしたい…)
サマンサ様のおっしゃられていたように、お風呂で少し揉んでみましたがすぐに分かるほどの効果があるわけがありません。

私はこれ以上見ないようにすぐにパジャマを着るのでした。



(さて、気を取り直していただいていた魔道具を試してみましょう…か)

箱を手に取ると、『どんな時も髪はしっとり・さらさら…“シャルルの風”』と大きく書かれています。

「フフ…、すごいうたい文句ね」
箱の違う面にはサマンサ様がおっしゃっていたように『女性の必需品』とまで書いてありました。

箱から“シャルルの風”を出そうとすると箱の内蓋に使い方が書いてあるのが分かります。

フムフム…。
まずは緑色のボタンを押せばいいのね。

カチッ…。
ブォ~~~~!

この状態は今までに使っている物と同じなのね。

次に、赤色のボタンを押すと…。
カチッ…。
ブォ~~~~!

(えっ!? なに? 熱い風が出てきたわ)
使い方を見て、髪に指を通しながら熱い風を吹き付けると髪がさらさらと乾いていきます。

「はぁ~、とっても気持ちいいわ~」

毛先や頭皮までが少しの時間ですっきりと乾いていきます。
今までの魔道具は何だったの、この“シャルルの風”と比べると不用品に思えます。

綺麗に乾いたら次は青いボタンね。

カチッ…。
ブォ~~~~!

こ、これもすごいわ~。
冷風が熱くなっていた髪と頭皮を冷まし、髪もしっとりとしてきます。

「本当にしっとり・さらさらに…」

この魔道具はすごいわ、うたい文句に偽りなしね。
販売されれば国中の女性が欲しがるでしょう。

もうジメッと湿った感じや臭いに悩まされることも無いでしょうし、この“シャルルの風”を使えばすぐにベッドの中にも入れます。

ここまで完成された商品なのに来年に販売だなんてサマンサ様も悠長なことをおっしゃっていますね。
せめていくつか前もっていただけないでしょうか。
マーガレット様やエンターシャ様も同じことを思われるはずです。
これは生産動向に注視しておく必要がありそうですね。



XX XY



「おはようございます。ローレン様」

「フフ…、おはよう、タバサ…」

「今朝はご機嫌ですね」

「そう? それよりタバサ、私の髪はどう思う?」

ハッ! 
「なんだかとっても艶々しているように見えますよ」

「そうでしょ。朝起きたらなんだか艶々になっていたの」
「たぶん、昨日サマンサ様にいただいた新しい魔道具のおかげよ」

「あの魔道具ですか…。髪を乾かす魔道具にそれほどの違いが…」

「大有りよ! 今まで使っていた物はもはやゴミです」
「まぁ、今は一つしかないからタバサに説明しても分からないけれど、ちょっと私の髪を触って匂いも嗅いでみなさい」

「えっ!? この感触は…」
くんくん…。

「す、すごいです。髪がしっとり・さらさらでなんだか柔らかくなっているように思えます。それに生乾きのような嫌な臭いもありません」

「そ、そうでしょ…」
嫌な臭いって…、タバサもそうなのよ…。

「この“シャルルの風”というのはまさに画期的な発明品です」
「タバサも領主会議で聞いていたと思うけれど、これは来年販売されるそうです」
「前もっていくつか譲っていただけたらいいのですが、販売されればおそらく取り合いになるでしょう。ルージュ領都での生産動向に注意しておいてください」

「分かりました」

「それでローレン様、関係があるかどうか分かりませんが、面白いことが分かりました」
「今年の『男性選手権』の優勝者はシャルルという者でした」

「シャ…ルルですって…!?」
「この“シャルルの風”のシャルルとは関係があるの?」

まさかこのシャルルと言うのは人名なの…。

「それは分かりません」
「聞くところによると、『男性選手権』の優勝者は男の子だというのです」

「男の子ですって!?」

『男性選手権』の質も落ちたのかしら…。
しかし優勝者のシャルルという人物が、“シャルルの風”を発明したとは今の所考えられませんね。
魔法を使えない男性がとても考えられる魔道具ではありませんもの…。

しかし、一応『男性選手権』の優勝者が男の子だというのなら少し興味はあります。

「タバサ、そのシャルルという者を探して接触できるようにするのです」
「もし、優れた男性なら多少の条件は受け入れますのでパレス領へ引き入れるのです」

「わ、分かりました」

本当に男の子なら、モナミのパートナー候補として再検討しても良いかもしれません。
モナミは一般的に言われている火属性の印象通り気の強い娘ですからねぇ。
今のパートナー候補も怖がって辞退してくる可能性もあるでしょうし…。
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