DNAの改修者

kujibiki

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第384話 メロ魔道具製作所

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“シャルルの渦”が発売された翌日、僕はメンテールとキルシッカを連れてマイヤお姉さんを迎えに行った後、今度はバルトリア王国での生産についてシェリーと打ち合わせをする為に王都に行くことにしました。

「久しぶりにシャルル様のお供が出来て嬉しいです」

「メンテールにはアシュリ達の訓練もしてもらっていたからね」

訓練が続いてはかわいそうなのでロクサーヌの訓練はヌエットにお願いしたのです。

「私は“シャルルの渦”の販売が終わったら来られると思っていましたよ」

「うん、マイヤお姉さんもお疲れ様。これからバルトリア王国で指導してもらうことになるけれどよろしくね」
「前にも言ったかもしれないけれど、今度はすでに王都にある魔道具製作所だから…」

「はいっ!」
「それにしてもメンテールさんも運転席のキルシッカさんも以前よりまた一段と、何と言うかお綺麗になられましたね」

「ありがとう、マイヤさん」

そうおっしゃるメンテールさんは魔動力車に乗り込んだ時からシャルル様にぴったりとくっ付いて座っておられます。
やっぱり大きくなられたシャルル様は素敵です。
メンテールさんが身体を預けられても余裕で受けとめられています。

「マイヤお姉さんにもしてあげるつもりだよ」

「えっ!? シャルル様が何かして下さるのですか?」

「良かったですね、マイヤさん。今晩は私と思っていたのですが…」

「ごめんね、メンテール。明日してあげるから」

「やったぁ~、ほ…本当ですよ、シャルル様絶対ですからね!」

「だからマイヤお姉さんにはメンテールから色々と説明しておいてくれるかな…」

「はいっ、お任せください」

「何なのですか…? シャルル様が一緒にお風呂に入って下さるのでは?」

「マイヤさん、も~っと凄くて気持ち良い事ですよぉ~」

「えっ、もっと凄い…? いつもより?」

「フフ…、後でお話ししますから…」



シエラが受精した後はルーシャ、昨晩はエリオンとセックスをしました。
パートナーとして平等としながらもやはり領主であるルーシャに新しくなった部屋を見せておきたかったのもあります。

それにシエラが説明しながら見せてくれましたが、左眼が黒色になったことで僕と同じように属性に捉われなくなったのです。
それを知ったルーシャが懇願してきたというのもあります。

ルーシャは受精したがっていましたが、一応二回目は自然に任せたところ残念ながら受精はしませんでした。
かなりがっかりしていたから次回はアイに頼んだ方が良いかな…。

エリオンはシャルルカード大会の“神経衰弱”でその機会を勝ち取りました。

同じくエリオンもキルシッカや皆に「私が先に受精します」と意気込んでいましたがそう簡単に受精はしませんでした。
キルシッカがエリオンが受精していないのを知って安心していたのが面白かったです。



XX XY



「シャルル~、待っていましたよ~」

王城に入り玄関に着くと、シェリーがすでに待っていて僕の顔を見るなり抱き付いてきました。
側にいたルチアお姉さんとスージーお姉さんは僕の変貌した姿を初めて見たので驚いています。

「ルチア、スージー、シャルルが“男”になって大きくなられたって言っておいたでしょ」

「大きくなられたって…、変貌の仕方がちょっと想像以上で…」

「私も冗談だと思っていましたが本当に髪と瞳が黒色に…」

「ルチアお姉さん、スージーお姉さん、驚いたかもしれないけれど本当に僕だよ…」
「シェ…シェリーもしばらくよろしくね」

「何をそんな他人行儀な事を…、私はシャルルのパートナーなのですから好きな時に来て好きなだけいて下さい。私としてはずっといて欲しいぐらいですよ」

(えっ!? シャルル様もシェリー様の事を呼び捨てに…、それにパートナー?)

「マイヤさんもお久しぶりです。今回はよろしくお願いしますね。信頼できる者を選んだつもりですが、気になることがあれば遠慮なくおっしゃってください」

「あっ、はい…」

「それではシャルル、いつ顔合わせをいたしましょうか?」

「うん、ゆっくりする前に今からにしようかな。今日中に僕も会っておきたいし、マイヤお姉さんも紹介しておきたいからね…」

「何かお急ぎなのですか?」

「そういうわけじゃないよ。明日以降マイヤお姉さんにここで指導してもらっている間にシェリーに他領都に連れて行ってもらおうかなって思ってね」

「そうでしたか、お任せください。私と一緒ならどこへ行っても大丈夫ですよ」



僕達はシェリーの魔動力車に乗り換え、ルチアお姉さんの運転でシェリーの薦める魔道具製作所に向かいます。

“転移の祠”と王城を結ぶ道は何度も通っていますが、他の道を通るのは以前近くの鉱山に行った時以来です。
王都は鉱山などの山々に囲まれているいわゆる盆地で、その山々に沿った内側に環状道路が整備されていて一周出来るようになっているそうです。

「シャルル、これから向かう魔道具製作所は実は私の幼馴染の娘が運営しているのです」

「へぇ~、そうなんだ。ということはその娘さんとユナも幼馴染なの?」

「そうですね。ユナとは同い年になります…」
「だからといって贔屓で紹介するのではありませんよ。腕は良いと思いますから…」

「……?」
なんだろう、シェリーが言葉尻を濁しているような感じがしました。



「着きました、ここです」

魔動力車から降りて案内されたところに『メロ魔道具製作所』と看板が出ていました。
外から見たところお店の大きさはマイヤお姉さんのお店の二つ分くらいです。

ルチアお姉さんが出入口から入って行き、声を掛けているのが聞こえてきます。

「さぁシャルル、私達も入りましょう」

シェリーに続き中に入ると予想していたより活気がなく、初めてマイヤお姉さんの魔道具製作所に入った時のような感じでした。

「シェリー様お久しぶりですねって、本当にシェリー様…ですか?」

「もちろん私ですよ、メロも久しぶりですね」

「失礼ですが私の記憶にあるシェリー様とは別人のように若々しくてお綺麗ですよ。母がここにいれば失神していたかもしれませんね」

「フフ…、ドナは大げさですからね。ドナも元気にしていますか?」

「はい、一応元気なのですが最近はちょっとお腹の調子が良くないみたいです」

「そうですか…、大事にならないと良いですね」
「それで仕事の方はどうですか?」

「なんとか…、外注のお仕事をさせていただいています」
「それでそちらの方達は…?」

平静を装っていますがシェリー様の隣に立っておられる方は見たこともないくらい格好良くてたくましい男性です。
夜のように真っ黒な髪と瞳をされているのになぜかこの方の周りは明るく見え、怖いという印象も無く、むしろとても優しさを感じる雰囲気です。

「そうでした、少し前に連絡していた用件で来ていただきました」
「こちらの男性がシャルル様、こちらが魔道具製作をされているマイヤさんです。それにシャルル様の後ろにいるのがメンテールさんにキルシッカさん、私の側にいるのは知っているでしょう?」

「はい、ルチアさんもお久しぶりです」

男性はシャルルさんと言うのですか…、シャルル…?
シャルルさんの後ろにおられる女性も目を見張るほど若々しくてお綺麗です。
特にキルシッカさんの肌は瑞々しくて羨ましいです。

「シャルル、こちらが紹介したいメロという者です」

「初めましてメロお姉さん、シャルルといいます」
「マ、マイヤです」

紹介されたメロお姉さんはキルシッカと同じ薄褐色の肌をしていました。
身長はユナと同じくらいかな…。それでも胸は大きいだけではなく突き出すような形、いわゆるロケットおっぱいでシャツから飛び出してきそうな感じです。
黄色みがかった灰色の髪は顔の形に合わせるように短めで自然に流されていて、側にいるキルシッカとはなんだか対照的な雰囲気です。

「初めまして、メロと言います。よろしくお願いします」
「それでシェリー様、私に魔道具についてのご相談ということでしたが…?」
「あっ、すいません。シェリー様、皆様どうぞ中にお入りください」

「ありがとうメロ、では中に入ってから説明しますね…」



メロお姉さんに案内され作業場を抜けて応接室のような部屋に入ります。
作業場には従業員が数人いましたが、全てメロお姉さんと同じ薄褐色の肌の女性ばかりでした。
マイヤお姉さんも他国の魔道具製作所に興味があるのか作業場をあちらこちら観察するように見ています。

「ではまず最初に、メロは先日王都で発売された“シャルルの風”という物を知っていますか?」

「もちろんです。あんなに考えられた魔道具は初めて見ました…よ。えっ…まさか…、そちらのシャルル様は…」

「そうです。こちらのシャルル様があの“シャルルの風”の発明者です。そしてマイヤさんが製作されました」

「男性が魔道具の発明を…」
「それにマイヤさんもすごいです。あれほど丁寧に作られた物が量産されているだなんて…、同じ魔道具の製作に携わっている者として尊敬しますよ」

「ありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです。私達はシャルル様の為に生産していますので…」

「それでメロ、今度シャルル様の新しい発明品をこの王都で任せていただくことになったのですが、あなたのところで生産してみますか?」

「そんな…、私のところで発明品を生産だなんて…」

「私としてもシャルル様の発明品は一般的な魔道具ではありませんから信頼できる者にしか任せたくないのです」
「すでにその発明品もマイヤさんが製作されています。ルージュ領分は問題ないのですが他領分を生産してもらいたいのです」

「シェリー…様…、まずはメロお姉さんに見てもらいましょう。マイヤお姉さんお願いできるかな…」

「そうですね…」

「はい、準備します」



「これがシャルル様の新しい発明品の“シャルルの渦”です」

テーブルの上に大小の透明の容器と魔道具本体を並べます。

「“シャルルの渦”…ですか、大きい魔道具ですね」

「これは調理器具なので容器が大きいのです」
「食材をシェリー様のお屋敷から頂いてきていますので作ってみますね」

「……」
そう言われたマイヤさんを見ていると、透明の容器に“あかべりー”とミルク、甘味料を入れ蓋を閉めると魔道具本体の上に置かれます。

「じゃあメロさん見ていてくださいね」

ポチッ…。

ブシュ…、グシュ…。

「えっ、すごい…、一瞬で“あかべりー”が刻まれてミルクと混ざりましたよ」

「これは刻んだり混ぜたりする調理器具なんです」
「ぜひ、飲んでみて下さい」

容器からコップに移されると、薄らピンクがかったミルクの中に細かく刻まれた“あかべりー”が入っているのが分かります。

ゴクッ、ゴクリ…。

「美味しい~!」
「こんな食べ方? 飲み方が出来るだなんて…」

「好みによっては“あかべりー”の形が無くなるまで刻んで混ぜる事も出来ますよ」
「それに刻むだけ、混ぜるだけも出来ますので、“シャルルの渦”があるとこれから色々な食べ方が考えられていくと思います」

「メロ、どうですか? シャルル様の発明品を見て…」

「調理器具としてこんなことが出来るとは驚きました。それにこの“シャルルの渦”もとっても丁寧に作られています。この容器も一見簡単そうですがとっても工夫されていますね」
「この容器を傷つけずに刻む魔法も難しそうですよ…」

「少し見ただけでそれだけ“シャルルの渦”の作りが分かるのなら大丈夫だよ」

「シャルル様…」
「ですが実際の所私の魔道具製作所の規模では…、人員も足りないでしょうし」

「それなら当面は必要に応じて王都が支援しましょう。人員や“シャルルの渦”についてはマイヤさんに指導してもらえれば何とかなるでしょう」

「そうですよ、私もシャルル様と初めて出会った時はメロさんの魔道具製作所と同じで一般的な魔道具製作や下請け等をしていたのですよ」
「メロさん、生産量は慣れていけばいずれ増えていきます。ですが一番大切なことはメロさんや従業員の皆さんがシャルル様の為に丁寧に製作し不良品を出さないという気持ちなのです」

「わ…私達も…丁寧さなら自信があります」

「それなら大丈夫ですよ。私が製作したこの“シャルルの渦”と同等の物が作れるようになれば安心して任せられますよ」

「シャルル様…、どうでしょうか?」

「うん、僕もメロお姉さんにお願いしても良いと思うよ。マイヤお姉さんが言ってくれたように丁寧に作ってもらえて領民の皆に安心して使ってもらえるようにして欲しいかな」

「あ、ありがとうございます。頑張って作っていきますのでよろしくお願い致します」

「うん、メロお姉さん、これからよろしくね」

「はいっ!」

「そうだ、メロお姉さん、お湯の出る魔道具が数個ほどあるかな?」

「は…はい…、一般的な物ですから常備品がありますけれど…」

「じゃあ少し購入していこうかな」

「シャルル、どうかしたのですか?」

「いやちょっと他領の領主様達にお土産を用意しておこうかと思ってね…」

「お土産ですか…?」
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