DNAの改修者

kujibiki

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第450話 慰安旅行編4

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「シャルル様、申し訳ありません。リリス様のところに寄らなくてはいけなくなりました…」

「うん、いいよ。呼ばれているのなら挨拶ぐらいしておきたいし…」

バージンに戻ってきたところ、詰所で止められるとヨルンが僕の乗っている魔動力車に駆け寄ってそう言ってきました。
最初に来た時は素通り出来ましたが、都市長様の指示ではヨルンがいたとしてもこのまま無視する訳にはいかないようです。

「そう言っていただけて良かったです。どうも私達を探しておられたようなのです」

「じゃあこの間の宿にチェックインしたら僕とヨルンで向かって、皆は夕食まで自由行動にしよう」

確かにエンターシャの魔動力車がバージンを通り過ぎたら気になるよね。
前もって名前も聞いていたので少し興味もあります。



XX XY



リリス様のお屋敷に着くと門番が僕達を一瞥しただけで入れました。
ヨルンは僕と二人で魔動力車の運転席に座ることが出来たとご機嫌です。

「それにしても屋敷の中は男性が多いよね…」

門番など要所には警備の女性やメイドが配置されていますが、庭の手入れや清掃等は男性がしているようなのです。

「以前来た時よりも増えているように思いますが、それはリリス様のお考えで男性を雇われているのですよ」

「へぇ~、そうなんだ」

魔法を使えるわけでもありませんし体力もありませんが日常的な作業ならもちろん男性にも出来ます。
屋敷の中にも男性がいるのですが、私服の上から同じベストの様な物を着ているのでどこに男性がいるのか一目瞭然です。



コンコン、コン。
ガチャ…。
「リリス様がお見えになられました…」

(へぇ~、男性だ…)

僕がそう思いながら長椅子から立ち上がると男性が驚いた目で見てきます。
たぶん僕の容姿が珍しいのでしょう。
それで後ろから出てこられた女性が…リリス様かぁ。
僕とチラッと目が合うと視線を逸らされてしまいました。

「お…お呼び立てしてすみません。先日エンターシャ様の魔動力車がバージンに入ったとの事でしたがこちらに立ち寄られることもなく陽の昇る方角へ向かわれたと聞いて何かあったのかと心配していたのです」
「それで…エンターシャ様は…?」

(土属性のカラードですからヨルンさんですよね?)

それに見た事も無いくらい格好良くてたくましい男性です。
黒色の髪と瞳だなんて…、こんな男性は初めて見ましたよ…。

「リリス様、お久しぶりです。ヨルンです。今回エンターシャ様は同行されていませんよ」

「やっぱりヨルンさんですか? 容姿が私の記憶と全然違うので驚きましたよ。それに声が…」

艶々の髪に瑞々しい肌…、こんなに若々しい女性を見た事がありません。
ヨルンさんとはいくつも歳が離れている訳じゃないのに、私の肌は艶も張りも無くてくすんでいるように見えますよ。

「喉を治していただいて声が出せるようになったのです」

「綺麗な声…、それにずいぶん雰囲気も変わりましたね」

ヨルンさんが隣の男性に寄り添いながら話をしてきます。
男性と触れ合うだなんて…。

「ありがとうございます。それよりまずはこちらの男性をご紹介したいのですが…」

「そ…そうですね。お願いします」

私がこの部屋に入ってきてから微笑みながらこちらを見られているのですが気恥ずかしくて目を合わせ続けられません。

「こちらはシャルル様といってエンターシャ様を始めルージュ領のサマンサ様やシェリー女王様の大切な方になります。シャルル様に無礼があればエンターシャ様がお怒りになられますのでお気を付けください」

もちろん、私もシャルル様に無礼を働く者には誰であろうと容赦はしません。

「えっ、サマンサ様…に、シェリー女王様…?」

どうしてお二人の名前が…。

「初めましてリリス様、シャルルと申します。ヨルンの言ったことは少し大げさですので気楽に接して下さると嬉しいです」

「こちらこそ初めまして、バージンの都市長を任されておりますリリスと申します。シャルル様のような男性にお会い出来て光栄です…」

本当に立派な体躯、それに想像以上に落ち着いた優しい声。目を見て話していると意識が呑みこまれそうになります。
気さくなのに品があって一般の領民とは思えませんね。
ひとしきり挨拶が済むと向かい合って長椅子に座ります。

「リリス様、この方があの“シャルルの風”の発明者でもあるのですよ」

「えっ、どうりで聞き覚えのある名前だと思ったらそうだったのですか!? あんなに素敵な魔道具はありませんよ。もう少し早く使う事が出来れば私も髪を切る事も無かったのですが…、でも今度は綺麗に伸ばせますよ。早くバージンでも販売してもらいたいですね」

目の前の男性があの魔道具の発明者だったのですか…、領主様達や女王様が気に掛けておられるのも頷けます。

「今の髪型も良くお似合いですよ。今年中には各都市でも少しずつ販売できるようになると思います」

リリス様は金髪のマッシュショートで前髪やサイドを長めに流しています。
前髪の隙間から見える左眼が青色系なので水属性のカラードのようです。
金髪碧眼とはありそうでなかったので、つい見入ってしまいます。
中性的な顔立ちで目もクリッとしていて美少年にも見えますが、全身を見ると出る所は出ていてとても女性らしい体型をされています。

「あの…、そんなに見られると恥ずかしいです…」

「すいません。つい髪の長かった時のリリス様を想像してしまって…」

「シャルル様にそう言っていただけると嬉しいですよ。また髪が長くなったら見にいらしてくださいね」

男性に髪の事を話題にされて嬉しくなり、私が自然とそんなふうに返事をしていたことに驚きます。

「はい、またいつでも来られますから…」

「はぁ…?」



「そ…それで今回はどうされたのですか? 魔動力車は2台だと聞いていましたが…」

「それは僕の雇っている従業員達と休暇でジャトワン領の陽の昇る方角にある海の町まで旅をすることになりましてヨルンには運転と案内の為に付き添ってもらっているのです」

「そうでしたか…、領内会議の年でもないのにエンターシャ様の魔動力車が来たと思ったら通り過ぎてくので驚きましたよ」

ヨルンさんは相変わらずシャルル様にぴったりとくっ付いて座っておられます。
シャルル様のような男性とくっ付けるだなんて羨ましい…、何となく見ていて気持ちがモヤモヤします。

「エンターシャ様から無理にリリス様に会う必要はないと言われていましたので…」

「もう~、エンターシャ様もひどいですね。危うくシャルル様とお知り合いになれない所でしたよ…」
「それにしても旅とは羨ましいです。私は簡単にはバージンの管轄範囲から出られませんからね。出掛けるとしてもジャトワン領都までですよ。アデル様が領主になられ世代が変わりましたら他の領都にも行ってみたいですね~」

「……」
窓を通して遠くを見るリリスさんはどこか退屈そうな、寂しそうな感じです。

でもアデルはエルスタイン領都にいるし、仮に僕とエンターシャの子供がジャトワン領の後継者になるとすればリリス様は当分都市長のままだよね…。
なんだか都市長は領主より大変そうだよ…。

「リ…リリス様のところではたくさん男性を雇われているそうですね。何か理由はあるのですか?」

僕が話題を変える為にそう聞くと今はこの応接室入口の側に控えていた男性がこちらをチラッと見てきます。

「それは…男性は魔法も使えませんし体力もありませんが、男性を雇うということは“誕生の儀”を促す効果があるのですよ」

「そうなのですか!?」

“誕生の儀”は出産日の意味合いが強いですが、一般的には精子や卵子の採取から始まり、受精卵にして施設で育成し誕生するまでの過程も含まれています。
特に男性にとって“誕生の儀”は一生に一度かもしれない精子を採取されることを意味するのです。

「もちろん条件があって働くことのできる業種や期間も定めていますが、この屋敷だけでなく都市で管轄している仕事に就くことも出来るのです」

「面白いですね」

なんだか地方自治体の契約社員みたいだよ…。

「それがどうして“誕生の儀”に結びつくのですか?」

「なぜなら条件は“誕生の儀”を行うことだからです」
「それに契約期間は男性が20歳になるまでなので男になったら早く“誕生の儀”をしたいと思ってもらえるようにしています」

「凄いですね。じゃあこの屋敷で働いている男性には全て子供がいるのですね」

「はい、ですからこの都市では男性が14歳ぐらいで“誕生の儀”をするのも普通なのですよ。そこにいるセマも今は17歳ですが14歳で“誕生の儀”をしていますから…」

「それは早いですねぇ」

男性の割合が増えるかどうかは別にして人口は安定するでしょう。

「それに働いていると体力も少し付きますし、寿命が短い分健康的な男性はパートナーにも喜ばれますからね」
「その…シャルル様もとってもたくましくて素敵ですよ」

「あ…ありがとうございます」

実はリリス様も長椅子に座ってから僕の身体をジロジロと眺めておられます。
これで気付かれていないと思っているのなら少し可愛いですね。

「そういえばシャルル様はおいくつなのですか? シャルル様のように格好良くてたくましい男性ならパートナーにして欲しいと言って来た女性も多いのでは?」

私ももっと早く知り合ってみたかったですよ…。

「リリス様には私がいくつぐらいに見えていますか?」

いつもこのまま年齢を言うと驚かれるので、ちょっとうざい質問をしてみました。

「そう…ですね…、シャルル様はこれまでに見てきたどの男性にも当てはまらないですよね~。う~ん、体躯からしてセマより年上の18歳~20歳ぐらいでしょうか…」

そうかぁ~、それくらいの年齢ならパートナーはいらっしゃるでしょうね。

「じゅ…12歳です」

「なっ、なんだって~っ!?」

「きゃっ、セ…セマ、驚かせないでください」

いきなり入口のところに控えていたセマが叫びました。
セマが驚くのも無理はありません。もう一呼吸空けば私が叫んでいたところです。

「す…すみません。リリス様…」

「シャ…シャルル様が12歳…。も…もちろん“男”になられているのですよね?」

「はい、今年“男”になりました」

「それならこれからパートナー選びが大変になるでしょうね」

もしかしてまだパートナーはいらっしゃらないんじゃ…。

「実は…もうパートナー(達)はいますし“誕生の儀”(セックス)も済んでいます。来年には子供(達)が出来る予定です」

「なっ…」

「うっ、うそだろう~っ!?」

「きゃっ、セ…セマ、もう~驚かさないでくださいってば…」

ハァ~、なんて羨ましい…。シャルル様のパートナーになられた方は幸せね。

「失礼ですがリリス様にはパートナーはおられないのですか?」

「そうなの…、領民達には“誕生の儀”を促しているのに私にはいなくて…」

そうおっしゃるリリス様の表情が急に沈みます。

「リ…リリス様も女性らしくてお綺麗ですのに…、何か見つけられない理由でも?」

「実は…昔…、“誕生の儀”を行う施設で女性が卵子を採取されるところを見てしまいまして…。採取された後はとっても痛いそうです」

眠らされた状態とはいえ、長い針を女性器から入れられ直接卵巣に刺されるのです。見ていておしっこを少し洩らしてしまったぐらいです。

「シャルル様も痛かったでしょう? 私は見た事がありませんが男性は特に痛いと聞きます」

「それは…痛い…、でしょうね(ボソッ)」

ひぃ~っ、精巣に針を刺されるなんて…、想像しただけで男性器が縮みあがります。
セマという男性も思い出したのか股間に手を当てています。

「それで怖がっている間にこの歳になってしまったという訳です…。ハァ~」

気に入った男性がいなかったというのもあります。
シャルル様のような男性がパートナーならきっと我慢できたでしょうに…。

「シャ…シャルル様はどうやってそんなにたくましい身体になられたのですか?」

「そうですね~、やっぱり身体を動かして…それにお肉を食べていたからでしょうか。僕はお肉が大好きなので小さい頃からいっぱい食べていましたよ」

「お肉ですか…?」

「男性はお肉を好んで食べないと聞きますがぜひ都市で推奨されてみてはいかがですか? 食べる習慣が身に付けば男性の体質改善に繋がるかもしれませんよ」

この世界の男性は女性よりも問題が深刻です。
寿命はすぐに改善できなくても、せめて“誕生の儀”が数回出来るくらいの精子が搾取できるようになると良いのですが…。

「シャルル様がおっしゃると本当にそうなのかもしれませんね。少しずつ試していくようにしますよ」



XX XY



「都市長も色々と大変だよね…」

夕方までリリス様と話をした後、皆が待っているであろう宿に戻ります。
あれからリリス様に“シャルル抱き”をして力のあることを見せてあげると、とっても喜んで元気になられました。
セマさんがそれを見て驚いたのは言うまでもありませんが、帰り際に今晩から少しずつお肉を食べてみると言っていました。
それに子供は男の子なのだそうです。

「そうですね…、卵子を採取されるのがそんなに痛い事だなんて知りませんでしたよ」

「そこなんだ…」

僕は都市の事を考えたり、旅をしたりする自由がないから大変だと思ってそう言ったのだけれど…。
良く考えるとリリアンやマドリーンも気軽に移動できないと可哀相だよね。
ムーランのように寂しい想いをさせるのは良くありません。

「私も初めてシャルル様の太くて長い男性器が女性器に挿入された時は驚くほど痛かったのですよ~。今はとっても気持ちが良いですけれどね」

横でニッコリ笑うヨルンを見ていると、改めて少しでも多くの女性を幸せにしてあげたいと思いました。
リリス様にもまた会う事でしょう。
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