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勝負は 自分の得意なことで
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ディーンは、クリスの書いた絵の見方を変える。全体で見るのではなく。
一つ、一つ、単品とし見て考えることにした。連想ゲームと同じだ。
女の子。薔薇。リボン。ドレス。
(う~ん。……もしかして、ドレスのデザイン画か? )
絵を詳しく見てみると、ドレスに薔薇
の花がリボン状にぐるぐると、とぐろを巻いたみたいに絡みついている。
俺の目から見れば ドレスというより、体から花が咲いた少女だ。
(これをロアンヌに? )
ロアンヌの好みじゃない。ロアンヌはレグール様と出会ってから、おしゃれに目覚めた。ロアンヌも例外ではなかった。やはり 恋する女は綺麗になる。
汚れが目立たないからとか、動きやすいからとか、そういう実用的なドレスではなくなった。
ファッションに疎い俺でも分かる。
しかし、だからと言ってコレはない。ありえないと、絵を見ながら首を振る。 こんなドレスを着たがるのは子供だけだ。クリスだってロアンヌの好みを知っているはずなのに……。
だったら、クリスが着るのか?
いやいや、それは考えられない。顔の前で手を振って、自分の考えを否定する。女の子に間違われるのが死ぬほど嫌なのに、ドレスなんて着ない。
女に間違われるたびに、男だと証明しようと、あばらの浮き出た胸を肌蹴るくらいだ。
相手は誰だ?
針子の仕事をするのは、たまにあるけれど。デザインから頼まれたことはなかった。
( ……… )
いくら考えても 答えが見つからない。真剣な顔で描いているところを見ると、重要な人物の物だろうとは思うんだけど……。
ディーンは我慢しきれずに、聞いてみることにした。
「そのドレスは誰のだ? 」
「ひやぁ~」
クリスが悲鳴を上げると、デザイン画を胸に抱えて振り返る。
「ディ、ディーン。驚かすなよ」
相手が俺だと分かると、デザイン画の紙を背中に隠す。
見せたくないらしい。
「それは何だ? 」
動揺しているクリスを無視して、後ろに隠したデザイン画を指差す。
「みっ、 見るな」
見るも何も、もう見てるし。
クリスが絶対見てないと、デザイン画を布団の間に挟むと、その上にテコでも 動かないと座って腕組みする。
相当嫌らしい。
「それ、ドレスのデザイン画だろう?」
「どっ、どうしてそれを」
「どうして急に、ドレスなんて作ろうと思ったんだよ。誰かに頼まれたのか? 」
「ちっ、違うよ。……自分から……作ろうと思ったんだよ」
「お前が? 」
クリスは針子としては一流だが、気分屋で仕事としては向かない。
絶対、納期とか守らないタイプだ。
そんなクリスが、自主的に?
にわかには信じられない。 どう言う
心境の変化だ? 頭でもぶつけたのか?
「クリス。熱でもあるのか? 」
熱を測ろうと手を伸ばすと、クリスに叩き落とされた。
「もう! ロアンヌだよ。ロアンヌ! 」
「ロアンヌ様? 」
「そう。……ロアンヌにプレゼントしようと思って……」
クリスが恥ずかしそうに、ポリポリと鼻を指でかく。
「プレゼント?! 」
大それた答えに思わず声がうわずる。言うのは簡単だけど。そもそもドレスを作る生地を買えるのか?
いくら綿でも貴族が着るなら上等な物になる。となれば 高くつく。
貯金してる様子もない。
(それなのに、どうやって? )
俺の反応に機嫌を悪くしたクリスが 口を尖らせて文句を言う。
「そうだよ。ディーンが自分の得意なことで、勝負しろって言ったじゃないか! 」
「 ……… 」
横槍を入れるなとクリスが俺を睨む。 確かに言った。そうじゃないと、レグール様と同じ土俵に立てない。しかしこれで、同じ土俵に立ったと言えるのか?
(クリスからドレスをプレゼントされたら 喜ぶとは思うけど ……)
「それが、レグール様に勝つことになるのか?」
「ちっ、ちっ、分かってないな」
クリスが俺に向かって指を振ると、得意げな顔で隠していてデザイン画を取り出して、バンバン叩く。
「男が女にドレス贈るのは、俺の女だというしるしだし、女の方も こんな高価なドレスを贈ってくれる男に愛されていると、自慢になるんだよ」
「 ……… 」
「ステータスだよ。ステータス」
分からなくはないが、誰が誰に贈ったって、どうやって皆に知らせるんだ? いちいち口にするのか?
それともメイドに吹聴してもらうのか?理解できないと両手を上げて首をすくめる。
「ディーンは好きな女に、ドレスをプレゼントしたいと思わないの?」
「金もないし、第一贈る相手がいない」
今まで付き合った女たちは、ドレスより宝石を欲しがった。
(ドレスをプレゼントなど、よく思いついたものだ)
「だから、誰とも長続きしないんだよ」
「なっ」
クリスが女心をわかっていないと、呆れたように眉をあげる。その仕草にイラッとする。
(自分は恋人が、できたこともないくせに)
「はい。はい。せいぜい頑張れ」
そう言って部屋を出て行こうとしたが、ドアの前でクルリと振り返る。 (これは アドバイスだ。そう、アドバイス)
「でも、そのデザイン。…… ロアンヌ様に似合わないと思うぜ」
そう言い捨てると素早く外に出る。
「ディーン!」
閉じた扉の向こうで、クリスが何かをぶつけたようで 物音がする。
その音にスカッとする。
「ふんふん。ふんふん」
ディーンは鼻歌を歌いながら立ち去る。
しかし予想に反して、本気らしく。 その後も 寝る間も惜しんでクリスが ロアンヌへ贈るドレスを作り続けた。
その姿をディーンは、まるで 魔法みたいだと、クリスに見惚れる。
広げた布に、ハサミで模様を描くように動かすと、裁断が終わっている。
針を持って、なぞるように指を動かすと、縫いあがっている。
糸を指にかけて 棒をクネクネさせると、その下には立派なレースが出来ている。
縫い合わせた糸を引っ張ると、薔薇の造花ができる。
その見た目と相まって、クリスが紡ぎだすものは妖精が作ってるみたいに見える。
目の下にクマを作りながら、経った 10日で完成させた。普通のドレスでも、一か月はかかるのに。
その能力の高さに驚く。この国一番のお針子になれるのに、 せっかくの才能がもったいない。
出来上がったドレスは、予算の都合で バラの飾りの減ったシンプルなドレスになった。
ディーンはドレスを見て、うんうんと頷く。ロアンヌが喜ぶドレスになっている。クリスもロアンヌがドレスを着るたびに嬉しいだろ。
*****
ロアンヌは、レグールの愛馬の"嵐"に二人乗りして山頂を目指していた。そこに、古城跡があるらしい。 着いたらランチを食べる予定だ。
この前レストランで食事をしたが 、じろじろと見られて居心地が悪かった。私が綺麗だからだと、レグール様が言っていたけれど。それだけじゃない。
レグールに、取り入ろうという輩が 待ち構えていた。
同じ客同士だから、追い出すこともできず。 我慢したけど……。
毎回ああなら、当分行きたくない。 と、思っていた。だから、いつものデートコースだと聞いて安堵した。
凝った料理も、ゴージャスな衣装も必要ない。必要なのはレグール様だけ。二人きりの方がいい。誰にも邪魔されたくない。
(これが、独占したいっていうことかしら)
そんなことを思いながら、レグールの顔を覗き見る。今は真面目な顔しているが、迎えに来て私がレグールからのプレゼントしてもらったドレス姿の私を見て、 とろけそうなほど目尻を下げていた。
( クリスといい、レグール様といい、
ドレスを贈るのが流行ってるのかしら? )
森を抜けると急に開けた場所に出た。
「うわぁ~。すごいですね 」
古城跡というだけあって、屋根も柱も壁もない。わずかばかりの階段と、壁の一部が残っているだけ。
石の床が広がり。背の低い雑草が生えている。そして、それを取り囲むように花が咲いている。
古代の舞台みたい。そこだけ太陽がスポットライトのように日が射している。レグールに降ろしてもらうと、ロアンヌは主演女優のように、たったったと中央へかけていくと両手を広げて、くるりとスカートを揺らす。
( お日様の匂いがする)
「レグール様ー」
早く早くと手招きすると、レグールが荷物を抱えてこちらに歩き出す。 待ちきれないとロアンヌは、荷物は半分を持つと手を引いて急かせる。
この爽やかさをレグールにも感じて
欲しい 。
「どうだい。気に入ったかい? 」
「はい。すごく気に入りました」
荷物下ろすと、連れてきてくれてありがとうと、レグールの両手を取る。
誰にも邪魔されない私たちとの秘密
の場所。デートは、毎回ここが良い。
「その言葉は、まだ早いよ」
レグールが、そう言って私の手をとると、古城跡のはずれに向かう。
いったい、何処へ連れていくのだろう。
一つ、一つ、単品とし見て考えることにした。連想ゲームと同じだ。
女の子。薔薇。リボン。ドレス。
(う~ん。……もしかして、ドレスのデザイン画か? )
絵を詳しく見てみると、ドレスに薔薇
の花がリボン状にぐるぐると、とぐろを巻いたみたいに絡みついている。
俺の目から見れば ドレスというより、体から花が咲いた少女だ。
(これをロアンヌに? )
ロアンヌの好みじゃない。ロアンヌはレグール様と出会ってから、おしゃれに目覚めた。ロアンヌも例外ではなかった。やはり 恋する女は綺麗になる。
汚れが目立たないからとか、動きやすいからとか、そういう実用的なドレスではなくなった。
ファッションに疎い俺でも分かる。
しかし、だからと言ってコレはない。ありえないと、絵を見ながら首を振る。 こんなドレスを着たがるのは子供だけだ。クリスだってロアンヌの好みを知っているはずなのに……。
だったら、クリスが着るのか?
いやいや、それは考えられない。顔の前で手を振って、自分の考えを否定する。女の子に間違われるのが死ぬほど嫌なのに、ドレスなんて着ない。
女に間違われるたびに、男だと証明しようと、あばらの浮き出た胸を肌蹴るくらいだ。
相手は誰だ?
針子の仕事をするのは、たまにあるけれど。デザインから頼まれたことはなかった。
( ……… )
いくら考えても 答えが見つからない。真剣な顔で描いているところを見ると、重要な人物の物だろうとは思うんだけど……。
ディーンは我慢しきれずに、聞いてみることにした。
「そのドレスは誰のだ? 」
「ひやぁ~」
クリスが悲鳴を上げると、デザイン画を胸に抱えて振り返る。
「ディ、ディーン。驚かすなよ」
相手が俺だと分かると、デザイン画の紙を背中に隠す。
見せたくないらしい。
「それは何だ? 」
動揺しているクリスを無視して、後ろに隠したデザイン画を指差す。
「みっ、 見るな」
見るも何も、もう見てるし。
クリスが絶対見てないと、デザイン画を布団の間に挟むと、その上にテコでも 動かないと座って腕組みする。
相当嫌らしい。
「それ、ドレスのデザイン画だろう?」
「どっ、どうしてそれを」
「どうして急に、ドレスなんて作ろうと思ったんだよ。誰かに頼まれたのか? 」
「ちっ、違うよ。……自分から……作ろうと思ったんだよ」
「お前が? 」
クリスは針子としては一流だが、気分屋で仕事としては向かない。
絶対、納期とか守らないタイプだ。
そんなクリスが、自主的に?
にわかには信じられない。 どう言う
心境の変化だ? 頭でもぶつけたのか?
「クリス。熱でもあるのか? 」
熱を測ろうと手を伸ばすと、クリスに叩き落とされた。
「もう! ロアンヌだよ。ロアンヌ! 」
「ロアンヌ様? 」
「そう。……ロアンヌにプレゼントしようと思って……」
クリスが恥ずかしそうに、ポリポリと鼻を指でかく。
「プレゼント?! 」
大それた答えに思わず声がうわずる。言うのは簡単だけど。そもそもドレスを作る生地を買えるのか?
いくら綿でも貴族が着るなら上等な物になる。となれば 高くつく。
貯金してる様子もない。
(それなのに、どうやって? )
俺の反応に機嫌を悪くしたクリスが 口を尖らせて文句を言う。
「そうだよ。ディーンが自分の得意なことで、勝負しろって言ったじゃないか! 」
「 ……… 」
横槍を入れるなとクリスが俺を睨む。 確かに言った。そうじゃないと、レグール様と同じ土俵に立てない。しかしこれで、同じ土俵に立ったと言えるのか?
(クリスからドレスをプレゼントされたら 喜ぶとは思うけど ……)
「それが、レグール様に勝つことになるのか?」
「ちっ、ちっ、分かってないな」
クリスが俺に向かって指を振ると、得意げな顔で隠していてデザイン画を取り出して、バンバン叩く。
「男が女にドレス贈るのは、俺の女だというしるしだし、女の方も こんな高価なドレスを贈ってくれる男に愛されていると、自慢になるんだよ」
「 ……… 」
「ステータスだよ。ステータス」
分からなくはないが、誰が誰に贈ったって、どうやって皆に知らせるんだ? いちいち口にするのか?
それともメイドに吹聴してもらうのか?理解できないと両手を上げて首をすくめる。
「ディーンは好きな女に、ドレスをプレゼントしたいと思わないの?」
「金もないし、第一贈る相手がいない」
今まで付き合った女たちは、ドレスより宝石を欲しがった。
(ドレスをプレゼントなど、よく思いついたものだ)
「だから、誰とも長続きしないんだよ」
「なっ」
クリスが女心をわかっていないと、呆れたように眉をあげる。その仕草にイラッとする。
(自分は恋人が、できたこともないくせに)
「はい。はい。せいぜい頑張れ」
そう言って部屋を出て行こうとしたが、ドアの前でクルリと振り返る。 (これは アドバイスだ。そう、アドバイス)
「でも、そのデザイン。…… ロアンヌ様に似合わないと思うぜ」
そう言い捨てると素早く外に出る。
「ディーン!」
閉じた扉の向こうで、クリスが何かをぶつけたようで 物音がする。
その音にスカッとする。
「ふんふん。ふんふん」
ディーンは鼻歌を歌いながら立ち去る。
しかし予想に反して、本気らしく。 その後も 寝る間も惜しんでクリスが ロアンヌへ贈るドレスを作り続けた。
その姿をディーンは、まるで 魔法みたいだと、クリスに見惚れる。
広げた布に、ハサミで模様を描くように動かすと、裁断が終わっている。
針を持って、なぞるように指を動かすと、縫いあがっている。
糸を指にかけて 棒をクネクネさせると、その下には立派なレースが出来ている。
縫い合わせた糸を引っ張ると、薔薇の造花ができる。
その見た目と相まって、クリスが紡ぎだすものは妖精が作ってるみたいに見える。
目の下にクマを作りながら、経った 10日で完成させた。普通のドレスでも、一か月はかかるのに。
その能力の高さに驚く。この国一番のお針子になれるのに、 せっかくの才能がもったいない。
出来上がったドレスは、予算の都合で バラの飾りの減ったシンプルなドレスになった。
ディーンはドレスを見て、うんうんと頷く。ロアンヌが喜ぶドレスになっている。クリスもロアンヌがドレスを着るたびに嬉しいだろ。
*****
ロアンヌは、レグールの愛馬の"嵐"に二人乗りして山頂を目指していた。そこに、古城跡があるらしい。 着いたらランチを食べる予定だ。
この前レストランで食事をしたが 、じろじろと見られて居心地が悪かった。私が綺麗だからだと、レグール様が言っていたけれど。それだけじゃない。
レグールに、取り入ろうという輩が 待ち構えていた。
同じ客同士だから、追い出すこともできず。 我慢したけど……。
毎回ああなら、当分行きたくない。 と、思っていた。だから、いつものデートコースだと聞いて安堵した。
凝った料理も、ゴージャスな衣装も必要ない。必要なのはレグール様だけ。二人きりの方がいい。誰にも邪魔されたくない。
(これが、独占したいっていうことかしら)
そんなことを思いながら、レグールの顔を覗き見る。今は真面目な顔しているが、迎えに来て私がレグールからのプレゼントしてもらったドレス姿の私を見て、 とろけそうなほど目尻を下げていた。
( クリスといい、レグール様といい、
ドレスを贈るのが流行ってるのかしら? )
森を抜けると急に開けた場所に出た。
「うわぁ~。すごいですね 」
古城跡というだけあって、屋根も柱も壁もない。わずかばかりの階段と、壁の一部が残っているだけ。
石の床が広がり。背の低い雑草が生えている。そして、それを取り囲むように花が咲いている。
古代の舞台みたい。そこだけ太陽がスポットライトのように日が射している。レグールに降ろしてもらうと、ロアンヌは主演女優のように、たったったと中央へかけていくと両手を広げて、くるりとスカートを揺らす。
( お日様の匂いがする)
「レグール様ー」
早く早くと手招きすると、レグールが荷物を抱えてこちらに歩き出す。 待ちきれないとロアンヌは、荷物は半分を持つと手を引いて急かせる。
この爽やかさをレグールにも感じて
欲しい 。
「どうだい。気に入ったかい? 」
「はい。すごく気に入りました」
荷物下ろすと、連れてきてくれてありがとうと、レグールの両手を取る。
誰にも邪魔されない私たちとの秘密
の場所。デートは、毎回ここが良い。
「その言葉は、まだ早いよ」
レグールが、そう言って私の手をとると、古城跡のはずれに向かう。
いったい、何処へ連れていくのだろう。
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