女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える

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ワクワクそれともドキドキ?

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 僕がバイトをしてるコーヒーショップ、フェルーナでは年に一度、従業員慰安旅行がある、その慰安旅行が今年も来月に迫っていた・・・

>フェルーナ厨房
「それにしてもここ(フェルーナ)で慰安旅行があるなんて知らなかったなぁ」
 僕が誰というわけじゃなく独り言のように言うと近くにいた梨絵ちゃんがそれに答えるように、
「そうよね、わたしも去年初めて聞いたときは驚いちゃった、でも去年は楽しかったなぁ~、今年はユウト君も参加だから去年なんて比べ物にならないくらい、いろいろ楽しそ~、ウフフ・・」
 さらにイズミちゃんも・・
「そうよね、わたしは今年で3回目だけど、男子がいるのって初めてだし、その男子が年下なのも期待大よね、おねえさんとしてはいろいろ楽しそうでワクワクよ、ユウト君にはいろいろ教えてあげるつもりだから待っててネ、ウフッ」
「ふ、ふたりとも、妙な妄想はしないでほしいな・・ハハハ・・」
 僕の全身に鳥肌が立った・・
(な、なんでこのタイミングで鳥肌なんだ? もしかして僕の本能が慰安旅行に危険な匂いを察知したのか?・・怖ッ)

「あっ、そうだナプキンとストロー出してなかった!」
 僕はヘビににらまれたカエル的居心地の厨房から脱出すべく、さっさと作業を済ませて勝手口から店裏の倉庫へ逃げ込んだ。

 倉庫には店で使う皿やフォーク/スプーンの予備からペーパーナプキンなどの消耗品がしまわれている、僕はそんな倉庫からペーパーナプキンとストローを出して店にだしておくようにイズミちゃんから言われていた・・・
「いやぁ、ちょうどいいタイミングで倉庫にくる言い訳があってよかった・・
あのまま厨房にいたら、食われてもおかしくない空気だったよ・・・」
 僕はナプキンの入ってる箱を棚から降ろしながら、ブツブツ独り言をいってたら、いつのまにか倉庫の入り口に有希ちゃんがいて僕の独り言を聞かれてた・・・
「ブツブツ何いってるの?」
「えっ?!」
 作業中だった僕は不意に声を掛けられて脚立から落ちそうになった。
「うわわ~ッ」
「あらら、そんなに焦らなくってもいいわよ、ウフフ」
 僕は態勢を立て直して声のほうを見て、そこにいるのが有希ちゃんだと確認した。
「あぁ、有希ちゃんだったの~、ふぅ、またイズミちゃんか梨絵ちゃんかと思ったよ」
「ん? イズミや梨絵だと何かあるの?」
「い、いやぁ、何もないよ、アハハ~」
「ん~? なんか怪しくな~い??」
 僕は急に声を掛けられた動揺が残っていたせいか、無警戒に余計なことを口走ってしまっていた。
「いや、別に怪しいことなんて無いよ、さっき旅行のことを話してただけだよ」
「ふ~ん、まぁいいけど~・・ところでユウト君は旅行の準備とかもうしてる?」
「準備?」
「えぇ、1泊とはいえ、着替えとか歯ブラシとかよ」
「あぁ・・いや、何もしてないよ、やっぱ着替えとか買わないとダメかな?」
 僕は旅行といっても1泊だし、着替えとかは普段着てるヤツで済まそうと思っていたんだけど、有希ちゃんたち女子はそうもいかないようだ。
「やっぱり~、ダメよ~、慰安旅行はひとりじゃなくってわたし達も一緒なんだから、いろいろ気配りしとかないと、何が起こるか判らないでしょ~」
「何が起こるって言うの?」
(うわ~、有希ちゃんもイズミちゃんに似ていろいろ思わせぶりだな・・)
「え~、去年まで女子だけだった慰安旅行に今年は男子である君、ユウト君が参加するのよ~、何も起こらないはずがないでしょ~」
「い、いやぁ、そんなこと言われても・・」
「え~とねぇ、女子ばっかりの中にひとりの男子が入るって、肉食獣のオリに草食獣を入れちゃうようなモノよ、こういうことぜんぜん判ってないでしょ?」
「肉食獣って女子のことだよね・・・判ってませんでした・・」
 僕は頭の中で肉食獣の中に入れられた僕の図を思い浮かべ、絶望しかない画ズラにまたまた鳥肌がたった・・
 そもそも、フェルーナに通っていたのは有希ちゃん達5人がカワイイからだったけど、まさかその女子たちがここまでガンガン来るとは思ってもみないこと。
(これは旅行は遠慮したほうがいいかもしれないかな?・・)
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