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図書室
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しおりを挟む気を抜くと鳴り出しそうな歯を噛み締め、人気のまばらになった教室の席から立ち上がる。
24日…
何度も日にちを間違えていますようにと確認するが、携帯画面には『24日(金)』のゆるぎない表示しかない。
「葉、帰るのか?」
声をかけられ、思わずびくっと身構える。
「威は…これから部活?」
「その部活がなくなったからさ、一緒に帰らないか?」
一瞬その言葉にすがり付きたくなったが、拳を握りしめて首を振る。
「辻さんと帰るだろ?邪魔しちゃ悪いから。寄るとこもあるし」
「そうか…」
しょんぼりとして向けられた背中に、助けてと叫び出しそうになって唇を噛む。
威に…あんな事があったなんて、話せない
教室を出た威に、亜矢子が声をかけて歩いていく姿を見送る。
仲良く寄り添い、笑い声をあげながら帰路につく二人に、苛立たしさを感じて目を瞑った。
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