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戒め1
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しおりを挟む小さい頃、幼稚園位までは葉人はガキ大将に近かった。その頃は同い年の子供と比べても大きい方だったし、色素が薄いからと言って気にならなかった。
威はいつも、泣きべそをかきながら葉人の後ろをついてきていた。
小学校に入り、威を始め、皆背がにょきにょきと伸びたが葉人はあまり伸びなかった。
皆を見上げなくてはならなくなり、ガキ大将的な行動は自然となくなっていった。
高校に入っても髭も生えず、筋肉もあまりつかず、色素の薄さも手伝って華奢と言う言葉がしっくりくる体に成長した。
そのせいか、高校に入ってからは少し内向的になっていた。
けれど、1人ぼっちにはならなかった。
威が傍にいてくれたから…
はっと頭を起こし、携帯を確認する。時計はは2限終了間際の時間を表示している。
立ち上がり、C棟へとふらへらと歩き出す。
特別教室ばかりで、人気の少ないC棟は、どこか墓場めいた空虚さと不気味さを全体に満たし、立ち入りがたい雰囲気を醸し出していた。
「4階…」
階段とは反対の西側に歩いていくと、トイレの表示が見える。
学校の端の端であるここは、余程の事がない限り人は来ない。
きぃ…と扉を押し開けて中に入る。
使われていない、乾いたトイレの空気がまとわりつき、自分がここで何をされるのだろうかと考えて唇を噛む。
『個室ニ入ッテ目隠シヲ』
目に入ったのは、ノートの端を破ったメモだった。
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