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アミューズメントパーク
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しおりを挟む「しろ…せ…ぱ…っ」
「…そこに座れるか?」
洋便器を指され、葉人は小さくうなずいて立ち上がろうとした。
「ぅ…っ」
「掴まれ」
低く呻いた葉人に手を貸して座らせると、司郎はトイレットペーパーを取って足を這う血と精液を拭い取る。
「ほら、顔もだ」
上を向かされ、涙や汗でどろどろになった顔も拭いていく。
「腕、動かせるか?」
破られたシャツを脱がすと、司郎は自分の重ね着ていた服を脱いで被せた。
まだ残る司郎の温もりにほっとして、葉人はまた涙が滲み始めるのを感じる。
「大きいのは我慢しろよ?」
服装を整え、葉人の髪をくしゃくしゃと撫でる。
「悪かったな。近づけないって言ったのに…」
「………」
小さく首を振ると、司郎はもう一度葉人の頭を撫でた。
「今日はもう帰れ」
「…はい……」
そう言ってうなずくと、司郎は葉人の背中と膝裏に腕を入れて抱え上げる。
「そこどけ」
押し黙ったまま入り口に立ち尽くす威の傍を通り過ぎた。
「……なんで…」
司郎に抱えられて行く葉人に向かって言葉を絞り出す。
「葉っ!………なんでそいつなんだ!…なんで……俺じゃないんだ…っ」
司郎が首だけで振り返り、切れ長な目を細めて呟く。
「…バカか」
むっと顔を歪めた威を置き去りに、司郎は悠然と歩み去った。
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