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露見
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しおりを挟む白い肌に浮かび上がった鬱血痕を見て、威はさっと目を伏せた。
震える唇を動かす。
「昨日のやつに、脅されてた」
ぴくりと、威の肩が動揺して揺れた。
「そいつに、…いろんなことされた……」
「…」
「お仕置きって言われて…縛られたり、マ…マワされて、肉便器とか…呼ばれて……」
ゆら…と威の瞳が揺れ、眉間に深く皺が寄る。
険しいその表情に、葉人は自嘲気味に小さく笑った。
「オレ、すごく…汚れてるんだよ」
「そ……んな…こと…」
滑らかに出て来ない言葉の意味を理解して、葉人は深く息を吐く。
「…な?威に、好きだとか言ってもらえるような人間じゃないんだ」
外されたボタンを直し、転がり落ちた携帯を持って立ち上がる。
「綺麗だとか、汚れてないとか、言えなくなったろ?」
床に手をついたままこちらを見上げる威と視線を合わせることができず、足元を見たままロッカー室を出る。
「………」
剣道場から出て、吹く風に促されるように空を見上げた。
「…はぁ」
大きく開いた口から、一気に息が漏れる。
威に知られたくないと思い続けたことを喋り、ぽっかりと心が空になった錯覚に陥った。
「オレ…なんで、必死に隠そうなんて思ってたんだろ…」
言うのは、呆気ない程簡単だった。
嫌われたくない、知られたくないと思い続けていた滑稽さに、空を見つめる目を細める。
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