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露見
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しおりを挟む力の入りきらなかった膝が、かくりと折れて廊下へと倒れ込む。
「ぅあ…っ!」
膝を強かに打ったが、壁に手をついて先へと進む。
いつ、どこで落としたかの心当たりは痛いほどあった。
ロッカー室で押し倒されたあの時、ズボンを下ろされた拍子にポケットから出てしまったに違いない。
「オレ、威のを持ってきたんだっ」
打ち付けた膝を庇い、まだ威がいると思われるロッカー室の扉を開けた。
ぼんやりと、黒い携帯を持った威が振り返る。
追うように、声が聞こえた。
『わっ…わ…………ぁっぶ…ぇ…ほ……ケガす………ほどけ…、今なら……ずら…済ましてやるから……………』
聞き取りにくい、質の悪い音声が耳に飛び込む。
「――た…たけるっ!!」
その手に持たれた携帯の画面が、今どんな映像を映しているのか、葉人はよく知っていた。
屈辱的な体勢で机に縛られ、誰とも知れない男の手でイかされ、押さえつけられながら犯される…
あの日、放課後で起こった悪夢。
すべての、元凶…
「…閉じろ」
「…」
一度瞬きをした威の目が、画面へと移る。
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