178 / 349
枷
1
しおりを挟む「もう、あの先輩とは話すなよ」
ぶぅ…と膨れた威に、苦笑を漏らす。
「オレも、出来るなら関わりたくないよ」
司郎にされたことを思い出すと、今でも心の奥にひんやりとしたものが生まれるのは確かだった。
「でも…悪い人じゃないと思うんだけど…」
そう続けると、威はむっと顔を歪めた。
「お人好しだな」
「う…」
お人好しだとは威に言われなくとも葉人自身がよくわかっている。
「な?…葉の傍には俺がずっといるから。俺とあの先輩で交互にって話してたけど、もうお前に先輩を近づけさせたくない」
「交互に?」
「……葉が一人にならないように、どっちかが傍にいようって話し合ったんだ」
それはフェネクスにまた、襲われる可能性があると言うことだった。
「……威は…フェネクスが誰だか知ってる?」
一呼吸分以上の間を置いて、威はゆっくりとうなずいた。
「誰だか教えて」
「知って、どうするんだ?」
「…最初に、オレに乱暴した奴を聞き出す」
会って何をすると言うわけではなかったが、尋ねてみたかった。
なぜ、あんなことをしたのか…
0
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる