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枷
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しおりを挟む「教えることはできない」と威は固い表情で言う。
いくら教えてくれと頼んでも、頑として首を縦には振らなかった。
「危ないから…、な?」
宥めるその態度にムカついて膨れっ面をしても、やはり教えてはくれない。
「もうあんなこと忘れてしまおう」
「…忘れるなんて、できない!あんなことされたせいで…オレはフェネクスに脅されて…っ」
吐き出し切ることのできない言葉にぎっと奥歯を噛み締めると、威の腕が肩を優しく掴んだ。
「…葉」
宥めるようなその声に首を振る。
「凄く怖い顔になってる…」
肩に優しく置かれた威の手の温もりに、手を重ねる。
「…ごめん」
「いや………」
葉人自身、自分の顔が険しくなっているだろうと言う自覚はあったが、実際にそう言われてしまうとやはりショックだった。
俯いて小さく肩を落とすと、そっと威が寄り添う。
「俺、もうそんな葉を見たくないんだ」
威の言葉に葉人はうなずくことができず、落とした肩を震わすしかできなかった。
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