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薬
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しおりを挟むすすり泣いて嗚咽を漏らす口を、光彦が無理矢理こじ開ける。
「…う゛…っ」
「さぁ、飲んでごらん。もっと素直になるよ」
口内に注ぎ込まれた液体を吐き出そうとしたが、鼻と口を押さえられる苦しさに思わず飲み下す。
「ぐ…ぁ…っ……にが…」
舌を刺すその苦味に、思わず震えが走る。
「…な…なに……」
明らかに薬品の味をしたそれに、何を飲まされたのかと恐怖が沸く。
幾ら唾を飲み込んでも無くならない苦味が、思考を追い詰める。
「覚えてないかい?この苦味」
口の端に笑みを乗せながら、光彦は机の上のパソコンを立ち上げた。
「に…が……?」
お酒の入ったホットミルク。
濃すぎたお茶。
必ずブラックだった珈琲。
苦味…
ぞくっと悪寒が走り、鎖の許す限り体を光彦から遠ざける。
「それ…って…」
「副作用とかはないはずだよ…多分ね」
立ち上がったパソコンを弄り、パスワードを打ち込む。
幾つもあるファイルの一つを開くと、パソコン画面を葉人の方へと向けた。
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