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裏切り
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しおりを挟む千秋が威のナゲットを奪い取った混乱に乗じて、鷹雄が千秋のシェイクを失敬する。それがまた呼び水となって男三人がばたばたともつれあうようにリビングを転がっていく。
「…おっ、れのっ!」
「返せよ!」
「あ。美味い」
ぎゃあぎゃあ言い合う三人を傍から見ながら、葉人はくすくすと笑ってポテトを数本口に運んだ。
普段の空気が戻ってきたようで、ほっと溜息を吐いた。
「オレのも食べていいよ」
数本だけで悲鳴を上げ始めた胃を宥めながら目の前のファーストフードを押しやると、三人の動きがぴたりとやんだ。
「葉、もう少し…無理か?」
「なんも食べてへんて、体によぅないよ?長谷にお粥さん、作ってもろたら?」
二人に覗き込まれ、葉人はじりじりと後ずさる。
「いや…ほら、ずっと寝てたから!お腹空いてなくて…」
「長谷、やっぱりお粥さんやて」
「ああ」
そう言って台所に行こうとする威の足を千秋の足がつついた。
「威がもうチョイ自粛すりゃいいんじゃね?」
「へ?」
言葉の意味が分からなかった鷹雄が一人三人の顔を交互に見て行く。
「千秋っ!」
遮るその声に千秋がぺろりと舌を出して肩を竦めた。
「ごめん、口出しすることじゃないけど…でもちょっと…寝込むくらいはまずいよ」
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