252 / 349
二人
3
しおりを挟む煙を吐き出す振りをして、小さな苦笑を零すのが見えた。
「ま……そうだよな」
「先輩っあの…っ」
「今は何も言うな。お前の事だ、なんか悪い気がするからって違うとか言うんだろ」
「オレ、そんな無責任じゃないですよっ」
むっとして言い返せば、じっとりと睨んでくる司郎の視線とぶつかる。
「自覚ねぇし…」
「違うんだから、自覚のしようがないですよっ!!」
「わかったわかった。もう寝てろ」
ぐい…と頭を枕に押さえつけられ、葉人は小さくもう!と声を上げてそっぽを向く。
「お前がショックな内は……まぁ、いっか…」
司郎の手がとんとんとリズムよく葉人の体を叩き始める。
「先輩って…お兄ちゃんなんですか?」
「は?」
手を動かしていた司郎が首を傾げた。
「夜の事も…なんか……弟がいるのかなって」
「…あぁ……俺は一人っ子だよ。千秋とかの面倒みてたからなぁそれじゃないか?」
ふと司郎の顔が優しくなるのを不思議な気分で見ながら、葉人は司郎の事をもっと知りたいと思って質問を重ねた。
「千秋とは…幼馴染ですか?」
「幼馴染って言うか…近所の悪がきグループだな」
「え?悪がき?」
ふっと笑いが零れる。
「そう、俺がソッセンして千秋や鷹雄を連れまわしてな…」
三人でした悪戯や遊びなどを懐かしげに語って行く。
司郎のそんな話を聞きながら、葉人は効いてきた痛み止めの眠気の為に目を閉じた。
「あのころの悪戯は…無邪気でよかったな」
そんな司郎の独り言を聞きながら…
0
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる