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フェネクス
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しおりを挟むポールの端を持ち、二人で運ぶ。
「ったく、土田も人使い荒い思わん?手伝いおらんかったら何往復するか分からんし」
「うん」
「千秋の奴、さっさと逃げよったし」
「小田切は長谷待ち?」
「うん。大会前で練習が凄いんだって」
「ふぅん…なんか、仲ええなぁ」
「そう言えば…千秋と火宮って…幼馴染?」
「あ?…んー…って言うより、悪がきグループやな」
倉庫の扉を開け、葉人が先にポールを持って中に入って行く。
「ああ、先輩もそんな事言ってたね」
「せん……あぁ、兄ちゃんか」
「千秋もそう呼んでるよね」
「ああ、よう面倒見て貰ったからな」
三本目を運び入れ、最後のポールを中に入れる途中、ふと気にかかって鷹雄に問いかけてみた。
「先輩と…仲良いよね?」
「あ?まぁ」
「じゃあ…先輩が大事にしてる人って…知ってる?」
「………千秋は特に可愛がってもろとるけどなぁ」
千秋?
そう言われ、アミューズメントパークでの事や、親しい物言いが過る。
先輩の本命?
土下座してまで庇う程の誰か…
誰か?
それは…もしかして……
「千秋と先輩って…そんなに仲良いの?」
「そやなぁ」
考える為かひょいと首を傾げた為に鷹雄の持っているポールが腕から転がる。
「うぁっ…と…」
それに引きずられるようにして前のめりに姿勢を崩した葉人の後頭部に、拳が振り上げられたのはその瞬間だった。
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