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許せない
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しおりを挟む『葉!?お前またっ………あー!もう!それで?今は?』
「家……ごめん…」
『また何かあったんじゃないかって、心配しただろうが!』
「ごめ…」
『ったく。俺の心臓を止めたいのか!?』
そうまくしたてられ、再び葉人は小さくごめん…と返す。
混乱して、学校から逃げ出したとは言え軽率だったと自分でも思う。
威だけではなく、一足先に電話のあった司郎にもこうやって繰り返し謝った。
明日の朝、必ず一緒に登校すると言う約束を念押しされてから通話を切る。
「心配…掛けちゃったな…」
悪い…とは思うものの、あの瞬間の混乱を思い出すと今でも落ち着かない気分になってくる。
オレが復讐したいと言った相手…
オレを虐める事で、復讐…
「…どう考えてもオレだよな」
脅され、レイプされ、それを自分で望むなんて、普通ならあり得ない。
結果辛い思いをするのは自分自身だ。
自分自身に復讐したかった…?
「意味がない」
顔を覆い、ぐりぐりと顔を押し付ける。
「…母さんに……?」
いや、それも…と浮かんだ考えを消す。
母には感謝こそすれ、復讐なんて考えた事もない。
それなら、鷹雄のただの虚言だと思う方があっている気がする。
けれど…
「本当に?」
―――分からない。
そう小さく呻き、葉人は体を休めようとベッドに横になった。
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