310 / 349
許せない
7
しおりを挟むするりと口から零れ落ちた肯定の言葉が、いったいどこから洩れたのか理解できないままに葉人はとっさに口を押えた。
「…………………うん…か」
震える声は消え入りそうで、葉人は自分が言ってしまったその言葉を撤回できる術を探した。
「違う…んだ……」
そうは言う物の、自分の口から出た言葉なのには間違いなく…
「………いや…分かってる」
葉人へと伸ばそうとした手を躊躇わせてから、威は視線を足元へと向けた。
「お前が、俺を許せないってのは…」
は?と、葉人がその言葉を尋ね返す前に、威は項垂れたままふらつくような足取りで踵を返してしまった。
追おうとしても、何故だか足はピクリとも動いてくれず、
「…な、に……」
『許せない』
その言葉に、葉人は吐き気にも似た恐怖感を覚えてその場に立ち尽くした。
0
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる