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先払い
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しおりを挟む分からない…
分からない…
そう繰り返す。
もちろんそれで答えが出る訳もなく…
葉人はぎゅっと拳を握り、携帯電話のボタンを押した。
「――――今から…会える……かな?」
威はもちろんの事、司郎にも何も言わずに家を出た葉人は、電話をかけた相手と待ち合わせる為に深夜の公園のベンチに腰掛けていた。
「………」
体中がざわざわとざわつく。
それが相手と会うための悪寒なのか、
嫌な予感に対する恐怖感なのか分からない。
『許さない』
そう…
葉人自身が幾度となく繰り返した言葉だった。
それは、あの日…教室で自分を襲った相手に向けた言葉と一緒だ。
汗ばんだ手のひらと、ともすればがちがちと鳴る歯を噛み締めて、じっとりとした夜気の中を待ち続ける。
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