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放課後の教室で…
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しおりを挟む「…火宮。もう、葉に近づかないでくれ」
「はぁ?長谷になんで言われなあかんの?」
目の笑っていない笑みが浮かび、威を見つめる。
かつん…と一段上った鷹雄に気圧されてよろめいた葉人を威が支えながら背後へと庇い、奥歯を噛みしめた。
「…ふぅん?ハナちゃん。分かってるの?そいつが…強姦魔だって」
昏さを帯びたその目は狂気を孕んだようで、何をしでかすか分からない不穏な空気を纏う。
「―――分かってる」
「……」
跳ね上がった片眉が続きを促すようで、声が震えない事を祈りながら口を開く。
「だから、火宮とは…付き合えない」
「……」
沈黙する相手がこれ程怖いと、葉人は知らなかった。
濁ったままの目がきらりと光ったように思えた瞬間、威が葉人の肩を抱いた。
「葉、行くぞ。火宮、悪いな」
威に促されて階段を下りてゆく葉人の腕を―――
鷹雄が掴んだ。
「―――ふぅん」
たった一言だった。
けれどその声は耳の奥にこびりつき、葉人の心臓を凍らせるのには十分だった。
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