蒼穹の裏方

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第8章 無線電話と電探

8.4章 漢口迎撃戦

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 昭和15年8月13日には、中国に展開する海軍航空隊の最前線基地にわが軍で最初の電波探信儀が到着した。機材を追っかけて、本土から無線技師も九六式陸攻に乗ってやってきた。技研から派遣された森大尉と山本中尉が機材の設置と調整のためにさっそく仕事を始めた。

 この時期の漢口基地は、配備されたばかりの零式艦上戦闘機が8機配備されており、機体の整備と取扱法を現地部隊に指導するために、永野大尉、三木大尉、松崎中尉も空技廠から派遣されていた。永野大尉に対しては、零戦と電探の双方の面倒を見てこいとの命令だ。漢口基地では、約1年前にソ連爆撃機の攻撃により多くの士官を含む被害を受けていたので、電波探信儀の活用法の検討にも熱心だった。軍令部もそれを無視するわけにはいかず、最前線の基地として最初に電波探知機を配備することになったのだ。

 基地に到着した仮称零式一号電波探信儀一型は、森大尉と山本中尉の指導により、1週間かけて調整された。電探が稼働を開始すると基地の周りを飛行する機体の探知が可能となった。早速、零戦による迎撃実験をしてみる。森大尉も永野大尉も横空での迎撃実験に参加しているので、横空の実験結果を生かして、基地司令や飛行隊長に相談して、いろいろな迎撃方法が試行された。現地の戦闘機搭乗員の意見も取り入れて指示方法や、地上と零戦との間の交信方法も改善してゆく。技研の技師たちは、役割を終えると日本に戻っていったが、最先任の永野大尉は森大尉と共に現地の要望で1ヶ月ほど留まっていた。

 実験の成果は間もなく実戦で証明されることになった。この日、稼働状態にあった電波探信儀が基地に接近する機体を検知した。反射波の大きさから複数機と判断した。電探担当の無線員が報告した。
「北北東に、飛行中の機体を探知。40浬(74km)あたり」

 森大尉も表示管をのぞき込んで、確認する。
「これは複数の機体が編隊で飛んでいますね。距離は40浬、方位は北北東ですね。高度は不明ですがこの距離で探知できていて、反射も大きいようですので中高度でしょうね」

 二人の会話を、後ろから12空の飛行長が聴いている。
「この時間に、その方向から飛んでくるような友軍機はいないはずだ。直ちに、基地指令に上げる」

 報告を受けた指令は、即座に迎撃戦闘を指示した。この基地はいつ攻撃を受けてもおかしくない最前線にあるのだ。空襲警報のサイレンが鳴り響き、迎撃可能な機体は直ちに発進準備を始める。

 飛行場で休んでいた坂井二空曹は、あらかじめ目をつけていた零戦に駆け寄って飛び乗る。迎撃戦闘は時間が優先なので、搭乗員は直近の機体に乗り込むことが許可されていた。すぐに整備員がエンジンを始動し始める。この機体はエンジンの調子がいいようで、快調にエンジンが回り始める。暖気運転もそこそこに滑走を始める。

 直ちに離陸して、上昇しながら基地の指揮官からの指示を待つ。後ろを振り返ると2機の零銭が追随してくる。当たり前のように3機で臨時の小隊を組むことになった。

「コチラ、サカイチ・・・コチラ、サカイチ・・・コチラ、サカイチ」

 通信時の符丁は、小隊長の頭の名称をわかりやすく付与することと、決めたばかりだった。いろいろな符丁の案が出たが、結局名前を連想できる呼び方でないと誰だかわからないとのことで、名字の一文字をつけることとした。同性の場合は、下の名前からとる。あるいは基地内で通用しているあだ名があれば、それも使えることとした。この場合、臨時構成であるが、一番機は坂井二空曹なので、サカイチとなる。

『クロ……30カイリ・イチジ……クロ……30カイリ・イチジ………クロ……40カイリ・イチジ』

 クロは敵機を示す符丁である。30カイリは距離が30浬であることを示し、イチジは基地からの方位を示している。基地を中心にして真方位の北を12時として、時計盤と同じ読み方で方位を示している。1時はほぼ北北東を示していることになる。

『コチラナガノ、ナガノ……クロタスウ……クロタスウ……クロ……5イジョウ……クロ……5イジョウ……コウド………チュウ………コウド……チュウ』

 どうやら地上の管制官が無線担当から交代したようだ、敵機の情報を伝えてくる。コウド、チュウは中高度の意味だ。ただし、電探では高度がわからないので、推定の範囲が高度2,000mから8,000m程度とかなり広い。

 坂井は指示された1時の方位に機体を向けて、どんどん上昇してゆく。さすがに最新鋭の零戦は上昇が速い。直後に続く2機の零戦も坂井機と同じペースでやや離れてついてくる。彼らの臨時小隊に続いて、はるか後方に友軍機と思われる機体が離陸してくるのが見えるが、機種まではわからない。

 前方を注視していると、右側のやや上方に、シミのような点が見えてくる。想定より、敵機の高度は高いようだ。

 地上からは、敵の方位と距離情報が引き続き伝えられている。
『クロタスウ……25カイリ……ニジ……クロタスウ……25カイリ……ニジ……』

 黒点の数を6まで数えることができるようになった。敵機の左右の翼に丸いふくらみが飛び出しているのがわかる。後続の機体も考えると10機程度だろう。つまり、翼にエンジンがついた双発機が10機程度と言うことだ。前方から見ているのではっきりと機種はわからないが、恐らく、SB爆撃機だろう。坂井二空曹は敵の情報を無線で基地に伝える。敵は爆撃機が10機ということと高度が6000mあたりだということは、基地ではまだ不明なのだ。

『コチラ、サカイチ……クロハッケン……カラス10……コウドロク………クロハッケン……カラス10……コウドロク』

 地上指揮官からすぐに返事がある。坂井からの敵機の情報が他の各機に伝えられる。零戦はこの間もぐんぐん上昇を続けて、既に敵機とほぼ同じ高度になった。カラスは敵爆撃機の符丁だ。コウドロクはもちろん高度が6,000mという意味だ。

『リョウ……リョウ……カラス10……25カイリ……ニジ……コウドロク……カラス10……20カイリ……ニジ……コウドロク』

 坂井は機内で感心していた。なるほど、電探とは便利なものだな。これさえあれば、敵の奇襲は防げるだろう。距離が詰まってきて双発機の外形から機種がわかる。やはり、敵はソ連製のSB爆撃機だ。

 坂井は敵機を右方向に見つつ、緩く上昇しながら敵編隊を右手に見ながら一度すれ違って180度水平に旋回して、敵編隊の後ろ上方につける。敵機は3機ごとの小隊が4小隊ほど視界内に飛行している。機体の不調で引き返したのだろうか、中には2機の小隊も見える。旋回したため、敵機との距離が開いてしまった。

 増槽を落として、機銃に弾丸を装着して、ダ……ダ……ダと短く試射する。敵機との距離を詰めるために、フルスロットルでどんどん加速してゆく。既に260ノット(482km/h)を超えて、270ノット(500km/h)に達している。

 敵機を狙うために機首を下げて、緩降下に入る。300ノット弱だった速度が降下により一気に330ノット(611km/h)あたりに上昇して速度計の針が震えている。零戦は九六式艦戦に比べて速度も速く加速もいいので、こんなときは苦労がない。速度が落ちない程度に、小刻みに操縦桿を左右に揺らすように動かす。慎重な坂井は、敵機の後部銃座から狙われる場合を想定して、一直線ではなく、左右に振り子のように不規則に蛇行しながら接近してゆく。

 横に広がった2小隊のうちの1機を攻撃目標と決める。敵小隊の先頭を飛行する長機にセオリー通りに狙いをつける。急激に敵機が大きくなってゆく。機体を、一瞬直線飛行に戻して安定させる。少し遠いと思ったが、13ミリは射程が長いとの話を信じて、息を止めてスロットルレバーの引き金を引いてすぐに離す。離すと同時に後部銃座の反撃を警戒して機体を左に滑らしたす。

 想定以上に弾道が直進して、敵機の機首よりもわずかに前方の空間に弾が飛んでいく。山なりの弾道になると思って補正したが、補正量が大きすぎたのだ。弾道を確認している間にも敵機はどんどん近づいてくるが、もう一度射撃できる。機体の姿勢を修正して、一瞬の直線飛行。今度は冷静に照準を補正して射撃する。敵機に近づいたこともあり、機銃弾が胴体中央部から後部にかけて命中した。機銃弾に含まれていた爆裂弾が何発か命中したのだろう、胴体の表面で小さな爆発がいくつか発生している。爆発と同時に胴体の表面から破片がパラパラと飛び散っているのが確認できる。この時、やっと敵機からオレンジ色の機銃弾が飛んできていることに気づく。敵機から自分も撃たれているのだ。それを無視して、さらに短くもう一射撃をすると、敵機の胴体前方に機銃弾が吸い込まれる。

 機銃弾の命中を確認することなく、坂井機は左にロールして機体を滑らせながら敵機の真横を斜め下方に抜けていく。すれ違いざまに横を見ると、命中弾により、機首のガラスがキラキラ光を反射して飛び散っているのが見えた。

 降下攻撃した零戦がかなり高速なので、あっという間に敵機を追い抜いてしまう。後方を振り返ると、自分が射撃した機体が煙を噴き出しながらぐらりと傾いて行くのが見える。SB爆撃機の流線形の機首が、機銃弾の命中で破壊されて、いびつな形に変形しているのがわかる。列機の2機もそれぞれ別の敵機を狙って射撃をしたようだ。後方に火を噴いて高度を落としてゆく別のSB爆撃機が見える。

 この時、地上から通信が入ってきているのに気がつく。
『クロ、サラニ1ダン……クロ、サラニ1ダン……18カイリ……ニジホウコウ』

 せわしく頭を動かしながら、先ほど攻撃した爆撃機編隊以外の敵機を探す。爆撃機編隊のさらに上方に飛行する機体を発見する。5機程度の小型の機体が上方を飛行している。翼の短い単発機だ。基地に報告しておこう。

『コチラ、サカイチ……ジョウホウ、クロ……クロ……スズメ5……スズメ5』

 スズメは戦闘機の符丁だ。ええい、符丁の通信は面倒だ。普通の日本語に戻そうと決めた。

「こちら坂井、敵爆撃機の上方に敵戦闘機5機。繰り返す。爆撃機の上に5機以上、戦闘機がいる。戦闘機に注意してくれ」

 これでは、敵の戦闘機は護衛にしては距離が離れすぎだ。恐らく、もう少し基地に近づいたところで戦闘になるとでも考えて、これから距離を詰めるつもりでいたのだろう。高度の優位を確保するのはわかるが、高度をとり過ぎだ。敵の戦闘機も、日本機を視認して、上空からの降下を開始している。

 坂井二飛曹は敵の護衛戦闘機がやってくるまでにもう一撃することを決断する。ここは、基地への爆撃を阻止することが優先だ。彼の機体は、敵爆撃機編隊の左翼側を旋回をしつつあった。編隊後方の爆撃機に向けて、左後方から上昇しながら、今度は突き上げるように二回目の突撃を行う。

 敵編隊の速度は220ノット(407km/h)あたりだろうか。零戦の速度が敵爆撃機をかなり上回っているので、旋回して斜め後方からでも、敵機に追いついてゆくことができる。敵機の後ろ下方から射撃すると、左翼のあたりに弾着する。13.2mm弾が爆発して、翼内タンクのガソリンに火が付く。火を噴くとすぐに機体が傾いてゆく。これでSB爆撃機を2機撃墜確実だ。攻撃中もチラチラと上方を注意していたので、上方から敵戦闘機が降下して接近して来るのがわかる。それを避けるために、左フットバーを踏み込んで思い切り操縦桿を左に倒して、いったん敵編隊から遠ざかる。

 この頃になって、やや遅れて離陸した列機とは別の零戦が2機攻撃に加わってきた。これで、この空域で攻撃をしている味方機は5機になったわけだ。2機編隊の零戦は、敵編隊より高度をとって接敵していたため、上空から敵戦闘機に向けて急降下してゆく。3機で編隊飛行してくる敵戦闘機は、寸詰まりのI-16だ。はっきり見えないが、急降下してきた零戦は既に敵機に射撃をしているようだ。敵戦闘機の胴体で爆発が起こり、炎が噴き出すのが見える。あっけなく1機の敵戦闘機が火を噴いて落ちてゆく。他の友軍機も基地から離陸しているだろうが、まだ視界には見えない。2機の零戦に追いかけられて、敵戦闘機はあっという間に下方に見えなくなってしまう。同時に無線からこの2機編隊の零戦からの声が聞こえてくる。

『コチラ……イワイチ……イワイチ……テキセントウキ……7……テキセントウキ……7……コウゲキチュウ』

 あざやかな降下攻撃により、敵戦闘機を撃墜したのは、最若年の岩本一空兵のようだ。
 坂井二空曹の列機として飛行していた機体もいつの間にかいなくなってしまう。敵戦闘機を追いかけて行ったのだろうか。

 残った敵爆撃機を攻撃しようと下方から接近すると、既に、零戦1機が攻撃を開始していた。目の前で敵爆撃機が火を噴く。視界からは、すべての敵機がなくなった。坂井二空曹は今回の戦闘では、撃墜確実2とでも報告しようかなどと考えながら帰投した。

 大木二空曹は、この日空襲警報が鳴るとすぐに飛行場に飛び出した。足の速い彼は、他の搭乗員よりも早く、駐機していた1機の零戦にとりつくことができた。迎撃戦の搭乗機は、操縦員の早いもの勝ちで決まる。すぐに離陸すると、先行した機体の列機の位置づけで小隊を組むことになった。後方にもう1機零戦が離陸してくるので、小隊2番機ということか。

『コチラ……サカイチ……』

 無線電話から。基地とのやり取りが聞こえてきて、小隊長機が坂井二空曹とわかる。階級は自分と同じだが、いつも冷静に判断できて、技量も上の坂井二空曹なので、ここは黙ってついてゆこうと決めた。

 基地からの指示で敵爆撃機編隊の上空につけることができた。坂井機が角度の浅い降下を開始すると、敵爆撃機小隊の先頭機を狙っているのがわかる。自分は少し距離を開けて、敵小隊の2番機に狙いを定める。後ろ上方という教本通りの絶対有利な位置から緩降下攻撃を仕掛ける。

 零戦を降下させると想定以上に機速がついてくる。乗りなれた九六式艦戦とは加速が違う。どんどん敵機が大きくなってくる。慎重に照準器に敵機をおさめると少し長めの射撃を行う。13.2mmの弾道がはっきりと見えるので、小刻みに操縦桿を動かして弾道を見ながら、弾幕が敵機を包み込むように補正する。

 大木二空曹は零戦への移行訓練は3度ほど受けて、零戦による空戦機動の練習は行っていたが、13.2mmの実弾射撃はこの時が初めてだった。少し遠かった射撃は、13.2mm機銃の直進性の良さに助けられて、SB爆撃機の右側を弾幕で包むように着弾した。機銃弾が着弾した右側の発動機付近で炸裂弾が爆発した時の光が見える。爆発により、エンジンカウルの破片が飛び散る。次に右翼付け根にも、機銃弾が命中して爆発が発生して、翼表面に破口が開いた。敵機の脇を降下して、すり抜けてから後方を振り向くと、爆撃機が右翼から火を噴きながら機首を下げつつあった。

 一撃を終えてからも、坂井機を追尾してゆく。坂井機が編隊末尾の敵機を下方から攻撃した時にも、後方を追随しながら、無傷の1機を目標と定めて、下方から攻撃した。2連射であっけなく火を噴きだした。

 坂井機が1連射ですぐに回避したのに比べて、撃墜を確実にすべく2連射したのがいけなかった。機体をロールさせるのと、降ってきた敵機の射線に捕まるのはほとんど同時だった。上空から機銃を撃ちながら急降下してきたI-16の射撃を浴びてしまったのだ。ガンガンと敵弾が機体に着弾する。同時に背中にグワァーンと言う衝撃を感じた。着弾直前に既に操縦桿を倒して、フットバーを踏み込んでいたため、数発の命中弾を受けながらも、機体はロールしながら右下方に滑ってゆく。左側が瞬間的にオレンジに明るくなると、小さく弾けるようにパンと音がする。見ると白い霧のようなものが噴き出している。敵機の射線から外れたおかげで、どうやら2連射目を浴びることは回避できたようだ。

 落ち着いて左翼を見ると、機銃弾による穴が2か所に開いている。翼表面の開口部から黒い煤のようなものが後方に流れるように付着している。ちょうど翼内タンクの位置に被弾したのだ。炎がついたが、瞬時に翼内の消火装置が作動して、煙のような消火剤を噴出させて消したのだ。背中のあたりにも命中の衝撃があったが、幸いにも体に異常はない。燃料コックを胴体内タンクに切り替える。落ち着くとガソリンの匂いがする。操縦席の換気口を全開にして空気を取り入れるとガソリンの匂いは薄くなった。

 機体の異常を確認していると、右上方に飛行する敵爆撃機を発見した。どうやら無傷で飛んでいるようだ。敵戦闘機は既に周りにいない。ここまで来たら、見敵必戦だ。スロットルを全開にして緩く上昇しながら、速度をぐんぐん上げてゆく。上昇姿勢そのままで、敵機の後下方につけた。上昇姿勢でも零戦が優速なので距離が詰まってくる。

 この爆撃機の後ろ下方は防御機銃の死角になっているようで、敵機は黙って飛んでいる。撃たれないと思うと気分が落ち着く。後方の斜め下から、照準環から機影がはみ出すまで近づいて腹部に向かって2連射をすると、2射撃目の途中で射撃が停止してしまう。慌てて、操縦桿を倒して、降下姿勢にする。中途半端な射撃だったがそれでも命中弾があったようだ。敵機の胴体から火が出て、ぐらりと機体が傾いてそのまま落ちてゆく。降下してゆく機体の前方から人が飛び出て、白い落下傘が3つ開くのが見える。そこでやっと、機銃弾を撃ち尽くして弾切れになったのだと気づく。

 そのまま脇目もふらずに漢口基地に帰投した。降りてからは、中隊長と飛行長から3機の撃墜を一言褒められたが、当然のように、被弾についてはみっちり絞られる。永野大尉は、まるで警察官の尋問のように敵戦闘機から撃たれた時の様子をしつこく聞いてくる。被弾した零戦は後方送りになるようだ。永野大尉が、機体の様子を説明してくれる。

「この機体は、左翼の燃料タンクの消火器が作動して、二酸化炭素と消火剤でガソリンタンクの火災をうまく消すことができた。加えて背中の防弾鋼板が、斜め上からの7.7mm機銃弾を2発下方に跳ね飛ばした跡が鋼板についているよ。防弾板で命を救われたね。この機体は後方に送って、防弾性能について、技術者が研究させてもらう」

 翌日、被弾した零戦は、そのままで十分飛行可能と判定されたので、九六式陸攻に先導されて、上海基地へと飛び立っていった。後ほど、本国に帰ったこの零戦の防弾装備の効果が分析され、有効性が確認された。
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