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第10章 ジェットの夜明け
10.3章 ジェットエンジンの実証実験
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ジェットエンジン実験機の製作については、空技廠の工員の手も借りて、タービン研究会で部品の図面を作成して、民間会社に発注することとなった。あれこれ説明するよりも実際に図面で示した方が早いと考えたのだ。耐熱合金製の燃焼器や接続パイプは、合金に強い住友金属に依頼した。圧縮翼と回転軸は荏原製作所へ発注した。それ以外のエンジンのケースやノズル、燃料ポンプ類は正田飛行機に依頼した。ジェットエンジンで最も難しいタービンは1社とせず、住友金属と日立タービンの2社に発注することとした。
年が明けて、昭和14年1月には、外部の会社に依頼した部品が順次完成してきて、航空廠で実験機を直ちに組み立てた。さっそく工場内の試験エリアで動作試験を開始する。あらかじめ、試験場を分割して、遠心型ジェットエンジンのエリアと軸流型のエリアに分けて並行して実験ができるようにしていたのだ。
2つの形式のジェットエンジンをそれぞれほぼ同時に組み立てて、敷地内の治具に据え付けて、部品の入手から2週間後には実験を開始した。各ジェットエンジンを識別するための名称として、遠心式圧縮機のジェットエンジン実験機をXTJ-10と命名した。同時に軸流式の実験機はXTJ-20と命名した。
まずはXTJ-20の実験を開始した。順次、回転数を増加してゆくと、6,000回転の運転で振動が発生した。その時の推力は200kgであった。さっそく松平技師を呼んできて、振動の解析を行った。もともと、圧縮機のあたりで振動が発生していることはわかっていたので、原因はすぐに判明した。流軸圧縮機で圧縮された空気には圧縮翅の回転による振動が発生する。その空気の振動が、圧縮機内の静翼の固有振動数の整数倍の周波数となったために発生した共振現象であった。対策として、圧縮機の羽根の剛性が増加するように厚さを増加させた。次に回転軸の振動に対する耐力を増加するために、軸受けを玉軸受けに変更した。タービンに対しては、あらかじめ準備していた3種類を交換して、効果について実験した。タービン翼型の反動度を10%と15%、20%に変更して試験をした結果、XTJ-20では20%とした。
以上の対策により、XTJ-20は7,000回転での試験が可能となった。圧縮機の圧力比は2.8となり、推力は400kgに達した。この条件で30分の連続運転中にタービン翼が破損して運転が停止した。タービン研究会で初めてのエンジン破壊が轟音と共に発生した。内部の部品の破片が高速回転の遠心力によりケースを破って飛び散っている。さすがに種子島中佐もやっちまったなあという顔をしている。
「結構な爆音が発生したなあ。周りのみんなが驚いているぞ。君たちは無事か? 実験をしていてけがをした者はいないな?」
さすがにエンジンが運転状態にある時に実験室の防護壁の内側に入るような素人はいない。破損したエンジンから飛び散った破片は鉄板の防護壁が防いでくれている。エンジンの運転操作をしていた松崎技師が答える。
「もう少し慎重に回転を上げていれば、異常に気が付いて停止できたかもしれません。あと少し、もう少しという気持ちが焦りすぎてしまって、限界を超えるまで攻めてしまいました。すみません」
私は、直ぐにでもエンジンの改良を進めたい。
「謝罪はもういいから、次の実験に備えて、エンジンの改良をしよう。不幸中の幸いだが、壊れたエンジンはまだそこにある。明らかにタービンの破損が発生している。破片を集めてすぐに分析を開始するぞ」
まずは、破損したタービンの破片の調査の必要がある。川村中佐に連絡すると、耐熱部材の研究をしている部下の清岡技師と共に駆けつけてきてくれた。
簡単に破損時の状況について説明する。
「わかりました。部材の1次解析は明日までに行います。清岡君から推定原因を明日には必ず連絡しますよ」
翌日になると、清岡技師がさっそく報告に来てくれた。
「直接的な破壊の原因はクリープ現象によるタービン羽根の根元に発生した変形でした。タービン羽根が遠心力による引っ張り応力で伸びて、エンジン外壁に羽根が接触した瞬間に羽根が破損して飛び散ったと思われます。このタービンには、鉄にニッケルとクロム等を含む高耐熱鋼が使用されています。この部材は常温では引っ張りによる羽根の伸びが顕著になることはありませんが、想定以上の高温状態で応力がかかって、変形が急速に進んだと考えられます。つまり、設計値以上の高温と強い遠心力が原因です。恐らくタービンがさらされる燃焼ガスの温度にばらつきがあって、高温になっている個所が部分的に存在するのではないでしょうか?」
ジェットエンジンの燃焼器の内部では、ガスの温度は1,300度近くになっていると想定される。この温度では、タービンはもたないので、圧縮機の高圧側から抽出した空気を燃焼器内で混合して、燃料を完全燃焼させると共に、ガスの温度を下げるようにしている。設計上はタービン入り口では、800度以下のガスとするつもりであるが、温度が場所により不均一になっているようだ。
「これだけ原因が明らかになれば対策は考えられるでしょう。回転数を抑えて応力を低くすることはできないので、温度分布を均一にして高温部を作らないように考えます。温度が800度以下であれば、クリープ現象は発生しないと考えていいのですよね?」
「わずかにクリープは発生するのですが、実用上問題にならない程度に抑えられます。材料としては、ニッケルとクロムを増やす、あるいはチタニウムを利用するなどして、もっと高温に耐えられる部材を使用することも考えられるのですが、金属資源の乏しいわが国ではそれが許されないでしょう。恐らく、これからエンジンの量産が始まれば、もっとニッケルとクロムを減らせという指示が来ると思いますよ。我々材料研究部隊は代用材を探すことになりそうです。実際のところ川村中佐は既に代用材として利用可能な合金の研究にとりかかっていますよ」
指摘に基づき、燃焼器内部の構造を見直すことにする。もともと、燃焼ガスに渦を発生させて、二重構造の燃焼器の外側から内部に空気流を注入して、燃焼ガスと混合することを考えていた。内部の渦の状態は直接観測できないため、カット模型に煙を流した実験を中田技師が急遽行った。燃焼ガスの渦がより強くなるように、燃焼器内部にいろいろフィンを追加して、煙で過流を観測するのだ。もともとキャニュラー型として燃焼ガスが通るリング状連結環がそれぞれの燃焼缶の間を結合していた。しかし、燃焼ガスの均一化が不十分であったので、連結環のパイプの直径を2倍に太くした。これらの対策を実施した改良型燃焼器は、中田技師が中心になって再設計した。
加えて熱対策としては、タービン回転部の外側の外部ケースから、圧縮空気を冷却のために噴き出していたが、タービンの空冷をもっと強化することとなった。冷却用に回転軸の内側に圧縮空気を流して、タービン翼の根元からも空気流を吹き付けることにより直接的にタービン羽根表面の温度を下げることとした。これは現代のジェットエンジンにもつながる冷却法だ。圧縮機最終段からの空気を吸入して、回転軸内側の中空の軸に設けた流路を経由してタービン翅の根元に接続した。タービン翼側には空気が流出する流路を根元に開口した。根元に追加した空冷口から外側に空気が流れることによりタービンの空冷性能が大幅に強化された。
改良版のタービン翼と燃焼器、圧縮空気の流路を追加した中央軸は、昭和14年6月中旬に完成して、さっそく効果を確認するために実験を開始した。効果はてきめんで、8,000回転で30分間は、連続運転しても異常は発生しなくなった。この時の推力は550kgを記録した。この後のXTJ-20試験は、圧力比を目標の3.3に近づけるように、圧縮機を中心とした改良の試験に移行した。
一方、XTJ-20は、油圧系統も電源系統もすべて外部の機器に依存しており、エンジンケースも実験が行いやすい発電機のタービンのような大型の鋼材のケースとなっていた。本体の完成度が上がってきたことにより、ジェットエンジンとして必要となる補器類の設計を行って、ジェットエンジンの形態にまとめることとした。我々はこれをYTJ-20と呼んで、今までの実験機と区別した。YTJ-20に使える発電機や油圧ポンプなどをメーカーに発注して翌月には部品が完成した。
YTJ-20の実験は、組み立てが完了した昭和14年9月から開始された。メーカーで製造した油圧ポンプや燃料ポンプにはエンジンの運転状態に合わせて修正が必要になったが、1カ月後にはXTJ-20で検証された8,000回転で約500kgの推力を確認できた。しかし、エンジン全体の重量はまだ1.2トンもあり、実際の飛行試験には重すぎた。我々は飛行試験のできるエンジンの重量目標として、単純に推力重量比を1以上とすることを目標と考えていたので、このエンジンの要求重量は500kg以下となる。今までエンジンの性能確認が主目的で重量については重要視してこなかったが、これからは、推力の増加と軽量化の双方が課題となった。
加えて、部品の生産性の改善も課題となった。一つ一つ機械加工して、手作りで組み立ててゆく部分が多すぎる。もっとプレスや鋳造により、部材を一気に作ってしまって、加工や工作の工数を削減することが必要だ。これはエンジン全体の再設計を意味するが、さすがにここから先の設計は三菱や中島などの大手のメーカーで量産を意識した設計が必要だと思う。油圧機器などの補器類も一部は既存品を利用しているが、ジェットエンジン専用品として設計すればもっと小型化して軽量化が可能なはずだ。
遠心式圧縮機のXTJ-10については、最初の実験で大幅に圧縮機の圧力が足りないという問題が発生した。圧縮機の効率の改善が必要だ。回転数を8,000回転まで上げてゆくと、圧力比は2.5程度まで向上したがまだ足りない。9,000回転まで運転したところで、不具合が発生した。遠心式圧縮機の亀裂が発生したため、圧縮羽根をもっと強度の高い厚翼に変更することとなった。
昭和14年1月の試験開始から半年間実験してから、タービンについては準備したタービン翼で最も反動度の大きいものに決めた。圧縮機も羽根の形状もいくつか変更して実験したが、どれも圧力比が不十分でXTJ-10は出力が全く不足していた。推力は300kgも出ていないだろう。北野技師が沼知教授に連絡を取って、XTJ-10の圧縮羽根の効率について計算してみた。教授の理論に基づいて計算してみると、今までの見積もりでは楽観的過ぎたことがわかってきた。新たな計算によると、目標圧縮比を実現するためには、15,000回転は必要なことが分かった。冷静に考えればロールスロイスの遠心式ジェットエンジンも1万回転を軽く超える回転数だったように思う。遠心式ジェットエンジンは構造が簡単だとよく言われるが、性能を確保するためには超高速で回転させなければならないということだ。
回転数を増やすことが有効であることが分かったが、1万を大きく超える回転数を実現するためには、圧縮機とタービンがその回転に耐えなければならない。軸受けやベアリングも高回転に耐える必要があるが、短時間でそこまでの回転数の増加は困難と思われる。むしろ、重量が増加するが、我々にとってはハインケルのジェットエンジンのように軸流の圧縮機と遠心圧縮機の組合せで多段式にして、圧縮比を改善する方法が近道のようにも思える。いずれを選択しても、かなりの部分が再設計になる。一度方針を決めたらやり直しはできないので、ここはかなり迷うところだ。
改良の方針をどうすべきか、今後の基本構成の変更について、種子島中佐、永野大尉、三木技師、北野技師と一緒に検討した。
まず、永野大尉が状況を説明した。
「XTJ-10については、タービンの羽根も圧縮機も事前に設計して準備した部品について、いろいろ変更して3カ月くらい試験している。北野技師の計算結果を見たが、性能の改善のためには、準備したものより大型の新しいタービン翼とする必要がある。それを前提にして、圧縮機についても大型化して吸入する空気量を増やして、更に高回転として圧縮比を増加させる。毎分の回転数は、現状の1段の遠心圧縮機を前提とすると回転数を15,000回転あたりに上げる必要があると判明した」
三木技師は多段化が良いとの考えだった。
「1段の遠心型圧縮機を高回転とするか、圧縮機を多段化するのか決断が必要だ。私は、15,000回転に挑戦してもかなり時間を要すると考える。回転部分の振動の発生や軸受けの耐力を考えると、実現にはかなり壁が高いと思える。一方、圧縮機を追加して多段化すれば、完全に圧縮部は再設計なので、それだけの時間がかかるが、回転数を3割前後は低めにできるだろう。つまり確実性はこちらの方があると思う」
私は、もともと高回転にすると、様々な問題が出てきて解決に時間がかかると想定していたので、それを避けるために多段化で圧縮比を増加させる方向で考えたい。
もっとも、史実ではダーウェントやニーン、J-33など、遠心式圧縮機1段構成で成立しているエンジンも数多くあるので、このままの基本構成で高速回転に挑戦しても成功する可能性は低くないはずだ。しかし、私の未来のミリタリーマニアとしての知識から、この時代の日本のベアリングや軸受けなど基礎的な部品の精度が欧米に劣っていたことで、いくつも問題が発生した事例を思い出していた。DB601を国内生産した川崎のハ40のベアリングの真球度の問題などは有名だ。私が悩んでいると、川田技師がやってきた。三木技師が問題になっている点を説明する。川田技師は、再設計すべきと主張した。
「鈴木が予言できなくて迷うなんて珍しいな。今までのいろいろな発動機を扱った経験から、俺は高速回転を甘く見ない方がいいと思う。回転数を増やしていくと振動やベアリングの焼き付き、いろいろな問題が必ず出てくるぞ。しかも、今回は1年で成果を見せろと言われているだろう。ここは、全体の設計はやり直しても確実に前進する案を選ぶべきだ。ここは急がば回れが、最終的には早く結果を出せる方法だと思える」
私も踏ん切りがついた。自分の考えをみんなに説明しよう。
「まず、圧縮機の再設計を行う。圧縮機の前段に3段の軸流型の圧縮羽根を追加する。この部分はXTJ-20の圧縮機の低圧羽根の設計を利用するが、空気流量に応じて大きさは二回りくらい大きな圧縮羽根とする。更に、XYJ-10では燃焼器がXTJ-20同様に8基の筒型の燃焼器になっていたが、空気流量の増加と燃焼の円滑化に対応するために遠心式圧縮羽根の周囲に沿って、燃焼器の数を16基に増やす。改良設計したエンジンは大型化して空気流量も大きく増えるので、XTJ-20の3割増しの出力を目指す」
直ちに変更案に従って、三木技師がXTJ-10の全体図を作成した。それに合わせて各部の再設計を開始した。圧縮機、燃焼器は図面が出来上がると、すぐに住友金属や正田飛行機、荏原製作所に送られて部品の製造に着手した。これ以上作り直す時間はないので、発電機や燃料ポンプ、油圧計などの機器もエンジンに取り付けて、エンジンらしいケースに収めるようにする。基本的な構成が変わって目標推力も変更されたため、名称をXTJ-30と改めた。
XTJ-30の部品は次々に製作されて届けられた。ジェットエンジンとしての組み立ては空技廠内の工場で直ちに開始した。試運転は昭和14年8月から始まった。今回の試作機は、8,000回転あたりで、既に圧力比が2.6近辺となって、XTJ-10より性能が向上していることが初期の試験から明らかになった。燃料ポンプや発電機など周辺機器も初めてジェットエンジンと結合して試験する部品もあったので、いくつかは改修が必要となった。2カ月後には、短時間ではあるが9,000回転までの運転が可能となり、推力も推定700kgを発生して、ある程度性能の見通しが得られた。
しかし回転数を10,000回転まで上げてゆくと、タービン翼の振動問題が発生した。さっそく松平技師が振動を解析した。もちろんXTJ-10やXTJ-20で発生したタービンの問題に対する対策は適用済みで、同じ問題が出ないようにしている。それでも設計を変えると問題が発生したのだ。
松平技師は、問題が発生したタービン翼を取り外して持ち帰って振動試験を実施した。3日後に今度はXTJ-30で使用されている燃焼器の予備品を持ち帰っていって実験を行っていた。
しばらくして松平技師が報告に来た。
「珍しい共振現象でした。燃焼器内では、燃焼ガスの混合のために捻じれた形状のフィンにより渦の流れを発生させていますが、渦による脈動の2倍の振動がタービン翼の幅にほぼ一致しているようです。ガスの温度の均一化のために、燃焼器内の渦流を強化していますが、渦の回転数とタービン翼の2次振動が共振しています」
燃焼器の構造などが、すべて頭に入っている中田技師が即座に回答した。
「まずは、燃焼器内部で渦を作っているフィンの形状を変更しましょう。次に、タービン羽根の幅を根元が広い台形状に広げて、タービン翼の迎角もそれに合わせて調整しましょう。タービン翼の共振数を高めることで、この現象は避けられるでしょうが、振動量そのものも燃焼器の変更で抑え込みましょう。はっきりと原因がわかったので、これだけやれば共振は発生しないでしょう」
昭和14年11月に改修が完了して、短時間の試験ではあったが、XTJ-30は、回転数は10,000回転で、圧力比3.2、推力はついに800kgを記録した。但し、YTJ-20の重量問題と同様に、外皮に鋼材を多く使用して、補器類も軽量化を考慮していない。XTJ-30もエンジン自身の重量は1.3トンとなり、エンジンの軽量化は必須となった。
年が明けて、昭和14年1月には、外部の会社に依頼した部品が順次完成してきて、航空廠で実験機を直ちに組み立てた。さっそく工場内の試験エリアで動作試験を開始する。あらかじめ、試験場を分割して、遠心型ジェットエンジンのエリアと軸流型のエリアに分けて並行して実験ができるようにしていたのだ。
2つの形式のジェットエンジンをそれぞれほぼ同時に組み立てて、敷地内の治具に据え付けて、部品の入手から2週間後には実験を開始した。各ジェットエンジンを識別するための名称として、遠心式圧縮機のジェットエンジン実験機をXTJ-10と命名した。同時に軸流式の実験機はXTJ-20と命名した。
まずはXTJ-20の実験を開始した。順次、回転数を増加してゆくと、6,000回転の運転で振動が発生した。その時の推力は200kgであった。さっそく松平技師を呼んできて、振動の解析を行った。もともと、圧縮機のあたりで振動が発生していることはわかっていたので、原因はすぐに判明した。流軸圧縮機で圧縮された空気には圧縮翅の回転による振動が発生する。その空気の振動が、圧縮機内の静翼の固有振動数の整数倍の周波数となったために発生した共振現象であった。対策として、圧縮機の羽根の剛性が増加するように厚さを増加させた。次に回転軸の振動に対する耐力を増加するために、軸受けを玉軸受けに変更した。タービンに対しては、あらかじめ準備していた3種類を交換して、効果について実験した。タービン翼型の反動度を10%と15%、20%に変更して試験をした結果、XTJ-20では20%とした。
以上の対策により、XTJ-20は7,000回転での試験が可能となった。圧縮機の圧力比は2.8となり、推力は400kgに達した。この条件で30分の連続運転中にタービン翼が破損して運転が停止した。タービン研究会で初めてのエンジン破壊が轟音と共に発生した。内部の部品の破片が高速回転の遠心力によりケースを破って飛び散っている。さすがに種子島中佐もやっちまったなあという顔をしている。
「結構な爆音が発生したなあ。周りのみんなが驚いているぞ。君たちは無事か? 実験をしていてけがをした者はいないな?」
さすがにエンジンが運転状態にある時に実験室の防護壁の内側に入るような素人はいない。破損したエンジンから飛び散った破片は鉄板の防護壁が防いでくれている。エンジンの運転操作をしていた松崎技師が答える。
「もう少し慎重に回転を上げていれば、異常に気が付いて停止できたかもしれません。あと少し、もう少しという気持ちが焦りすぎてしまって、限界を超えるまで攻めてしまいました。すみません」
私は、直ぐにでもエンジンの改良を進めたい。
「謝罪はもういいから、次の実験に備えて、エンジンの改良をしよう。不幸中の幸いだが、壊れたエンジンはまだそこにある。明らかにタービンの破損が発生している。破片を集めてすぐに分析を開始するぞ」
まずは、破損したタービンの破片の調査の必要がある。川村中佐に連絡すると、耐熱部材の研究をしている部下の清岡技師と共に駆けつけてきてくれた。
簡単に破損時の状況について説明する。
「わかりました。部材の1次解析は明日までに行います。清岡君から推定原因を明日には必ず連絡しますよ」
翌日になると、清岡技師がさっそく報告に来てくれた。
「直接的な破壊の原因はクリープ現象によるタービン羽根の根元に発生した変形でした。タービン羽根が遠心力による引っ張り応力で伸びて、エンジン外壁に羽根が接触した瞬間に羽根が破損して飛び散ったと思われます。このタービンには、鉄にニッケルとクロム等を含む高耐熱鋼が使用されています。この部材は常温では引っ張りによる羽根の伸びが顕著になることはありませんが、想定以上の高温状態で応力がかかって、変形が急速に進んだと考えられます。つまり、設計値以上の高温と強い遠心力が原因です。恐らくタービンがさらされる燃焼ガスの温度にばらつきがあって、高温になっている個所が部分的に存在するのではないでしょうか?」
ジェットエンジンの燃焼器の内部では、ガスの温度は1,300度近くになっていると想定される。この温度では、タービンはもたないので、圧縮機の高圧側から抽出した空気を燃焼器内で混合して、燃料を完全燃焼させると共に、ガスの温度を下げるようにしている。設計上はタービン入り口では、800度以下のガスとするつもりであるが、温度が場所により不均一になっているようだ。
「これだけ原因が明らかになれば対策は考えられるでしょう。回転数を抑えて応力を低くすることはできないので、温度分布を均一にして高温部を作らないように考えます。温度が800度以下であれば、クリープ現象は発生しないと考えていいのですよね?」
「わずかにクリープは発生するのですが、実用上問題にならない程度に抑えられます。材料としては、ニッケルとクロムを増やす、あるいはチタニウムを利用するなどして、もっと高温に耐えられる部材を使用することも考えられるのですが、金属資源の乏しいわが国ではそれが許されないでしょう。恐らく、これからエンジンの量産が始まれば、もっとニッケルとクロムを減らせという指示が来ると思いますよ。我々材料研究部隊は代用材を探すことになりそうです。実際のところ川村中佐は既に代用材として利用可能な合金の研究にとりかかっていますよ」
指摘に基づき、燃焼器内部の構造を見直すことにする。もともと、燃焼ガスに渦を発生させて、二重構造の燃焼器の外側から内部に空気流を注入して、燃焼ガスと混合することを考えていた。内部の渦の状態は直接観測できないため、カット模型に煙を流した実験を中田技師が急遽行った。燃焼ガスの渦がより強くなるように、燃焼器内部にいろいろフィンを追加して、煙で過流を観測するのだ。もともとキャニュラー型として燃焼ガスが通るリング状連結環がそれぞれの燃焼缶の間を結合していた。しかし、燃焼ガスの均一化が不十分であったので、連結環のパイプの直径を2倍に太くした。これらの対策を実施した改良型燃焼器は、中田技師が中心になって再設計した。
加えて熱対策としては、タービン回転部の外側の外部ケースから、圧縮空気を冷却のために噴き出していたが、タービンの空冷をもっと強化することとなった。冷却用に回転軸の内側に圧縮空気を流して、タービン翼の根元からも空気流を吹き付けることにより直接的にタービン羽根表面の温度を下げることとした。これは現代のジェットエンジンにもつながる冷却法だ。圧縮機最終段からの空気を吸入して、回転軸内側の中空の軸に設けた流路を経由してタービン翅の根元に接続した。タービン翼側には空気が流出する流路を根元に開口した。根元に追加した空冷口から外側に空気が流れることによりタービンの空冷性能が大幅に強化された。
改良版のタービン翼と燃焼器、圧縮空気の流路を追加した中央軸は、昭和14年6月中旬に完成して、さっそく効果を確認するために実験を開始した。効果はてきめんで、8,000回転で30分間は、連続運転しても異常は発生しなくなった。この時の推力は550kgを記録した。この後のXTJ-20試験は、圧力比を目標の3.3に近づけるように、圧縮機を中心とした改良の試験に移行した。
一方、XTJ-20は、油圧系統も電源系統もすべて外部の機器に依存しており、エンジンケースも実験が行いやすい発電機のタービンのような大型の鋼材のケースとなっていた。本体の完成度が上がってきたことにより、ジェットエンジンとして必要となる補器類の設計を行って、ジェットエンジンの形態にまとめることとした。我々はこれをYTJ-20と呼んで、今までの実験機と区別した。YTJ-20に使える発電機や油圧ポンプなどをメーカーに発注して翌月には部品が完成した。
YTJ-20の実験は、組み立てが完了した昭和14年9月から開始された。メーカーで製造した油圧ポンプや燃料ポンプにはエンジンの運転状態に合わせて修正が必要になったが、1カ月後にはXTJ-20で検証された8,000回転で約500kgの推力を確認できた。しかし、エンジン全体の重量はまだ1.2トンもあり、実際の飛行試験には重すぎた。我々は飛行試験のできるエンジンの重量目標として、単純に推力重量比を1以上とすることを目標と考えていたので、このエンジンの要求重量は500kg以下となる。今までエンジンの性能確認が主目的で重量については重要視してこなかったが、これからは、推力の増加と軽量化の双方が課題となった。
加えて、部品の生産性の改善も課題となった。一つ一つ機械加工して、手作りで組み立ててゆく部分が多すぎる。もっとプレスや鋳造により、部材を一気に作ってしまって、加工や工作の工数を削減することが必要だ。これはエンジン全体の再設計を意味するが、さすがにここから先の設計は三菱や中島などの大手のメーカーで量産を意識した設計が必要だと思う。油圧機器などの補器類も一部は既存品を利用しているが、ジェットエンジン専用品として設計すればもっと小型化して軽量化が可能なはずだ。
遠心式圧縮機のXTJ-10については、最初の実験で大幅に圧縮機の圧力が足りないという問題が発生した。圧縮機の効率の改善が必要だ。回転数を8,000回転まで上げてゆくと、圧力比は2.5程度まで向上したがまだ足りない。9,000回転まで運転したところで、不具合が発生した。遠心式圧縮機の亀裂が発生したため、圧縮羽根をもっと強度の高い厚翼に変更することとなった。
昭和14年1月の試験開始から半年間実験してから、タービンについては準備したタービン翼で最も反動度の大きいものに決めた。圧縮機も羽根の形状もいくつか変更して実験したが、どれも圧力比が不十分でXTJ-10は出力が全く不足していた。推力は300kgも出ていないだろう。北野技師が沼知教授に連絡を取って、XTJ-10の圧縮羽根の効率について計算してみた。教授の理論に基づいて計算してみると、今までの見積もりでは楽観的過ぎたことがわかってきた。新たな計算によると、目標圧縮比を実現するためには、15,000回転は必要なことが分かった。冷静に考えればロールスロイスの遠心式ジェットエンジンも1万回転を軽く超える回転数だったように思う。遠心式ジェットエンジンは構造が簡単だとよく言われるが、性能を確保するためには超高速で回転させなければならないということだ。
回転数を増やすことが有効であることが分かったが、1万を大きく超える回転数を実現するためには、圧縮機とタービンがその回転に耐えなければならない。軸受けやベアリングも高回転に耐える必要があるが、短時間でそこまでの回転数の増加は困難と思われる。むしろ、重量が増加するが、我々にとってはハインケルのジェットエンジンのように軸流の圧縮機と遠心圧縮機の組合せで多段式にして、圧縮比を改善する方法が近道のようにも思える。いずれを選択しても、かなりの部分が再設計になる。一度方針を決めたらやり直しはできないので、ここはかなり迷うところだ。
改良の方針をどうすべきか、今後の基本構成の変更について、種子島中佐、永野大尉、三木技師、北野技師と一緒に検討した。
まず、永野大尉が状況を説明した。
「XTJ-10については、タービンの羽根も圧縮機も事前に設計して準備した部品について、いろいろ変更して3カ月くらい試験している。北野技師の計算結果を見たが、性能の改善のためには、準備したものより大型の新しいタービン翼とする必要がある。それを前提にして、圧縮機についても大型化して吸入する空気量を増やして、更に高回転として圧縮比を増加させる。毎分の回転数は、現状の1段の遠心圧縮機を前提とすると回転数を15,000回転あたりに上げる必要があると判明した」
三木技師は多段化が良いとの考えだった。
「1段の遠心型圧縮機を高回転とするか、圧縮機を多段化するのか決断が必要だ。私は、15,000回転に挑戦してもかなり時間を要すると考える。回転部分の振動の発生や軸受けの耐力を考えると、実現にはかなり壁が高いと思える。一方、圧縮機を追加して多段化すれば、完全に圧縮部は再設計なので、それだけの時間がかかるが、回転数を3割前後は低めにできるだろう。つまり確実性はこちらの方があると思う」
私は、もともと高回転にすると、様々な問題が出てきて解決に時間がかかると想定していたので、それを避けるために多段化で圧縮比を増加させる方向で考えたい。
もっとも、史実ではダーウェントやニーン、J-33など、遠心式圧縮機1段構成で成立しているエンジンも数多くあるので、このままの基本構成で高速回転に挑戦しても成功する可能性は低くないはずだ。しかし、私の未来のミリタリーマニアとしての知識から、この時代の日本のベアリングや軸受けなど基礎的な部品の精度が欧米に劣っていたことで、いくつも問題が発生した事例を思い出していた。DB601を国内生産した川崎のハ40のベアリングの真球度の問題などは有名だ。私が悩んでいると、川田技師がやってきた。三木技師が問題になっている点を説明する。川田技師は、再設計すべきと主張した。
「鈴木が予言できなくて迷うなんて珍しいな。今までのいろいろな発動機を扱った経験から、俺は高速回転を甘く見ない方がいいと思う。回転数を増やしていくと振動やベアリングの焼き付き、いろいろな問題が必ず出てくるぞ。しかも、今回は1年で成果を見せろと言われているだろう。ここは、全体の設計はやり直しても確実に前進する案を選ぶべきだ。ここは急がば回れが、最終的には早く結果を出せる方法だと思える」
私も踏ん切りがついた。自分の考えをみんなに説明しよう。
「まず、圧縮機の再設計を行う。圧縮機の前段に3段の軸流型の圧縮羽根を追加する。この部分はXTJ-20の圧縮機の低圧羽根の設計を利用するが、空気流量に応じて大きさは二回りくらい大きな圧縮羽根とする。更に、XYJ-10では燃焼器がXTJ-20同様に8基の筒型の燃焼器になっていたが、空気流量の増加と燃焼の円滑化に対応するために遠心式圧縮羽根の周囲に沿って、燃焼器の数を16基に増やす。改良設計したエンジンは大型化して空気流量も大きく増えるので、XTJ-20の3割増しの出力を目指す」
直ちに変更案に従って、三木技師がXTJ-10の全体図を作成した。それに合わせて各部の再設計を開始した。圧縮機、燃焼器は図面が出来上がると、すぐに住友金属や正田飛行機、荏原製作所に送られて部品の製造に着手した。これ以上作り直す時間はないので、発電機や燃料ポンプ、油圧計などの機器もエンジンに取り付けて、エンジンらしいケースに収めるようにする。基本的な構成が変わって目標推力も変更されたため、名称をXTJ-30と改めた。
XTJ-30の部品は次々に製作されて届けられた。ジェットエンジンとしての組み立ては空技廠内の工場で直ちに開始した。試運転は昭和14年8月から始まった。今回の試作機は、8,000回転あたりで、既に圧力比が2.6近辺となって、XTJ-10より性能が向上していることが初期の試験から明らかになった。燃料ポンプや発電機など周辺機器も初めてジェットエンジンと結合して試験する部品もあったので、いくつかは改修が必要となった。2カ月後には、短時間ではあるが9,000回転までの運転が可能となり、推力も推定700kgを発生して、ある程度性能の見通しが得られた。
しかし回転数を10,000回転まで上げてゆくと、タービン翼の振動問題が発生した。さっそく松平技師が振動を解析した。もちろんXTJ-10やXTJ-20で発生したタービンの問題に対する対策は適用済みで、同じ問題が出ないようにしている。それでも設計を変えると問題が発生したのだ。
松平技師は、問題が発生したタービン翼を取り外して持ち帰って振動試験を実施した。3日後に今度はXTJ-30で使用されている燃焼器の予備品を持ち帰っていって実験を行っていた。
しばらくして松平技師が報告に来た。
「珍しい共振現象でした。燃焼器内では、燃焼ガスの混合のために捻じれた形状のフィンにより渦の流れを発生させていますが、渦による脈動の2倍の振動がタービン翼の幅にほぼ一致しているようです。ガスの温度の均一化のために、燃焼器内の渦流を強化していますが、渦の回転数とタービン翼の2次振動が共振しています」
燃焼器の構造などが、すべて頭に入っている中田技師が即座に回答した。
「まずは、燃焼器内部で渦を作っているフィンの形状を変更しましょう。次に、タービン羽根の幅を根元が広い台形状に広げて、タービン翼の迎角もそれに合わせて調整しましょう。タービン翼の共振数を高めることで、この現象は避けられるでしょうが、振動量そのものも燃焼器の変更で抑え込みましょう。はっきりと原因がわかったので、これだけやれば共振は発生しないでしょう」
昭和14年11月に改修が完了して、短時間の試験ではあったが、XTJ-30は、回転数は10,000回転で、圧力比3.2、推力はついに800kgを記録した。但し、YTJ-20の重量問題と同様に、外皮に鋼材を多く使用して、補器類も軽量化を考慮していない。XTJ-30もエンジン自身の重量は1.3トンとなり、エンジンの軽量化は必須となった。
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