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第4章 インド洋の戦い
4.12章 インド洋作戦の終結
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英国艦隊が殲滅された翌日には、一航艦はアッズ環礁を空襲した。攻撃隊が環礁に接近すると、6機のスピットファイアが、迎撃に上がってきた。先頭を飛行していた烈風と空戦になる。さしものスピットファイアも35ノット(65km/h)以上高速の烈風に対しては、圧倒的に不利だ。しかも機数は烈風が2倍近い。全ての機体が撃退された。
一航艦の艦上機が侵攻した時には、環礁内には3機のサンダーランド飛行艇と2隻の輸送船が停泊していたが、零戦隊の噴進弾と彗星の急降下爆撃により全て撃沈された。環礁で最も大きな島の南側には英軍基地の兵舎や格納庫、飛行場が建設されていた。飛行場には数機の故障中と思われる小型機と双発機が駐機されていたが、零戦の噴進弾と銃撃により全て破壊された。高射砲や格納庫も噴進弾の目標となった。基地の西側には石油を備蓄したタンクも設置されていた。石油と滑走路については、後の活用を考慮して破壊を控えるように命令が出ていた。
次いで、一航艦はセイロン島に向かって北上した。セイロン島のコロンボに向けて先行して発艦させた二式艦偵により、数隻の商船が停泊していることが分かった。また、コロンボ基地の飛行場にはソードフィッシュとハリケーンが駐機されていることを発見した。直ちに、最も脅威度の高い航空基地に向かって攻撃隊を発進させた。攻撃隊が、基地に接近すると、レーダーに誘導されて、20機近くのハリケーンが迎撃してきた。編隊前方の烈風と零戦の戦闘機隊が戦うことになったが、ハリケーンは空戦性能でも速度性能でも烈風にも零戦にもかなわない。あちこちで煙や炎を吐き出して落ちてゆく機体があるが、全て英軍機だった。艦爆隊が湾内の貨物船に攻撃を開始すると、あっという間に撃沈してしまう。残りの攻撃隊は飛行場と基地の建物を攻撃して帰ってきた。
続いて、トリンコマリーに対しても空襲を実施した。英軍は既に日本海軍の空襲を警戒していたので、めぼしい艦船を全て湾外に避難させていた。このため爆撃隊は、逃げ遅れた小型艦船と港湾設備を憂さ晴らしのように爆撃して帰ってきた。しかし、二式艦偵を利用して近くの海域を偵察することにより、4隻の輸送艦と1隻のタンカー、1隻の英海軍コルベットを発見した。これらは、全て艦載機の攻撃により撃沈された。
この戦いで、英軍は、インド洋の全ての大型艦を失った。しかも、アッズ環礁に駐留していた兵力は日本軍の攻撃により無力化された。セイロン島の英軍にも被害が出た。英海軍は、残っていたわずかな小型艦艇をアデンまで下げて、当面の間インド洋で攻勢に出ることは不可能となった。インド洋は日本の海となった。
……
チャーチルは、インド洋の戦いの様子を聞くと、がっくりと椅子に沈み込んでうなだれていた。しばらくして、やっとのことで報告にやってきたパウンド海軍卿の顔を見た。
「我々は、かの国の実力を見くびっていた。これほどの力を有しているとは、想像もできなかった。これ以上、インド洋で被害が広がらないようすぐに手を打ってくれ。我々があの海に戻れる日はやって来るのだろうか?」
「退却を命ずる以外、我々にできることは、あまりありません。残念ながら、インド洋に戻るためには、大西洋の向こうのわが同盟国には相当に頑張ってもらう必要があります。中途半端な兵力を送り込んでも、あっという間に撃破されるだけです。しばらくの間は、アメリカにより太平洋で日本軍を牽制してもらわねばなりません。かの国の海軍もアメリカと戦えば、間違いなく消耗してゆきます」
チャーチルはもういいという仕草で、手の甲をパウンドに向けると前後に動かした。彼には一人になることが必要だった。
……
海軍軍令部と陸軍参謀本部は、この状況を好機ととらえて、4月15日にはインド洋の島嶼に対する上陸作戦の開始を命じた。
この作戦のためにインド洋で行動していた、小沢中将麾下の川内、由良と2つの駆逐隊から構成された第一護衛隊を抽出した。更に、第七戦隊の熊野、鈴谷及び第四航空戦隊の空母龍驤、大鷹が支援艦隊として参加した。これらの艦隊に上陸部隊や物資を輸送する輸送船団が加わって、インド洋の島嶼を攻略するための部隊が構成された。艦隊全体は橋本少将が指揮することとなり、暫定的に遣印艦隊と呼称された。
遣印艦隊の接近に対して、アッズ環礁の基地には現地の陸上部隊が基地に残っていたが、第四航空戦隊の零戦と艦攻が空から攻撃して、半日で沈静化させた。そのため、遣印艦隊はさしたる抵抗もなく上陸作戦を実行することができた。引き続いて、南下した艦隊はアッズ環礁の南に位置するディエゴガルシア島への攻略を実行した。既に英国の援軍はなく、少数の英国軍守備隊は孤立していた。そのため、沖合に日本艦隊が姿を見せるとすぐに白旗を上げた。
ほぼ同じころ、インド洋東側のクリスマス島とココス諸島にも上陸作戦が行われた。この島では既に英軍が撤退していたために、実質的な戦闘もなく占領が完了した。クリスマス島にはリン鉱山があるため、もともと日本は狙いをつけていたのだ。
占領が完了すると、航空基地として使用可能なアッズ環礁には、航空部隊が直ちに進出した。ディエゴガルシア島とクリスマス島には、飛行場適地が既にあったため、施設部隊が送り込まれた。航空基地を整備すれば、哨戒機の活動が開始できるだろう。
4つの島はタイのインド洋岸のメルギー港、マレー半島のペナン港と合わせて、インド洋を抑える日本の要所となった。しかも、これらの港を活用して日本海軍艦艇がインド洋を哨戒すれば、英国のインド洋における輸送航路は遮断されるであろう。
インド自身と英国の間の輸送路に加えて、中東との間の物資の海上輸送も遮断されて、英国にとって大きな影響を与えるはずだ。しかも、インド洋の輸送路は、中東を経てソ連への物資輸送の南方ルートにもなっている。これが遮断されれば、ドイツ軍から攻撃を受けている北海の船団の頻度を増やさざるを得ない。更に、遠回りな米国から北太平洋経由の輸送への依存度が増すだろう。また、アラビア海から紅海を経由してエジプトに至る航路は、北アフリカ戦線にも影響を与える。中国の蒋介石へもインド洋を経由して輸送されていた物資がある。これら各地域への海上輸送に支障が出ることは、耐え難い苦痛となって連合国を締め付けるに違いない。
一航艦の艦上機が侵攻した時には、環礁内には3機のサンダーランド飛行艇と2隻の輸送船が停泊していたが、零戦隊の噴進弾と彗星の急降下爆撃により全て撃沈された。環礁で最も大きな島の南側には英軍基地の兵舎や格納庫、飛行場が建設されていた。飛行場には数機の故障中と思われる小型機と双発機が駐機されていたが、零戦の噴進弾と銃撃により全て破壊された。高射砲や格納庫も噴進弾の目標となった。基地の西側には石油を備蓄したタンクも設置されていた。石油と滑走路については、後の活用を考慮して破壊を控えるように命令が出ていた。
次いで、一航艦はセイロン島に向かって北上した。セイロン島のコロンボに向けて先行して発艦させた二式艦偵により、数隻の商船が停泊していることが分かった。また、コロンボ基地の飛行場にはソードフィッシュとハリケーンが駐機されていることを発見した。直ちに、最も脅威度の高い航空基地に向かって攻撃隊を発進させた。攻撃隊が、基地に接近すると、レーダーに誘導されて、20機近くのハリケーンが迎撃してきた。編隊前方の烈風と零戦の戦闘機隊が戦うことになったが、ハリケーンは空戦性能でも速度性能でも烈風にも零戦にもかなわない。あちこちで煙や炎を吐き出して落ちてゆく機体があるが、全て英軍機だった。艦爆隊が湾内の貨物船に攻撃を開始すると、あっという間に撃沈してしまう。残りの攻撃隊は飛行場と基地の建物を攻撃して帰ってきた。
続いて、トリンコマリーに対しても空襲を実施した。英軍は既に日本海軍の空襲を警戒していたので、めぼしい艦船を全て湾外に避難させていた。このため爆撃隊は、逃げ遅れた小型艦船と港湾設備を憂さ晴らしのように爆撃して帰ってきた。しかし、二式艦偵を利用して近くの海域を偵察することにより、4隻の輸送艦と1隻のタンカー、1隻の英海軍コルベットを発見した。これらは、全て艦載機の攻撃により撃沈された。
この戦いで、英軍は、インド洋の全ての大型艦を失った。しかも、アッズ環礁に駐留していた兵力は日本軍の攻撃により無力化された。セイロン島の英軍にも被害が出た。英海軍は、残っていたわずかな小型艦艇をアデンまで下げて、当面の間インド洋で攻勢に出ることは不可能となった。インド洋は日本の海となった。
……
チャーチルは、インド洋の戦いの様子を聞くと、がっくりと椅子に沈み込んでうなだれていた。しばらくして、やっとのことで報告にやってきたパウンド海軍卿の顔を見た。
「我々は、かの国の実力を見くびっていた。これほどの力を有しているとは、想像もできなかった。これ以上、インド洋で被害が広がらないようすぐに手を打ってくれ。我々があの海に戻れる日はやって来るのだろうか?」
「退却を命ずる以外、我々にできることは、あまりありません。残念ながら、インド洋に戻るためには、大西洋の向こうのわが同盟国には相当に頑張ってもらう必要があります。中途半端な兵力を送り込んでも、あっという間に撃破されるだけです。しばらくの間は、アメリカにより太平洋で日本軍を牽制してもらわねばなりません。かの国の海軍もアメリカと戦えば、間違いなく消耗してゆきます」
チャーチルはもういいという仕草で、手の甲をパウンドに向けると前後に動かした。彼には一人になることが必要だった。
……
海軍軍令部と陸軍参謀本部は、この状況を好機ととらえて、4月15日にはインド洋の島嶼に対する上陸作戦の開始を命じた。
この作戦のためにインド洋で行動していた、小沢中将麾下の川内、由良と2つの駆逐隊から構成された第一護衛隊を抽出した。更に、第七戦隊の熊野、鈴谷及び第四航空戦隊の空母龍驤、大鷹が支援艦隊として参加した。これらの艦隊に上陸部隊や物資を輸送する輸送船団が加わって、インド洋の島嶼を攻略するための部隊が構成された。艦隊全体は橋本少将が指揮することとなり、暫定的に遣印艦隊と呼称された。
遣印艦隊の接近に対して、アッズ環礁の基地には現地の陸上部隊が基地に残っていたが、第四航空戦隊の零戦と艦攻が空から攻撃して、半日で沈静化させた。そのため、遣印艦隊はさしたる抵抗もなく上陸作戦を実行することができた。引き続いて、南下した艦隊はアッズ環礁の南に位置するディエゴガルシア島への攻略を実行した。既に英国の援軍はなく、少数の英国軍守備隊は孤立していた。そのため、沖合に日本艦隊が姿を見せるとすぐに白旗を上げた。
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占領が完了すると、航空基地として使用可能なアッズ環礁には、航空部隊が直ちに進出した。ディエゴガルシア島とクリスマス島には、飛行場適地が既にあったため、施設部隊が送り込まれた。航空基地を整備すれば、哨戒機の活動が開始できるだろう。
4つの島はタイのインド洋岸のメルギー港、マレー半島のペナン港と合わせて、インド洋を抑える日本の要所となった。しかも、これらの港を活用して日本海軍艦艇がインド洋を哨戒すれば、英国のインド洋における輸送航路は遮断されるであろう。
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