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第5章 帝都防空戦
5.8章 帝都空襲のその後
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米軍は、2隻の正規空母を失い、空母を発艦した爆撃機は全て撃墜された。ホーネットに残っていて駆逐艦に救助された乗組員には、艦上のB-25から逃げ延びることができた搭乗員も含まれていた。
15番機のスミス中尉は、発艦待ちをしている間に、外から機体をチェックしていた。20分以上は発艦までに時間があるなと考えているところで、上空から突然見たこともない双発の機体が降下してきた。プロペラのないその機体がロケット弾を発射すると、ロケット弾がB-25の群れの中の数カ所に着弾した。つぎつぎと爆発が起こる中で中尉は、幸運にも飛行甲板左舷のキャットウォークに退避できた。そのまま艦首の方へ避難して行くと、B-25から避難してきた仲間と会えた。彼らはホーネットが動かなくなってから、しばらくして接近してきた駆逐艦に乗り移ることができた。
後になって、アメリカに帰ることができた7名の搭乗員は、この体験を、無理強いにより失敗した無謀な作戦であり、アメリカ合衆国が犯した愚行の一つとして語ることになる。何しろ爆撃作戦が失敗しただけでなく、艦隊の空母を全て失ったのだ。
このアメリカによる本土攻撃の戦果については、日本国内でも日本の勝利として公表された。新聞の記事はさすがに米国にもすぐに伝わった。アメリカ国内の新聞はその情報を入手すると、米軍の公表内容と合わせて報道した。それにより、全ての爆撃機が撃墜されたことを米国民はまもなく知ることになった。加えて、日本軍に空母が捕獲されるというアメリカ海軍始まって以来の不祥事も知られてしまった。
大統領自らが希望したこの作戦は、ルーズベルトの狙いとは正反対の結果となった。当初、この作戦の結果を隠そうとしたことは全くの逆効果だった。米政府への米国民の信頼は低下して軍の作戦への疑念を生んだ。加えて、大統領の支持率の急激な低下という結果ももたらした。負けばかりが続くこの戦争に対して、日本との戦いを忌避するムードが徐々にアメリカ国内で高まっていった。ルーズベルトは苦し紛れに、日本軍の真珠湾攻撃を日本の卑怯な奇襲攻撃だったと宣伝しようとした。しかし、アメリカのマスコミが、国務長官に正式な宣戦布告がされた後の日本の攻撃という事実を報道すると、逆に米国政府の歪曲報道として国民からますます非難されることになってしまった。
……
横須賀に曳航された空母ホーネットは、直ちに船としての被害状態の確認が行われた。実際に確認すると艦の後部と機関部が爆弾と火災により破壊されたのに比べて、前部はあまり被害を受けていないことが分かった。船体の底部や隔壁の被害も艦の後方に集中していた。また、水面下の船殻への爆弾の被害は艦尾の3カ所のみであることが分かった。内部調査の過程で、艦の前部と中央部の閉鎖された区画に負傷した米兵が25名残されていたため、救助して病院に収容された。噴進弾による被害を受けていた艦橋も外面の被害のみで内部が大きく破壊されておらず、艦首の油圧カタパルトもおおむね使用可能の見込みであった。
調査報告を受けて、艦政本部は速やかに空母として修復を行い、海軍艦艇として復帰させることを決定した。直ちに艦政本部と海軍工廠の技術士官が派遣されて、具体的な修理の検討に入った。既に戦いが始まっている状況で、正規空母は1隻でも多く欲しい。軍令部からの要求は短期での修復を優先して、大きな変更は避けるべしとの命令だった。
派遣された造船士官が詳細に内部の破壊状況を確認した結果、機関と破壊された後半部を回復すればおおむね空母として使用可能であると判明した。一刻も早い就役が期待されたため、昭和17年4月末から修理に着手した。時間を要すると考えられた機関については、この空母に適した機関を新たに設計する時間はないため、陽炎級駆逐艦の機関を2基搭載したうえで、缶の数を8缶として出力に余裕を持たせた。
そのため、機関出力が低下して、最大速度もホーネットの32.5ノットから30ノットに低下している。機関室の天井にはもともと1.5インチ(38mm)装甲板が貼られていたが、艦の前半部は爆弾の被害を免れていたためそのまま使用できた。しかし、後半部は大きく破壊されて新たな装甲板が必要であった。この部分はホーネットよりも防御力が劣ることになるが、建造中の大鳳でも使用することになっていた25mm装甲板を使用して防御することとした。
飛行甲板に関しては、斜め甲板に改修して、着艦制動索は他の日本空母と同様の6トンクラスの艦載機を前提とした空廠式着艦制動装置を装備した。格納庫の床面積を少しでも増加させるためにエレベータは損傷の激しい後部を完全に閉鎖して、2基のエレベータとなった。艦首の油圧カタパルトは被害を受けておらず性能も十分だったことから、日本の艦載機に対応したフックの形状に変更するだけでそのまま使用することになった。艦橋と煙突も噴進弾による破孔はあったが大きな被害がなかったことからそのまま使用することに決定した。但し、煙突の上半部が改造されて、直立煙突から隼鷹とよく似た上半部が右舷の外側に傾いた傾斜煙突となった。
なお格納庫は、改修期間を短縮するためにもともとのホーネットの格納庫から大きな変更はされず、ギャラリーデッキと一段格納庫の構成はそのままとされた。そのため、日本機にとっては天井が高い格納庫となり、搭載機数は50機に減少した。なお高角砲と高射機関砲は米軍の弾薬が日本では補給できないため、他の日本艦艇と同じく12.7センチ高射砲と40mm連装機関砲に置き換えらることになった。
15番機のスミス中尉は、発艦待ちをしている間に、外から機体をチェックしていた。20分以上は発艦までに時間があるなと考えているところで、上空から突然見たこともない双発の機体が降下してきた。プロペラのないその機体がロケット弾を発射すると、ロケット弾がB-25の群れの中の数カ所に着弾した。つぎつぎと爆発が起こる中で中尉は、幸運にも飛行甲板左舷のキャットウォークに退避できた。そのまま艦首の方へ避難して行くと、B-25から避難してきた仲間と会えた。彼らはホーネットが動かなくなってから、しばらくして接近してきた駆逐艦に乗り移ることができた。
後になって、アメリカに帰ることができた7名の搭乗員は、この体験を、無理強いにより失敗した無謀な作戦であり、アメリカ合衆国が犯した愚行の一つとして語ることになる。何しろ爆撃作戦が失敗しただけでなく、艦隊の空母を全て失ったのだ。
このアメリカによる本土攻撃の戦果については、日本国内でも日本の勝利として公表された。新聞の記事はさすがに米国にもすぐに伝わった。アメリカ国内の新聞はその情報を入手すると、米軍の公表内容と合わせて報道した。それにより、全ての爆撃機が撃墜されたことを米国民はまもなく知ることになった。加えて、日本軍に空母が捕獲されるというアメリカ海軍始まって以来の不祥事も知られてしまった。
大統領自らが希望したこの作戦は、ルーズベルトの狙いとは正反対の結果となった。当初、この作戦の結果を隠そうとしたことは全くの逆効果だった。米政府への米国民の信頼は低下して軍の作戦への疑念を生んだ。加えて、大統領の支持率の急激な低下という結果ももたらした。負けばかりが続くこの戦争に対して、日本との戦いを忌避するムードが徐々にアメリカ国内で高まっていった。ルーズベルトは苦し紛れに、日本軍の真珠湾攻撃を日本の卑怯な奇襲攻撃だったと宣伝しようとした。しかし、アメリカのマスコミが、国務長官に正式な宣戦布告がされた後の日本の攻撃という事実を報道すると、逆に米国政府の歪曲報道として国民からますます非難されることになってしまった。
……
横須賀に曳航された空母ホーネットは、直ちに船としての被害状態の確認が行われた。実際に確認すると艦の後部と機関部が爆弾と火災により破壊されたのに比べて、前部はあまり被害を受けていないことが分かった。船体の底部や隔壁の被害も艦の後方に集中していた。また、水面下の船殻への爆弾の被害は艦尾の3カ所のみであることが分かった。内部調査の過程で、艦の前部と中央部の閉鎖された区画に負傷した米兵が25名残されていたため、救助して病院に収容された。噴進弾による被害を受けていた艦橋も外面の被害のみで内部が大きく破壊されておらず、艦首の油圧カタパルトもおおむね使用可能の見込みであった。
調査報告を受けて、艦政本部は速やかに空母として修復を行い、海軍艦艇として復帰させることを決定した。直ちに艦政本部と海軍工廠の技術士官が派遣されて、具体的な修理の検討に入った。既に戦いが始まっている状況で、正規空母は1隻でも多く欲しい。軍令部からの要求は短期での修復を優先して、大きな変更は避けるべしとの命令だった。
派遣された造船士官が詳細に内部の破壊状況を確認した結果、機関と破壊された後半部を回復すればおおむね空母として使用可能であると判明した。一刻も早い就役が期待されたため、昭和17年4月末から修理に着手した。時間を要すると考えられた機関については、この空母に適した機関を新たに設計する時間はないため、陽炎級駆逐艦の機関を2基搭載したうえで、缶の数を8缶として出力に余裕を持たせた。
そのため、機関出力が低下して、最大速度もホーネットの32.5ノットから30ノットに低下している。機関室の天井にはもともと1.5インチ(38mm)装甲板が貼られていたが、艦の前半部は爆弾の被害を免れていたためそのまま使用できた。しかし、後半部は大きく破壊されて新たな装甲板が必要であった。この部分はホーネットよりも防御力が劣ることになるが、建造中の大鳳でも使用することになっていた25mm装甲板を使用して防御することとした。
飛行甲板に関しては、斜め甲板に改修して、着艦制動索は他の日本空母と同様の6トンクラスの艦載機を前提とした空廠式着艦制動装置を装備した。格納庫の床面積を少しでも増加させるためにエレベータは損傷の激しい後部を完全に閉鎖して、2基のエレベータとなった。艦首の油圧カタパルトは被害を受けておらず性能も十分だったことから、日本の艦載機に対応したフックの形状に変更するだけでそのまま使用することになった。艦橋と煙突も噴進弾による破孔はあったが大きな被害がなかったことからそのまま使用することに決定した。但し、煙突の上半部が改造されて、直立煙突から隼鷹とよく似た上半部が右舷の外側に傾いた傾斜煙突となった。
なお格納庫は、改修期間を短縮するためにもともとのホーネットの格納庫から大きな変更はされず、ギャラリーデッキと一段格納庫の構成はそのままとされた。そのため、日本機にとっては天井が高い格納庫となり、搭載機数は50機に減少した。なお高角砲と高射機関砲は米軍の弾薬が日本では補給できないため、他の日本艦艇と同じく12.7センチ高射砲と40mm連装機関砲に置き換えらることになった。
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