電子の帝国

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第3章 計算機応用

3.2章 計算機の陸海共同開発

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 計算機の利用は陸軍も注目していた。ドイツへの訪問団は陸海軍合同で、計算機の見学も一緒だったのだ。陸軍の電子系技術者も当然計算機の有用性を認識していた。

 昭和14年(1939年)になって、海軍技術研究所長の日高中将のところに取り巻きの士官を従えて、陸軍の中将が面談にやってきた。挨拶が済むと陸軍中将は、さっそく訪問の目的の説明を始めた。
「陸軍科学研究所の多田と申します。海軍で開発されている電子式の計算機については、陸軍も注目していました。この度、陸軍においても、パラメトロン型の計算機を積極的に開発して利用することを決断しました。つきましては、2つのお願いがあります」

 陸軍中将から目配せされて、いかにも技術の専門家らしい篠田大佐が、資料を取り出して説明を始めた。書類にはなんと陸軍大臣の花押が書かれていた。

「1つ目は、計算機の生産と活用に関しての依頼です。民間企業で生産される計算機に、陸軍向けの装置を加えることを許可願いたい。加えて、陸軍にて計算機を活用しようと思うと、どうしても計算機自身の設計情報が必要となります。海軍技術研究所で所有している設計情報を陸軍にも開示していただきたい」

 陸軍中将からの要望に対して、日高中将も若干緊張して応えた。
「この書類を見ると、陸軍省と海軍省の間で内諾が済んでいるのですよね。そうであれば、民間会社での生産に関しては、陸軍さんから直接所要数量を発注してもらえば可能ですよ。計算機の活用については、我々が計算機の運用に向けて作成した書類でよければ、すぐに準備できます。技研の設計者から陸軍の技術者への説明会なども短期間でよければ対応します」

 多田中将はニンマリと笑って大きく頷いた。
「2つ目のお願いは、今以上に高性能な計算機の共同開発です。我が軍では暗号関連の業務に計算機が効果的に使えると考えています。従来からも機械式の計算機を暗号の解析に使用しており、有効活用できるのは間違いないと判断しています。他国の暗号を解読することに対して計算機は強力な道具になるでしょう。また、我々自身が使用している暗号は、計算機の演算を活用すれば、より強固なものにできます。暗号処理に使える性能を有する計算機をぜひとも共同開発したいのです」

 真田大佐が専門家の立場から発言した。
「現状の計算機は、どちらかと言えば数学的な計算や設計向けの用途に使われています。暗号対応の処理を実行するためには、多量の情報を処理する必要があると考えます。そのためには、特に記憶部の容量を増加させる必要があるでしょう。高度で複雑なな演算というよりも、多くの情報を高速で処理してゆく計算機ということになろうかと思います」

 参謀本部通信課長として紹介された仲野中佐が説明を始めた。
「私たちは、演算部に情報処理に対応する命令を追加する必要があると考えています。四則演算ではなくて情報を加工する命令を追加するということですね。それに加えて、計算機の処理手順を指定するプログラムは、かなり複雑になります。プログラムの増加と処理する情報量の増加で記憶部は大幅に拡張することが必要です」

 話を聞いてみると、海軍よりも陸軍の暗号研究は進んでいた。特に暗号解読に関しては、参謀本部第三部通信課の理学系の将校が数学者と協力して、人手ではあったがアメリカのスプリット暗号を部分的に解読するなどの成果をあげていた。解読時には手回し式の計算機を利用することで、作業効率を改善しているとのことだ。機械式の計算機でも効果があるのだから、新型の計算機を使うことができれば、間違いなく大幅な効率化ができると考えたわけだ。

 我々にとっては、気づかなかった計算機の活用分野だ。しかも開発に要する費用は折半で、陸軍の研究者が参加すれば人員は強化できる。海軍にとっても利益の見込める申し出だ。日高中将はその場で陸軍の要望を受け入れると回答した。

「共同開発を実現しましょう。正式には海軍省の了承が必要ですが、彼らも反対する理由はないはずです。技研の計算機開発課と陸軍の組織で定期的に情報交換を行って、今よりも高性能な計算機を開発することとしたいと思います」

 こうして陸海合同での大計算機開発の計画が始まった。開発の中心となったのは海軍側では、技術研究所の電気研究部、計算機開発課である。一方、陸軍では陸軍技術研究所の登戸に建設された第9研究所(通称登戸研究所)が中心となった。開発の推進役については、当然海軍側は真田大佐だ。陸軍側の開発主任については会議にやって来た篠田大佐が就任した。

 なお大型計算機の開発計画には、「思金神(オモイカネ)計画」という名称が与えられた。日本古来の神々から「知恵を司る神」の名称を採用したのだ。

 昭和14年(1939年)12月になって、早くも陸海共同開発計算機の1号機が完成した。実際は技研で先行して開発していた試作機を改良したもので、本格的な暗号処理向けの大型計算機とは言い難かったが、陸軍の早期完成の要望を受けて制式化された。

 百式一型蓄積プログラム計算機(オモイカネ一型計算機)
 ・演算器 2進32桁(32ビット)演算
 ・計算速度
 ・加減算 0.5ms
 ・乗 算 2.0ms
 ・除 算 5.8ms
 ・磁気記憶装置 16394語(16Kワード)
 ・入出力装置 穿孔テープ読み出し書き込み器と電動タイプライター

 ……

 試作機の完成に向けて、篠田少将自身も陣頭指揮を執るために登戸研究所で泊まり込みを続けていた。登戸研究所内に建て増しされた計算機室では、新しい計算機が稼働を開始していた。
「想定していたよりも随分早く、『オモイカネ一型』を動かすことができたな。この装置を利用すれば、いろいろな研究がどんどん進むだろう」

 背後に従っていたのは、陸軍で計算機開発を主導してきた技術士官の野村中佐だ。
「この計算機開発に関しては、我々の貢献はあまり多くはありません。もともと海軍の望月少佐たちが開発していた九九式計算機の改良案を取り入れて、短期完成を優先したのです。まあ、それでも十分に使える装置にはなっていますがね」

 篠田少将が歩いてゆくと、計算機の実作業での応用を考えていた男がいた。参謀本部で暗号解析を担当している仲野中佐だ。
「やっと我々が使える計算機が完成しましたね。皆さんの努力に感謝します。参謀本部でも百式の設置が進んでいます。これからいろいろなところでこの計算機は使われますよ。もちろん私の専門分野である暗号解析でも大いに活用しようと考えています」

 野村中佐が、次期の計算機のことを漏らしてしまう。
「この計算機は、陸軍としては一号機となります。現在開発中の計算機は、『オモイカネ一型』を基にしてかなり大容量化したものになる予定です。性能もかなり向上する予定なので、暗号に関する処理も格段に高速化できます。まあ、その代わりにこの計算機の2倍以上の大きさになるでしょうが」

 仲野中佐が目を見開いた。
「もう次の世代の開発を始めているのですか? 計算機は、随分短期で開発可能なのですね」

 野村中佐が自慢げに説明する。
「今の時代の電子機器は、計算機に限らずかなり短期間で進歩しています。しかも計算機はまだ生まれたばかりです。技術が成熟していないので、いろいろなところに改善の余地があります。これからしばらくの間は、毎年2、3回くらいは性能が向上した計算機が登場することになると思いますよ」

 仲野中佐は軽く口笛を吹いた。

 ……

 海軍省でも「オモイカネ一型」計算機が完成したことは話題になっていた。海軍が開発を主導して陸軍と共同開発した機種なのだ。軍としての面子もあって、上層部も注目していた。もちろん開発が成功したのは喜ばしい。しかも計算機の利用範囲はどんどん広がりつつある。

 このような機会をとらえて、研究所長の日高中将から海軍省に研究所の組織変更の上申が行われた。実際には真田大佐の意向を聞いた結果、中将がそれを了承して提出した要望だった。

 そんな要望書に対する回答が海軍省から送付されてきた。日高中将は、昭和15年の新年早々の松の内も明けない間に、真田大佐を自室に呼んだ。

「真田君、技術研究所の組織変更の要望書が通ったぞ。電気研究部から、電探と計算機、それに半導体開発を分離して、電子研究部として独立させる。まあ、君たちの研究を海軍の上層部も認めてくれたということだ。独立した部となることで、予算や人員についても増加が認められて、研究の自由度も増すだろう。もちろん、電子研究部長は君にやってもらう。部内の課は、総務と電探、計算機に半導体に分けることになるだろうが、課への人員の振り分け含めて、自分で決めてくれ。今月末には部員の異動も公表することになるから、それまでには人事の作業を終わらせる必要があるぞ」

 真田大佐は、彼にしては珍しくピンと背筋を伸ばして研究所長に敬礼した。
「謹んで、拝命いたします」

「もう一つ。全くの偶然だが、君の階級が大佐から少将に昇格したとの通知を受けた。本当におめでとう。これからは、今まで以上に成果に期待しているぞ」

「ありがとうございます。これで私もいろいろな活動がやりやすくなります」
 真田少将は、普段の彼からは珍しく神妙に深々と頭を下げた。

 ……

 陸軍と海軍が共同で、「オモイカネ一型」を完成させると、すぐに暗号処理に利用されるようになった。他国の暗号解析だけでなく、我が国で使用していた暗号の強度を増すことにも計算機は使われ始めた。

 更に、計算機の機能を強化するための進展があった。少し時間は戻るが、昭和14年(1939年)8月にダイム・ラーベンツ社のエンジンを国内生産するために渡独していた海軍技師が面白い電子機器を持ち帰ってきたのだ。当時、ドイツのラジオ局などで利用が広まっていた。「マグネトフォン」と呼ばれる磁気テープ型のテープレコーダーだ。

 海野少尉がさっそく、「マグネトフォン」を電気研究部に持ち込んできた。
「この装置は音を入力して磁気テープに記録しておいて、それを読み取らせて音を再生できます。ドイツでは1935年頃からラジオ局などで使われています。磁気記憶装置という観点から興味深いと思っています」

 望月少佐は、磁気テープに記録して必要な時にそれを再生できるという点に興味を持った。実際に動かしてみてから、しげしげと録音と再生を行うヘッドのあたりを見ている。
「まずマイクロフォンが周囲の音を電気信号に変換する。その電気信号を電磁石のヘッド部に入力して、テープ上の磁性体を磁化させるというわけだな」

 私にも「マグネトフォン」の動作原理はわかった。
「そして、磁化されたテープ上をコイルを巻き付けたヘッドが動くとテープの磁気に応じて、起電力が発生します。コイルで発生した電気信号を増幅してから、スピーカを駆動させれば、テープ上の磁気信号、すなわちマイクロフォンの音が再生されるわけです。テープの磁気は適切に保存すれば、失われることはありませんから、1年後でも再生できるはずです」

 少佐も私の説明に納得したようだ。
「筧君の解釈で間違いないだろう。マイクロフォンの代わりに、テープで記録可能な周波数帯の電気信号を入力すれば、音以外の信号でも記録と再生は可能なはずだ。計算機で使用している2進信号の処理も原理的に可能だと思えるがどうなな?」

 今まで黙って議論を聞いていた海野少尉がすかさず答える。
「ええ、2進信号も適当な変調を行って、この装置が記録できる人の声に近い周波数帯に変換してやれば、記憶と再生が可能だと思います。音声に近い波長への変調回路ならば、周波数も低いので、構成は複雑にはなりません。再生側もスピーカの代わりに2進数の信号への復調回路を追加すれば、記録した情報を直接計算機に入力することも可能なはずです」

 海野少尉は、すぐに簡単な実験用の変復調回路を設計した。ラジオ程度の回路で部品があれば、数時間以内に組み立てられるような簡単な装置だ。実際に、「マグネトフォン」に接続して実験を行ってみた。高音と低音により2進数の数値を区別できる様に周波数変調して、磁気テープに記録してから、再び再生できることが実験的に確認できた。パラメトロン計算機が扱っている2進符号の記録と再生が磁気テープ装置により可能となったのだ。

 もともと計算機開発部隊では、多量の情報を外部に保存できる装置を探していた。計算機が高性能化するにつれて、プログラムや計算結果はどんどん増加してゆく。紙テープに出力して穴あけしておけば計算結果もプログラムに保存できるが、多量の情報を扱うには限度がある。しかも、計算機の使い方によっては、処理を行う前の入力情報や途中まで計算を行った中間情報、処理が終わった情報を各々保存しておくことが必要な場合がある。計算機の外部でこれらの情報を記憶して高密度に保存できれば都合がいい。その候補が磁気テープ装置だった。

 実験結果を報告すると、真田少将はすぐにライセンスをドイツから取得することを承認してくれた。外部記憶装置の必要性を十分認識していたからだ。
「さっそく民間会社にこの装置の生産を依頼しよう。ドイツの『マグネトフォン』のライセンスに関しては、海軍が取得する。金を積んで、日本国内販売に限定すれば、生産を認めてくれるだろう。装置そのものは部品さえあれば日本国内で短期間のうちに生産できるはずだ」

 国内開発を始めてみると、磁気テープ装置の増幅回路や変調回路、書き込みや読み取り用のコイルを利用した「マグネトフォン」本体はすぐに出来上がった。

 しかし、リールに巻いて使用できる薄くて柔軟な素材を使用したテープの製造と、それに一様に磁性体を塗布したテープの生産はそれほど簡単ではなかった。最終的に木材から抽出されるセルロースを強化してテープを製造することになった。テープの表面に塗布する磁性体については、パラメトロンのフェライトリングを製造していて、磁性体の生産工場を保有している東京電気化学工業が製造することになった。

 彼らは、試行錯誤もしながら、磁性体粉末を混ぜた塗料を自動的にテープに塗ってゆく専用の機械を作り上げた。もともと情報の記憶が可能な磁性体は既に生産可能だったので、テープ上に塗布できる機材を整備した後は、工場での生産が可能となった。

 昭和15年(1940年)5月には試作版の磁気テープとそれを使用する装置が完成した。磁気テープ装置に接続するための入出力回路を備えた計算機が出来上がれば、計算機として大容量の外部記憶装置が使用可能になるはずだ。

 計算機側でも磁気テープを利用するための変更をいくつか行った。もともと計算機では、計算のための入力値や計算結果に対してそれらを論理的な情報の集合体(ファイル)にして、一意に識別するために名称(ファイル名)を付与して記憶していた。その機能を拡張して磁気テープに記憶する場合にも情報の塊に対して、同様の名称を付与することにした。更に1つの磁気テープのリールには複数の情報の塊が記憶されるから、磁気テープの先頭の決まった範囲に記憶した情報の塊の名称や情報の大きさ、テープ上に記憶した位置などの管理情報(ディレクトリ)を格納することにした。

 これにより、管理情報を読み取れば、テープを早送りして目的とする情報を素早く探し出すことができるようになった。

 ……

 昭和15年(1940年)6月になって、陸軍の野村中佐が、海軍技術研究所の計算機開発課を訪問してきた。磁気テープを陸軍側で試験した結果を報告に来たのだ。
「実験の結果は良好だった。陸軍も磁気テープを外部記録として正式に採用することに決定した。現行の『オモイカネ一型』の外部記憶として使用してゆくことになる。通称は『オモイカネ一型改』ということになるだろう」


 百式一型改蓄積プログラム計算機(オモイカネ一型改計算機)
 ・演算器  2進32桁演算(32ビット)
 ・計算速度
 ・加減算 0.5ms
 ・乗 算 2.0ms
 ・除 算 5.8ms
 ・磁気記憶装置 65536語(64Kワード)
 ・外部記憶装置 磁気テープ装置
 ・入出力装置 穿孔テープ読み出し書き込み器と電動タイプライター

 しかし、我々は、この「オモイカネ一型改」は短期間しか使われないと考えていた。既に半導体を使用した新型計算機の開発が進捗していたのだ。これが完成すれば、現状のパラメトロン計算機から大きく性能が改善して、適用できる範囲は確実に増えるはずだ。
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