38 / 173
第8章 四国沖海戦
8.4章 四航戦空母攻撃
しおりを挟む
四航戦の空母で最後尾を航行していた「龍驤」からは、南南西から接近してくる攻撃機が見えた。さすがに接近した編隊は電探で探知できたので、対空砲の準備は完了していた。
しばらくして、両舷で4基搭載されている12.7cm連装高角砲が射撃を開始した。上空に爆撃機が迫ってきたのだ。
空母の前方でも激しく対空砲を撃ちだした艦艇があった。護衛のために四航戦に合流した「高雄」だった。「隼鷹」や「祥鳳」に向かう攻撃隊を攻撃している。既に2機が煙の尾を引いて墜ちてゆく。
……
エンタープライズを飛び立った第10偵察爆撃隊(VS-10)のギブソン大尉は、眼下に空母を認めると、左舷側斜め後方からそのまま空母への接近を開始した。彼が所属する爆撃隊は、空母を飛び立った時には12機だった。それがゼロ(零戦)や巡洋艦にさんざん痛めつけられて、8機になってしまった。それでも、日本艦隊の西側に迂回するルートをとって全滅だけは回避できた。
空母に接近すると周囲で高射砲弾の炸裂が始まる。爆発の度に不気味な振動が伝わってくる。しかもガツンと金属が機体にぶつかる音まで聞こえてきた。
(今のは近かったぞ。高射砲弾の破片がどこかに当たったんだ)
こんな対空砲火の中にいつまでも留まることはできない。機体に損傷がないうちに眼下の空母を攻撃することを決断した。大尉の機体が急降下を開始すると、大尉に続いていた7機も同じ行動をとった。高度を下げてゆくと、12.7cm高角砲に加えて37mm機銃が火を噴き始める。連装の37mm機銃は、今までの25mm機銃に代わって搭載が始まった新型機材だ。しかし、新型の機銃でも8機を一度に狙うことはできない。
急降下の途中で1機が炎を噴いて、海面に落下した。しかし、残りの7機は1,000ポンド(454kg)爆弾を投下することができた。機体を引き起こして急上昇に移ろうとしたところで、1機が37mmの射線につかまって、ばらばらになった。
SBDの投下した爆弾は、最初に艦尾の右舷側あたりに1発が命中した。一瞬の後に飛行甲板から炎と爆風が立ち上った。次に1発が艦首の右舷側から離れたところで水柱をあげた。更に艦首の前方に2弾が落ちた。次の1発は左舷側の船体中央部に命中して、爆発すると斜め左上方にオレンジ色の爆炎が立ち上った。更に1弾が艦首近くに命中して前部飛行甲板を空中に飛ばした。おそらく飛行甲板下の艦橋も破壊されたに違いない。最後の1発は艦尾から外れた海上に落下した。
上昇するギブソン大尉の機体では、後席からバックマン少尉が3発が次々と命中する瞬間を目撃して、大声で叫んだ。
「大尉、3発が命中しました! 大尉が投下した最初の1発も、間違いなく艦尾に当たっていますよ」
「日ごろの訓練の成果が出たな。こんなところまで飛んできたかいがあった」
大尉もつられて大声を出したが、すぐに真顔に戻る。左翼燃料タンクから白く尾を引いてガソリンが漏れているのだ。おそらく高射砲弾の破片で穴が開いたに違いない。大尉は、燃料がなくなったら、海上に不時着することになるだろうと覚悟を決めていた。
「龍驤」に命中した最初の爆弾は、飛行甲板から水平隔壁を抜けて下甲板の25mm鋼版も簡単に貫通した。そのまま右舷の機関室に飛び込んで爆発した。瞬時に機関の半分が停止する。次の左舷船体中央部に命中した爆弾は缶室で爆発した。爆風で隣接したボイラーも使用不能となって左舷側壁に亀裂を発生させた。最後に艦種近くに命中した1弾は船体内を斜めに貫通して左舷側の海中で爆発した。船体左舷に大きな破孔を発生させた。
機関部の損傷により、「龍驤」は速度がどんどん低下するとともに、左舷に生じた亀裂により徐々に左舷への傾斜が始まった。
……
後方の「龍驤」が攻撃された直後に、前方の「隼鷹」と「祥鳳」も急降下爆撃隊に狙われていた。第四戦隊の東側を飛行していた爆撃隊は零戦による攻撃と、「高雄」による対空砲火により、大きく機数を減らしていた。
もともと40機以上のSBDが飛行していたが、日本軍の攻撃により機数は半減した。それでも、20機近くが迎撃をかいくぐり空母の上空に達していた。
「祥鳳」には、9機のSBDが降下攻撃を仕掛けた。途中で空母の対空砲火が2機を撃墜したが、7機が急降下爆撃を仕掛けてきた。「祥鳳」は投下された爆弾を回頭により5発まで回避したが、船体中央部に1発の1,000ポンド(454kg)爆弾が命中した。その直後に、船体中央部のやや後方にもう1発が飛び込んできた。
小型空母は、重量が制限されたために装甲防御は無きに等しい。2発の爆弾は、水平隔壁を次々と貫通して、缶室で爆発した。4つのボイラーのうちの3つが破壊されて速度が10ノット以下に低下した。同時に、喫水線より下に亀裂が生じて浸水が始まった。
四航戦の空母群の先頭を航行していた「隼鷹」には7機のSBDが攻撃を仕掛けた。今年になって竣工したばかりの「隼鷹」は、新型の対空砲を備えていた。8.8cm連装高角砲が8基と37mm連装機銃が10基だ。しかも、これらの対空砲を電探と計算機を内蔵した高射装置が管制していた。
そのおかげもあって、4機のSBDが次々に撃墜された。残った爆撃機が3発の爆弾を投下したが、回頭により全て回避した。
……
第10雷撃隊(VT-10)のジェット少佐は、目の前に空母が現れて安堵していた。日本軍戦闘機の攻撃により、少佐が率いていた雷撃隊はばらばらになって飛行していた。それでも日本艦隊に接近してからは、低高度を飛行したおかげで零戦の攻撃を避けられた。
少佐の目の前には、爆撃により飛行甲板から黒い煙を立ち上らせながら、低速で航行する空母が見えてきた。その前方にも、同じように煙を吐き出して低速で進む空母を発見した。空母の周りには4隻の駆逐艦が航行している。更に遠方には東に進む2隻の空母を発見した。おそらく、爆撃により、速度が低下した空母が後方に取り残されたのだろう。
少佐は、ためらうことなく最後尾の空母を雷撃することに決めた。
「煙を噴き出している最後尾の空母をしとめるぞ」
8機のTBFアベンジャーは、雷撃のために高度を下げていった。空母が回頭することを予想して、左舷側から雷撃する位置に向けて5機が旋回して行く。同様に、3機が右舷側に向けて降下して行く。挟撃により回避を困難にさせるのが狙いだ。
機関部を破壊された「龍驤」は、対空砲の火力も著しく低下していた。しかも左舷側への傾斜も完全に補正できていない。そのため、左右から雷撃機が迫ってくるのを発見していたが、反撃できる対空砲火は2割以下だった。左舷側で運の悪い機体が1機、37mm機銃に撃墜されたが、残った7機が魚雷を投下した。
10ノット以下のゆっくりした速度で、のろのろとした回避運動しかできないのでは、全ての魚雷を回避することは不可能だ。
TBFが投下したMk.13魚雷は左舷に2本、右舷に2本が命中した。魚雷は、舷側に復元性能の改善のために設けられたバルジを貫通すると、船体内側の重油タンクを突き破ったところで600ポンド(272kg)の弾頭を爆発させた。爆発により缶室が破壊されて舷側の破口から浸水が始まる。
4本の魚雷の爆発に「龍驤」は全く耐えることができなかった。大量の浸水であっという間に喫水が増加した。下部格納庫あたりまで水面が上昇すると、開口部から海水が流入を始めた。格納庫内に向けて急激に浸水が増加したためにあっという間に沈んでいった。
「龍驤」の前方を黒煙をあげながら低速で航行していた「祥鳳」もほぼ同時に雷撃機に狙われた。7機のTBFが、右舷側に向けて一気に雷撃のために降下していった。対空砲火で1機が撃墜されたが、6本の魚雷を投下できた。右舷側の艦尾に1本と船体中央に2本が命中して艦内で爆発すると、この小型空母は全ての動力が失われた。「祥鳳」は右舷からの浸水が増加すると、傾斜が増加して右側に横倒しになった。その後も浸水がどんどん増加して船底を上に見せながら沈んでいった。
2隻の空母が雷撃された後も、魚雷を積んだままの一隊は次の獲物を選んでいた。まだ無傷で東方に航行している「瑞鳳」を攻撃目標と定めると、7機のTBFが向かっていった。
「左舷側、雷撃機3機が接近中」
「右舷に4機が回り込んできます」
艦長の大林大佐は、両舷の見張からの報告を聞いて、艦橋から前を見たまま命令を出した。
「対空砲、射程に入り次第、撃ってよし。低空の雷撃機を狙え」
(それにしても、この『瑞鳳』という艦は対空戦闘の指揮がやりにくいな。戦艦や巡洋艦の防空指揮所のように、空が一望できる高いところから、飛んでいる航空機をこの目で見ながら指揮したいものだ)
すぐに高角砲が射撃を開始したことを示す音が聞こえてきた。見張長の敷島少尉がその想定を肯定してくれた。
「高角砲、射撃開始」
それに続く報告は艦長の想定外の言葉だった。
「右舷、友軍機2機が急降下してくる。零戦が雷撃機後方から攻撃するものとみとむ」
明らかに興奮気味の敷島少尉に、大林大佐も大声で返事をした。友軍の対空砲火の中に飛び込むのは危険だが、敵機の撃墜を優先したのだ。
「わかった。右舷の戦闘の様子を続けて報告せよ」
艦長の言葉も終わらないうちに、騒音に負けない報告が上がってくる。
「零戦が雷撃機2機を撃ち落としました。残りの機体も魚雷を放棄して退避して行きます」
いつの間にか艦橋で手の空いていたものは、右舷側に駆け寄って、戦闘の様子を見ていた。米軍の雷撃機が墜とされると、やんややんやの大喝采だ。狙いもつけないで遠方で投下した魚雷はもちろん空母に接近することもない。
しかし、敷島少尉は左舷側に走っていって、海上の様子を確認した。左舷から接近していた雷撃機のことを忘れていなかったのだ。
「左舷、3機が雷撃態勢、距離3,000、方位8時」
もはや魚雷投下まで一刻の猶予もない。
艦長は、間もなく投下されるであろう2本の魚雷に艦尾を向けるために、右舷に回頭しようと考えた。しかし、命令を口に出す前に、敷島少尉の叫ぶような声が聞こえてきた。
「左舷、『高雄』だ! 『高雄』が助けに来てくれたぞ」
「瑞鳳」の後方から、「高雄」は、左舷に並ぶように全速で進んできた。前進しながら雷撃機に向けて、左舷側の全対空火力を放っていた。巡洋艦の艦首は、空母と雷撃機の間に割り込むような方向を向いている。
高射砲弾の爆炎が、TBFの至近で広がると主翼がスローモーションのように折れ曲がってゆく。残っていた1機は、37mm機銃弾が機首に直撃してエンジンが脱落した。最後の1機も「高雄」に近づいて行ったところで、機関銃弾が次々と命中してバラバラに飛散した。
大林艦長は素早く頭の中で、戦闘状況を整理していた。
(『高雄』は、本艦の南側後方を航走していたはずだ。雷撃機を発見して前進したのだろうが、全機撃墜できる保証はなかったはずだ)
艦長が考えていると、後ろに立っていた航海長の児玉少佐がつぶやいた。
「万が一の場合は、我々の代わりに魚雷を引き受けるつもりだったのです。しかし雷撃機を全て撃墜して、その必要はなくなりました」
大林大佐は大きく目を見開いて、航海長の方を振り返った。
しばらくして、「瑞鳳」の艦橋からも、並走してきた「高雄」が進んでくるのが真横に見えてきた。思ったよりも近い距離だ。大林艦長は艦橋の左舷側に歩いてゆくと、「高雄」に向かって敬礼した。横に立っていた敷島少尉も慌ててそれにならった。敷島少尉からは、「高雄」艦橋の人物が確かに答礼したように見えた。
伝令が、四航戦司令からの命令をもってやってきた。
「司令から、本艦は「隼鷹」の後方につけるようにとのことです。沈没艦の乗員救助には、第8駆逐隊の『黒潮』と『大潮』が向かっています」
「わかった。本艦はこれから帰還してくる攻撃隊の収容を準備する。2時間もしないうちに攻撃隊が戻ってくるだろう」
……
軍令部から、富岡大佐のところに直接連絡が入った。
「どうやら、四航戦が米軍の攻撃を受けているようだ。米軍の攻撃隊は、数十機が4群との報告があった。これだけの数で攻撃されたならば、かなり厳しい状況になっているだろう。岩国と呉の戦闘機が防空戦に間に合ったようだ。この状況ならば大きな防衛戦力になったはずだ」
私と海野少尉は、実際の戦況の展開に合わせて計算機に入力する条件を増やしていた。青軍の呉と岩国以外の基地航空隊の詳細な情報を計算機に入力していなかったのは、我々の落ち度だ。日本各地の基地航空隊の戦力も模擬戦闘の戦力に組み入れるべきだった。
前提とする条件に新しい情報を追加すると、新たな答えを計算機が出してきた。出力画面を読んで、まずは内容を理解しようと座っていると富岡大佐から説明を促された。
「筧大尉、計算機の答えは何と出ているのかね? まさか我々の想定外の作戦を実行しろなんて言っていないだろうな」
「青軍の行動に関してです。計算機は、本土の基地から艦戦や艦攻など空母で運用できる機体を抽出しました。それを戦力の補強のために、海上の空母に向けて送り出しています。なお計算機は赤軍の攻撃隊は、青軍の機動部隊のひとつを攻撃したことにより、空母から全て出はらったと推定しています」
「ほう、しばらくの間はこれ以上攻撃されることはないから、次の一手は、空母を中継基地にして赤軍の艦隊を攻撃するということかね?」
「搭乗員が空母勤務の経験者という前提になりますが、無傷の空母に本土から戦闘機や爆撃機を送り込みます。空母で補給したらすぐにでも攻撃隊を編制して発進させています。自転車操業ですが、空母から発艦済みの第一次攻撃隊が戻ってくる前に次の攻撃隊を発艦させます。加えて、中国、近畿圏の基地であれば、陸攻隊は赤軍の機動部隊を直接攻撃することが可能です。陸攻以外にも、直接本土から攻撃隊を発進させる案も候補として出力しています」
望月少佐が補って説明した。
「九州や関東の基地から、単発機が敵の艦隊を直接攻撃するには、距離が開きすぎています。一方、友軍の空母までなら飛行可能な基地がいくつかあります。それに加えて、呉近辺の基地からは、敵艦隊の位置が判明したのですから、直接攻撃可能なはずです。それぞれの基地で機体が準備できれば、新たな攻撃隊を発進させられると思います」
富岡大佐が前田少将の顔を見た。
「ちょっと強引な作戦にも思いますが、本土の全戦力も投入して、緒戦で米軍の兵力を削り取るというのもあり得る作戦でしょう。この際、徹底的に攻撃することに私は賛成しますよ」
前田少将も同意した。
「叩けるときに、徹底して攻撃するというのは賛成だ。ここで、米軍の空母や戦艦をとり逃せば、後になってそれが我々に反撃してくることもあるだろう。攻撃隊をだせる基地は佐世保や北九州の基地、呉と岩国も可能かもしれない」
「この計算機の結果を軍令部第一部の意見として、すぐに、関東から西の各基地に連絡します」
望月少佐は、以前から気になっていたことを富岡大佐の表情を見ながら話し始めた。
「計算機にとっては、将棋も戦争も変わりはありません。将棋で終盤になると持ち駒をどんどん使って、王手を続けるように、この模擬戦闘でも計算機は最終的に勝利するためには、手元の兵力をどんどん使います。現状では、赤軍の艦隊殲滅が優先で、青軍の被害低減はその次になっています。長期の視点に立てば、次の作戦を考慮して兵力を温存するという考えもあり得ます。計算機は次の作戦なんて考えていませんからね」
「なるほど今回限りの前提で作戦を立案しているということか。言われてみれば、計算機らしいと納得できる内容だ。私の判断は、次の作戦よりも今の戦いで相手の戦力を削っておけば、長い観点でも優位になると言う考えだ。つまり現状では計算機の答えと私の意見はそれほど違わないぞ」
しばらくして、両舷で4基搭載されている12.7cm連装高角砲が射撃を開始した。上空に爆撃機が迫ってきたのだ。
空母の前方でも激しく対空砲を撃ちだした艦艇があった。護衛のために四航戦に合流した「高雄」だった。「隼鷹」や「祥鳳」に向かう攻撃隊を攻撃している。既に2機が煙の尾を引いて墜ちてゆく。
……
エンタープライズを飛び立った第10偵察爆撃隊(VS-10)のギブソン大尉は、眼下に空母を認めると、左舷側斜め後方からそのまま空母への接近を開始した。彼が所属する爆撃隊は、空母を飛び立った時には12機だった。それがゼロ(零戦)や巡洋艦にさんざん痛めつけられて、8機になってしまった。それでも、日本艦隊の西側に迂回するルートをとって全滅だけは回避できた。
空母に接近すると周囲で高射砲弾の炸裂が始まる。爆発の度に不気味な振動が伝わってくる。しかもガツンと金属が機体にぶつかる音まで聞こえてきた。
(今のは近かったぞ。高射砲弾の破片がどこかに当たったんだ)
こんな対空砲火の中にいつまでも留まることはできない。機体に損傷がないうちに眼下の空母を攻撃することを決断した。大尉の機体が急降下を開始すると、大尉に続いていた7機も同じ行動をとった。高度を下げてゆくと、12.7cm高角砲に加えて37mm機銃が火を噴き始める。連装の37mm機銃は、今までの25mm機銃に代わって搭載が始まった新型機材だ。しかし、新型の機銃でも8機を一度に狙うことはできない。
急降下の途中で1機が炎を噴いて、海面に落下した。しかし、残りの7機は1,000ポンド(454kg)爆弾を投下することができた。機体を引き起こして急上昇に移ろうとしたところで、1機が37mmの射線につかまって、ばらばらになった。
SBDの投下した爆弾は、最初に艦尾の右舷側あたりに1発が命中した。一瞬の後に飛行甲板から炎と爆風が立ち上った。次に1発が艦首の右舷側から離れたところで水柱をあげた。更に艦首の前方に2弾が落ちた。次の1発は左舷側の船体中央部に命中して、爆発すると斜め左上方にオレンジ色の爆炎が立ち上った。更に1弾が艦首近くに命中して前部飛行甲板を空中に飛ばした。おそらく飛行甲板下の艦橋も破壊されたに違いない。最後の1発は艦尾から外れた海上に落下した。
上昇するギブソン大尉の機体では、後席からバックマン少尉が3発が次々と命中する瞬間を目撃して、大声で叫んだ。
「大尉、3発が命中しました! 大尉が投下した最初の1発も、間違いなく艦尾に当たっていますよ」
「日ごろの訓練の成果が出たな。こんなところまで飛んできたかいがあった」
大尉もつられて大声を出したが、すぐに真顔に戻る。左翼燃料タンクから白く尾を引いてガソリンが漏れているのだ。おそらく高射砲弾の破片で穴が開いたに違いない。大尉は、燃料がなくなったら、海上に不時着することになるだろうと覚悟を決めていた。
「龍驤」に命中した最初の爆弾は、飛行甲板から水平隔壁を抜けて下甲板の25mm鋼版も簡単に貫通した。そのまま右舷の機関室に飛び込んで爆発した。瞬時に機関の半分が停止する。次の左舷船体中央部に命中した爆弾は缶室で爆発した。爆風で隣接したボイラーも使用不能となって左舷側壁に亀裂を発生させた。最後に艦種近くに命中した1弾は船体内を斜めに貫通して左舷側の海中で爆発した。船体左舷に大きな破孔を発生させた。
機関部の損傷により、「龍驤」は速度がどんどん低下するとともに、左舷に生じた亀裂により徐々に左舷への傾斜が始まった。
……
後方の「龍驤」が攻撃された直後に、前方の「隼鷹」と「祥鳳」も急降下爆撃隊に狙われていた。第四戦隊の東側を飛行していた爆撃隊は零戦による攻撃と、「高雄」による対空砲火により、大きく機数を減らしていた。
もともと40機以上のSBDが飛行していたが、日本軍の攻撃により機数は半減した。それでも、20機近くが迎撃をかいくぐり空母の上空に達していた。
「祥鳳」には、9機のSBDが降下攻撃を仕掛けた。途中で空母の対空砲火が2機を撃墜したが、7機が急降下爆撃を仕掛けてきた。「祥鳳」は投下された爆弾を回頭により5発まで回避したが、船体中央部に1発の1,000ポンド(454kg)爆弾が命中した。その直後に、船体中央部のやや後方にもう1発が飛び込んできた。
小型空母は、重量が制限されたために装甲防御は無きに等しい。2発の爆弾は、水平隔壁を次々と貫通して、缶室で爆発した。4つのボイラーのうちの3つが破壊されて速度が10ノット以下に低下した。同時に、喫水線より下に亀裂が生じて浸水が始まった。
四航戦の空母群の先頭を航行していた「隼鷹」には7機のSBDが攻撃を仕掛けた。今年になって竣工したばかりの「隼鷹」は、新型の対空砲を備えていた。8.8cm連装高角砲が8基と37mm連装機銃が10基だ。しかも、これらの対空砲を電探と計算機を内蔵した高射装置が管制していた。
そのおかげもあって、4機のSBDが次々に撃墜された。残った爆撃機が3発の爆弾を投下したが、回頭により全て回避した。
……
第10雷撃隊(VT-10)のジェット少佐は、目の前に空母が現れて安堵していた。日本軍戦闘機の攻撃により、少佐が率いていた雷撃隊はばらばらになって飛行していた。それでも日本艦隊に接近してからは、低高度を飛行したおかげで零戦の攻撃を避けられた。
少佐の目の前には、爆撃により飛行甲板から黒い煙を立ち上らせながら、低速で航行する空母が見えてきた。その前方にも、同じように煙を吐き出して低速で進む空母を発見した。空母の周りには4隻の駆逐艦が航行している。更に遠方には東に進む2隻の空母を発見した。おそらく、爆撃により、速度が低下した空母が後方に取り残されたのだろう。
少佐は、ためらうことなく最後尾の空母を雷撃することに決めた。
「煙を噴き出している最後尾の空母をしとめるぞ」
8機のTBFアベンジャーは、雷撃のために高度を下げていった。空母が回頭することを予想して、左舷側から雷撃する位置に向けて5機が旋回して行く。同様に、3機が右舷側に向けて降下して行く。挟撃により回避を困難にさせるのが狙いだ。
機関部を破壊された「龍驤」は、対空砲の火力も著しく低下していた。しかも左舷側への傾斜も完全に補正できていない。そのため、左右から雷撃機が迫ってくるのを発見していたが、反撃できる対空砲火は2割以下だった。左舷側で運の悪い機体が1機、37mm機銃に撃墜されたが、残った7機が魚雷を投下した。
10ノット以下のゆっくりした速度で、のろのろとした回避運動しかできないのでは、全ての魚雷を回避することは不可能だ。
TBFが投下したMk.13魚雷は左舷に2本、右舷に2本が命中した。魚雷は、舷側に復元性能の改善のために設けられたバルジを貫通すると、船体内側の重油タンクを突き破ったところで600ポンド(272kg)の弾頭を爆発させた。爆発により缶室が破壊されて舷側の破口から浸水が始まる。
4本の魚雷の爆発に「龍驤」は全く耐えることができなかった。大量の浸水であっという間に喫水が増加した。下部格納庫あたりまで水面が上昇すると、開口部から海水が流入を始めた。格納庫内に向けて急激に浸水が増加したためにあっという間に沈んでいった。
「龍驤」の前方を黒煙をあげながら低速で航行していた「祥鳳」もほぼ同時に雷撃機に狙われた。7機のTBFが、右舷側に向けて一気に雷撃のために降下していった。対空砲火で1機が撃墜されたが、6本の魚雷を投下できた。右舷側の艦尾に1本と船体中央に2本が命中して艦内で爆発すると、この小型空母は全ての動力が失われた。「祥鳳」は右舷からの浸水が増加すると、傾斜が増加して右側に横倒しになった。その後も浸水がどんどん増加して船底を上に見せながら沈んでいった。
2隻の空母が雷撃された後も、魚雷を積んだままの一隊は次の獲物を選んでいた。まだ無傷で東方に航行している「瑞鳳」を攻撃目標と定めると、7機のTBFが向かっていった。
「左舷側、雷撃機3機が接近中」
「右舷に4機が回り込んできます」
艦長の大林大佐は、両舷の見張からの報告を聞いて、艦橋から前を見たまま命令を出した。
「対空砲、射程に入り次第、撃ってよし。低空の雷撃機を狙え」
(それにしても、この『瑞鳳』という艦は対空戦闘の指揮がやりにくいな。戦艦や巡洋艦の防空指揮所のように、空が一望できる高いところから、飛んでいる航空機をこの目で見ながら指揮したいものだ)
すぐに高角砲が射撃を開始したことを示す音が聞こえてきた。見張長の敷島少尉がその想定を肯定してくれた。
「高角砲、射撃開始」
それに続く報告は艦長の想定外の言葉だった。
「右舷、友軍機2機が急降下してくる。零戦が雷撃機後方から攻撃するものとみとむ」
明らかに興奮気味の敷島少尉に、大林大佐も大声で返事をした。友軍の対空砲火の中に飛び込むのは危険だが、敵機の撃墜を優先したのだ。
「わかった。右舷の戦闘の様子を続けて報告せよ」
艦長の言葉も終わらないうちに、騒音に負けない報告が上がってくる。
「零戦が雷撃機2機を撃ち落としました。残りの機体も魚雷を放棄して退避して行きます」
いつの間にか艦橋で手の空いていたものは、右舷側に駆け寄って、戦闘の様子を見ていた。米軍の雷撃機が墜とされると、やんややんやの大喝采だ。狙いもつけないで遠方で投下した魚雷はもちろん空母に接近することもない。
しかし、敷島少尉は左舷側に走っていって、海上の様子を確認した。左舷から接近していた雷撃機のことを忘れていなかったのだ。
「左舷、3機が雷撃態勢、距離3,000、方位8時」
もはや魚雷投下まで一刻の猶予もない。
艦長は、間もなく投下されるであろう2本の魚雷に艦尾を向けるために、右舷に回頭しようと考えた。しかし、命令を口に出す前に、敷島少尉の叫ぶような声が聞こえてきた。
「左舷、『高雄』だ! 『高雄』が助けに来てくれたぞ」
「瑞鳳」の後方から、「高雄」は、左舷に並ぶように全速で進んできた。前進しながら雷撃機に向けて、左舷側の全対空火力を放っていた。巡洋艦の艦首は、空母と雷撃機の間に割り込むような方向を向いている。
高射砲弾の爆炎が、TBFの至近で広がると主翼がスローモーションのように折れ曲がってゆく。残っていた1機は、37mm機銃弾が機首に直撃してエンジンが脱落した。最後の1機も「高雄」に近づいて行ったところで、機関銃弾が次々と命中してバラバラに飛散した。
大林艦長は素早く頭の中で、戦闘状況を整理していた。
(『高雄』は、本艦の南側後方を航走していたはずだ。雷撃機を発見して前進したのだろうが、全機撃墜できる保証はなかったはずだ)
艦長が考えていると、後ろに立っていた航海長の児玉少佐がつぶやいた。
「万が一の場合は、我々の代わりに魚雷を引き受けるつもりだったのです。しかし雷撃機を全て撃墜して、その必要はなくなりました」
大林大佐は大きく目を見開いて、航海長の方を振り返った。
しばらくして、「瑞鳳」の艦橋からも、並走してきた「高雄」が進んでくるのが真横に見えてきた。思ったよりも近い距離だ。大林艦長は艦橋の左舷側に歩いてゆくと、「高雄」に向かって敬礼した。横に立っていた敷島少尉も慌ててそれにならった。敷島少尉からは、「高雄」艦橋の人物が確かに答礼したように見えた。
伝令が、四航戦司令からの命令をもってやってきた。
「司令から、本艦は「隼鷹」の後方につけるようにとのことです。沈没艦の乗員救助には、第8駆逐隊の『黒潮』と『大潮』が向かっています」
「わかった。本艦はこれから帰還してくる攻撃隊の収容を準備する。2時間もしないうちに攻撃隊が戻ってくるだろう」
……
軍令部から、富岡大佐のところに直接連絡が入った。
「どうやら、四航戦が米軍の攻撃を受けているようだ。米軍の攻撃隊は、数十機が4群との報告があった。これだけの数で攻撃されたならば、かなり厳しい状況になっているだろう。岩国と呉の戦闘機が防空戦に間に合ったようだ。この状況ならば大きな防衛戦力になったはずだ」
私と海野少尉は、実際の戦況の展開に合わせて計算機に入力する条件を増やしていた。青軍の呉と岩国以外の基地航空隊の詳細な情報を計算機に入力していなかったのは、我々の落ち度だ。日本各地の基地航空隊の戦力も模擬戦闘の戦力に組み入れるべきだった。
前提とする条件に新しい情報を追加すると、新たな答えを計算機が出してきた。出力画面を読んで、まずは内容を理解しようと座っていると富岡大佐から説明を促された。
「筧大尉、計算機の答えは何と出ているのかね? まさか我々の想定外の作戦を実行しろなんて言っていないだろうな」
「青軍の行動に関してです。計算機は、本土の基地から艦戦や艦攻など空母で運用できる機体を抽出しました。それを戦力の補強のために、海上の空母に向けて送り出しています。なお計算機は赤軍の攻撃隊は、青軍の機動部隊のひとつを攻撃したことにより、空母から全て出はらったと推定しています」
「ほう、しばらくの間はこれ以上攻撃されることはないから、次の一手は、空母を中継基地にして赤軍の艦隊を攻撃するということかね?」
「搭乗員が空母勤務の経験者という前提になりますが、無傷の空母に本土から戦闘機や爆撃機を送り込みます。空母で補給したらすぐにでも攻撃隊を編制して発進させています。自転車操業ですが、空母から発艦済みの第一次攻撃隊が戻ってくる前に次の攻撃隊を発艦させます。加えて、中国、近畿圏の基地であれば、陸攻隊は赤軍の機動部隊を直接攻撃することが可能です。陸攻以外にも、直接本土から攻撃隊を発進させる案も候補として出力しています」
望月少佐が補って説明した。
「九州や関東の基地から、単発機が敵の艦隊を直接攻撃するには、距離が開きすぎています。一方、友軍の空母までなら飛行可能な基地がいくつかあります。それに加えて、呉近辺の基地からは、敵艦隊の位置が判明したのですから、直接攻撃可能なはずです。それぞれの基地で機体が準備できれば、新たな攻撃隊を発進させられると思います」
富岡大佐が前田少将の顔を見た。
「ちょっと強引な作戦にも思いますが、本土の全戦力も投入して、緒戦で米軍の兵力を削り取るというのもあり得る作戦でしょう。この際、徹底的に攻撃することに私は賛成しますよ」
前田少将も同意した。
「叩けるときに、徹底して攻撃するというのは賛成だ。ここで、米軍の空母や戦艦をとり逃せば、後になってそれが我々に反撃してくることもあるだろう。攻撃隊をだせる基地は佐世保や北九州の基地、呉と岩国も可能かもしれない」
「この計算機の結果を軍令部第一部の意見として、すぐに、関東から西の各基地に連絡します」
望月少佐は、以前から気になっていたことを富岡大佐の表情を見ながら話し始めた。
「計算機にとっては、将棋も戦争も変わりはありません。将棋で終盤になると持ち駒をどんどん使って、王手を続けるように、この模擬戦闘でも計算機は最終的に勝利するためには、手元の兵力をどんどん使います。現状では、赤軍の艦隊殲滅が優先で、青軍の被害低減はその次になっています。長期の視点に立てば、次の作戦を考慮して兵力を温存するという考えもあり得ます。計算機は次の作戦なんて考えていませんからね」
「なるほど今回限りの前提で作戦を立案しているということか。言われてみれば、計算機らしいと納得できる内容だ。私の判断は、次の作戦よりも今の戦いで相手の戦力を削っておけば、長い観点でも優位になると言う考えだ。つまり現状では計算機の答えと私の意見はそれほど違わないぞ」
65
あなたにおすすめの小説
藤本喜久雄の海軍
ypaaaaaaa
歴史・時代
海軍の至宝とも言われた藤本喜久雄造船官。彼は斬新的かつ革新的な技術を積極的に取り入れ、ダメージコントロールなどに関しては当時の造船官の中で最も優れていた。そんな藤本は早くして脳溢血で亡くなってしまったが、もし”亡くなっていなければ”日本海軍はどうなっていたのだろうか。
If太平洋戦争 日本が懸命な判断をしていたら
みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら?
国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。
破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。
現在1945年中盤まで執筆
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
戦神の星・武神の翼 ~ もしも日本に2000馬力エンジンが最初からあったなら
もろこし
歴史・時代
架空戦記ファンが一生に一度は思うこと。
『もし日本に最初から2000馬力エンジンがあったなら……』
よろしい。ならば作りましょう!
史実では中途半端な馬力だった『火星エンジン』を太平洋戦争前に2000馬力エンジンとして登場させます。そのために達成すべき課題を一つ一つ潰していく開発ストーリーをお送りします。
そして火星エンジンと言えば、皆さんもうお分かりですね。はい『一式陸攻』の運命も大きく変わります。
しかも史実より遙かに強力になって、さらに1年早く登場します。それは戦争そのものにも大きな影響を与えていきます。
え?火星エンジンなら『雷電』だろうって?そんなヒコーキ知りませんw
お楽しみください。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
超量産艦隊
ypaaaaaaa
歴史・時代
海軍内では八八艦隊の議論が熱を帯びていた頃、ある一人の天才によって地味ではあるが大きく日本の未来を変えるシステムが考案された。そのシステムとは、軍艦を一種の”箱”と捉えそこに何を詰めるかによって艦種を変えるという物である。海軍首脳部は直ちにこのシステムの有用性を認め次から建造される軍艦からこのシステムを導入することとした。
そうして、日本海軍は他国を圧倒する量産性を確保し戦雲渦巻く世界に漕ぎ出していく…
こういうの書く予定がある…程度に考えてもらうと幸いです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる