電子の帝国

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第13章 東太平洋の戦い

13.3章 東太平洋潜水艦作戦1

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 3カ月前に第一潜水戦隊旗艦に就役した「香取」は太平洋中部を航行していた。既に日付変更線を東へと越えて、日本本土よりもハワイの方がはるかに近い海域だ。こんな海域まで単独で進出したのは、太平洋の北東方面に展開した潜水艦群の指揮を行うためだ。

 同様の任務で姉妹艦の「香椎」は本土から南南東に進んで赤道近くの東太平洋に進出していた。多数の潜水艦の指揮を行う艦艇を配備して、日本軍は太平洋の東側全域で組織的な潜水艦戦を実行しようとしていた。

「香取」の潜水戦隊参謀の高橋中佐が連合艦隊司令部からの電文を持ってやってきた。
「司令部からの連絡です。年末になってサンフランシスコに貨物船が集まっています。年を越えますが、輸送船団がこれから1週間程度で出発するようです。目的地はおそらくオアフ島ですが、確定情報ではありません。規模は数十隻と想定しています」

 日本に対して北米の情報を提供している東機関は、アメリカ西海岸でも活動していた。サンフランシスコ湾に多くの貨物船が集まってくればすぐにわかる。貨物船の船員が漏らす言葉を聞いていれば、出港時期や目的地もおのずとわかってくる。そんな東機関の情報が、スペイン経由で、輸送船団の情報が海軍に通知されていた。

 麾下の潜水艦の位置を貼り付けた大きな太平洋の地図を見ていた平田中将が振り返った。
「わかった。諜報情報のおかげで、ずいぶん助かるな。すぐに準備に取り掛かろう。それにしても、昭和18年の正月を海の上で迎えるとは思わなかったよ」

「極秘情報ですが、アメリカは最近暗号を変更しているようです。そのため、軍令部も暗号解読が簡単にできなくなっている模様です。この輸送船団に関する情報も、本来ならば、もっと詳細な情報がわかったかも知れません」

「入手できた情報で十分だ。この船団を集中的に攻撃するぞ。おそらく輸送船団は航海時間を短縮するつもりで、直行する航路を選ぶはずだ。潜水艦隊によりハワイよりも東側の海域で攻撃させるぞ。これだけの規模の船団であれば、護衛の艦艇は複数が随伴しているだろう。そこは注意が必要だ。船団への襲撃作戦を開始せよ」

 高橋中佐は姿勢を正して復唱した。
「直ちに、輸送船団への襲撃作戦を開始します。麾下の潜水艦に対して、暗号電でこの船団に関する情報および、船団への攻撃命令を伝達します」

「香取」は、船体中央部のカタパルトなどの航空装備を撤去して、艦型の大きさを生かして船体中央部の煙突後方に司令部要員室と計算機室を増設していた。

 各種周波数の無線設備も追加して、日本本土と前線の双方に対して確実に情報を伝達できるようになっていた。情報伝送の方法は、人間による電信の送信法から計算機間の暗号化した情報通信方式に変更されている。無線を盗聴していても解読以前に、2進符号化されて周波数変調された無線信号は、専用の回路を通さない限り人間が聞いただけでは復号化も困難だった。更に、複号化できても、2進数の情報は計算機が暗号化した内容だ。暗号鍵を用いて数学的な演算をしない限り、通信文は出てこない。それに加えて、計算機間の通信時間は、人間が送信するのに比べて圧倒的に短い。電文内容と定時連絡時間をあらかじめ決めておいて、短時間だけアンテナを水上に出して通信するという潜水艦向けの通信方法だった。

 ……

「伊号第17潜水艦」は数日経って第1潜水戦隊から再び電文を受信した。
「『香取』の司令部からの情報です。米貨物船団がサンフランシスコから出港しました。目的地はオアフ島の真珠湾と推定しています」

 潜水艦長の原田少佐と航海長の本多中尉は、発令所の机に広げた海図を見ていた。航海長が一点を指さしてから、地図上にクルリと円を描いた。
「艦長、旗艦からの情報が正しいとすると、米国の船団はこのあたりを西南西方向に進んでいるはずです。一方、我々の艦はこの位置です。南南東を目指せば明日には、船団と鉢合わせすることになるでしょう」

「うむ、その南南東の航路に進むことにしよう。この艦が巡航してゆく前提で、船団との会合時刻を計算してくれ。我々以外にも、米船団を攻撃しようとする潜水艦はいるのだろうな?」

「我々は、戦隊の中でもかなり東に突出しています。おそらく潜水戦隊の中でも米大陸にかなり接近しているはずです。事前に聞いた配備情報から考えると、我々以外にハワイの東側に進出しているのは、『伊25』と『伊26』、やや西に離れて『伊11』と『伊19』のはずです。これ以外にも、北太平洋から南下している艦もいるはずです。米大陸に近づいたので、各艦が無線封止している影響で正確な情報は得られていませんが、それぞれの艦が船団への攻撃を意図して行動を開始しているはずです」

「そうだとすると、我が軍の潜水艦は数隻以上が攻撃に参加すると考えてよさそうだな。但し、今回は船団の航行時間が短いぞ。攻撃できるのがハワイ直前という艦も結構ありそうだな」

「米国の西海岸からハワイまで、およそ2,200海里(4,074km)です。10ノットで航行してもわずか9日余りでハワイに到着します。高速船団ならばもっと日数は短くなります。つまり、この期間で攻撃位置につけない艦は、船団を見逃すことになります。のんびりしていれば、攻撃可能な位置まで航海する前に船団が通過してしまう可能性があります。実質的に攻撃できる潜水艦の数は、米船団の足の速さに反比例します」

「他の艦の様子はわかった。航海長、できる限り早く攻撃位置につけたい。航路を算出してくれ。水雷長、明日にでも魚雷戦が発生する可能性が高いぞ」

 ……

 本多中尉の想定通り、翌日になって「伊17」は米船団に接近していた。海上を航行していると逆探が南方からの電波をとらえた。この時、「伊17」は南南東に向けて航行中だった。
「南方の電波源を探知しました。波長が170センチの電波放射源が東から西に移動しています」

「逆探のアンテナで、移動していることがわかるというのはどう意味があるのか?」

「電波の発信源が高速で移動しているということです。つまり電探を搭載した航空機が飛んできていると思われます」

 最後まで説明を聞かずに、原田少佐が叫んだ。
「急速潜航だ! ぐずぐずしていると艦載機から攻撃されるぞ」

 逆探のおかげで、「伊17」はぎりぎりのところで潜航して、索敵機からの探知を逃れた。潜水して索敵機をやり過ごしていると、今度は聴音手が探知を報告した。
「左舷側10時方向、水上艦を探知。おそらく2軸艦です」

 貨物船ならば1軸艦が多いはずだ。それが、音響で2軸とわかるならば、比較的大型艦かあるいは軍艦だということだ。しかも逆探の情報から、航空機を運用できる艦が近くにいるのは間違いないだろう。

 2つの情報を考え合わせて、原田少佐は潜望鏡で目標艦艇を確かめることにした。多少の危険を冒しても攻撃すべき目標の可能性が高い。
「潜望鏡深度。10秒だけ潜望鏡を上げて目標を確認する」

 少佐の勘が当たった。潜望鏡を覗きながら見えている艦の説明を始めた。
「空母がいるぞ。船の前方に小型の艦橋、煙突は見えない。距離25,000m程度、我々の前面10時方向を左から右に横切っている。速度は10ノット強だろう。空母の後方に駆逐艦だ」

 少佐は、潜望鏡を降ろしてから水雷長に向き直った。
「艦橋の位置と大きさから、相手はおそらく輸送船改造の特設空母だ。それでも1万トンは超えるだろう。空母にうろうろされては、後顧の憂いが残る。食うぞ」

 水雷長の加藤大尉にとっては想定していた発言だった。
「既に魚雷は、全門装填済みです。特設空母ならば2本も当たれば沈むでしょう。距離がかなり遠いですが、我々の魚雷誘導部は改良版です。性能が向上した航跡誘導ならば半分は当てられるでしょう。発射直前に再度目標を確認してください。魚雷方位盤の入力値を補正します」

「いいだろう。雷撃は4本だ。発射管の2本は、万が一のために残しておきたい」

「伊17」は艦首を南南東に変えて数分、水中を進むと再び潜望鏡を上げた。船長が距離と方位を確認して、水雷長に聞こえるように声に出した。まだ距離が23,000mあるが、原田少佐はこの位置からの攻撃を決断した。

 水雷長が小声で船長に報告した。潜水艦内では誰も大声を出さない。
「魚雷方位盤に入力完了」

「1番から4番、テーッ!」

 艦首の4門の発射管から魚雷が飛び出した。原田少佐は、ズシンと響く発射音を4回まで数えてから航路変更を命令した。

「取り舵いっぱーい。方位340度に艦首を向けよ。電動機前進半速。一旦、遠ざかる」

 誰も異存はない。付近に駆逐艦がいれば、魚雷発射音は間違いなく探知されるだろう。そんな状況で雷撃位置にいつまでも留まっていれば、攻撃されるだけだ。

「伊17」が回頭して10分余りが過ぎると、魚雷とは異なる連続した爆発音が聞こえてきた。バン、バンという軽い爆発音が10回以上聞こえた。加藤大尉が艦長に向かって話し始めた。
「魚雷の命中ではありません。小さな音から、爆雷の爆発であるとも考えられません。少量の炸薬が多数水面下で爆発しているようです」

「多数の小規模爆発だとすると、航跡誘導魚雷に対する回避策を実行したのではないか?」

 加藤大尉もすぐに同意した。
「私もその考えに同意します。水中爆発により海水を撹乱して、狙いを外したのだと思います」

「どのような方法で回避したのか情報がもっと欲しいな。具体的なやり方がわかれば、裏をかく方法があるかもしれない」

 聴音手が、報告した。
「こちらに向かってくる艦を探知。20ノットは出ています。おそらく護衛の艦艇です」

 艦長は水雷長の顔を見ると、首を縦にふった。
「水雷長、相手が駆逐艦でも雷撃するぞ。諸元を出してくれ」

「まだ発射管への再装填が完了していないので、雷撃できるのは残っている2本です」

「時間が優先だ。相手の航路を変えられれば、命中しなくても良い」

 艦長の命令に従って、2本の魚雷が護衛の駆逐艦に向けて、発射された。

 ……

 サンフランシスコから真珠湾に向かう輸送船団は、SFO2(San Francisco to Oaf 2)船団と命名されていた。船団を護衛していたのは、2隻の護衛空母と2群の駆逐隊から編制された第39任務群だった。

 任務群の司令官であるメリル少将は、SFO2船団の東側を航行していた軽巡「モントピリア」の艦上で日本軍の潜水艦攻撃について報告を受けていた。

「船団の北東を航行していた、『スワニー』が雷撃を受けました。しかし、空母の後方を航行していた『ダイソン』が、ウェーキホーミング欺瞞用の小型爆雷を投射して回避しました。現在、雷撃した潜水艦を見つけようとしています」

「雷撃を行った日本潜水艦の位置は確定できているのか?」

 メリル少将の疑問に対しては、駆逐艦隊の司令から直接回答があった。隊内無線電話(TBS)でバーク大佐が連絡してきたのだ。

「第45駆逐隊のバークです。魚雷発射音は、我が隊の『ダイソン』が探知しました。46駆逐隊の『フート』と共に発射音の方向に向かっています。日本の潜水艦はかなり遠距離から雷撃したようです。発射地点ははっきりとはわかっていません。既に北方に退避した可能性もあります」

 ……

「フート」が、発射音の方向に向かってゆくと、再度魚雷発射音を探知した。
「前方2時方向から、魚雷発射音。我々が狙われています。雷数はおそらく2本。魚雷発射位置はおおむねわかりました」

 オースチン艦長は、すぐさま回避を命じた。
「取舵だ。左舷に回頭して魚雷をかわす」

 駆逐艦が、艦首を東に向けると、右舷のやや後方から魚雷が接近する態勢になった。
「誘導魚雷が我々を追いかけてくるぞ。魚雷の欺瞞弾を発射しろ」

 駆逐艦の左舷側と右舷側の双方の艦尾に迫撃砲が列状に並べられていた。右舷を向いた迫撃砲から毎秒2発程度の比率で、砲弾が撃ちだされた。ポン、ポンと戦場には似つかわしくないのんきな音を立てて発射された十数発の砲弾は、右舷側の2,000m程度、離れた海上にきれいに一列になって着水した。砲弾には、1秒の遅動信管が装着されていた。砲弾と言っても弾頭はヘッジホッグとほとんど同じだ。実質的にTNT炸薬の小型爆雷と言ってよい。着水後は、毎秒約7mの速度で小型爆雷は沈降するので、着水してから約7m潜ったところで信管が作動した。水面上にきれいに一列になった水柱が順番に立ち上った。

 駆逐艦の右舷側後方から接近してきた魚雷は、オースチン艦長の狙い通り、欺瞞弾の爆発でかき乱された海水を艦船の航跡と勘違いして、何もいない海面をジグザグに航行し始めた。

「どうやら誘導魚雷に対する欺瞞は成功したようだな。利点はあるが、海中爆発により水中の聴音が一時的に不可能になるのが、この兵器の大きな欠点だ」

 しばらくして、水中爆発による海水の撹乱がおさまって海中の聴音が可能になった。しかし、オースチン艦長の懸念通り、「フート」の聴音手は日本潜水艦を失探していた。

 メリル少将のところに潜水艦の探知をロストしたとの報告が上がってきていた。
「逃げられたということか。我が船団の位置は日本軍の司令部に通知されているはずだ。これから攻撃してくる潜水艦は1隻で終わらないぞ」

 メリル少将は、ドイツ潜水艦が大西洋で群狼作戦を展開して戦果を挙げていることを知っていた。日本の司令官もこの戦法の効果を知らないはずはない。

 ……

 原田少佐は潜水艦の潜望鏡から、駆逐艦が航跡魚雷欺瞞弾を発射した様子を目撃していた。あえて危険を承知で米軍の対抗策がどのような手段なのか観察していたのだ。欺瞞弾が着水して、水中爆発音が聞こえてくると、すぐに急速潜航を命じた。これだけの数の水中爆発ならば、しばらくの間、水中の聴音は不可能になるはずだ。その機会を生かして、退避することを決断した。

「深度80、方位370度に半速で前進だ」

 艦長は、潜水艦が退避を始めたのを確認すると、周囲の乗組員に説明した。
「迫撃砲のような投射機で小型爆雷を連続的に撃ちだしている。少しずつ方位を変えて、着水位置が一列になるように調整しているのだろう。小型爆雷は着水後、しばらくして水中で爆発した。直線状に並んだ水中爆発の列を艦船の航跡だと勘違いさせているのだ。手間のあまりかからないうまい方法だ」

 原田少佐は、航海長の本多中尉に向き直った。
「一旦、北方に離脱して敵の船団から離れたら、旗艦に戦闘状況を報告する。航跡誘導魚雷が無効化されたら、我が軍にとってその影響は、はかり知れない。すぐにも対策を検討する必要がある。そのためには敵が使用している武器を報告することが先決だ」
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