電子の帝国

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第13章 東太平洋の戦い

13.6章 アリーシャン作戦開始

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 昭和17年(1942年)の年末になって、軍令部では、重々しい会議が始まっていた。
「私は、アメリカ領土のアリューシャンから我が国本土が攻撃されることを懸念している。円弧上に連なったアリューシャン列島を延長すれば、カムチャッカ半島につながるだろう。その半島の岬から狭い占守海峡を超えれば、そこは千島列島だ。千島を南下すれば、北海道への侵攻も可能だ」

 永野総長の発言を聞いて、伊藤次長は考え込んでいた。総長の発言には確かに一理ある。アリューシャン列島は、アメリカと日本の領土が最も接近している地域だと言えるだろう。単純には否定できない内容だ。

「永野さんの心配については理解しました。ところで、アリューシャンのアメリカ軍の状況はどこまでわかっているのかね? 北米担当課長、説明してくれないか」

 伊藤次長の質問を受けて、米大陸担当の竹内課長が説明を始めた。
「円弧状に連なったアリューシャン列島の付け根の近くに、ダッチハーバーがあります。ここは輸送船や軍艦の港として利用されると共に、付近に海軍の基地と陸軍の基地があります。隣の島には陸軍の航空基地も建設されました。更に北東側に150海里(278km)程度離れた位置にもう一つの陸軍航空隊の基地が存在しています。実質的に二つの基地に護衛されていると考えていいでしょう」

「アリューシャン方面の軍艦と航空機の配備は、どのような状況なのかわかっているのか?」

 これには軍令部一部の富岡課長が答えた。
「昭和17年(19421年)になって、米本土の航空部隊は大きく強化されているとの情報があります。おそらくアラスカ方面でも部隊の増強は実行されているでしょう。戦闘機や爆撃機を合わせて数十機以上が配備されていると考えられます。海軍艦艇に関しては、巡洋艦と複数の駆逐艦から編制されている戦隊がアラスカ方面で行動しているようです。ダッチハーバーは潜水艦の補給基地にもなっているようです。北太平洋での潜水艦の活動を支援している可能性もあります」

 この推定が正しければ、待ち構えている米軍の規模から考えて、数隻の空母からなる機動部隊を準備すれば、攻撃することは不可能ではないだろう。しかし、機動部隊を出撃させれば、日本側にも航空機などの被害が出るはずだ。そのような危険性を犯すのであれば、もっと優先すべき目標があるのではないかということだった。

「米国側の状況については、大体わかった。それで連合艦隊司令部の意思は何か聞いているのかね?」

 第一部の福留部長が答える。
「山本長官は、太平洋に船が出入りする大元を遮断するための作戦に、もっぱらご執心です。その作戦の邪魔にならなければ、前哨戦と考えて特に反対しないでしょう」

「珊瑚海の戦いで既存の機動部隊が消耗していることを考えると、改修が終わりつつある空母を投入することが望ましいと考えます。既存の航空戦隊を無理に投入しないならば、山本長官も了承するでしょう。それに対空噴進弾などの新規装備も利用可能になっています。新兵器の威力を確認するためには、いい相手かもしれません」

 呉空襲で被害を受けた「伊勢」「日向」「扶桑」は戦艦から空母への改装が完了しつつあった。加えて対空誘導弾搭載艦に改修した「愛宕」「足柄」という防空巡洋艦も作戦可能になっていた。

「誘導弾搭載艦が3隻の空母を護衛して、島に建設された基地を攻撃するということか。3万トン超の空母の艦載機を合計すれば200機以上だな。アリューシャンの米軍航空部隊を圧倒できると思えるな」

 伊藤次長は、この会議でアリューシャン攻撃作戦の実施について、総長に反対しなかった。次長が反論しなければ、総長の意見が通ることになる。軍令部の意向通り、山本長官もこの作戦を認めた。さすがに連合艦隊司令長官と言えども永野総長への反論はしなかった。軍令部としての決定に従って、急遽北極圏に近い北太平洋の米軍基地を攻撃することが決まった。

 ……

 年が明けて昭和18年(1943年)2月になった。山口司令官が率いる機動部隊は、横須賀を出発してから東北へと進んでいた。太平洋に出てから既に8日が経過して、アリューシャン列島へと接近していた。

 新編の機動部隊は、六航戦と命名されて今までの戦闘には参加していない新空母を主力としていた。新空母と言っても呉軍港への攻撃により損害を受けた「伊勢」と「日向」「扶桑」の船体部の損傷を復旧するとともに、上部構造を全面的に撤去して改修した改装艦だ。

 山口司令は「衣笠」の艦橋でぼやいていた。
「それにしても、この艦隊は改修した艦と新兵器が目白押しだな。霞が関の連中は、今回の作戦を実験の延長で考えているんじゃないか。空母と防空艦が改修されたばかりの艦で、搭載兵器にも新兵器が多い。今回の艦隊は新兵器の実験部隊ということなのか?」

 首席参謀の伊藤中佐が外を見ながら答えた。
「確かに今回の艦隊は、新規の艦と新兵器が盛りだくさんです。軍令部も連合艦隊も今回の相手を与しやすいと考えているのでしょう。山口さんの見方は結構当たっていると、私も思いますよ。しかし、新兵器を開発したら、誰かが実戦で確認しなきゃなりません。今回の戦闘も避けては通れないことだと思います」

「そうだな。その役割を仰せつかったのは、信頼されたと思うことにしよう。しかし、米軍を甘く見ることに関しては反対だ。間違いなく、我が軍の攻撃に備えているだろう。機会を生かして新兵器も使ってゆくが、相手にも隠し玉があるかもしれないぞ。とにかく油断しないでくれ」

 山口司令は周囲を見ながら話した。その言葉に、控えていた参謀たちもうなずいた。米軍の戦力が比較的小さいと想定されるアリューシャンの攻撃を命じられたのは、別の理由があるだろうと想像していたからだ。会議室の横では新設の計算機端末が電子管上に艦隊の状況を表示していた。

 六航戦の旗艦は、珊瑚海の戦いで連合艦隊司令部が搭乗していた「青葉」と同様の電子計算機艦として改修された「衣笠」だった。改修内容は「青葉」とほぼ同様で、船体後部に電子機器室を設けて複数台の大型計算機と通信機器を搭載した。司令部要員用の会議室兼居住区画を船尾に追加したのも同じだ。但し、計算機は性能を改善した「オモイカネ四型改」が間に合った。しかも、電子管を利用した一部の端末を40cm四方の大型のブラウン管を利用した装置に変更していた。複数の要員が作戦検討を行う場合に、小さな画面をのぞき込まなくてもいいように視認性を改善するためだ。これは、連合艦隊司令部から強く要求されていた装備だった。

 突貫工事で改修を完了させた「伊勢」型戦艦は、上甲板より上の構造物を全て撤去して、2段構造の艦載機格納庫とその上に飛行甲板を追加していた。できる限り滑走距離を確保するために艦尾方向に甲板を延長した結果、全長220m、幅33mの飛行甲板を確保できていた。戦艦としての船型の大きさを生かして、隼鷹型よりも一回り大きな飛行甲板を確保できた。特に船体幅が広いことを利用して、艦載機は70機を搭載した。

 空母への改装が短期間で終了したのは、隼鷹型の設計をかなり参考にしたからだ。そのため、艦橋と斜め煙突の外見は隼鷹とほとんど同一に見える。飛行甲板のエレベータも隼鷹型と同じく前後に2基として工数を減らした。しかも防御に関しては、戦艦時代の舷側装甲と下甲板の水平装甲は残されたが、追加した格納庫や飛行甲板には装甲防御は一切追加しなかった。船体下部の機関や缶を変更しないで船体には手を入れずに、上部の航空関係の装備には、手間のかかる装甲板を設けなかったのも工期短縮ができた理由の一つだった。もっとも船体の重心を考えると、格納庫よりも上部に重量のある装甲を追加するのは禁止的だった。

 戦艦「扶桑」も「伊勢」型に準じて空母へと改装されていた。実質の差異はほとんどない。わずかな違いは全長が数メートル短いことと速度が0.6ノット遅いことだ。

 艦隊の前衛には、制式化されたばかりの二式一型誘導弾を搭載可能に改修した「愛宕」と「足柄」が先行していた。防空巡洋艦「愛宕」は誘導弾を搭載する一番艦として改修が終わると、今までは誘導弾の各種試験に用いられてきた。それが一連の試験も完了して、艦隊に配備されていた。

「愛宕」は、船体後部の被害の修理と並行して後部の四番と五番砲塔を除去して、更に水上機搭載用の設備も取り外した。船体後半部の上甲板より上部の装備を撤去して平らにすると、25mm装甲で防御された直方体の構造物を設置した。内部は、大部分が誘導弾の格納庫となっていて、艦首側には誘導用の電子機器を設置した。更に構造物の艦尾側には誘導弾発射のための2基のカタパルトとそれを動かす動力室を追加していた。

「足柄」もほとんど同様の誘導弾を搭載する改修を実施していた。船体後半部に噴進式誘導弾の格納庫と噴進弾の発射用のカタパルトを追加した。更に、後部艦橋の後方には計算機と電探などの電子機器を収容していた。

 ……

 深夜になって、アリューシャン列島線への距離が詰まってきたので、伊藤首席参謀が艦隊の位置を報告に来た。航空参謀の淵田少佐も一緒にやってきた。
「山口司令、そろそろダッチハーバーから450海里(833km)です。500海里(926km)からかなり踏み込んでいますので、米軍の哨戒機がやってきてもおかしくありません」

「夜が明けてから攻撃圏内に入るように、航路を調整したはずだがそこは問題ないか?」

「はい、夜明けまで6時間あります。それだけの時間を航行すれば、目標から300海里(556km)以内に接近できるので、我々の攻撃可能距離となります。現状維持で東北方向にダッチハーバーに向けて航行します」

「了解した。北太平洋によくある霧が出てくれば、攻撃はできないだろう。その時には、時間を変更する可能性もあるぞ。4時間後に目標上空の天気も勘案して判断することにしよう。それと、米軍も航空基地から哨戒機を出しているだろう」

「ええ、戦争が始まったのですから、間違いなく警戒しています。事前情報によれば、ダッチハーバー周辺の航空基地には、各種の戦闘機や爆撃機の配備が進んでいます。更に港湾には飛行艇が配置されているようです。索敵機だけでなく、我々を発見すれば、夜間でも爆撃機で攻撃を仕掛けてくる可能性があります。米陸軍の航空隊は海上作戦でも躊躇しません」

「私もその見方に同意する。艦隊上空の警戒のために『伊勢』と『日向』から電探搭載の天山と烈風を上げてくれ」

 淵田少佐が答えた。
「電探を搭載した夜戦型烈風は6機を空母に積んできました。まずは、半数の3機を2機の偵察型天山と共に上空に上げて警戒させます」

 夜戦型烈風は、従来の単座戦闘機の烈風を基にして、風防を後方に若干延長して、電子機器操作員の後席を追加した機体だ。烈風は零戦に比べて胴体も大きいことから、無理なく複座化できた。

 更に機体の右翼前縁に小型の魚雷の頭部に似た形状のポッドを取り付けた。右側の外翼の主翼前縁から飛び出たポッド内にはセンチ波の電探の一部回路と直径50cmの放物面アンテナを内蔵していた。電探を操作するのは、もちろん追加された後席の搭乗員だ。

 この電探を使用して、条件が良ければ、大型機を10海里(19km)で探知できた。天候や高度を勘案すると、実用上の有効探知距離は6海里(11km)程度と考えられていた。加えて、夜間では繰り返し射撃する機会は少ないと考えられたことから、翼内武装を4門の20mmに強化していた。

 ……

 ダッチハーバーに隣接したウムナック島に建設されたフォートメアーズ航空基地を離陸した哨戒装備のB-17型は、アリューシャン列島の南方海域を警戒していた。戦争が始まってからは、奇襲を避けるために太平洋に面した重要区域の基地からの海上哨戒が日課になっていた。当然、日本本土が存在する西南方向を中心とする扇型の海域は夜間でも索敵の重点となっていた。

 その中の1機が、日本艦隊に接近していった。新型の逆探器を備えた「足柄」が、最初にレーダーから発信された電波を受信した。すぐに艦隊の前方に出ていた偵察型天山の電探が高高度を飛行してくる大型機の反射を捉えた。

 深夜にもかかわらず、夜明けからの攻撃開始を意図していた六航戦の司令部員は、全員が起きて待機していた。

「東北東からの大型機を『足柄』と天山が探知しました。航空機からの電探の電波を受信しています。単独で飛行していることから索敵機に間違いありません。上空警戒の烈風に迎撃するように指示を出しました」

 淵田少佐からの報告に山口司令はうなずきながら返事をした。
「直ちに、夜戦で迎撃してくれ」

 ……

 艦隊から北東方向に飛行して警戒していた浜田飛曹長の偵察型天山は、電探で大型機を探知してからは、その方向にどんどん接近していた。そのおかげて正確に、B-17の位置を通知できた。

 植村飛曹長の夜戦型烈風は、天山を追いかけるようにして後方から飛行していった。その間に、後席通信員の山口一飛曹が天山と無線電話をつないだ。

「こちら天山の浜田だ。敵機を探知している。我々から北東35度の方向、15海里(28km)だ。天山の電探では高度まではわからないが、反射の大きさから我々と同高度と推定する」

 すぐに植村飛曹長は、短く返事をした。
「方位35度だな。了解した」

 指示された方位に向けて、複座型烈風はぐんぐん加速していった。後方にはもう1機の夜戦型烈風が続いている。しばらくするとやや速度を落として蛇行を始めた。機載の電探で、前方を扇型に広く捜索するためだ。すぐに烈風の電探にも反応が出た。

 後席の山口一飛曹が報告する。
「大型機を探知しました。本機の11時方向、距離は約9,000m」

 すぐに電探が探知した方向に機首を向けた。烈風は、東北に飛行するB-17に反航して西南方向から接近することになった。植村飛曹長からは、夜空を背景にやや高い高度で飛行する4発機を発見できた。すれ違う瞬間にわずかに機首を上げて、胴体の中央部あたりを狙って、全門の機銃を撃ちっぱなしにした。夜空に飛んで行く曳光弾の軌跡が良くわかる。20mm弾が命中して、機体表面で爆発の閃光がいくつも見えた。左翼を下げて、大型機との衝突を左旋回で避ける。

 植村機の後方を飛行していた遠藤一飛曹の夜戦型烈風も、同じ態勢で攻撃していた。最初の攻撃で大量に漏れていたガソリンに、火が付いた。B-17は、右翼付け根付近から周りを照らすように炎を噴き出すと次の瞬間ぐらりと右翼側に傾いて墜ちていった。まるで松明を上空から落としたような、その様子は偵察型天山からも良く見えた。

「植村だ。4発の索敵機を撃墜した。機体の形状からB-17だろう」

 ……

 夜間戦闘機による撃墜報告が「衣笠」にも上がってきた。淵田少佐が説明した。
「山口司令、迎撃した夜戦型烈風からの報告です。米軍の偵察機を撃墜しました。機体はB-17とのことです」

「ご苦労。米軍の電探の性能はわからないが、我々は見つかったのだろうな?」

 これには、伊藤中佐が答えた。
「戦艦や空母は電探の反射も大きいと言われています。我々を発見して、撃墜前に通報したという前提で考えるべきでしょう。我が艦隊は2時間、あるいは3時間後には攻撃を受ける可能性があります」

「そうだな。攻撃を受ける可能性は大いにあるだろう。夜間戦闘機に加えて、単座の烈風も直衛機を上げる準備してくれ。2時間後には上空の警戒機を増やすぞ。攻撃隊が接近してきたら対空噴進弾も使用して良い」
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