電子の帝国

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第16章 外伝(ドイツ開発編)

16.2章 ドイツの電子技術2

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 ドイツ空軍通信部長のマルティーニ中将が要求した日本の電子計算機の活用状況については、引き続き日本駐在のオット大使はいろいろなところから情報を収集していた。

 大使が苦労して収集した情報の中には、日本の軍部で暗号処理に計算機が使われているとの情報が含まれていた。もちろん、どのような使い方なのか詳細情報まではわからない。

 ドイツ大使から、暗号処理に計算機を利用しているようだとの情報が上がってきた。かつて空軍内でのエニグマ暗号の採用にかかわった経験があるマルティーニ中将にはこの報告だけで十分だった。

 彼は過去の仕事で得た知識から、情報の暗号化や復号に数学的な演算が広く利用されていることを知っていた。計算機により、複雑な演算が可能になれば、今よりも高度な暗号の作成が可能になるのは必然だ。

 早速、ベルリン大学の著名な数学者であるシュミット博士に、暗号に対する電子計算機の活用の可能性を問い合わせた。シュミット博士の回答は、計算機は暗号の作成にも解読にもかなり有効に使えるだろうということだった。しかも、博士はかなり興味を持ったらしく、計算機を使用して暗号の研究をさせてくれという要望を出してきた。

 渡りに船ということで、ベルリンの航空省に設置した計算機を使用するという条件で、暗号化研究を博士の数学研究室に依頼した。2カ月後には、博士の一次検討の成果がもたらされた。

「現状で加勢したツーゼの計算機を使えば、我が国のエニグマ暗号は解読される危険性が極めて高い。しかもパラメトロン素子とそれを使用した計算機は日本からもたらされた技術である。すなわち、ドイツの計算機よりも進歩している機器を日本は保有している。その計算機を利用すれば、日本は現状でもエニグマ暗号を解読している可能性が非常に高い」

 マルティーニ中将は博士のレポートに衝撃を受けた。シュミット博士は、単なる報告だけでなく、計算機を利用した実演も行った。エニグマで暗号化された文章を計算機を使って2日間で解読してみせたのだ。

 エニグマ暗号が計算機を使って解読されたというニュースは、空軍だけでなく国防軍最高司令部(OKW)にも上がった。情報部情報課長のピーケンブロック大佐はこの報告を聞いて青ざめた。他の将校と同様に彼もエニグマ暗号をかなり信頼していたのだ。ドイツ軍のいたるところで使用されているエニグマが、計算機を使えばわずか2日で解読できるならば、これからの作戦に大きな障害があるのは確実だ。既にヨーロッパの戦争は、始まっている。暗号が解読されるならば、戦いの情勢に大きな影響があるだろう。

 少なくとも、日本が高度な計算機を有しているのは確実なのだ。もしも日本が連合国に加わるのであれば、敵対する国々がエニグマ暗号を解読できることになる。あるいは連合国に参加しなくても、解読法の情報が連合国に渡るだけでかなり危機的な状況となる。ピーケンブロック大佐は、直ちにドイツ3軍で使われているエニグマ暗号機の更新を決断した。多数の機器を全て置き換えるのが困難ならば、一部の部品の変更や外部に追加装置を接続することにより、解読の難易度を向上させなければならない。

 国防軍情報部は、最終的には新型の暗号機への置き換えは、時間をかけて準備することとした。その間は、既存のエニグマ暗号機のローターを取り替えて、今まで使用していたプラグボードを介して、その先にリレー式の追加機器を外付けとした。シュミット博士からは、これは時間稼ぎの手段でこの暗号も将来は解読されるだろうと指摘されたが、それでも当面の間は使用できるだろうとの意見をもらった。

 ……

 日本に駐在していたオット大使への命令には、調査した情報を報告するだけでなく、日本製の電子機器の実物をなんとか入手できないかという項目が含まれていた。大使は配下で日本の軍事開発を分担している組織に出入りしている人物を使うことにした。

 来日したドイツ人技術者の中には、日本の軍と共に技術開発の仕事をしている人物がいた。これらのドイツ人の中には、表向きの仕事とは別にドイツ軍のために密命を受けて行動する者が存在していた。オット大使がドイツ本国からの命令だと伝えれば、有能な彼らはきっちりと仕事をしてくれる。大使は、彼らに電子機器の基板や部品を入手するように命令した。

 ダイムラー・ベンツ社から派遣されていたエンジン技術者であるクノッケ技師は、ドイツ本国においては、約2年間、DB601エンジンの開発に参加していた。ダイムラー・ベンツのエンジンを日本で生産することが決まると、内製化作業のためにドイツ人技術者の支援を陸海軍が要求した。早期にエンジンの生産施設や整備体制を立ち上げるためには、実際にドイツ人技術者の知恵と知識があればかなり短縮可能だ。一連のエンジンの技術者がドイツから招へいされた。クノッケ技師もその中の一人だった。

 しかし、彼はドイツ本国では、エンジンの開発にかかわっていた空軍の技術将校だった。クノッケ大尉は実際にダイムラー・ベンツ社の技術者と協同して、DB601の実用化を実行したのだから、エンジン技術を日本人に教えられるだけの技術力を有していた。本物のダイムラー・ベンツ社の技術者から何ら劣ることにない知識を有していたおかげで、彼は空技廠の技術者からも信用されていた。

 クノッケ技師は愛知時計と海軍空技廠の構内の一部には、入場が許可されていた。エンジン生産を早期に立ち上げるために、クノッケ技師は空技廠の試験場にも立ち入ることができた。もちろんドイツ大使の密命は、彼のところにも降りてきた。

 しかし、動作している装置や試験中の機器を盗み出すことはさすがに不可能だ。彼が注目したのは、廃棄物だった。稼働中の装置はかなり細かく管理がされていたが、故障で交換して不要となった部品は、決められた廃棄品置場に運ばれた。しかも不要となった廃棄物のその後の管理は甘かった。

 廃棄物置場への入退場は原則として警備員が鍵を管理していた。しかし、予備の鍵は実験室の壁に掛けられていて、試験時に廃棄物品が出ればすぐに捨てられるようになっていた。しかも不要となった部品の運搬を外国人であるクノッケ技師が手伝うこともあったのだ。

 廃棄品置き場では、一部の装置は雨ざらしになって放置された。その廃棄物には、空技廠内で試験をしていたジャイロ照準器や管制用の計算機、電探の部品も含まれていた。もちろん、廃棄物置き場に一人で近づけるような機会はそれほど多くはなかった。それでも、機会を見つけて、廃棄物の破片のような基板を手荷物に紛れ込ませて持ち帰っていた。

 実物に比べて、実験している機器の書類については、更に入手が容易だった。さすがに機密扱いの書類や図面は連番が付与されて管理されていたので持ち出せば、ばれてしまう。しかし、動作説明書や実験時の取扱説明書、整備用の書類はそもそも前線の整備部隊にも配布する文書なので管理は比較的ゆるかった。しかも説明書の中には、機器を開発した民間企業が作成した書類も含まれていて、それらの管理は更に甘かった。

 1940年(昭和15年)末になってDB600系エンジンの日本での生産立ち上げが一段落してくると、支援をしていた一部の技師は、シベリア鉄道経由でドイツに帰ることになった。この時期は、まだ戦争に参加していない日本とソ連の関係は悪くなかった。しかもドイツとソ連も、バルバロッサ作戦を開始するまでは、独ソ不可侵条約が守られていたので、国交が保たれていた。

 クノッケ技師も技術者たちからやや遅れてドイツに戻ることになった。いろいろなところで、積極的に活動していた彼の裏の仕事が明らかになるのを恐れて、ドイツ本国から帰国の指示が出ていた。正体がばれて逮捕される危険性を考えたのだ。

 オット大使がドイツ大使館職員の身分証明書を発行してくれたおかげで、大きなトランクを持っているにもかかわらず、彼は誰からもチェックを受けることなく日本から出国できた。その後は、シベリア鉄道経由でドイツ本国に帰ることができた。

 持ち帰った電子機器の部品は、動作不可となった装置の一部だった。しかも大部分は廃棄のために切断されたり、穴あけされて完全に破壊されていた。それでもドイツにとっては未知の技術を解明するための貴重品だ。すぐに依頼主のドイツ空軍の研究所に搬入された。そこでは、シーメンスやテレフンケンの研究者が日本の計算機や電子部品を解析するために待っていた。

 ……

 ある程度時間はかかったが、入手した実物を分析した結果、それがどのような機能の装置なのか推測できた。実際に手にしたものが、全体の一部分だったにもかかわらず、ドイツの技術者はかなり正確に全体の機能を割り出した。

 マルティーニ中将にその結果が報告された。彼が最も驚いたのは、小型計算機により、射撃照準をしていたことだ。まさか、片手で持てるような計算機とジャイロを照準器に接続して、機銃の弾道を計算するような使い方までは中将も考えていなかった。

 しかも持ち帰った書類の中には、軍艦などの火砲の射撃照準をするために、計算機を使用した装置の説明書が含まれていた。レーダーで目標の位置を測定して、弾道を計算機で正確に求めれば、命中率はかなり改善されるだろう。艦砲や高射砲、あるいは機関砲など応用範囲は極めて広いに違いない。

 片手に乗るような小型化が可能となって、いろいろな機器に内蔵できれば、応用範囲はかなり広いはずだ。小型化を実現するために、報告書には想定外の超小型素子が一部に使われているとの記述があった。
「私には、この小型の電子部品がいったいどんな原理で動作しているのか想像さえできない。報告書には、真空管に代わる機能を実現しているだろうとあるが、事実なのかね?」

 中将の疑問に答えたのはシーメンス研究所でパラメトロン素子の実用化を達成したボリス博士だった。
「日本で開発された小型素子は、明らかに真空管でもなく、更にフェライトを利用したパラメトロン素子でもありません。電気的にオンとオフの2状態に基づく論理演算やあるいは2進数の状態を保持できる超小型の素子です。私の知る限り、そんなことが可能なのは半導体素子だけです。この超小型素子も、日本人が開発した半導体に間違いありません」

「オット大使から日本で収集した追加の情報も入ってきているぞ。日本で電子機器を生産している企業が、多量の高純度シリコンを調達しているとのことだ。この素子の実現は、国家の重要な課題として本格的な研究を開始することになるだろう。その間も半導体素子の研究を進めていてくれ」

「シリコンを素材とした半導体をそれらの企業が大量生産していると考えて間違いないでしょう。論文でもシリコンを利用することにより、高性能半導体を実現できる可能性が公表されています。我々にとっては、まだ理論上の部品ですが、いち早く日本はそれを実用化しているのです」

 中将は、ボリス博士からの紹介で、同じシーメンス社の半導体研究者から意見を聞いた。

 シーメンス研究所で、固体型の素子を研究していたのは、ウォルター・ショットキー博士だった。彼は既に鉱石を使用したダイオードの開発に成功していた。

「半導体を実現するための材料はガリウムなどシリコン以外の物質も候補となります。今までは、何が最適なのか判断材料が不足していました。しかし、日本製の部品を分析して、シリコンを使用した半導体の構造とシリコン表面の拡散物質が判明すれば、半導体の研究は大きく前進します。日本製の見本と研究設備さえあれば、1年から2年で我が国でも、半導体を完成できるでしょう」

「いいだろう。研究設備の整備については軍から援助するぞ。日本から入手した小型部品を実際に分解して内部を解析することについても、秘密を守るという条件で許可しよう」

 この最新の半導体について、軍の援助で研究を加速するのはショットキー博士としても願ったりかなったりだった。すぐに、日本から入手した部品がシリコン半導体で、特定の不純物を拡散させた多層的な構造を有していることを明らかにした。

 ……

 日本から運ばれてきた部品の中には、切断された基板の一部で、一見しただけでは用途も判然としない電子回路が存在していた。軍から依頼されてシーメンス社のボリス博士のグループが、回路構成の分析をしていたが、2カ月の作業でやっと結果が出てきた。

「これは、電磁気により近傍の金属体を探知するための回路です。何かの装置に内蔵するというよりも、やや大きく作って観測用の端子までついています。明らかに、機能と性能を確認するための実験用の電子基板ですね」

「探知のために電磁気を利用するとはいったいどういう原理なのだ? どんな使い方が想定されるのか?」

「電磁界を発生させて、近傍の金属体を検出する回路です。金属体が電磁界の中で移動すると、感知コイルの電流が変化します。これは、まだ基本的な機能を確認するための試作回路ですが、真空管を使用しないでパラメトロン素子と半導体だけで機能するようにいくつかの工夫がされています」

「どのような用途が考えられるのかね?」

「明らかに、衝撃に対して脆弱な部品を意図的に避けています。考えられる理由は、砲弾に組み込むことを意図しているということです。つまり、これは命中しなくても金属に反応して爆発する信管の実験回路でしょう。この回路の完成度を考えると、今頃は、目的としていた機能を日本人は実現している可能性が高いと思います。日本人が金属に接近しただけで爆発する砲弾を使い始めるのも遠くないと判断します」

 しばらく、目の前の実験回路をマルティーニ中将は眺めていた。本と同じくらいの大きさの基板を半分にたたき割ったような断片だった。
「とんでもないものが出てきたな。これは、ドイツとして国全体で開発すべき対象だ」

「我が国の科学力でも、実際に砲弾を射撃して、所定の機能が発揮できるようになるのは、それなりの時間がかかるでしょう。1年では不可能だと思います。最低でも2年くらいは要するでしょう」

「逆に博士の言葉を信じるならば、1942年には念願の近接信管を我々は手に入れることができるというわけだ。国として、研究と開発費を出すように働きかけるぞ。得られる成果は、間違いなくそれだけの価値がある」

 ……

 最後になって出てきたのは、クノッケ技師が日本出国ぎりぎりで持ち出してきた書類だった。もはや日本をすぐにも去るとの理由で、危険を承知で空技廠で管理されていた書類の一部を盗み出してきたのだ。空技廠で文書の盗難が判明したのは、技師が帰国した後だった。

 技師がもたらしたのは、ドイツ海軍が喉から手が出るほど欲しがるだろう魚雷の航跡誘導装置の設計書類だった。誘導部の機器としての構造と制御部の構成は判明したが、内蔵している計算機については、さすがに回路もプログラムも資料には含まれていなかった。しかし、入手した取扱説明書には誘導部の機能と具体的な動作が記載されていた。分析の結果、魚雷に内蔵できる計算機さえ、入手できればドイツにも誘導魚雷は実現可能と判断された。

 更に、もう一つ誘導部に関する資料が含まれていた。当時盛んに日本で研究していた誘導弾の説明書類だった。マイクロ波の反射を受信してそれに向けて飛翔してゆく噴進式の誘導弾だ。詳細な設計書類ではなかったが、各種のロケットやジェット機の研究をしていたドイツにとって魚雷の誘導部の延長として、反射電波の方向に向けて飛翔してゆく誘導弾の開発はある程度時間をかければ可能だと考えられた。

 ……

 すぐに日本からもたらされた多数の技術は、ドイツにとって極めて重要だとの位置づけになった。しかもそれを実現するためには、小型計算機開発が必要だ。既にドイツでは高級言語によるプログラムで動作する計算機が完成している。それを小型化するためには、半導体技術が必須だということもわかってきた。

 結局、国防軍最高司令部(OKW)配下の軍事経済軍備局に、電子技術開発課を創設して、その配下で陸海空の3軍共同開発として、半導体と小型計算機を実用化することになった。先行して開発が進んでいた暗号関連の機器も同様に電子技術開発課が扱うことになった。

 マルティーニ中将の機転のおかげで、暗号と小型計算機、半導体の研究は、既に企業や大学で始まっていた。電子技術開発課はこれらの研究を引き継いで、資金と研究者、関与する企業を拡大して、大規模な組織として編成した。

 もう一つ3軍共同で最優先の開発事項に選定されたのは、電磁気を利用した近接信管だった。この信管には、小型の計算機は必要ないが、超小型の電子回路を実現するためには半導体が必須だ。しかも完成すれば、陸海空の全ての軍に大きなメリットがある。しかも、国家として開発しなければならないほどに、実現への困難度も高いと予想された。

 航跡誘導魚雷の開発はもちろん海軍が取り組むことになった。魚雷については、そもそもドイツではG7e音響誘導魚雷を既に開発していた。そのため、魚雷の誘導部を変更すれば開発の難度は他の機器開発よりも低いと考えられた。加えて魚雷の動きは水平面内だけであり、航跡探知後の動作も方向転換するという比較的単純な動作だ。しかも、小型化に関しても魚雷に搭載できる大きさであれば、近接信管のように著しく小型化する必要もない。実用化までに要する時間は他の装置に比べ短いはずだ。
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