月の綺麗な夜に終わりゆく君と

石原唯人

文字の大きさ
10 / 54

夏休みの予定

しおりを挟む
翌朝目が覚めてスマホを確認すると夜中に彼女からの返信が届いていた。
『どういたしまして。今回も色々付き合ってくれてありがとう。また、病院の日付教えてね。』
返信を見てから、次の通院予定日を送る。
『おはよう。次の予定は連休明けになるかな。』
それを送信してから、学校へ行くための準備をする。
気分は怠いけど昨日休んでいる以上、流石に学校に行かない訳には行かなかった。
学校への道すがらスマホに彼女からの返信が届く。
『次の病院は日程が合わないね。残念だけど、また次の時にね。』
彼女から伝えられた病院の日程は、少し間隔が早くなっていた。
『了解。そういえば君はゴールデンウィークどうするの?』
メールを送信してから僕は、少し後悔をした。
自分から連休の予定を尋ねるなんてらしくもない事をしてしまった。
そう思ってしまってから、馴れ馴れしくし過ぎて引かれたりしないかなとか急に不安になる。
メールを送ってから少し時間が経過するだけで、いつになく気になってしまう。
SNSと違って相手に一度送信すると取り消せないので、こういう時はかなり不便に感じてしまう。
返信が来ない。そう思ってしまったらもう後の祭りだった。
翌朝目が覚めてスマホを確認すると夜中に彼女からの返信が届いていた。
『どういたしまして。今回も色々付き合ってくれてありがとう。また、病院の日付教えてね。』
返信を見てから、次の通院予定日を送る。
『おはよう。次の予定は連休明けになるかな。』
それを送信してから、学校へ行くための準備をする。
気分は怠いけど昨日休んでいる以上、流石に学校に行かない訳には行かなかった。
学校への道すがらスマホに彼女からの返信が届く。
『次の病院は日程が合わないね。残念だけど、また次の時にね。』
彼女から伝えられた病院の日程は、少し間隔が早くなっていた。
『了解。そういえば君はゴールデンウィークどうするの?』
メールを送信してから僕は、少し後悔をした。
自分から連休の予定を尋ねるなんてらしくもない事をしてしまった。
そう思ってしまってから、馴れ馴れしくし過ぎて引かれたりしないかなとか急に不安になる。
メールを送ってから少し時間が経過するだけで、いつになく気になってしまう。
SNSと違って相手に一度送信すると取り消せないので、こういう時はかなり不便に感じてしまう。
返信が来ない。そう思ってしまったらもう後の祭りだった。
さっきの送信したメールを取り消ししたい……。
送信した時よりもさらに大きな後悔が襲って来る。
ここは、様子見で何か当たり障りない感じで、誤送を装って送信するべきだろうか。
そう考えてから慎重にメールの文面を考えて入力と削除を繰り返しているうちに、頭が冷えて少しだけ冷静になる。
残念ながら誤送を装うにも誤送をする相手がいない。それにSNSが主流になってわざわざメールアドレスを交換する人は少数派になっている。
誤送しようにもメールの使用者人口は少なすぎて、友達の少ない僕は言うに及ばず、彼女ですらメールの誤送は難しいのではないだろうか。
恐らく彼女も僕に誤送信をする友達が居ない事に気付くかもしれない。
万事休す。こちらから打てる手は何も残されてはいなかった。
そんな事を考えて一人で勝手に追い込まれてうちに、彼女からの返信が届いた。
『ゴールデンウィークは検査入院予定なの。学校の友達に病気がバレないように入院が必要な事は出来る限り連休とか長期休暇にする事にしているから。もしかして何か誘ってくれるつもりだった?』
メールを確認すると、さっきまでの心配は完全に杞憂で僕の考え過ぎだとわかりホッとする。
ただ最後の一文に関しては、どう返すべきか迷ってしまう。
結局迷った末に『夏休みに花火でも見に行かない?』
そう送ったのは、学校の校門を通り過ぎてからだった。
ポケットの中のスマホが振動して、画面を見るとさっきのメールの返事だった。
『かなり先だけど大丈夫だよ、それにしても夏休みって気が早すぎだよ。後で夏休みの入院の日程調べてメールするね。』
指摘されてから夏休みまで数ヶ月ある事に気付いたけど、既に色々遅かった。
この日はずっと上の空で、授業は全く頭に入らず放課後まで過ごした。
夜に彼女から送られてきた入院のスケジュールを確認すると、八月前半から中盤まで入院で埋まっている。
調べてみると八月後半だと岡山県内の花火は終わっていた。
少し遠出になるけど隣の県の広島まで行く事にする方が良さそうだった。
色々調べて準備をしていたらあっという間に夏休みが迫っていた。
終業式の後放課後の図書室で、僕らは久しぶりに病院以外で一緒に居た。
明日から夏休みという事もあって、浮かれている生徒は帰ってしまって既に辺りには誰も残って居ない。
僕は、彼女を花火に誘うのにどう切り出すべきか迷っていた。
辺りに人は見当たらないけれど、あまり長居していると司書の先生が戸締りに戻って来そうだ。
僕は散々悩んだ結果、無駄な小細工はせず単刀直入に伝える事にする。
「夏休みに小旅行で一緒に、花火を見に行かない?」
僕が羞恥を堪えて誘うと、彼女は笑いを堪えながら了承してくれた。
僕から誘って来た事が余程面白かったらしい。
「ひどいな。そんなに笑わなくても良いじゃないか」
「だって篁君告白しそうなくらい真剣な顔で言ってくるから」
帰り道を一緒に歩く彼女は、駅前で別れるまでずっと楽しそうに笑っていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

無表情いとこの隠れた欲望

春密まつり
恋愛
大学生で21歳の梓は、6歳年上のいとこの雪哉と一緒に暮らすことになった。 小さい頃よく遊んでくれたお兄さんは社会人になりかっこよく成長していて戸惑いがち。 緊張しながらも仲良く暮らせそうだと思った矢先、転んだ拍子にキスをしてしまう。 それから雪哉の態度が変わり――。

こじらせ女子の恋愛事情

あさの紅茶
恋愛
過去の恋愛の失敗を未だに引きずるこじらせアラサー女子の私、仁科真知(26) そんな私のことをずっと好きだったと言う同期の宗田優くん(26) いやいや、宗田くんには私なんかより、若くて可愛い可憐ちゃん(女子力高め)の方がお似合いだよ。 なんて自らまたこじらせる残念な私。 「俺はずっと好きだけど?」 「仁科の返事を待ってるんだよね」 宗田くんのまっすぐな瞳に耐えきれなくて逃げ出してしまった。 これ以上こじらせたくないから、神様どうか私に勇気をください。 ******************* この作品は、他のサイトにも掲載しています。

俺様御曹司に飼われました

馬村 はくあ
恋愛
新入社員の心海が、与えられた社宅に行くと先住民が!? 「俺に飼われてみる?」 自分の家だと言い張る先住民に出された条件は、カノジョになること。 しぶしぶ受け入れてみるけど、俺様だけど優しいそんな彼にいつしか惹かれていって……

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

処理中です...