37 / 49
ミヤの報告3
しおりを挟む
1、 キャンプで生徒たちを狙った襲撃事件が発生しました
2、 ジョセフィン様とイアン様が他の生徒を守ったため、全員無事でした。
3、 お嬢様はブランと共に事件を起こした召喚士の捕獲に活躍しました。その際に協力したトム様がお嬢様に接近しています。
4、 召喚士の背景は不明です。生徒全般を狙ったことになっていますが、王太子の婚約者としてジョセフィン様が狙われた可能性があります。
5、 トム様は平民のふりをした外国の貴族の可能性があります。トム様が狙われた可能性もあります。
6、 お嬢様が巻き込まれないよう注意します。
ハイラムはミヤの報告を読み終えると、大きく息をついた。
「ハーモニー学園も落ちたものだ。キャンプで襲撃事件が起きるなど、警備が怠慢だったのではないか」
「それより、召喚士を捕まえたなんて、逆恨みされないかしら」
「逆恨みされても負けることはないだろう」
「あなたっ。ヴィオラが心配じゃないの?」
マドラは自分が強く勧めて、ヴィオラをハーモニー学園に入れたため、実は不安でしょうがない。
「ジョセフィン様やイアン様も強くなられたようだし、人質に取られることもないだろう。それより、他国の男が近づくなど許さん」
ハイラムが考えるヴィオラの弱点は優しさだ。友を人質に取られる事態だけが心配だが、その心配がなければほぼ無敵だと思っていた。それよりも、ヴィオラが結婚などで遠くに行ってしまったら。ハイラムにとってはそちらの方が心配だった。
そのハイラムの考えが崩されたのはそれから、すぐのことだった。
「ヴィオラが呪われた?」
そのミヤからの知らせは早馬でやってきた。
「呪いって、どういうこと? ヴィオラは大丈夫?」
「ミヤによると、命は取り留めたらしい。王太子が神官をすぐに手配して、解呪してくれたらしい。ただ、まだ、意識が戻らないらしい」
「わ、私のせいだわ」
マドラは真っ青になった。
「何を言ってるんだ」
「私が嫌がるあの子を無理に学園に行かせたから」
「マドラ、落ち着きなさい。君のせいなんかじゃない」
ハイラムはマドラを抱きしめ、背中をポンポンと叩いた。
「あの子は、ヴィオラはもしかして、こんな事件が起きることを知っていたのでは?」
「何を馬鹿な」
「未来を知っているのではないかと思ったこと、ありません? 流行病の予防や災害の予想、新しい調味料や料理、魔力の鍛え方」
「知っていたとしても何も変わらないだろう。それだけ、神様に愛されているのなら、きっと、呪いなんかに負けず、意識を取り戻す。そうだろう」
「え、ええ」
「私は急いでヴィオラの元に行ってくる」
「私も一緒に」
ハイラムは首を振った。
「私だけの方が速い。君は私の留守を守っていてくれ。ヴィオラに向けられた呪いはヴィオラに向けられたのか、それとも、グラント領の娘に向けられたものか、まだ、わからないのだから」
「わかりました。お気をつけて。そして、あの子に伝えてください。ハーモニー学園を卒業しなくてもいいから。いつでも、好きな時に戻ってきなさいと」
「わかった」
ハイラムは従者を一人連れただけで飛び出して行った。
残されたマドラは落ち着かなかったが、数日後、また、ミヤの報告が届いた。
1、 お嬢様は意識を取り戻されました。
2、 体の異常や後遺症はありません。
3、 ただし、髪の毛がピンク色になりました。きれいな色です。
「ピンク色?」
マドラにはヴィオラの姿が想像できなかった。
2、 ジョセフィン様とイアン様が他の生徒を守ったため、全員無事でした。
3、 お嬢様はブランと共に事件を起こした召喚士の捕獲に活躍しました。その際に協力したトム様がお嬢様に接近しています。
4、 召喚士の背景は不明です。生徒全般を狙ったことになっていますが、王太子の婚約者としてジョセフィン様が狙われた可能性があります。
5、 トム様は平民のふりをした外国の貴族の可能性があります。トム様が狙われた可能性もあります。
6、 お嬢様が巻き込まれないよう注意します。
ハイラムはミヤの報告を読み終えると、大きく息をついた。
「ハーモニー学園も落ちたものだ。キャンプで襲撃事件が起きるなど、警備が怠慢だったのではないか」
「それより、召喚士を捕まえたなんて、逆恨みされないかしら」
「逆恨みされても負けることはないだろう」
「あなたっ。ヴィオラが心配じゃないの?」
マドラは自分が強く勧めて、ヴィオラをハーモニー学園に入れたため、実は不安でしょうがない。
「ジョセフィン様やイアン様も強くなられたようだし、人質に取られることもないだろう。それより、他国の男が近づくなど許さん」
ハイラムが考えるヴィオラの弱点は優しさだ。友を人質に取られる事態だけが心配だが、その心配がなければほぼ無敵だと思っていた。それよりも、ヴィオラが結婚などで遠くに行ってしまったら。ハイラムにとってはそちらの方が心配だった。
そのハイラムの考えが崩されたのはそれから、すぐのことだった。
「ヴィオラが呪われた?」
そのミヤからの知らせは早馬でやってきた。
「呪いって、どういうこと? ヴィオラは大丈夫?」
「ミヤによると、命は取り留めたらしい。王太子が神官をすぐに手配して、解呪してくれたらしい。ただ、まだ、意識が戻らないらしい」
「わ、私のせいだわ」
マドラは真っ青になった。
「何を言ってるんだ」
「私が嫌がるあの子を無理に学園に行かせたから」
「マドラ、落ち着きなさい。君のせいなんかじゃない」
ハイラムはマドラを抱きしめ、背中をポンポンと叩いた。
「あの子は、ヴィオラはもしかして、こんな事件が起きることを知っていたのでは?」
「何を馬鹿な」
「未来を知っているのではないかと思ったこと、ありません? 流行病の予防や災害の予想、新しい調味料や料理、魔力の鍛え方」
「知っていたとしても何も変わらないだろう。それだけ、神様に愛されているのなら、きっと、呪いなんかに負けず、意識を取り戻す。そうだろう」
「え、ええ」
「私は急いでヴィオラの元に行ってくる」
「私も一緒に」
ハイラムは首を振った。
「私だけの方が速い。君は私の留守を守っていてくれ。ヴィオラに向けられた呪いはヴィオラに向けられたのか、それとも、グラント領の娘に向けられたものか、まだ、わからないのだから」
「わかりました。お気をつけて。そして、あの子に伝えてください。ハーモニー学園を卒業しなくてもいいから。いつでも、好きな時に戻ってきなさいと」
「わかった」
ハイラムは従者を一人連れただけで飛び出して行った。
残されたマドラは落ち着かなかったが、数日後、また、ミヤの報告が届いた。
1、 お嬢様は意識を取り戻されました。
2、 体の異常や後遺症はありません。
3、 ただし、髪の毛がピンク色になりました。きれいな色です。
「ピンク色?」
マドラにはヴィオラの姿が想像できなかった。
14
あなたにおすすめの小説
引きこもり少女、御子になる~お世話係は過保護な王子様~
浅海 景
恋愛
オッドアイで生まれた透花は家族から厄介者扱いをされて引きこもりの生活を送っていた。ある日、双子の姉に突き飛ばされて頭を強打するが、目を覚ましたのは見覚えのない場所だった。ハウゼンヒルト神聖国の王子であるフィルから、世界を救う御子(みこ)だと告げられた透花は自分には無理だと否定するが、御子であるかどうかを判断するために教育を受けることに。
御子至上主義なフィルは透花を大切にしてくれるが、自分が御子だと信じていない透花はフィルの優しさは一時的なものだと自分に言い聞かせる。
「きっといつかはこの人もまた自分に嫌悪し離れていくのだから」
自己肯定感ゼロの少女が過保護な王子や人との関わりによって、徐々に自分を取り戻す物語。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
その破滅エンド、ボツにします!~転生ヒロインはやり直し令嬢をハッピーエンドにしたい~
福留しゅん
恋愛
自分がシナリオを書いた乙女ゲームの世界に転生したメインヒロインはゲーム開始直後に前世を思い出す。一方の悪役令嬢は何度も断罪と破滅を繰り返しては人生をやり直していた。そうして創造主の知識を持つヒロインと強くてニューゲームな悪役令嬢の奇妙な交友が始まる――。
※小説家になろう様にも投稿しています。
乙女ゲームっぽい世界に転生したけど何もかもうろ覚え!~たぶん悪役令嬢だと思うけど自信が無い~
天木奏音
恋愛
雨の日に滑って転んで頭を打った私は、気付いたら公爵令嬢ヴィオレッタに転生していた。
どうやらここは前世親しんだ乙女ゲームかラノベの世界っぽいけど、疲れ切ったアラフォーのうろんな記憶力では何の作品の世界か特定できない。
鑑で見た感じ、どう見ても悪役令嬢顔なヴィオレッタ。このままだと破滅一直線!?ヒロインっぽい子を探して仲良くなって、この世界では平穏無事に長生きしてみせます!
※他サイトにも掲載しています
乙女ゲームのヒロインに生まれ変わりました!なのになぜか悪役令嬢に好かれているんです
榎夜
恋愛
櫻井るな は高校の通学途中、事故によって亡くなってしまった
......と思ったら転生して大好きな乙女ゲームのヒロインに!?
それなのに、攻略者達は私のことを全く好きになってくれないんです!
それどころか、イベント回収も全く出来ないなんて...!
ー全47話ー
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
モブ令嬢は脳筋が嫌い
斯波@ジゼルの錬金飴③発売中
恋愛
イーディスは海のように真っ青な瞳を持つ少年、リガロに一瞬で心を奪われた。彼の婚約者になれるのが嬉しくて「祖父のようになりたい」と夢を語る彼を支えたいと思った。リガロと婚約者になってからの日々は夢のようだった。けれど彼はいつからか全く笑わなくなった。剣を振るい続ける彼を見守ることこそが自分の役目だと思っていたイーディスだったが、彼女の考えは前世の記憶を取り戻したことで一変する。※執筆中のため感想返信までお時間を頂くことがあります。また今後の展開に関わる感想や攻撃的な感想に関しましては返信や掲載を控えさせていただくことがあります。あらかじめご了承ください。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる