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ハーモニー学園
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「ハーモニー学園だ」
馬車から外を眺めていたヴィオラは思わず、声を上げた。
「まるで、子どもみたいですわよ」
ジョセフィンに注意されるのも嬉しい。まさか、学園に戻るのを嬉しいと思う日が来るとは思わなかった。
「それでは、教授、身体強化と試合場の件、よろしくお願いします」
ヴィオラはミューラー先生に頭を下げた。
「ああ、まかせておいてください」
ミューラー先生にお願いしたいことがあったため、同じ馬車に乗ってもらい、旅行中に説明をした。
1つは授業に身体強化を取り入れること。もう一つは試合場を使って、修行をできるようにすること。
グラント領で色々、情報を集めたミューラー先生は実際に試してみたくなったようで喜んで受け入れてくれた。
ヴィオラのヒロインとしての第一歩は得意な分野、レベル上げだ。
グラント領への道を作ったジョセフィンを見て、思った。
浄化の旅に出るのが卒業後なら、それまでにやるべきことは旅のメンバーの強化だけじゃない。旅に出ないメンバーも強化して、心配のない状態にしておきたい。
一人の英雄より、聖女より、全員が強くなるのが一番だ。
そのためにまず、ハーモニー学園の学生、全員を強くしてみせる。
そんな鬼教官の気持ちでヴィオラは戻ってきたのだ。
「お嬢様、顔」
ミヤがささやいたので、ヴィオラは慌てて顔を取り繕った。
「それでは明日から、復帰させてください。お騒がせしてすみませんでした」
学園長にはジョージ王太子が先頭に立ってくれたので、全員で謝る。
「いえ、ヴィオラさん、本当に申し訳ありませんでした」
逆に学園長に謝罪されてしまった。考えたら、呪われてから、学園長に会うのは初めてだ。
「まだ、犯人は捕まっていませんが、本当に復帰されるのでしょうか?」
ターゲットになりそうなヴィオラにはグラント領でじっとしていてもらいたいのかもしれない。
キャンプの襲撃事件に続き、学園内で呪いをかけられる事件が起きたのだ。また、襲撃事件が起きたりしたら、学園長の進退問題になる可能性もある。
「はい。何かあった場合の責任は自分で取ります」
ヒロインになった以上、避けて通れない戦いがいくらでもあるのだ。
「わかりました」
学園長の声が弱々しく、少し可哀想な気もした。
翌日の朝、ヴィオラたちは山ではなく、学園の試合場で修行をしていた。
これは攻略対象者に近づきたい生徒たちを修行に参加させて、魔力の底上げを図ろうというヴィオラの作戦だ。別に宣伝しなくても、王太子に近づくため、動向を探っている貴族は多い。
いきなり、女の子が二人来たので、ライルに指導を任せた。ここでヴィオラが教えたら、やる気が無くなってしまうかもしれない。
ジョージはブランと戦っている。最近、ブランはヴィオラと戦おうとしないので、ヴィオラはちょっと不満だ。
「なぜ、そんなに他人を鍛えたいんですか?」
トムは不思議そうだ。
「まだ、呪いの犯人が捕まってないでしょう。やっぱり、一人一人が強くなるのが一番かなと思って」
とヴィオラは答えておいた。
修行が終わったら、久しぶりの授業だ。
「大丈夫?」
「大変だったね」
クラスメイトが優しい。呪われたことで一気に同情が集まったみたいだ。それとも、これがヒロインの力だろうか。
「よく戻ってきましたね。ヴィオラさん」
マナーの先生に迎えられるとは思わなかった芸術の時間。
「今日から音楽祭の準備を行ってもらいます。特級クラスのみなさんは例年、楽器のソロ演奏を行ってもらっています。できるだけ、楽器が被らないようにしたいので、一人一人、演奏可能な楽器を教えてください。そこから、調整させてもらいます。では、ジョセフィンさん」
「ピアノとハープです」
さすが、お嬢様だ。
乙女ゲームの世界だけあって、楽器はピアノやバイオリンのような前世と同じ物がある。電子楽器は流石にない。
イアンはピアノとバイオリン、両方できるらしい。
「ヴィオラさん」
「カスタネットです」
「は?」
マナーのかけらもない変な声が先生から漏れた。
いや、カスタネットはこの世界にもある立派な楽器。前世も現世も音感がないヴィオラにとって、貴重な楽器なのに。
「あの、ヴィオラさん、他の楽器は?」
「できません」
「ソロ演奏できるような楽器はできないということですね」
先生の目がキラリと光る。あれ、ヤバい?
「今から特訓してもらいましょうか」
音楽祭って、いつだっけ?
ヴィオラは元々、来るつもりがなかったので、ハーモニー学園の行事スケジュールがわかっていなかった。
武闘会しかないわけないのに。生徒会に参加しておきながら、迂闊すぎる。
ヴィオラは後悔していた。
なぜ、学園に戻ってくるのを音楽祭が終わってからにしなかったのか。
「大丈夫。教えてあげる」
ジョセフィンの優しい言葉が辛かった。
馬車から外を眺めていたヴィオラは思わず、声を上げた。
「まるで、子どもみたいですわよ」
ジョセフィンに注意されるのも嬉しい。まさか、学園に戻るのを嬉しいと思う日が来るとは思わなかった。
「それでは、教授、身体強化と試合場の件、よろしくお願いします」
ヴィオラはミューラー先生に頭を下げた。
「ああ、まかせておいてください」
ミューラー先生にお願いしたいことがあったため、同じ馬車に乗ってもらい、旅行中に説明をした。
1つは授業に身体強化を取り入れること。もう一つは試合場を使って、修行をできるようにすること。
グラント領で色々、情報を集めたミューラー先生は実際に試してみたくなったようで喜んで受け入れてくれた。
ヴィオラのヒロインとしての第一歩は得意な分野、レベル上げだ。
グラント領への道を作ったジョセフィンを見て、思った。
浄化の旅に出るのが卒業後なら、それまでにやるべきことは旅のメンバーの強化だけじゃない。旅に出ないメンバーも強化して、心配のない状態にしておきたい。
一人の英雄より、聖女より、全員が強くなるのが一番だ。
そのためにまず、ハーモニー学園の学生、全員を強くしてみせる。
そんな鬼教官の気持ちでヴィオラは戻ってきたのだ。
「お嬢様、顔」
ミヤがささやいたので、ヴィオラは慌てて顔を取り繕った。
「それでは明日から、復帰させてください。お騒がせしてすみませんでした」
学園長にはジョージ王太子が先頭に立ってくれたので、全員で謝る。
「いえ、ヴィオラさん、本当に申し訳ありませんでした」
逆に学園長に謝罪されてしまった。考えたら、呪われてから、学園長に会うのは初めてだ。
「まだ、犯人は捕まっていませんが、本当に復帰されるのでしょうか?」
ターゲットになりそうなヴィオラにはグラント領でじっとしていてもらいたいのかもしれない。
キャンプの襲撃事件に続き、学園内で呪いをかけられる事件が起きたのだ。また、襲撃事件が起きたりしたら、学園長の進退問題になる可能性もある。
「はい。何かあった場合の責任は自分で取ります」
ヒロインになった以上、避けて通れない戦いがいくらでもあるのだ。
「わかりました」
学園長の声が弱々しく、少し可哀想な気もした。
翌日の朝、ヴィオラたちは山ではなく、学園の試合場で修行をしていた。
これは攻略対象者に近づきたい生徒たちを修行に参加させて、魔力の底上げを図ろうというヴィオラの作戦だ。別に宣伝しなくても、王太子に近づくため、動向を探っている貴族は多い。
いきなり、女の子が二人来たので、ライルに指導を任せた。ここでヴィオラが教えたら、やる気が無くなってしまうかもしれない。
ジョージはブランと戦っている。最近、ブランはヴィオラと戦おうとしないので、ヴィオラはちょっと不満だ。
「なぜ、そんなに他人を鍛えたいんですか?」
トムは不思議そうだ。
「まだ、呪いの犯人が捕まってないでしょう。やっぱり、一人一人が強くなるのが一番かなと思って」
とヴィオラは答えておいた。
修行が終わったら、久しぶりの授業だ。
「大丈夫?」
「大変だったね」
クラスメイトが優しい。呪われたことで一気に同情が集まったみたいだ。それとも、これがヒロインの力だろうか。
「よく戻ってきましたね。ヴィオラさん」
マナーの先生に迎えられるとは思わなかった芸術の時間。
「今日から音楽祭の準備を行ってもらいます。特級クラスのみなさんは例年、楽器のソロ演奏を行ってもらっています。できるだけ、楽器が被らないようにしたいので、一人一人、演奏可能な楽器を教えてください。そこから、調整させてもらいます。では、ジョセフィンさん」
「ピアノとハープです」
さすが、お嬢様だ。
乙女ゲームの世界だけあって、楽器はピアノやバイオリンのような前世と同じ物がある。電子楽器は流石にない。
イアンはピアノとバイオリン、両方できるらしい。
「ヴィオラさん」
「カスタネットです」
「は?」
マナーのかけらもない変な声が先生から漏れた。
いや、カスタネットはこの世界にもある立派な楽器。前世も現世も音感がないヴィオラにとって、貴重な楽器なのに。
「あの、ヴィオラさん、他の楽器は?」
「できません」
「ソロ演奏できるような楽器はできないということですね」
先生の目がキラリと光る。あれ、ヤバい?
「今から特訓してもらいましょうか」
音楽祭って、いつだっけ?
ヴィオラは元々、来るつもりがなかったので、ハーモニー学園の行事スケジュールがわかっていなかった。
武闘会しかないわけないのに。生徒会に参加しておきながら、迂闊すぎる。
ヴィオラは後悔していた。
なぜ、学園に戻ってくるのを音楽祭が終わってからにしなかったのか。
「大丈夫。教えてあげる」
ジョセフィンの優しい言葉が辛かった。
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