未来の王妃として幸せを紡ぐ

林 業

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まだ未熟な

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その昔、世界は二種の人種がいた。
一つは男、もう一つは女。
しかしある時期を境目に、人口が激減し、女性が少なくなった。
そして最期の女性が高齢で亡くなったのは約二百年前。


それから単一性別として男のみで生き残ってきた。


エルリトルア国、最南端の領土、コールディア。
女性が産んだ最後の子孫たちが住む場所。

今年、十三歳のイネスは久々の休日に外で兄たちとピクニックに来ている。
三男であり、末っ子のイネス。
比較的愛らしい顔立ちで家族に愛されて育った。
元気いっぱいの兄たちと共に親に愛され、兄に愛され、時に叱られ、貴族でありながらものんびりと生きてきた。
そんな中、七歳のときに、王妃候補となった。
場所がど田舎のためと、跡継ぎが他にいること。
皇太子と年が近く、何より女性の血を色濃く引いていると言うことで選ばれた。
ただし、候補者の中では一番最後になる、最後の砦のような存在として。
正直そんな豪華なお鉢は周ってこないほどの候補者。
だが王から派遣されて来た家庭教師に王妃教育は受けさせられた。
何時か役に立つだろうレベルで、受けている。

今日は教師が王へ報告に行くというので、休みになった。
比較的優しい先生でしっかりやることをやれば、褒めてくれるし、ついでに棒を振り回して遊んでいた兄たちにも教育を施してくれていた。
親も教育には頭が上がらないそんな人。


皇太子に会ったこともないので先生もなれないとわかってはいる。
なのに熱心に教えてくれるのだからいい先生である。
むしろ、領地のためにと腐るどころか、喜んで色々と教えてくれる熱血な先生。


そして教えてもらった剣術の真似事で木の棒を振り回して遊ぶ兄を眺めながら先生にもらった参考書を読む。


先生も後二年で教育を終えるそうで、少し寂しい。
「せんせー。おみやげ買ってきてくれるかな」
兄たちが打ち合いしながら告げる。
「前食べた王都限定の菓子美味かったよな」
「それそれ。イネスも美味かっただろ」
「うん」
とはいえお菓子も良かったが王都で流行りの本を買ってきてくれるので、そっちも嬉しい。
王に報告がてら、お土産を買ってきてくれてる優しい人。


「楽しみだな」


ぽつりと呟き、本を抱える。
「よし。お前もやるか」
兄に拾った棒を渡され、うんと大きく頷く。

先生に教えてもらった剣技を使いながら兄と打ち合う。
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