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マルシェを兄妹と護衛三人とで歩く。
アレクサンドラの両脇に兄弟がいて、二人の手を繋いで歩く。
騎士団長、サンムーンと、騎士副団長。
そして力自慢の隊員(荷物持ち)。
「アレク兄様。ここのお肉美味しいんですよ」
「アレク兄上。ここの飲み物は是非とも飲むべきだ」
楽しそうに自分達のおすすめを向けてくる。
喜んでそれを受け取り、口に運ぶ。
ホロリと溶けるお肉。
甘酸っぱいソース。
牛系のお肉だろうと当たりをつける。
最近お肉の調理方法が増えてきたのだと彼らがいう。
確かに前はお肉を焼いて香辛料で味付したものが多かった。
だけど最近は色々と出てきて嬉しい。
「アレク。美味しいか?」
「牛、さん?」
「あぁ。牛だな」
人族では暴れ牛という人が数十人で討伐するモンスターらしいが、この国ではただの牛らしい。
ならばとそれに習うことにしている。
ただ目の前に出てきたときは絶対敵わないし足手まといだから逃げようと決めている。
「お、いしい」
笑みを浮かべればその屋台に人が押しかけ始める。
変なのと思いながらもジュースを飲めば、酸っぱさに咳き込む。
味は美味しいのだが舌が酸っぱさを拒否する。
「アレク兄上!」
慌てる義弟に、サンムーンが手に取り、一口飲む。
「これは、グレープフルーツか。アレクは苦手な味だな」
申し訳なく義弟を見る。
義弟は慌てて、申し訳なさそうに肩を落とす。
「レモンの飴食べてたから平気だと思ってた。ごめん」
左右に首を振り、レモンは好きなのだと頷く。
揚げたお肉にかけるとさらに美味しいのだが。
直接は苦手なのだ。
「そうなんだ」
しょんぼりする義弟に、義妹が背中を叩く。
「ほら。今度は美味しそうな飲み物探して飲んだら、買い物するわよ」
そう告げて義弟を引きずっていく。
さすがに追い打ちをかけないらしい。
飲み物を飲み干すサンムーンを見上げる。
代わりに別の飲み物をくれる。
「うん。確かに美味しいな」
貰ったものを飲んでいれば二人がずるいとサンムーンに叫んでいる。
「団長」
恨めしそうな副団長。
もう一人の隊員は二人に付いている。
「嫁の口つけたもんは俺のものだ」
「今度、酒屋でおごりで」
「早く帰らせろ。新婚だぞ。俺は」
仲良さげな二人の話を聞きながら屋台を見る。
新聞が目に入り、二人のやり取りを横目に手に取る。
人族の新聞らしい。
大量に刷られたから、一部届いたらしい。
普通の新聞より高い値段になかなか手が出せないのだろう。
その新聞も三日前のもの。
家でも新聞はあるが殆ど、竜人国に関することばかりなので新鮮である。
竜人族は長く生きる。
目の前の三十代に満たないだろうサンムーンはすでに百近いそうだ。
ただ人の年齢で例えれば二十代前半で見た目は老けて見られるらしい。
そんな彼らはあまり人族に関する情報を仕入れていない。
この新聞も大量に刷られて余った一部を持ってきた冒険者から買い取ったとのこと。
城にも人族の新聞が届いているだろうが養父様か、宰相が読んでるかで見たことはない。
今度聞いてみようかと眺める。
一つ貰おうと店主にお金を払う。
「兄上。何を買ったんですか?」
新聞を見せれば、義弟が中身を読む。
「勇者が和平の使者として出立。ですか」
勇者と聞いて体が跳ねるがサンムーンが手を握ってくる。
人族の新聞を買ったのは文字を読む興味からだったが、その名前を聞いたらもう読めない。
「そんなことより兄上。こっちの服。兄上に似合うと思うんですよ」
引っ張るように店へと連れて行かれる。
養父様と養母様へのお土産も買わなきゃと一緒に向かうことにする。
アレクサンドラの両脇に兄弟がいて、二人の手を繋いで歩く。
騎士団長、サンムーンと、騎士副団長。
そして力自慢の隊員(荷物持ち)。
「アレク兄様。ここのお肉美味しいんですよ」
「アレク兄上。ここの飲み物は是非とも飲むべきだ」
楽しそうに自分達のおすすめを向けてくる。
喜んでそれを受け取り、口に運ぶ。
ホロリと溶けるお肉。
甘酸っぱいソース。
牛系のお肉だろうと当たりをつける。
最近お肉の調理方法が増えてきたのだと彼らがいう。
確かに前はお肉を焼いて香辛料で味付したものが多かった。
だけど最近は色々と出てきて嬉しい。
「アレク。美味しいか?」
「牛、さん?」
「あぁ。牛だな」
人族では暴れ牛という人が数十人で討伐するモンスターらしいが、この国ではただの牛らしい。
ならばとそれに習うことにしている。
ただ目の前に出てきたときは絶対敵わないし足手まといだから逃げようと決めている。
「お、いしい」
笑みを浮かべればその屋台に人が押しかけ始める。
変なのと思いながらもジュースを飲めば、酸っぱさに咳き込む。
味は美味しいのだが舌が酸っぱさを拒否する。
「アレク兄上!」
慌てる義弟に、サンムーンが手に取り、一口飲む。
「これは、グレープフルーツか。アレクは苦手な味だな」
申し訳なく義弟を見る。
義弟は慌てて、申し訳なさそうに肩を落とす。
「レモンの飴食べてたから平気だと思ってた。ごめん」
左右に首を振り、レモンは好きなのだと頷く。
揚げたお肉にかけるとさらに美味しいのだが。
直接は苦手なのだ。
「そうなんだ」
しょんぼりする義弟に、義妹が背中を叩く。
「ほら。今度は美味しそうな飲み物探して飲んだら、買い物するわよ」
そう告げて義弟を引きずっていく。
さすがに追い打ちをかけないらしい。
飲み物を飲み干すサンムーンを見上げる。
代わりに別の飲み物をくれる。
「うん。確かに美味しいな」
貰ったものを飲んでいれば二人がずるいとサンムーンに叫んでいる。
「団長」
恨めしそうな副団長。
もう一人の隊員は二人に付いている。
「嫁の口つけたもんは俺のものだ」
「今度、酒屋でおごりで」
「早く帰らせろ。新婚だぞ。俺は」
仲良さげな二人の話を聞きながら屋台を見る。
新聞が目に入り、二人のやり取りを横目に手に取る。
人族の新聞らしい。
大量に刷られたから、一部届いたらしい。
普通の新聞より高い値段になかなか手が出せないのだろう。
その新聞も三日前のもの。
家でも新聞はあるが殆ど、竜人国に関することばかりなので新鮮である。
竜人族は長く生きる。
目の前の三十代に満たないだろうサンムーンはすでに百近いそうだ。
ただ人の年齢で例えれば二十代前半で見た目は老けて見られるらしい。
そんな彼らはあまり人族に関する情報を仕入れていない。
この新聞も大量に刷られて余った一部を持ってきた冒険者から買い取ったとのこと。
城にも人族の新聞が届いているだろうが養父様か、宰相が読んでるかで見たことはない。
今度聞いてみようかと眺める。
一つ貰おうと店主にお金を払う。
「兄上。何を買ったんですか?」
新聞を見せれば、義弟が中身を読む。
「勇者が和平の使者として出立。ですか」
勇者と聞いて体が跳ねるがサンムーンが手を握ってくる。
人族の新聞を買ったのは文字を読む興味からだったが、その名前を聞いたらもう読めない。
「そんなことより兄上。こっちの服。兄上に似合うと思うんですよ」
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