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第1章・それぞれの転生
34・頻発情報
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「とにかく大変でござる! この近辺のみならず、あちこちで同じことが起こっていると! 早見板で知り申した!」
彼の言う『早見板』は、駅前のデジタルサイネージュだ。心では電気屋で一日中テレビを見ていたいらしいが、世を忍ぶはずの黒装束が返って目立つので諦めているらしい。
いつか香月に『ここにテレビは要らぬでござるか?』と尋ねていたのは、電気や電波というものを、彼がこの世界でおおよそ理解したためだ。暗に、香月に対して『発電機替わり』を任せたいという本音があった。香月にしてみれば、この世界で同調を始めたラルシステムだけで充分だったのだが。
そんな香月が、男子禁制の女子テントへ飛び込んできたシュルケンへ弱りつつも答える。
「そう……らしいんですが。なぜか目撃の情報だけで、実際の被害は出ていないらしいんです」
「そ、その通りでござるが――」
と返しかけたシュルケンの目に、ノーブラ&キャミソール一枚の上、短いデニムパンツで胡座をかいているユルエの姿が目に飛び込んできた。
「し……失礼申した!!」
シュルケンが瞬時に消えたあと、ベルモットが呟いた。
「ユルエ。テントの中でもなんか羽織っとけ。ニンジャってのは、プライバシーの観念が存在しねえみたいだからよ」
言われたユルエは、片手で渡辺とのチャットを続けながら、
「んー。じゃあ、ブラだけつけとく」
「透けて見えんだろ。そういうのがいちばん、男には目の毒なんだからよ」
そんな和やかな日常も、半日と持たなかった。夕刻の駅前にふたたび大ミミズが現れたと、香月がラルシステムで情報をキャッチしたのだ。それどころか、ミミズではないモンスターが渋谷の街を襲い、しかも――、
「前と違うんです。街が、破壊されたまま残っているらしいんです」
次々に入ってくる被害の情報を、香月がまとめ始めた。
「何よりまずいです、このままじゃ駅が」
「拙者、とにかく一刻も早く参じてまいる! お主たち――ガンリュウ殿とベル殿は、その後で――」
シュルケンが一度、片膝をついたかと思う間もなく瞬時に姿を消した。
「ほお、すげえな。あれがニンジャか。じゃあガンリュウ、オレたちも後を追うか」
「ああ、そうしよう」
二人が立つと、一二三と香月、それにユルエが残る。
「僕たち、ここで待ってるだけでいいのかな」
「私たちでは、力添えになれませんから……。とにかく情報収集です。ラルシステムで駅前の状況を見守ってます」
「そうだねぇ。『危ないから行っちゃダメ』って、渡辺も言ってるしぃ?」
と、そわそわ立ち上がっていた一二三をユルエが見上げれば、その目が合う。つい、花音の言葉を思い出して意識してしまう。――「ユルエさん、兄ちゃんのこと好きみたいだから」
「どしたのヒフミン、なんかボーっとして。フォーミュらんに見惚れてたとか?」
そんな軽口に、香月が敏感に反応した。
「い、今は、そんなこと言ってる場合じゃないんですよ。映像が駅前を捉えました――。状況はひどいです。しかも、黒いワームが何匹も」
~いつも、ありがとうございます。~
のんびり連載ですが、次回より新章『七人の侍編』へ突入します。
ようやくで『異世界』へ突入する手前の章なので、それぞれのバックグラウンドに注目しながらお待ちください。
彼の言う『早見板』は、駅前のデジタルサイネージュだ。心では電気屋で一日中テレビを見ていたいらしいが、世を忍ぶはずの黒装束が返って目立つので諦めているらしい。
いつか香月に『ここにテレビは要らぬでござるか?』と尋ねていたのは、電気や電波というものを、彼がこの世界でおおよそ理解したためだ。暗に、香月に対して『発電機替わり』を任せたいという本音があった。香月にしてみれば、この世界で同調を始めたラルシステムだけで充分だったのだが。
そんな香月が、男子禁制の女子テントへ飛び込んできたシュルケンへ弱りつつも答える。
「そう……らしいんですが。なぜか目撃の情報だけで、実際の被害は出ていないらしいんです」
「そ、その通りでござるが――」
と返しかけたシュルケンの目に、ノーブラ&キャミソール一枚の上、短いデニムパンツで胡座をかいているユルエの姿が目に飛び込んできた。
「し……失礼申した!!」
シュルケンが瞬時に消えたあと、ベルモットが呟いた。
「ユルエ。テントの中でもなんか羽織っとけ。ニンジャってのは、プライバシーの観念が存在しねえみたいだからよ」
言われたユルエは、片手で渡辺とのチャットを続けながら、
「んー。じゃあ、ブラだけつけとく」
「透けて見えんだろ。そういうのがいちばん、男には目の毒なんだからよ」
そんな和やかな日常も、半日と持たなかった。夕刻の駅前にふたたび大ミミズが現れたと、香月がラルシステムで情報をキャッチしたのだ。それどころか、ミミズではないモンスターが渋谷の街を襲い、しかも――、
「前と違うんです。街が、破壊されたまま残っているらしいんです」
次々に入ってくる被害の情報を、香月がまとめ始めた。
「何よりまずいです、このままじゃ駅が」
「拙者、とにかく一刻も早く参じてまいる! お主たち――ガンリュウ殿とベル殿は、その後で――」
シュルケンが一度、片膝をついたかと思う間もなく瞬時に姿を消した。
「ほお、すげえな。あれがニンジャか。じゃあガンリュウ、オレたちも後を追うか」
「ああ、そうしよう」
二人が立つと、一二三と香月、それにユルエが残る。
「僕たち、ここで待ってるだけでいいのかな」
「私たちでは、力添えになれませんから……。とにかく情報収集です。ラルシステムで駅前の状況を見守ってます」
「そうだねぇ。『危ないから行っちゃダメ』って、渡辺も言ってるしぃ?」
と、そわそわ立ち上がっていた一二三をユルエが見上げれば、その目が合う。つい、花音の言葉を思い出して意識してしまう。――「ユルエさん、兄ちゃんのこと好きみたいだから」
「どしたのヒフミン、なんかボーっとして。フォーミュらんに見惚れてたとか?」
そんな軽口に、香月が敏感に反応した。
「い、今は、そんなこと言ってる場合じゃないんですよ。映像が駅前を捉えました――。状況はひどいです。しかも、黒いワームが何匹も」
~いつも、ありがとうございます。~
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