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第三話 体育祭
07-2.
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「どうもしてないよ」
「寂しそうな顔をしてなにを言ってんだよ」
「別に」
律は葵の手を掴み、机から降りた。
「帰ろうか」
律の言葉に葵は素直に頷く。
帰り道、律はいつもよりも静かだった。
* * *
葵の部屋に入り、葵は部屋の鍵を閉める。
定位置に座っている律の隣に座る。すると、律は当然のように葵の足を枕にするように横になった。
「それで? なにがあったんだよ」
葵は律が甘えたいことに気づいていた。
しかし、人前ではそれができない。
だからこそ、部屋につくまで葵は律に事情を聞こうとしなかった。
「……偏見って怖いよね」
「偏見?」
「そうだよ。友人だと思っていたんだけどね」
律は語りだす。
それは律の心を傷つける言葉だった。
「僕はいいんだって。僕が狙いじゃなかったから、どうでもよかったんだってさ」
「どうでもいいって。友人に言う言葉じゃねーな」
「そうだよ。友人だと思っていたのは僕だけだったんから」
律は傷ついていた。
それを癒すように葵に甘える。
「敏郎のことが好きだったんだって。でも、敏郎も男が好きだったでしょ。それに幻滅したって泣いちゃった子がいてね」
「いまどき、好きになるのに男も女もねーだろ」
「そういう考えじゃない子もいるよ。気持ち悪いって言われちゃった。僕も敏郎も。葵と大山も。みんな、気持ち悪いんだって」
律は涙を流す。
悔しかったのだろう。しかし、偏見はすぐに変えることはできない。その人の考えを否定するだけの行為を当然のように女子生徒はやってみせたのだろう。
他人が傷つくことなど考えない。
誰だって自分が最優先なのだ。
それが律には重く圧し掛かった。
「寂しそうな顔をしてなにを言ってんだよ」
「別に」
律は葵の手を掴み、机から降りた。
「帰ろうか」
律の言葉に葵は素直に頷く。
帰り道、律はいつもよりも静かだった。
* * *
葵の部屋に入り、葵は部屋の鍵を閉める。
定位置に座っている律の隣に座る。すると、律は当然のように葵の足を枕にするように横になった。
「それで? なにがあったんだよ」
葵は律が甘えたいことに気づいていた。
しかし、人前ではそれができない。
だからこそ、部屋につくまで葵は律に事情を聞こうとしなかった。
「……偏見って怖いよね」
「偏見?」
「そうだよ。友人だと思っていたんだけどね」
律は語りだす。
それは律の心を傷つける言葉だった。
「僕はいいんだって。僕が狙いじゃなかったから、どうでもよかったんだってさ」
「どうでもいいって。友人に言う言葉じゃねーな」
「そうだよ。友人だと思っていたのは僕だけだったんから」
律は傷ついていた。
それを癒すように葵に甘える。
「敏郎のことが好きだったんだって。でも、敏郎も男が好きだったでしょ。それに幻滅したって泣いちゃった子がいてね」
「いまどき、好きになるのに男も女もねーだろ」
「そういう考えじゃない子もいるよ。気持ち悪いって言われちゃった。僕も敏郎も。葵と大山も。みんな、気持ち悪いんだって」
律は涙を流す。
悔しかったのだろう。しかし、偏見はすぐに変えることはできない。その人の考えを否定するだけの行為を当然のように女子生徒はやってみせたのだろう。
他人が傷つくことなど考えない。
誰だって自分が最優先なのだ。
それが律には重く圧し掛かった。
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