破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました

佐倉海斗

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02-1.不機嫌なメイド

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 翌朝、目が覚めるとレイドはすぐに着替えをした。

 着替えにメイドを呼ぶことはしない。時間の無駄だと知っているからだ。一般的な貴族はすべてをメイドや執事にさせるものではあるが、レイドは違った。

 美しい容姿をしているレイドに対し、邪な感情を抱くメイドがいるのだ。それを防ぐ為に着替えは自分で行うようにしていた。

「着替えを手伝わせないのか」

 まだベッドに横になっているアレクシスに問いかけられる。眠たそうな眼を擦りながら、なんとか起きようとしているが、油断しているとすぐに眠りに落ちそうだった。

「厄介な体質がありますから」

「あぁ。ブラッドフォード一族の血か。隣国だというのに濃くでたんだな」

「母上が隣国出身ですので」

 レイドはなんてことない話をしているかのように口にした。ブラッドフォード家は隣国の公爵家だ。人形のように美しい見た目をしている一族であり、酷い野心家でもある。その血は隣国の貴族にすべて流れていると言われるほどであり、魔の手は母国にまで伸びていた。

 その血を濃く継いだのがレイドだった。

 隣国にいる従兄妹ほどではないものの、魔性の魅力を秘めている。

 その魔性の魅力は耐性のない人を簡単に虜にする。貴族のようにブラッドフォード家を知っている者や、社交界で何度かレイドを見たことがあれば、耐性は自然とつく。隣国の従兄妹とは違い、その程度の影響力しか持たなかった。

「レイド」

「なんでしょうか」

「俺の着替えを手伝ってくれ」

 ようやく重い体を起こしたアレクシスはそう言った。

 それに対し、レイドは嫌そうな顔をする。

「一人で着替えもできないのですか」

「貴族なんてそんなもんだろ」

「騎士団の制服を着ている時はどうされているのですか? メイド同伴というわけにはいかないでしょう」

 レイドは興味本位で尋ねた。

 それに対し、アレクシスは笑顔を作った。

「自力で着れるでしょう。アレクシス。甘えないでください」

 レイドはアレクシスの笑顔の意味を読み解く。

 騎士団の制服を着ることができのならば、男性用の服を着ることは簡単だ。女性用のドレスとは違い、複雑な仕組みは一つもない。
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