破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました

佐倉海斗

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02-2.

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 レイドは文句を言いながら衣装室に足を向ける。
 アレクシスの服を持ちに行くためだ。

 ……どの服も似たようなものが多いですね。

 衣装室に入り、服を吟味する。黒色の服が多い。

 ……仕事は午後からでしたね。

 午前中は無理を言って休みにしたのだと言っていたことを思い出す。第一騎士団は王都の警備や王城の警備などで忙しく働いている。王都の治安を維持しているのは第一騎士団だといっても過言ではない。そんな第一騎士団の副隊長をしているのだ。休みの申請などまともに通るはずがなかった。

 騎士には休みはほとんどない。

 常に鍛えていなければ、いざという時に動けないというのも理由の一つだ。そもそも、騎士団で働いている訓練生こそ多いものの、騎士に昇格できる者は貴族に限られている。そのため、騎士は人数が少ないのである。

 ……少しはゆっくりできればいいのですが。

 疲労は溜まるものだ。

 六時間勤務の交代制をとっているとはいえ、毎日が仕事では体が壊れやすい。そのため、家を継ぐと騎士を辞退す
る人が大半である。

 アクロイド家の公爵であるアレクシスの父親は現役で領地にいるため、アレクシスは領地ではなく首都で副騎士団長を務めていられるだけだ。

「アレクシス。服を選びました。文句は聞きませんよ」

 レイドはアレクシスのいる寝室に戻る。

 両手に服を抱え、歩く姿はかわいらしいものだった。

「文句は言わねーよ」

 アレクシスは貴族にしては言葉遣いが荒い。

 その言葉遣いが怖いと感じる者も少なくはないだろう。レイドは幼い頃から一緒に居るため、慣れてしまっているので、なんとも思わなかった。

「似たような服しかねーだろ」

「はい。少し色合いが違いましたが」

「よくわかるな。俺でもわからない時があるのに」

 アレクシスは感心したようだった。

 レイドはアレクシスが座っているベッドに服を置く。

「着替えを手伝うのでしょう。ベッドの隅に寄ってください」

 レイドは手招きをする。

 着替えを手伝うのにしても、アレクシスがベッドの中央に座っていては届かない。ベッドの上で着替えさせるのは不安定であるため、嫌だった。

 アレクシスはレイドの指示に従い、ベッドの隅に移動し、足を床に下ろす。
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