破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました

佐倉海斗

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02-9.

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「わかりました。専属のメイドを三人引き受けましょう」
 
 レイドの言葉にアレクシスは安心したようだ。

「よかった。万が一、粗相をした時には解雇して構わない」

「わかりました。屋敷内で粗相をするとは思えませんが、覚えておきましょう」

「レイドの見た目に反応しないのはこの三人くらいでな。あとは、見惚れていたから、専属には使えなかった」

 アレクシスは三人を選んだ理由を明かす。

 ……そういうことですか。

 半人前にもかかわらず、マリアとローズが選ばれた理由に納得した。緊張をしている二人は確かにレイドの顔に見惚れている様子はない。耐性があるわけではないため、互いに好きな相手がいるのか、恋愛対象が同性であるのか、どちらかだろう。

 サリーはアレクシスに好意を抱いている。

 そのため、レイドのことを敵視していた。レイドに好意を抱かなかったのはそれが原因だろう。

 ……恋愛感情を抱かれても困りますからね。

 レイドはモテる。

 性別問わず、人気者だ。丁寧な態度で紳士的な扱いをするのも理由の一つではあるが、なにより、その見た目は人々を惹きつける。ブラッドフォード一族に対する耐性のないこの国の貴族では、レイドは高根の花のように見えていることだろう。

 だからこそ、BLゲームの世界のレイドは破滅をしたのだ。

 容姿の良さだけではアレクシスの心を引き留められなかったのだろう。その失敗をしないようにレイドは性格を改め、紳士的に接するように心がけてきた。

「理由はわかりました」

 レイドは素直に頷いた。

「経験も積ませましょう。デザイナーを呼んでいますので、まずは服選びの基本から学ばせましょうか」

 レイドの言葉に目を輝かせたのはマリアだった。服が好きなのだろう。

 ……素直な子ですね。

 正直、それでは困るのだ。

 貴族の家に仕えるメイドとしては素直なだけではいけない。主人に忠実であり、時には周囲を欺くほどの性格をしていなければ、メイドとして生き残れない。

 平民出身者のメイドや執事が少ないのは、貴族の腹の中を読み取ることに慣れていないからだ。貴族社会とは正直者がバカを見る世界だ。騙し合い、探り合いの世界の中で心を壊しかけるメイドや執事たちも少なくはなかった。その多くは平民出身者だ。

 ……期待に応えてくれたらいいのですが。

 最低限の期待しかしていない。主人に忠実であればそれでよかった。
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