破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました

佐倉海斗

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02-10.

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「苦労をかけるな。一人前のメイドをつけれたらよかったんだが」

 アレクシスはレイドに苦労をかけたくはなかった。しかし、レイドに見惚れてしまった執事やメイドが暴走しないとも限らない。その可能性を減らすためにはマリアたちを採用するしかなかった。

「気にしないでください。三人も専属メイドとして与えられただけでも充分です」

 レイドはそう言った。

 生家であるガーネット公爵家では専属メイドはいなかった。レイドに見惚れてしまう者が多く、長続きしないのだ。そのため、貴族ならば、メイドや執事の手を借りるようなことでも自分でできるようになってしまった。

「もうじきデザイナーが訪ねてくる時間ですね」

 レイドは食事の手を止める。

 食事はもう十分だった。

「アレクシスはどうされますか?」

「俺はデザイナーに用事はないな。好きなだけ買うといい」

「ありがとうございます。遠慮なく買わせていただきます」

 レイドは礼を口にする。

 そして、立ち上がった。

「応接室の準備はできていますか?」

「準備をさせてある」

「それはなによりです。この子たちができるような仕事はありますか?」

 レイドは三人を見た。

 サリーはあいかわらず不服そうな顔をしていた。子爵家の令嬢としての自尊心を捨てきれず、メイドの仕事に嫌気がさしているのだろう。サリーが狙っているのは次期公爵夫人の座だ。それを奪い取るように現れたレイドが気に入らないのだろう。

 元々婚約関係にあったというのはサリーには関係の話だ。

 横入りをされたとしか思えないようだった。

「はい。レイド様。私は紅茶を淹れることが得意です!」

 マリアが元気よく答えた。

 自分に質問されたと勘違いをしたようだ。

「紅茶を淹れることですか」

 レイドはその勘違いを指摘しない。

「僕にもできますね」

 レイドは必要ないと切り捨てた。

 紅茶を淹れるのはメイドの基本的な仕事だ。誇るべき仕事ではない。それ以外のことはできないのかという視線をマリアに向ける。
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