破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました

佐倉海斗

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02-14.

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 レイドがそれを嫌っていたことを初めて知った。
 アレクシスはレイドが好んで来てると思っていたのだ。

「母上のようなことを言うのですね」

「義母上も同じことを言ったのか?」

「はい。僕の好みを伝えると、つまらないと言われて採用されませんでした」

 レイドは母親に言われた言葉を思い出す。

 母親と接する時は、母親が人形遊びをレイドや姉で始める時と衣装を決める時だけだ。レイドよりもドレスを作る姉の方がレースをふんだんに使われたものを着せられていた。姉がなにを思っていたのか、わからないが、結婚した途端に派手なドレスに切り替えたことから、母親とは好みが違ったのだろう。

「デザイナーはその時のデザイナーか?」

「いいえ。彼女はガーネット公爵家お抱えのデザイナーでしたので、違うところにしました」

「そうか。アクロイドにはお抱えデザイナーはいないからな」

 アレクシスは答えた。

 アクロイド公爵家は服装にこだわる人が少ない。公式な場に出る時の服はデザイナーにオーダーメイドをするものの、それ以外はデザイナーが持ち込む既製品で済ませてしまっている。既製品とはいえ、アクロイド侯爵家の人間のサイズに合わせた専用のものである。市街で売っているものとは違う。

 そのため、お抱えのデザイナーもいなかった。

 その都度、違うデザイナーから服を購入している。

「珍しいですね」

「母上が嫌いなんだ。同じデザインばかりになると言っていたな」

「確かにそうですね。似たような服を持って来られたことがあります」

 レイドも心当たりがあった。

 多忙期に入ると同じようなデザインの既製品を見せられ、母親は激怒していた。妥協を許さない人だった。服装には強いこだわりを見せ、常に社交界の華でいなければ気が済まない人だった。

 ブラッドフォード一族としての誇りがあるのだろう。

 人々を魅了してやまない魔性の血を持っていることは母親の誇りだった。その血が薄いという理由で隣国に嫁がされたことを、いつまでも、根に持っている人だった。

 母親のことを思い出し、気分が悪くなる。

 子どものような性格をしていた。年齢を重ねても人形遊びが手放せなかった。

 ブラッドフォード家からガーネット公爵家に嫁いでも、性格は変わらない。それを手放しで喜び、愛人を複数人抱えても、愛人の子を産んでも喜んでいた父親が異常に思えた。愛人の子はすべて私生児として、屋敷の外に出ないようにしているのも異常だ。
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