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しおりを挟む美しく整えられたドレスから零れ落ちそうな胸に顔を寄せたルイスは、魔法の力で独占欲の印をかき消したソフィアを咎めるように、きつくその肌を吸って舐めしゃぶる。遠慮のない力に襲われたソフィアは、反射的にその顔を押しのけようと手を突っぱねた。
熱心にソフィアの胸元に唇を寄せる男を見止めたソフィアは、彼女の背に、言い知れぬ快感が沸き上がってくることに恐れをなしている。
「やっ、やめ、っん、ぅ」
胸の形を強調するように仕立てられたドレスは、簡単にルイスの手の侵入を許して、その胸の全体を露出させた。ふるりとまろび出る膨らみを目にしたルイスは、ソフィアの拙い制止を無視してその胸の頂に硬く勃ち上がった蕾を嘲笑った。
「これほどに硬くしておいて、嫌なのか?」
「っ、何を、っあんっ、あ、ふ、んん……!」
まだかろうじて正気を保っていたソフィアが反抗的な態度を取ろうとした瞬間、ルイスは再度嘲笑を浮かべ、たっぷりと唾液を纏った舌をその蕾へと這わせた。
舐められるだけで、たまらなく気持ちが良いことを知っているソフィアは、その予想に違わぬ刺激を受け、一瞬で高みへと上らされた。
「ひ、ああああ……!?」
わずかに残っていた理性にがらがらとひびが入る。
情欲に溺れているのは、どちらなのか。
ソフィアは自身の身体が酷く淫乱になって行くことを恐ろしく思いながら、ルイスの舌にじゅっ、と蕾を吸い上げられるだけで全てを忘れてしまった。
「っ、ゃああ……! っあんん、ん、あん……っ、はぅ」
片胸の蕾に舌を這わせ、蕾の凸凹にすりすりと舌を擦りつけて唾液を塗り込んだ獣は、その蕾がてらてらと月の光に照らされているさまを見て、陶然と微笑んだ。
ルイスが微笑む姿を見られる機会は多くない。そのほとんどがソフィアの前で晒されていることに、ソフィアも、そしてルイス自身でさえ気づいていない。
「や、やっ、だ、これ、や……っ」
ただ舐められただけで強烈な快楽に飲み込まれたソフィアはその蕾に含まされた唾液を擦り取ろうと手を伸ばしかけて、あっさりとルイスの手に囚われた。
児戯のような拒絶を目にしたルイスは、いっそう目を細めてその耳に熱く囁く。
「ああ、こっちも可愛がってやる」
逃げ出そうとしていた悪女は、意地悪く解釈した獣がもう一方の胸のふくらみに咲く蕾へと舌を伸ばすのを見て、目を見開いた。
「ち、ちがっ、ああん……! っあ、あっ、っん!」
悲壮な拒絶を無視したルイスはわざとらしく音を立てて果実のように甘い蕾を舐めしゃぶった。
ソフィアの匂いが濃くなるのがわかる。その匂いを嗅ぐほどに己の頭が狂っていくことを知りながら、ルイスは手を止める気もなく、腰に巻いていたベルトを早急に解いた。
取り出したベルトで可愛らしい抵抗を続けるソフィアの両手首を縛め、寝台の柵に括りつける。
「ひ、る、ルイ、ス……? これ、は、何ですの……っ、ん」
「淫乱なフィアが自分で慰めないようにしてやっている」
「なぐさ、め……、ぁ、ん」
蔑む言い方をされているはずが、ソフィアはすでに目をとろけさせて、半分以上の言葉を頭からすり抜けさせている。
酷く快楽に弱いのだ。
ルイスはソフィアがその身体をユリウスに見せた可能性を思うと、頭が沸騰するほどの怒りに襲われた。
これは何だ。
訳の分からない苛立ちに目を回したルイスは、暴漢のようなことを仕出かしている己に気付き、僅かに狼狽える。
「ん、ふ、……っん、ぁ」
しかし、目の前の女の様子はどうだ。ドレスは胸元だけが乱され、その胸の頂を誇張するように突き出している。
ルイスに縛められた両腕を頭上に固定されたことで、隠すことができないのだ。しかし、熱に冷静な思考を壊されたルイスには、ソフィアが身体をくねらせて男を誘っているようにしか見えない。
「手ひどくされるのが好みなのか?」
ソフィアが唯一信頼しているらしい言葉を使う相手がユリウス・グランだ。このようなふしだらな格好で会いに行くのも、ユリウスがこの手の淫靡な服装を気に入っているからだろうか。だとすれば、ソフィアは何らかの目的のために、ユリウスを篭絡しようとしている可能性も、ユリウスを慕って、その身を捧げる可能性もある。いずれにしても、ルイスには許しがたい行為だ。
「ち、がっ、ひゃあああ!?」
否定する声を咎めるようにルイスが胸の蕾を引っ掻けば、僅かな刺激だけでソフィアは腰を浮かせながら法悦に浸かった。
説得力のない絶頂の証に、ルイスの頬が歪な笑みを描く。
これほどまでに本能に支配されて欲望を感じているのが己だけであるのだと察するたび、ルイスは目の前の番のすべてを支配してしまいたくなるのだ。
ソフィアはルイスの心など知る由もなく、突如与えられた刺激に酩酊し、腹の中心からはしたなく蜜が零れ落ちてくるのを感じている。胸の先がとくとくと鼓動のような、痛みに似た快楽を主張してくる。
焦らすようにただ見下ろされるソフィアは、ろくに抵抗をすることもできずにぐずぐずと熱を燻らせ、次第に視界が潤んでいく。
「自分で慰められないのがつらいのか?」
「……っうぅ、ちが、ぅっ、ふっ……んっ」
「逃げ出したいなら、魔法を使えば良いだろう」
今宵の騎士は、いつも以上に意地が悪い。
ソフィアがすでに、熱に溺れて呪文を練ることも、魔方陣を思い浮かべることもできなくなっていることをよく理解しているはずの男が、意地悪そうに囁き入れてくる。
中途半端に高められた熱は、自分の手でも慰めることができない。
ソフィアは初めのころ、時折ルイスが意地悪にソフィアの手を使って彼女の中を弄んでみせたり、自身で慰めることを強要してきたりする中で、しっかりと、自身の細く華奢な指先では、快楽を鎮めることができないことを学ばされていた。
「王子はどのように貴女に触れる」
火照ったソフィアの身体を柔らかく撫でる指先に、彼女の頭が狂わされていく。昨夜もたっぷりとルイスの体液を摂取したはずだ。そのはずが、どうしてこうも、欲しくてたまらないのか。
熱に浮かされたソフィアは、ルイスの問いの意味が分からぬまま、ふるふると首を横に振った。
ルイスが、否定以外の回答を欲していないことしか察することができない。
「貴女に触れないのか?」
「ふれ、……ん、触れ……?」
「ユリウス殿下だ。このような時間まで、共に過ごしたのだろう」
「あ……ん、ゆり、うすさ、ま?」
中途半端に唾液を与えられた胸の突起は、痛いほどに勃ち上がり、ルイスがいたずらに時折触れてくる微かな刺激だけでも全身に快感が広がる。
その刺激に気を取られるままルイスの言葉を繰り返したソフィアは、自身の声に、ルイスが眼光を鋭くさせたことに気付いていなかった。
「そうだ、ユリウス様のことだ」
このようなみだりがましいドレスを着用することを許した記憶はない。
王子を殿下ではなく、親しげに呼び上げるソフィアに苛立ったルイスは己の頭に浮かんだ理不尽な言葉をかき消すように、ようやくその唇に食らいついた。
「んん! ん、ふ、……っんんん!」
突如待ちわびた口づけを与えられたソフィアは、身体をくねらせながら体内に入り込んでくるルイスの熱を受けた。
脳髄がぐずぐずにとろけていく。
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