もう演じなくて結構です

梨丸

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14 紅茶の調合

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 孤児院から帰った後、セリーヌは数日間に渡って屋敷の地下で紅茶の研究をしていた。

 「この茶葉、どうですか?殿方の好みにも合うように調整したのですが」
 「セリーヌの作ったものならなんでも美味しい」

 ルーカスの感想は全く役に立たないと悟ったセリーヌはマルクに意見を求める。

 「あ、ああ。これね、いいんじゃない?」

 マルクはマルクで上の空。
 ルーカスは嬉しそうに紅茶を眺めている。

 このたち……全く役に立たない……!

 二人に見切りをつけたセリーヌはこの屋敷でも年長者の執事、アードルフに意見を求めた。

 「お嬢様の茶葉は素晴らしいと思いますよ。ただし、苦味が強すぎるのはいただけないですね。近頃は殿方でも甘い物を召し上がることが多いので」
 「(うちの執事……有能……!)」

 セリーヌが感動を一人で噛み締めているとルーカスが拗ねたようにこう言った。

 「セリーヌの作ったものは本当に美味しいんだ。事実を述べて何が悪い」
 
 セリーヌはそんなルーカスをあやしながら紅茶の調合を始める。

 シュクレ砂糖草の割合を少し多くし、アメール苦味草の割合を調整。
 その調合で試しに紅茶を淹れ、しばらくすると爽やかな香りが地下工房中に漂う。

 三人は紅茶を一口口に含み、それぞれこう言った。

 「とても美味しい」
 「いいんじゃない」
 「爽やかな甘みでしつこさが無く、素晴らしいと思います」

 感想でそれぞれの性格が垣間見える。

 セリーヌも紅茶を一口飲んでみる。
 爽やかな甘味、それに加えてどこかで苦味が感じられる。

 「……美味しいっ」

 すっきりとした甘味と苦味のバランスが良い。
 
 これなら、殿方からも人気が出るかもしれない。
 セリーヌは喜びを噛み締めた。

 「あそこにあるのも飲んでいいのか?」
 「あ、是非飲んでください」

 ルーカスたちに色んな種類の紅茶を飲んでもらう。
 サンプルは多ければ多いほど良い。

 

 セリーヌたちがたくさんの紅茶を試飲していた時だった。
 乱暴に工房の扉が開かれた。


 「ルーカス団長!セリーヌ様!今すぐこちらへ!!」

 







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