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「はい、終わりましたよ。しばらく穴が安定するまでは今付けてるピアスで過ごしてちゃんと消毒して清潔にしてください。もしトラブルなどありましたら直ぐに受診して下さい」
淡々と慣れたように話す医師に返事をし碧は皮膚科を後にした。
開けたばかりの耳にはまだ貴斗から貰ったピアスは付けられないが初めての行為に碧は高揚感に包まれていた。
(そーだ、私も何か贈りたいな)
碧は家路への進行方向を変えそのまま街の方へと向かった。
☆☆☆
「髪も少し伸びたしこれなら耳朶は隠れて見えないから大丈夫そうだな」
家に帰り部屋にある手鏡でチェックしながらなるべく見えないように髪で耳元を隠した。母親に言っても反対されるため姉に頼み職場の人の知り合いの皮膚科を紹介してもらった。
(早く付けたいな)
ジュエリーボックスにしまってあるピアスと先程購入したラッピング袋を眺めながら目を細めた。
――――――――――
秋も深まり日中でも寒さが少しずつ近づき、碧は薄手の白のブラウスの上にベージュのニットカーディガンを羽織り膝丈程のスカートを穿いて待ち合わせ場所へと向かっていた。
「阿部くんおま...」
毎週土曜日はお互い用事がなければ会う約束をしているため碧が図書館に着くと貴斗が先に到着していたがその周りに二人の女子が親しげに話し込んでいた。
貴斗の知り合いと思われる女子たちは一人はショートの活発そうな女の子、もう一人は如何にもどこかの令嬢の雰囲気を放ち貴斗と並ぶと“美男美女”と言っても過言ではないくらい似合う女の子。
「貴斗くん、最近よくこの図書館にいるって聞いて来てみたら会えちゃった。誰かと待ち合わせ?」
「うん、彼女」
「えっ」
同時に二人の女子の声が重なり言葉に詰まっていた。特に令嬢の方は顔色が少し色味がなくなっているようにも見えた。
「阿部くん、彼女って琴花のことは...」
ショートの女子はイラついたような口調で貴斗に詰め寄ると隣の女子はそれを制するように袖を掴んだ。
「琴花...」
「同じ学校の子?」
「違うよ、夏休みにここで会ってそっから」
「そうなんだー...」
にこやかな表情で話す琴花に碧は朋絵の顔が重なって見えた。
(あの子、阿部くんのことが...)
出るに出れず死角になる少し離れた壁に隠れていたため会話があまり聞こえず三人の様子を窺っていると二人の女子は貴斗から離れて行った。碧は二人が見えなくなったのを確認しそろそろと貴斗の元へと近付いた。
「紅音ちゃん、おはよ」
「おはよ...さっき女の子と喋ってたけど友だち?」
先ほどとはどことなく違う機嫌の良い笑顔を向ける貴斗に対しモヤモヤを悟られないよう愛想笑いで話す碧に貴斗は口角を上げながら碧の耳元に唇を近づけた。
「ヤキモチ?」
碧は思わず貴斗から後ずさり囁かれた耳を押さえながら真っ赤な顔になりそれを見た貴斗は嬉しそうに「ごめん、ごめん」と謝りながら、
「同級生だよ、紅音ちゃんが心配するような仲じゃないから」
笑いながら話す貴斗にイラつき碧はそっぽを向きながら貴斗を置いて図書館の出入り口へと向かった。その後を追うように貴斗が上機嫌で着いてきた。
「あー、今日はもう埋まっちゃってるね」
いつもの学習室へ向かうと既に皆席に座っており空いてる場所が見当たらなかった。
「どうしようかー、他の図書館向かっても一緒だろうし...僕ん家でも良ければそこでやる?」
貴斗の提案に碧は頷き図書館を出て二人で喋りながら歩いているとどこかしら視線を感じ碧が振り向き辺りを見渡したが誰もおらず思い違いかとそのまま貴斗と共に家の方へと向かった。
☆☆☆
「ごめん、今兄貴と兄貴の友だち来てるし今日は離れの方でもいいかな?家の方の部屋だと多分兄貴たち煩くて気が散ると思うんだよね」
玄関先で碧が待っていると貴斗が申し訳なさそうに言い碧は「私はどこでもいいよ」と返事をすると二人はそのまま離れの建物へと向かうことにした。
「どーぞ」
「おじゃましまーす」
普通の一軒家と同じ位の大きさで室内は母屋ほどではないが広々とした解放感のあるリビングがあり二階に上がると四部屋の扉が見え貴斗はその中の一つの扉の鍵をポケットから出し解錠すると室内へと招き入れた。
中は母屋の部屋と違い、大きなテレビ回りには数種類のテレビゲームの本体や部屋にあったよりも多くの漫画の単行本や雑誌などが本棚や床に乱雑に置いてあった。
「離れは昔、祖父母たちが住んでたんだけど亡くなってそのまま僕たち兄弟の“遊びスペース”になったんだ」
「へぇー...(次元が違いすぎるな...)」
碧は貴斗との生活のギャップを感じつつカーディガンを脱ぎセンターテーブルの前に腰を下ろした。
「この部屋でも十分勉強はできるから...ってちょっと飲み物持ってくるから待ってて」
そのまま貴斗は部屋から出て一階に下りすぐさまオレンジジュースが入ったグラスを持って部屋へと戻って来た。
「そういえばキヨさんに後で挨拶だけしたいんだけど」
「あー、今身内に不幸があってしばらくお休みしてるんだ」
「そうなんだ、残念だけど仕方ないね」
テーブルに向き合い勉強しながら他愛もない話をしていると貴斗がふいにシャーペンを置いた。
「ちょっとさ、休憩しない?」
碧が部屋の壁掛け時計を見ると始めてから二時間程経過していたため承諾すると貴斗が碧の隣に座りじっと見つめてきた。貴斗の美顔に見つめられ居た堪れず緊張を悟られぬよう視線を宙に泳がせていると貴斗は目を細めにこやかな顔で、
「息抜きにゲームしない?」
貴斗の予想しなかった言葉に一瞬呆気に取られながらも「うん、やりたい」前のめりで碧は返事し貴斗はいそいそとテレビゲームの準備をしだした。
「これ知ってる?」
「あーこれ最新版だ、前回のは家にあるからよく弟とやってたんだけどアイツ私が一位独走してるとすぐ甲羅とか投げつけてきてほんとムカつくの」
ダウンロード版のソフトを起動し互いにキャラクターや乗り物などを決めレース画面に変わった。
「ただゲームするのもつまんないからさ、COMキャラは別としてどちらか負けた方が勝った方の言う事を利くってのはどう?その方が盛り上がらない?」
いたずらっ子が悪いことを思いついたような表情を向け貴斗は碧に投げかけた。正直碧は自信が合ったため即答で了承しゲームをスタートさせた。
「...阿部くん、うちの弟よりえげつない」
「勝負だからね、こういうのは頭脳戦も要するしただ走ってアイテム使えばいいってもんじゃないんだよね」
貴斗は得意そうに話し一方碧は頬を膨らませ不機嫌な顔付きで貴斗の話を聞いていた。
「まぁ約束は約束だから、何しようかなー」
「...お手柔らかにお願いします」
貴斗は顎に手を当て考え込むようなリアクションを取りながらも既に決まっていたのか傍に近づき碧の両方の手の甲に自分の手を乗せそのまま握りしめた。
「キスしたい」
ストレートに言う貴斗に一瞬頭がついていかず固まっていると貴斗の顔が目の前にゆっくりと近づき唇に温かい体温が伝わった。前回の部屋や公園の時は一瞬の出来事で訳がわからないままの状態だったが今はそれとは違い離れたかと思うと角度を変え再び唇が重なった。
「あ、べ...く、っん、ん...」
貴斗は碧の背中に手を回し更に互いが密着し益々激しさが増してきた。貴斗の熱い舌先が碧の咥内に侵入し碧は吃驚し咄嗟に頭を離そうとしたが後頭部を貴斗の掌で押さえられ身動きが取れないでいた。
室内はリップ音と舌を絡ませる卑猥な水音が響き碧は恥ずかしさと緊張で心音が激しく鳴り響いていた。
「...ん、はぁ、...はぁ」
貴斗の唇が離れ、碧は息を止めていたことで一気に酸素を吸い込み息切れしたような状態になっていた。涙目になりながら貴斗の顔に視線を向けると上唇を舐め恍惚な表情を浮かべ今まで見たことのない顔付きで碧を見つめていた。
「大好きだよ...もっとしてもいい?」
碧をラグの上にそっと寝かせ貴斗は碧に覆い被さり、先ほどの激しさとは違い優しく丁寧に扱うように再び唇を重ねた。貴斗の唇が一旦離れそのまま起き上がると着ていたパーカーを脱ぎ出し上半身が裸の状態になった。貴斗の指先が碧のブラウスの首元にある釦を外すのに触れると碧は慌てて制止した。
「ちょっ、ちょっとキスだけって、待っ...」
「もう無理、待てない」
釦を三つ目程外すと再び碧に覆い被さり晒された首筋から鎖骨に口付けしどんどん下へと動いていった。残りの釦を両手で外すとまだ成長段階の胸元が露わになり貴斗は無意識に唾を呑み込んだ。小刻みに震える貴斗の指先が下着越しから柔柔と触れてきた。
碧は抵抗を試みるも中学生とはいえ力の差で全くビクともせず歯が立たなかった。
「あ...」
碧は自らの初めて聞く甘く悶えるような声色が漏れ出し恥ずかしさから両手で口許を力一杯押さえつけた。
貴斗は碧の声で更に我を忘れたかのように両手で包み込むように碧の胸を揉み拉だいた。碧は心臓が飛び出てしまうんじゃないかと思うくらい音を立て更に貴斗の行動で激しさを増していく。
貴斗はブラジャーを下へとずらすと未熟な膨らみが現れ、貴斗の喉元が動くとそのまま先端部分を口の中へ含んだ。ちゅうちゅうと吸い上げたり尖端をクリクリと舌先で舐め上げ碧の意思とは関係なく身体が大きくビクついた。
「あっ...はぁ...やっ」
生まれて初めて味わう昂奮に碧は頭が真っ白になり貴斗自身も同じような表情を見せ口許に付着した自らの唾液を手の甲で拭った。無言のまま貴斗の両手がスカートの中に滑り込むように入りショーツに手を掛けた。
「これ以上はだっ、だめっ!」
貴斗の行動に碧は正気に戻り貴斗の手首を掴み首を横に振った。
「紅音ちゃん、ごめんね」
貴斗の手が止まりホッとしたのも束の間、押さえていた手首の力を緩めた瞬間一気に脚元からショーツを脱がされそのまま床に落とした。
「ごめんね、もう触りたくて止められない...ごめん、ごめんね紅音...好きだよ」
貴斗は自身のチノパンを脱ぎそのままトランクスも下した。脚元でゴソゴソとする動きに碧は恥ずかしながらも興味本位で下半身に視線を向けると貴斗は屹立した自身に避妊具を付けている最中であった。初めて見るグロテスクなモノにかなりの衝撃を受け碧は恐怖から怯み逃げ出そうとするといきなり脚を広げられ下半身が露わになってしまった。
「!!!!」
あまりの衝撃に言葉も出ず硬直していると貴斗の視線が食い入るように一点に止まった瞬間今まで感じたことのない激痛が膣口から溢れ出た。
「いっ...痛いっ!!」
「くっ...んっ、キツっ、痛いね...ふっ、ご...めん」
碧は顔が紅潮し強い痛みで涙が溢れ目尻から流れ落ちた。貴斗も余裕がないのか眉間に皺がより渋面な表情を浮かべ小刻みに息を吐きながら自らの腰をゆっくりゆっくりと碧の間に押し詰めていった。碧は我慢できず貴斗の背中に回していた腕に力が入りぎゅっと爪を立てると薄ら血が滲んでいた。
「もうちょっと...だから...はっ...で、入り...っく、力抜...いて」
「阿部...く、も...む...り、だよー...」
碧は頭を横に振り止めてくれるよう懇願したが貴斗には見えていないのか全く聞き入ってもらえず碧のナカへと更に押し進めていった。
「紅音、大丈夫......じゃないよね、僕のも紅音のナカで凄くビクビクして動いてないのにもうヤバそう」
貴斗は碧の目に溜め流れる雫を人差し指で掬い苦しげな表情とぞくっとする程の艶めかしい表情が重なり合い碧は痛みに堪えながらも思わず魅入っていた。
貴斗は碧の両手をラグに落とし開いていた指の間に自分の指を絡ませぎゅっと握り小さく息を吐いた。貴斗が腰を引き一気に前へと突き出したと同時に「あっ」貴斗が声を放ちぶるっと何度か震えたかと思えばそのまま倒れ込むように碧の上に覆い被さってきた。
「......ごめん」
消沈したまま動かない貴斗を碧は何故謝罪しこのようになっているのか分からず慰めるようにサラサラの髪を撫でた。
「早いだろうと思ってたけどまさか...」
ブツブツと呟く貴斗に未だ理解出来ず、ただ碧は脚を広げ蛙がひっくり返っているようなこの体勢から解放されたくトントンと貴斗の肩を叩いた。
「ね、ねぇ大丈夫?一回離れようか?」
碧の言葉に正気に戻ったのか慌てて起き上がり碧のナカから先程より小さくなったモノを引き抜いた。
貴斗はボックスティッシュを取り避妊具を外し事後処理を行っていた。碧は抜かれてもなお膣内に違和感を感じていると至極当然のように貴斗がティッシュで陰核から膣口辺りをそっと拭きだした。
「やっやだ!そんなとこ拭かなくていいから」
「でも...血」
貴斗が拭き取ったティッシュを碧に見せると体液と一緒に薄ら血が滲んでいた。
(もっと大量に出るものかと思ってたけどそうでもないんだな)
冷静に思っていると再び碧の局部に宛がおうとしたため慌てて阻止し暫く攻防戦が続いたが最終的には貴斗に渋々折れてもらった。
☆☆☆
互いに元着ていた服に着替え徐々に冷静さを取り戻すと恥ずかしさから互いに会話が見つからず気まずい空気が流れていた。碧はそれを打破しようと鞄から先日購入したラッピング袋を貴斗に手渡した。
「この前阿部くんにアクセ貰ったし私も何か贈りたいなと思って...気に入ってもらえるといいんだけど」
「開けていい?」
碧は照れ臭そうに頷き貴斗が袋を開け取り出すとシルバーのフープピアスが入っていた。
「開いてないのは知ってるんだけどなんかコレ見た時阿部くんに似合うなって思って、でも今は付けれないから付けれるようになったらして欲しいなーって」
「ありがとう、凄く嬉しいよ。確かに今は無理だから付けれるようになったらさせてもらう...ってそれってそれまで一緒にいてくれるってこと?」
互いに顔を見合わせ照れながら貴斗は碧の手を握り、嬉しそうに微笑むと、
「そろそろさ...“貴斗”って名前で呼んでほしいな」
「......たか...と」
呼び慣れない名前にはにかみ俯きながら小さな声で呟くと貴斗が碧の身体を優しく包み込むように抱き締めた。
「ありがと、紅音」
本来の名前とは違う名前を呼ばれ一瞬身体が強張るが悟られぬよう碧も貴斗の身体を抱き締め返した。
淡々と慣れたように話す医師に返事をし碧は皮膚科を後にした。
開けたばかりの耳にはまだ貴斗から貰ったピアスは付けられないが初めての行為に碧は高揚感に包まれていた。
(そーだ、私も何か贈りたいな)
碧は家路への進行方向を変えそのまま街の方へと向かった。
☆☆☆
「髪も少し伸びたしこれなら耳朶は隠れて見えないから大丈夫そうだな」
家に帰り部屋にある手鏡でチェックしながらなるべく見えないように髪で耳元を隠した。母親に言っても反対されるため姉に頼み職場の人の知り合いの皮膚科を紹介してもらった。
(早く付けたいな)
ジュエリーボックスにしまってあるピアスと先程購入したラッピング袋を眺めながら目を細めた。
――――――――――
秋も深まり日中でも寒さが少しずつ近づき、碧は薄手の白のブラウスの上にベージュのニットカーディガンを羽織り膝丈程のスカートを穿いて待ち合わせ場所へと向かっていた。
「阿部くんおま...」
毎週土曜日はお互い用事がなければ会う約束をしているため碧が図書館に着くと貴斗が先に到着していたがその周りに二人の女子が親しげに話し込んでいた。
貴斗の知り合いと思われる女子たちは一人はショートの活発そうな女の子、もう一人は如何にもどこかの令嬢の雰囲気を放ち貴斗と並ぶと“美男美女”と言っても過言ではないくらい似合う女の子。
「貴斗くん、最近よくこの図書館にいるって聞いて来てみたら会えちゃった。誰かと待ち合わせ?」
「うん、彼女」
「えっ」
同時に二人の女子の声が重なり言葉に詰まっていた。特に令嬢の方は顔色が少し色味がなくなっているようにも見えた。
「阿部くん、彼女って琴花のことは...」
ショートの女子はイラついたような口調で貴斗に詰め寄ると隣の女子はそれを制するように袖を掴んだ。
「琴花...」
「同じ学校の子?」
「違うよ、夏休みにここで会ってそっから」
「そうなんだー...」
にこやかな表情で話す琴花に碧は朋絵の顔が重なって見えた。
(あの子、阿部くんのことが...)
出るに出れず死角になる少し離れた壁に隠れていたため会話があまり聞こえず三人の様子を窺っていると二人の女子は貴斗から離れて行った。碧は二人が見えなくなったのを確認しそろそろと貴斗の元へと近付いた。
「紅音ちゃん、おはよ」
「おはよ...さっき女の子と喋ってたけど友だち?」
先ほどとはどことなく違う機嫌の良い笑顔を向ける貴斗に対しモヤモヤを悟られないよう愛想笑いで話す碧に貴斗は口角を上げながら碧の耳元に唇を近づけた。
「ヤキモチ?」
碧は思わず貴斗から後ずさり囁かれた耳を押さえながら真っ赤な顔になりそれを見た貴斗は嬉しそうに「ごめん、ごめん」と謝りながら、
「同級生だよ、紅音ちゃんが心配するような仲じゃないから」
笑いながら話す貴斗にイラつき碧はそっぽを向きながら貴斗を置いて図書館の出入り口へと向かった。その後を追うように貴斗が上機嫌で着いてきた。
「あー、今日はもう埋まっちゃってるね」
いつもの学習室へ向かうと既に皆席に座っており空いてる場所が見当たらなかった。
「どうしようかー、他の図書館向かっても一緒だろうし...僕ん家でも良ければそこでやる?」
貴斗の提案に碧は頷き図書館を出て二人で喋りながら歩いているとどこかしら視線を感じ碧が振り向き辺りを見渡したが誰もおらず思い違いかとそのまま貴斗と共に家の方へと向かった。
☆☆☆
「ごめん、今兄貴と兄貴の友だち来てるし今日は離れの方でもいいかな?家の方の部屋だと多分兄貴たち煩くて気が散ると思うんだよね」
玄関先で碧が待っていると貴斗が申し訳なさそうに言い碧は「私はどこでもいいよ」と返事をすると二人はそのまま離れの建物へと向かうことにした。
「どーぞ」
「おじゃましまーす」
普通の一軒家と同じ位の大きさで室内は母屋ほどではないが広々とした解放感のあるリビングがあり二階に上がると四部屋の扉が見え貴斗はその中の一つの扉の鍵をポケットから出し解錠すると室内へと招き入れた。
中は母屋の部屋と違い、大きなテレビ回りには数種類のテレビゲームの本体や部屋にあったよりも多くの漫画の単行本や雑誌などが本棚や床に乱雑に置いてあった。
「離れは昔、祖父母たちが住んでたんだけど亡くなってそのまま僕たち兄弟の“遊びスペース”になったんだ」
「へぇー...(次元が違いすぎるな...)」
碧は貴斗との生活のギャップを感じつつカーディガンを脱ぎセンターテーブルの前に腰を下ろした。
「この部屋でも十分勉強はできるから...ってちょっと飲み物持ってくるから待ってて」
そのまま貴斗は部屋から出て一階に下りすぐさまオレンジジュースが入ったグラスを持って部屋へと戻って来た。
「そういえばキヨさんに後で挨拶だけしたいんだけど」
「あー、今身内に不幸があってしばらくお休みしてるんだ」
「そうなんだ、残念だけど仕方ないね」
テーブルに向き合い勉強しながら他愛もない話をしていると貴斗がふいにシャーペンを置いた。
「ちょっとさ、休憩しない?」
碧が部屋の壁掛け時計を見ると始めてから二時間程経過していたため承諾すると貴斗が碧の隣に座りじっと見つめてきた。貴斗の美顔に見つめられ居た堪れず緊張を悟られぬよう視線を宙に泳がせていると貴斗は目を細めにこやかな顔で、
「息抜きにゲームしない?」
貴斗の予想しなかった言葉に一瞬呆気に取られながらも「うん、やりたい」前のめりで碧は返事し貴斗はいそいそとテレビゲームの準備をしだした。
「これ知ってる?」
「あーこれ最新版だ、前回のは家にあるからよく弟とやってたんだけどアイツ私が一位独走してるとすぐ甲羅とか投げつけてきてほんとムカつくの」
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「ただゲームするのもつまんないからさ、COMキャラは別としてどちらか負けた方が勝った方の言う事を利くってのはどう?その方が盛り上がらない?」
いたずらっ子が悪いことを思いついたような表情を向け貴斗は碧に投げかけた。正直碧は自信が合ったため即答で了承しゲームをスタートさせた。
「...阿部くん、うちの弟よりえげつない」
「勝負だからね、こういうのは頭脳戦も要するしただ走ってアイテム使えばいいってもんじゃないんだよね」
貴斗は得意そうに話し一方碧は頬を膨らませ不機嫌な顔付きで貴斗の話を聞いていた。
「まぁ約束は約束だから、何しようかなー」
「...お手柔らかにお願いします」
貴斗は顎に手を当て考え込むようなリアクションを取りながらも既に決まっていたのか傍に近づき碧の両方の手の甲に自分の手を乗せそのまま握りしめた。
「キスしたい」
ストレートに言う貴斗に一瞬頭がついていかず固まっていると貴斗の顔が目の前にゆっくりと近づき唇に温かい体温が伝わった。前回の部屋や公園の時は一瞬の出来事で訳がわからないままの状態だったが今はそれとは違い離れたかと思うと角度を変え再び唇が重なった。
「あ、べ...く、っん、ん...」
貴斗は碧の背中に手を回し更に互いが密着し益々激しさが増してきた。貴斗の熱い舌先が碧の咥内に侵入し碧は吃驚し咄嗟に頭を離そうとしたが後頭部を貴斗の掌で押さえられ身動きが取れないでいた。
室内はリップ音と舌を絡ませる卑猥な水音が響き碧は恥ずかしさと緊張で心音が激しく鳴り響いていた。
「...ん、はぁ、...はぁ」
貴斗の唇が離れ、碧は息を止めていたことで一気に酸素を吸い込み息切れしたような状態になっていた。涙目になりながら貴斗の顔に視線を向けると上唇を舐め恍惚な表情を浮かべ今まで見たことのない顔付きで碧を見つめていた。
「大好きだよ...もっとしてもいい?」
碧をラグの上にそっと寝かせ貴斗は碧に覆い被さり、先ほどの激しさとは違い優しく丁寧に扱うように再び唇を重ねた。貴斗の唇が一旦離れそのまま起き上がると着ていたパーカーを脱ぎ出し上半身が裸の状態になった。貴斗の指先が碧のブラウスの首元にある釦を外すのに触れると碧は慌てて制止した。
「ちょっ、ちょっとキスだけって、待っ...」
「もう無理、待てない」
釦を三つ目程外すと再び碧に覆い被さり晒された首筋から鎖骨に口付けしどんどん下へと動いていった。残りの釦を両手で外すとまだ成長段階の胸元が露わになり貴斗は無意識に唾を呑み込んだ。小刻みに震える貴斗の指先が下着越しから柔柔と触れてきた。
碧は抵抗を試みるも中学生とはいえ力の差で全くビクともせず歯が立たなかった。
「あ...」
碧は自らの初めて聞く甘く悶えるような声色が漏れ出し恥ずかしさから両手で口許を力一杯押さえつけた。
貴斗は碧の声で更に我を忘れたかのように両手で包み込むように碧の胸を揉み拉だいた。碧は心臓が飛び出てしまうんじゃないかと思うくらい音を立て更に貴斗の行動で激しさを増していく。
貴斗はブラジャーを下へとずらすと未熟な膨らみが現れ、貴斗の喉元が動くとそのまま先端部分を口の中へ含んだ。ちゅうちゅうと吸い上げたり尖端をクリクリと舌先で舐め上げ碧の意思とは関係なく身体が大きくビクついた。
「あっ...はぁ...やっ」
生まれて初めて味わう昂奮に碧は頭が真っ白になり貴斗自身も同じような表情を見せ口許に付着した自らの唾液を手の甲で拭った。無言のまま貴斗の両手がスカートの中に滑り込むように入りショーツに手を掛けた。
「これ以上はだっ、だめっ!」
貴斗の行動に碧は正気に戻り貴斗の手首を掴み首を横に振った。
「紅音ちゃん、ごめんね」
貴斗の手が止まりホッとしたのも束の間、押さえていた手首の力を緩めた瞬間一気に脚元からショーツを脱がされそのまま床に落とした。
「ごめんね、もう触りたくて止められない...ごめん、ごめんね紅音...好きだよ」
貴斗は自身のチノパンを脱ぎそのままトランクスも下した。脚元でゴソゴソとする動きに碧は恥ずかしながらも興味本位で下半身に視線を向けると貴斗は屹立した自身に避妊具を付けている最中であった。初めて見るグロテスクなモノにかなりの衝撃を受け碧は恐怖から怯み逃げ出そうとするといきなり脚を広げられ下半身が露わになってしまった。
「!!!!」
あまりの衝撃に言葉も出ず硬直していると貴斗の視線が食い入るように一点に止まった瞬間今まで感じたことのない激痛が膣口から溢れ出た。
「いっ...痛いっ!!」
「くっ...んっ、キツっ、痛いね...ふっ、ご...めん」
碧は顔が紅潮し強い痛みで涙が溢れ目尻から流れ落ちた。貴斗も余裕がないのか眉間に皺がより渋面な表情を浮かべ小刻みに息を吐きながら自らの腰をゆっくりゆっくりと碧の間に押し詰めていった。碧は我慢できず貴斗の背中に回していた腕に力が入りぎゅっと爪を立てると薄ら血が滲んでいた。
「もうちょっと...だから...はっ...で、入り...っく、力抜...いて」
「阿部...く、も...む...り、だよー...」
碧は頭を横に振り止めてくれるよう懇願したが貴斗には見えていないのか全く聞き入ってもらえず碧のナカへと更に押し進めていった。
「紅音、大丈夫......じゃないよね、僕のも紅音のナカで凄くビクビクして動いてないのにもうヤバそう」
貴斗は碧の目に溜め流れる雫を人差し指で掬い苦しげな表情とぞくっとする程の艶めかしい表情が重なり合い碧は痛みに堪えながらも思わず魅入っていた。
貴斗は碧の両手をラグに落とし開いていた指の間に自分の指を絡ませぎゅっと握り小さく息を吐いた。貴斗が腰を引き一気に前へと突き出したと同時に「あっ」貴斗が声を放ちぶるっと何度か震えたかと思えばそのまま倒れ込むように碧の上に覆い被さってきた。
「......ごめん」
消沈したまま動かない貴斗を碧は何故謝罪しこのようになっているのか分からず慰めるようにサラサラの髪を撫でた。
「早いだろうと思ってたけどまさか...」
ブツブツと呟く貴斗に未だ理解出来ず、ただ碧は脚を広げ蛙がひっくり返っているようなこの体勢から解放されたくトントンと貴斗の肩を叩いた。
「ね、ねぇ大丈夫?一回離れようか?」
碧の言葉に正気に戻ったのか慌てて起き上がり碧のナカから先程より小さくなったモノを引き抜いた。
貴斗はボックスティッシュを取り避妊具を外し事後処理を行っていた。碧は抜かれてもなお膣内に違和感を感じていると至極当然のように貴斗がティッシュで陰核から膣口辺りをそっと拭きだした。
「やっやだ!そんなとこ拭かなくていいから」
「でも...血」
貴斗が拭き取ったティッシュを碧に見せると体液と一緒に薄ら血が滲んでいた。
(もっと大量に出るものかと思ってたけどそうでもないんだな)
冷静に思っていると再び碧の局部に宛がおうとしたため慌てて阻止し暫く攻防戦が続いたが最終的には貴斗に渋々折れてもらった。
☆☆☆
互いに元着ていた服に着替え徐々に冷静さを取り戻すと恥ずかしさから互いに会話が見つからず気まずい空気が流れていた。碧はそれを打破しようと鞄から先日購入したラッピング袋を貴斗に手渡した。
「この前阿部くんにアクセ貰ったし私も何か贈りたいなと思って...気に入ってもらえるといいんだけど」
「開けていい?」
碧は照れ臭そうに頷き貴斗が袋を開け取り出すとシルバーのフープピアスが入っていた。
「開いてないのは知ってるんだけどなんかコレ見た時阿部くんに似合うなって思って、でも今は付けれないから付けれるようになったらして欲しいなーって」
「ありがとう、凄く嬉しいよ。確かに今は無理だから付けれるようになったらさせてもらう...ってそれってそれまで一緒にいてくれるってこと?」
互いに顔を見合わせ照れながら貴斗は碧の手を握り、嬉しそうに微笑むと、
「そろそろさ...“貴斗”って名前で呼んでほしいな」
「......たか...と」
呼び慣れない名前にはにかみ俯きながら小さな声で呟くと貴斗が碧の身体を優しく包み込むように抱き締めた。
「ありがと、紅音」
本来の名前とは違う名前を呼ばれ一瞬身体が強張るが悟られぬよう碧も貴斗の身体を抱き締め返した。
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