今日でお別れします

なかな悠桃

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「んっ...あァ、んふ...ん」

貴斗に両胸を揉まれながら片方を吸い上げられるたび、身体が跳ね日常で発しない声色が漏れ出す。

「かわいい...ほんと...頭おかしくなりそう」

「何言っ、んっ」

貴斗の唇は肋骨周辺、上腹部、横腹、臍周辺と移動しながら口づけを落とし、時折小さな痛みを置いてゆく。そのたび擽ったさと恥ずかしさから心臓の高鳴りが大きくなっていく。熱くなった皮膚に貴斗の唾液が外気に晒され冷やりと冷たさを感じるも身体中熱を孕んでいたせいか寒さは感じられなかった。貴斗はくびれに沿って優しく指先を滑らせショーツの生地に辿り着く。その手がサイド生地に触れ掴んた刹那、その手を拒むように碧の手が貴斗の手に覆い被さり動きを止めた。

「や、やっぱり...」

碧が頬を紅潮させ目を潤ませながら懇願するも今の貴斗にはそれすらも欲情の対象になってしまっていた。

「俺に見られるのは嫌?それとも俺が怖い?前に碧に酷いことしたから...」

以前、貴斗が暴走し碧に同意なく無理矢理しようとしたことを思い出したのか落ち込んだような表情で今にも消えそうな声量で呟く。

「そ、そういうわけじゃない。ただ、緊張が...」

「大丈夫。俺だって緊張してるのさっき知ったでしょ?碧だって、俺に触られたそうにしてる」

「っん、あっ、だ...あァ」

クロッチ部分をなぞるように指先が行き来し敏感な部分を掠めていく。その時、ふと貴斗が含み笑いをし困ったような笑みを碧に向け小さく息を吐いた。

「この前といい俺、ほんと何も成長してねーなって思ったら笑けてきて。初めての時も歯止めが利かなくて“だめ”って言ってる碧の下着脱がしたなって。まっ、そんだけ碧を前にしたら俺に理性なんてものはとっくに崩壊してるってことなんだよね...だし、俺の全部見せるから碧の全部も見せて」

「じゃ、じゃあせめて部屋暗くしてくださいっ!」

「ふっ、何で敬語?...んー、ほんとは見たかったけど拒否られるよりはましだから、わかったよ」

残念そうに笑いながら貴斗はベッドから降り部屋の扉を閉めルームライトを消した。サイドテーブルにあったリモコンを押すと窓上から自動でブラインドがゆっくりと下り、部屋がだんだん薄暗く徐々に視界が暗闇へと染まっていった。

貴斗は穿いていたスキニーパンツを脱ぎ捨てボクサーパンツだけの状態になり再び碧が横たわるベッドへと戻り跨るように座った。

「お気に召しましたか?碧お嬢様。残念ながらこれでは暗くてはっきりと拝見できませんよ」

暗がりで見えないが、きっと見下ろし意地悪な笑みを向けているのは想像でき、しかもわざとらしい敬語に少しムッとしながらも貴斗の優しさに嬉しくなった。そう感じた刹那、碧が気を抜いている瞬間に貴斗の両手がショーツの両サイドを掴み一気に引き下りしてきた。

「やっ?!なっ、いきなり酷いっ!!」

脱がされたショーツは一気に脚元から引き抜きベッドの端に落とした。恥ずかしさから碧は脚を隙間なく閉じ咄嗟に横を向くと丸まるように身を縮こませた。

「だって、こうでもしないと絶対脱いでくれなさそうだしー」

「わ、私だって気持ちの整理ってものが...」

貴斗は横向きに小さくなっている碧の背後に寝転がると彼女を後ろから抱き締め身体を密着させた。項に唇を当てキスをし痕を残していく。唇は徐々に滑り降り肩甲骨周辺を唇で食み舌を這わせ舐め上げると碧の身体はまたも体温が上昇し小さな身震いを起こしていた。

「ねえ、こっち向いて。碧の表情かお見たい」

掠れた声色で耳元に語りかけられると心臓がドクン!と大きく跳ね上がった。碧はもぞもぞとした動きで身体を反対に向けるとすぐさま唇を塞がれた。

自然と互いの口が開き舌が絡み合い粘着性のある淫音と混ざり合う。絡み合うたび激しさが増しぴちゃ、ぴちゃと水音が鳴る度、口端から唾液が漏れ流れ落ちた。暗闇に少しずつ目が慣れてきたのか貴斗の表情が薄ら見えると煽情的な表情で碧を見つめ視線が交じり逸らすことが出来なかった。

「碧のそんな蕩けそうな顔見てたらすぐにでも挿れたくなっちゃうな。...脚、少し力抜いて膝曲げて」

仰向けになった碧は、恥じらいながらも強ばったように閉じた脚の力を抜き言われた通り両膝を曲げた。下肢を開いたことで外気が触れ一瞬身震いした。貴斗は下肢に割って入り込み両膝に手をやるとゆっくり脚の間を更に大きく開けていく。

暗い視界とはいえ、他人に見られることへの羞恥心から目をギュッと瞑り下唇を噛んだ。

「痛かったら我慢しないで言ってね」

落ち着いた口調の貴斗に小さく返事をすると刹那、貴斗は自身の中指を口の中へ含み唾液をたっぷり絡ませると碧の割れ目へなぞるように指先で触れてきた。

「ふっ...んっ、あっ」

身体が自分の意思と反しビクビクとした快感が脳天にまで駆け上り脚の指を無意識に力一杯折り曲げた。
彼の指で剥きだされた小さな突起をクニクニと優しく捏ねるように触れられるたびに碧の身体は仰け反り喘ぎ声を上げ啼いた。

「舐めていい?」

「......はっ?!無理っ!絶対ダメ!!そんなことしたらシないからっ!」

碧は一瞬何の事か理解出来なかったが、瞑った目をゆっくり開け気がつくと貴斗の頭は碧の下半身にあり彼の息が秘部に仄かにかかる程近くに移動していた。

「えー.....んーー、我慢する...今日は」

唇を前に突き出し不貞腐れたような口調で寝そべっていた身体を起こし再び座ると左親指で突起を捏ね、右中指は割れ目に沿ってなぞり濡れ光る膣口に絡め取るように蜜を指に絡ませた。膣口浅く指が蠢きくちゅくちゅと卑猥な水音を響かせる。

「ンっ!ッあ、ふっ、はっ...んぅ」

ゆっくり抽挿する指の動きに鋭敏になった下腹部からビクビクと痙攣が起き涕が溢れる。中と外を同時に弄られ過呼吸になるくらいの荒い息遣いに苦しくなるも言葉が出せず、碧は只管喘ぐことしか出来なかった。

「痛い思いさせたくないから膣内なかもしっかり解さなきゃ。あの時俺、余裕なくて自分のことばっかだったし。でもしんどくなったら言ってね」

膣内に挿入はいった中指は膣壁に沿って蠢き根元まで深く埋め込むと関節を弓なりにし肉壁を擦るように責め立てる。言葉では優しく気遣う素振りを見せるも貴斗の指はそれに反し碧の体内を激しく翻弄した。下腹部、下肢に力が入り快感を逃そうと皺が寄るほど碧はシーツを掴んだ。

「ひゃっん!...っんあ、た、...か、あッ」

此方に問うことなく増やされた指のせいで膣内への圧迫感が増し、碧は快楽の刺激とおかしくなりそうな苦しさから頭を左右に振り乱し無意識に腰を浮かせ小さな痙攣に襲われる。愉悦に襲われるたび膣内を蹂躙する貴斗の指を外へ逃げないよう締め付ける。

膣内なかで指めちゃくちゃ締め付けて離してくんないんだけど。碧の気持ちよさそうな顔見てたら俺もそろそろ限界...いいかな?」

「はぁ、んっ...う、ん...いいよ。ッん、...貴斗も気持ちよ...っ、くなって、欲しい」

碧は意識を手放す寸前で動きが止まり、返事をするも声が掠れ上手く喋れない碧に貴斗の口元は弧を描いた。碧は体内から彼の指が引き抜かれると名残惜しさでヒクつかせる。腟内は圧迫からの解放感と同時に疼きが湧き上がり下腹部がきゅんと収縮した。碧は、自分でも理解出来るほど腟口から溢れ出る体液が臀部に流れる感覚が恥ずかしく顔を歪ませた。

「ちょっと待ってて」

貴斗は一旦ベッドから降り部屋を出て行くとすぐさま部屋に戻って来た。すっかり暗闇に目が慣れたせいで彼の裸体も一部分大きく勃ち上がった生地のボクサーパンツもハッキリとわかり碧は思わず視線を逸らした。

貴斗は口に小さな正方形の袋を咥えたまま下着をずり下げると勢いよく中から屹立した男性器がぶるんと飛び出し下腹部に付くほどの太い凶器が現れた。貴斗は歯で袋を喰いちぎると中から巻き上げられた半透明のゴムを取り出し自身にスルスルと装着していく。

再びベッドに戻るとスプリングが軋み音を鳴らしその音と一緒に貴斗が碧の身体に覆い被さった。

「やっと碧と一つになれるのかと思うとマジで心臓爆発するかもしんないな。...碧が目の前から消えてから忘れることなんて出来なくてずっと探して、でも手掛かりなくて...。高校で姿は見えなかったけど碧の気配は感じてたからそれだけが頼りだった。またこうやって触れられるのが本当に嬉しくて...」

何度も同じ内容を繰り返し語る貴斗に苦笑いをし彼を見上げた。その時、見下ろしている貴斗から碧の頬に雫がぽたり、ぽたりと数滴流れ落ちてきた。

(泣いて...るの?)

碧は貴斗の頬にそっと手を添え、涙の筋を拭った。

「貴斗さっきからそればっかり言ってるよ」

「だって、ちゃんと両想いになってやっと碧と...って思うと何かこう込み上げるっつーか。はあ...もうこういう会話ですらはち切れそうになるし心臓がヤバい。...碧。真面目な話、今から“めて”って言っても聞いてあげれないかもしれない。途中で中断するほど今の俺には余裕がない。それでも、俺を受け入れてくれる?...もしやっぱり嫌って思うなら」

碧の胸元に顔を埋め切なげな貴斗の声色が心臓に響いてくるような錯覚を覚える。碧は貴斗の髪を撫で小さく「うん」と声を出し頷くと貴斗は熱を孕んだ眼差しを向けた。碧と視線が合うと蕩けるような笑顔を浮かべ碧の両頬に手を添えると柔らかな唇を塞いだ。
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