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碧は夢を見ていた。それは15歳の初めて貴斗に出逢った時の映像が脳内に流れていた。何度か会ううちに彼のあどけなさの中にある憂いの表情が何とも婀娜やかで・・・。一度は切れたと思われていた糸が再び絡まり縺れ、解け・・・紆余曲折しながら一本の線になった碧の小指に巻かれた糸を見つめていた。
“もうずっと離さないから・・・何があってもどんなことが起きても”
碧と同じ糸を巻き付けた貴斗はそれに口づけし碧に触れた。夢の中にいるはずなのに、耳に息がかかり擽ったさと頬を撫でる感触に夢から現実に引き戻された。碧は、ゆっくり目蓋を開けると視界一杯に端正な顔立ちが目の中に飛び込み、夢現だった脳が一気に目覚めた。
「おはよ、っていっても朝じゃないけどね」
「・・・私、いつの間にか寝ちゃってたんだ」
「うん、でも時間的にはそんなに経ってないよ」
先程まで暗闇に包まれてた部屋はブラインドの羽が少し開いているため、その隙間から外の光が差し込んでいた。
「身体、大丈夫?どっか痛い?」
「んー、大丈夫だけどまだなんか違和感はあるかな」
「・・・そっか」
貴斗に腕枕をされているためかなりの近距離からダイレクトに掠れ情欲的な声色が耳元に響いた。暗闇の中に垣間見た行為の表情を想い出し咄嗟に離れようと身を捩る刹那、抱き締められクルリと半回転し貴斗の身体の上へと乗せられてしまった。
「ねえ、たまには碧からキスしてよ」
「え?やっ、む、無理だよ」
普段は見上げることが多い碧が、今は反対に見下ろす形態になり心臓が跳ね上がる。ただでさえ、貴斗の情欲的な表情に中てられ鼓動の激しさでパンク寸前なのにこれ以上は・・・という思いでパニックの碧は頭を必死に左右横へと振った。
「早くーーねえ・・・シてよ」
何度かの押し問答の末、諦める様子のない貴斗に碧が半ば折れる形で恥ずかしい気持ちを押し殺し彼の頬にキスをした。
「・・・却下。こんなの認めません。俺が言ってるのはこういうのっ!」
「あ、ちょっと待っ、っんん♡」
貴斗は碧の後頭部に手を添えると自分の引き寄せ唇を塞いだ。開いた口からぬるりと熱い舌を捻じ込み碧の舌を絡めとる。
「ん、ふっ・・・んっ」
弄ぶように碧の舌を吸い上げ咥内を余すことなく舐め上げられるたび、ぞくりと小さく身体が身震いした。激しさから互いの唾液が交じり合い、貴斗の口端から糸状の唾液が零れ落ちた。苦しさから碧がゆっくり唇を離すと互いの口から繋がった細い銀糸が伸びぷつりと途切れた。
「碧、俺・・・やっぱもう一回シたい。駄目?」
「はっ?やだ、む、理・・・はンっ♡」
上になっていたはずの碧を今度はぐるりとベッドのシーツに縫い付けるように組み敷き、あっという間に貴斗を見上げる状態にさせられ再び唇を塞がれた。貴斗は腰を小さく動かすと硬く勃ち上がったモノが碧の内腿に擦れその度に先端からぬるりとした液が塗りつけられた。
「はあー、俺・・・」
くちゅん、ぷちゅ・・・口元から水音が響く中、切なげな表情を向ける貴斗は大きな手で膨らみを揉みしだき先端を人さし指で弾いた。
「ひゃっン!」
その瞬間、全身に電流が走ったかのように碧の身体は意志とは関係なく背を逸らした。散々嬲られた先端は赤く腫れ貴斗の生温かい咥内に含まれると下腹部がぎゅっと締め付けられた。舌先で弄られ強く吸い上げられたび勝手に身体が跳ね上がり身悶えた。
同時に貴斗の手は身体のラインに沿って下へ下へと柔柔触れていき、柔毛を撫でるよう掻き分けるとぷっくりと膨らんだ小さな突起を指の腹で優しく捏ねた。
「んアっ、はっン♡・・・っ、や、ら・・・そ、こ・・・ふっ♡ら、・・・めぇ」
先端を吸われながら小さな突起を捏ね繰り回され、そのたび勝手に身体がビクビクと跳ね上がった。指は滴るように溢れる蜜を絡めとると粘着水を纏わせ塗り込めるようクリクリと捏ねた。
「凄い、いっぱい溢れてきた。今日は二回目諦める代わりに外でイカせてあげる♡」
意地悪そうな笑みを浮かべると硬く尖った先端を一舐めし強く吸い上げ咥内で転がすように舐め回しながら更に敏感になった陰核を執拗に嬲った。
「あっ、・・・もう、やぁ・・・許し・・・て、はあっ♡、あァっ、」
碧は苦しく甘い快感から自然と涕が溢れ懇願するも貴斗は聞く耳を持たず敏感な部分を攻め立てた。何かが身体の奥底から込み上げていき先ほどの行為とは違い、じわじわと昇り詰めるよう鋭敏度に襲われた。碧は両手でシーツを強く掴み上げ得体の知れないモノを逃そうとするも貴斗の口と指は逃してはくれず、碧は啼きながら身を捩った。
「はっ、あァ♡、やっ・・・んくっ♡あッ、あッ、イっ」
下肢から鋭い絶頂に襲われその瞬間、身体が大きく反れるように跳ね上がった。攣りそうになるほど両脚が伸び全体に力が入る。視界はまるで目の前で火花が弾け飛び、頭の中が真っ白になり先ほどとは違う脱力感に覆われ全身の力が一気に抜けた。
「はあ、はあ・・・やだ、って、言っ、た・・・のに。・・・サイテー、貴斗のバカ」
碧は、息を切らしながら全身が汗ばみ紅潮する頬を隠すように顔全体を両手で隠し悪態をついた。そんな様子を貴斗は困ったような笑みを浮かべ彼女の手に自身も手を重ねた。
☆☆☆
「碧ーっ・・・碧ちゃーん、・・・碧さーん?」
互いにシャワーを浴び終え、先に上がった貴斗はソファに座り碧に声を掛けるも全く反応がなかった。着替え髪を乾かし終わった碧は、唇を前へ突き出し仏頂面な表情で貴斗を睨みつけた。
「ほんとは揶揄う程度で抑えようとしてたんだよ。でも、スイッチ入っちゃったっていうか」
貴斗は「機嫌直してよ♡はい、あーんして♡」そう言うとハイティースタンドに乗っていた一口サイズのマカロンを一つ取り碧の口の中へ入れた。
ラズベリーの甘酸っぱさとホワイトチョコレートの上品な甘さが口一杯に広がり、自分好みの味に思わず頬が弛みにんまりしてしまった。その表情に貴斗自身も嬉しく弧を描くように口元を弛めた。
「辛かったのに無理させてごめんね。碧が可愛すぎて我慢出来なかった」
碧の身体を背後から優しく包むように抱き締め、項に顔を埋めた。
「思春期真っただ中の男子高校生が好きな女の子前にして抑えるなんて無理だったんだもん」
背後からしょんぼりした声色に笑いそうになり、碧は口元を手で押さえた。
「・・・何時までに帰んなきゃいけないとかある?」
「うーん、遅くまで遊んだことないから門限とかは決まってないけど20時までには帰ろうかなと思ってる」
「そっか・・・このままずーっと一緒にいれたらいいのに」
「うん、そうだね・・・あっ!」
碧は何かを思い出したかのように声を上げ、貴斗から離れると自身の鞄からクリスマスカラーでラッピングされたプレゼントを恥ずかしそうに貴斗へ手渡した。受け取った貴斗はお礼を言い、ラッピングペーパーを開けていき箱を開けると中からクロノグラフの腕時計が入っていた。
「めちゃくちゃカッコいい!ありがとうっ!!前に使ってたやつ調子悪くてスマホの時計頼りだったから凄く嬉しい」
早速腕に着けると貴斗は自身の目線に腕時計を何度も角度を変えながら嬉しそうに眺め、気に入ってもらえるか不安だった碧は安堵した。
「俺のも受け取ってくれる?気に入ってくれると嬉しいんだけど」
そう言うと貴斗はスキニーパンツのサイドポケットから同じく小さな箱型のプレゼントを手渡された。
碧はラッピングペーパーを丁寧に外すとベロア生地に覆われたジュエリーボックスが現れ、中を開けると細身のゆるやかなウェーブデザインのペアリングがはめ込まれていた。
レディース用と思われるピンクゴールドカラーのリングには、小さなハート型のブルーダイヤが中央部分に埋め込まれキラキラと光り輝き、もう一つのブラックカラーのリングはシンプルなフォルムになっておりリングの内側に小さなピンクダイヤが埋め込まれていた。両方のリングの内側にはピンクゴールドに“takato”、ブラックに“aoi”の文字がそれぞれ刻まれていた。
「本当はこっちに嵌めたいけど今は右の薬指で我慢する」
貴斗は悪戯っ子のような笑みを浮かべ自身の左薬指を右手人差し指で強調するように身振りし、碧の右手をそっと手に取るとピンクゴールドのリングを碧の右薬指に嵌めてあげた。
「俺のも嵌めてくれる?」
はにかむ貴斗に碧は目に一杯の涙を浮かべ、なかなかリングを取り出すことが出来なかった。貴斗はブラックリングを取り出し碧の掌に置き右手を差し出した。碧は、涙で滲む視界で小さく震えながら貴斗の右手薬指にリングを通した。
「泣くなって。そんなんで本番の時どうすんだよ」
揶揄いながらも満面の笑顔を向ける貴斗に恥ずかしさを誤魔化すように碧はそっぽを向くとそれを許さないと言わんばかりに貴斗は両頬を押さえ自分の方へと向けさせると額へ口づけした。互いに視線が合うと自然と笑みが零れ抱き合った。
「貴斗、本当にありがとう」
「うん」
碧は、忘れられない素敵なクリスマスを与えられ幸せな気持ちが溢れ、貴斗の安らぐ心音の胸元に顔を埋めた。
“もうずっと離さないから・・・何があってもどんなことが起きても”
碧と同じ糸を巻き付けた貴斗はそれに口づけし碧に触れた。夢の中にいるはずなのに、耳に息がかかり擽ったさと頬を撫でる感触に夢から現実に引き戻された。碧は、ゆっくり目蓋を開けると視界一杯に端正な顔立ちが目の中に飛び込み、夢現だった脳が一気に目覚めた。
「おはよ、っていっても朝じゃないけどね」
「・・・私、いつの間にか寝ちゃってたんだ」
「うん、でも時間的にはそんなに経ってないよ」
先程まで暗闇に包まれてた部屋はブラインドの羽が少し開いているため、その隙間から外の光が差し込んでいた。
「身体、大丈夫?どっか痛い?」
「んー、大丈夫だけどまだなんか違和感はあるかな」
「・・・そっか」
貴斗に腕枕をされているためかなりの近距離からダイレクトに掠れ情欲的な声色が耳元に響いた。暗闇の中に垣間見た行為の表情を想い出し咄嗟に離れようと身を捩る刹那、抱き締められクルリと半回転し貴斗の身体の上へと乗せられてしまった。
「ねえ、たまには碧からキスしてよ」
「え?やっ、む、無理だよ」
普段は見上げることが多い碧が、今は反対に見下ろす形態になり心臓が跳ね上がる。ただでさえ、貴斗の情欲的な表情に中てられ鼓動の激しさでパンク寸前なのにこれ以上は・・・という思いでパニックの碧は頭を必死に左右横へと振った。
「早くーーねえ・・・シてよ」
何度かの押し問答の末、諦める様子のない貴斗に碧が半ば折れる形で恥ずかしい気持ちを押し殺し彼の頬にキスをした。
「・・・却下。こんなの認めません。俺が言ってるのはこういうのっ!」
「あ、ちょっと待っ、っんん♡」
貴斗は碧の後頭部に手を添えると自分の引き寄せ唇を塞いだ。開いた口からぬるりと熱い舌を捻じ込み碧の舌を絡めとる。
「ん、ふっ・・・んっ」
弄ぶように碧の舌を吸い上げ咥内を余すことなく舐め上げられるたび、ぞくりと小さく身体が身震いした。激しさから互いの唾液が交じり合い、貴斗の口端から糸状の唾液が零れ落ちた。苦しさから碧がゆっくり唇を離すと互いの口から繋がった細い銀糸が伸びぷつりと途切れた。
「碧、俺・・・やっぱもう一回シたい。駄目?」
「はっ?やだ、む、理・・・はンっ♡」
上になっていたはずの碧を今度はぐるりとベッドのシーツに縫い付けるように組み敷き、あっという間に貴斗を見上げる状態にさせられ再び唇を塞がれた。貴斗は腰を小さく動かすと硬く勃ち上がったモノが碧の内腿に擦れその度に先端からぬるりとした液が塗りつけられた。
「はあー、俺・・・」
くちゅん、ぷちゅ・・・口元から水音が響く中、切なげな表情を向ける貴斗は大きな手で膨らみを揉みしだき先端を人さし指で弾いた。
「ひゃっン!」
その瞬間、全身に電流が走ったかのように碧の身体は意志とは関係なく背を逸らした。散々嬲られた先端は赤く腫れ貴斗の生温かい咥内に含まれると下腹部がぎゅっと締め付けられた。舌先で弄られ強く吸い上げられたび勝手に身体が跳ね上がり身悶えた。
同時に貴斗の手は身体のラインに沿って下へ下へと柔柔触れていき、柔毛を撫でるよう掻き分けるとぷっくりと膨らんだ小さな突起を指の腹で優しく捏ねた。
「んアっ、はっン♡・・・っ、や、ら・・・そ、こ・・・ふっ♡ら、・・・めぇ」
先端を吸われながら小さな突起を捏ね繰り回され、そのたび勝手に身体がビクビクと跳ね上がった。指は滴るように溢れる蜜を絡めとると粘着水を纏わせ塗り込めるようクリクリと捏ねた。
「凄い、いっぱい溢れてきた。今日は二回目諦める代わりに外でイカせてあげる♡」
意地悪そうな笑みを浮かべると硬く尖った先端を一舐めし強く吸い上げ咥内で転がすように舐め回しながら更に敏感になった陰核を執拗に嬲った。
「あっ、・・・もう、やぁ・・・許し・・・て、はあっ♡、あァっ、」
碧は苦しく甘い快感から自然と涕が溢れ懇願するも貴斗は聞く耳を持たず敏感な部分を攻め立てた。何かが身体の奥底から込み上げていき先ほどの行為とは違い、じわじわと昇り詰めるよう鋭敏度に襲われた。碧は両手でシーツを強く掴み上げ得体の知れないモノを逃そうとするも貴斗の口と指は逃してはくれず、碧は啼きながら身を捩った。
「はっ、あァ♡、やっ・・・んくっ♡あッ、あッ、イっ」
下肢から鋭い絶頂に襲われその瞬間、身体が大きく反れるように跳ね上がった。攣りそうになるほど両脚が伸び全体に力が入る。視界はまるで目の前で火花が弾け飛び、頭の中が真っ白になり先ほどとは違う脱力感に覆われ全身の力が一気に抜けた。
「はあ、はあ・・・やだ、って、言っ、た・・・のに。・・・サイテー、貴斗のバカ」
碧は、息を切らしながら全身が汗ばみ紅潮する頬を隠すように顔全体を両手で隠し悪態をついた。そんな様子を貴斗は困ったような笑みを浮かべ彼女の手に自身も手を重ねた。
☆☆☆
「碧ーっ・・・碧ちゃーん、・・・碧さーん?」
互いにシャワーを浴び終え、先に上がった貴斗はソファに座り碧に声を掛けるも全く反応がなかった。着替え髪を乾かし終わった碧は、唇を前へ突き出し仏頂面な表情で貴斗を睨みつけた。
「ほんとは揶揄う程度で抑えようとしてたんだよ。でも、スイッチ入っちゃったっていうか」
貴斗は「機嫌直してよ♡はい、あーんして♡」そう言うとハイティースタンドに乗っていた一口サイズのマカロンを一つ取り碧の口の中へ入れた。
ラズベリーの甘酸っぱさとホワイトチョコレートの上品な甘さが口一杯に広がり、自分好みの味に思わず頬が弛みにんまりしてしまった。その表情に貴斗自身も嬉しく弧を描くように口元を弛めた。
「辛かったのに無理させてごめんね。碧が可愛すぎて我慢出来なかった」
碧の身体を背後から優しく包むように抱き締め、項に顔を埋めた。
「思春期真っただ中の男子高校生が好きな女の子前にして抑えるなんて無理だったんだもん」
背後からしょんぼりした声色に笑いそうになり、碧は口元を手で押さえた。
「・・・何時までに帰んなきゃいけないとかある?」
「うーん、遅くまで遊んだことないから門限とかは決まってないけど20時までには帰ろうかなと思ってる」
「そっか・・・このままずーっと一緒にいれたらいいのに」
「うん、そうだね・・・あっ!」
碧は何かを思い出したかのように声を上げ、貴斗から離れると自身の鞄からクリスマスカラーでラッピングされたプレゼントを恥ずかしそうに貴斗へ手渡した。受け取った貴斗はお礼を言い、ラッピングペーパーを開けていき箱を開けると中からクロノグラフの腕時計が入っていた。
「めちゃくちゃカッコいい!ありがとうっ!!前に使ってたやつ調子悪くてスマホの時計頼りだったから凄く嬉しい」
早速腕に着けると貴斗は自身の目線に腕時計を何度も角度を変えながら嬉しそうに眺め、気に入ってもらえるか不安だった碧は安堵した。
「俺のも受け取ってくれる?気に入ってくれると嬉しいんだけど」
そう言うと貴斗はスキニーパンツのサイドポケットから同じく小さな箱型のプレゼントを手渡された。
碧はラッピングペーパーを丁寧に外すとベロア生地に覆われたジュエリーボックスが現れ、中を開けると細身のゆるやかなウェーブデザインのペアリングがはめ込まれていた。
レディース用と思われるピンクゴールドカラーのリングには、小さなハート型のブルーダイヤが中央部分に埋め込まれキラキラと光り輝き、もう一つのブラックカラーのリングはシンプルなフォルムになっておりリングの内側に小さなピンクダイヤが埋め込まれていた。両方のリングの内側にはピンクゴールドに“takato”、ブラックに“aoi”の文字がそれぞれ刻まれていた。
「本当はこっちに嵌めたいけど今は右の薬指で我慢する」
貴斗は悪戯っ子のような笑みを浮かべ自身の左薬指を右手人差し指で強調するように身振りし、碧の右手をそっと手に取るとピンクゴールドのリングを碧の右薬指に嵌めてあげた。
「俺のも嵌めてくれる?」
はにかむ貴斗に碧は目に一杯の涙を浮かべ、なかなかリングを取り出すことが出来なかった。貴斗はブラックリングを取り出し碧の掌に置き右手を差し出した。碧は、涙で滲む視界で小さく震えながら貴斗の右手薬指にリングを通した。
「泣くなって。そんなんで本番の時どうすんだよ」
揶揄いながらも満面の笑顔を向ける貴斗に恥ずかしさを誤魔化すように碧はそっぽを向くとそれを許さないと言わんばかりに貴斗は両頬を押さえ自分の方へと向けさせると額へ口づけした。互いに視線が合うと自然と笑みが零れ抱き合った。
「貴斗、本当にありがとう」
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